グリーンブックのレビュー・感想・評価
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グリーンブックかー…
後味良し!
人として敬意を払う大切さ
迷っていたのですが、話題の作品なので、鑑賞してきました。結論から言って、評判どおりなかなかよい作品でした。主演の二人が、しだいに心を開き、相手を理解し、友情を育んでいく様子が、とてもよく描かれていたと思います。
初めは、黒人の使ったグラスさえ捨てていたトニーが、仕事ではなく人としてドクを守ろうと変わっていったのは、彼のピアノの腕前や胸に押し込んでいた思いを知り、一人の人間として彼に敬意を払うようになったからでしょう。
一方、差別や偏見による苦しみ、悲しみ、痛みを我慢で飲み込んでいたドクが、それに抗い、自分の思いを声に出そうと考えるようになったのは、トニーの生き方に大きな影響を受けたからだと思います。
当時のアメリカの事情を詳しく知りませんし、グリーンブックなるものの存在も本作で初めて知りました。しかし、本作を通じて、ドクの南部ツアーは相当危険で勇気が必要なものだったことは容易に想像できました。だからこそ、ドクが心に蓋をしてきた思いを叫ぶシーン、黒人バーで楽しそうにピアノを弾くシーンがとても印象的でした。欲を言えば、そんなドクをもっと掘り下げ、彼の目を通したトニー、白人社会、黒人差別等をもっと描いてほしくも思いました。
本作を見ながら、NASAのマーキュリー計画を支えた黒人女性を描いた「ドリーム」等、いくつかの作品を思い出しました。人種差別もの、バディムービー等、既視感があり、作品としてはありきたりに映るかもしれませんが、歴史的事実を紹介するという意味では、今後もこのような作品は作られ続けていくべきだと思います。
アカデミー賞、作品賞にふさわしい作品
黒人に偏見を持つ環境で育った白人・トニーと裕福な家庭で育った黒人・シャーリー。共通点がない二人は長旅によってお互い心を通わせる。何故シャーリーは高待遇の北ではなく差別が色濃く残る南へ向かったのか。答えが分かった時、胸が熱くなりました。批判に関しては事実に沿っている以上許容範囲かと。
ガサツだけれど心優しいトニーは人間臭くて愛おしく、ラストのピアノを弾くシャーリーの『本当の笑顔』、そしてトニーの奥さんの言葉に泣きました。二人が乗ったグリーン系の車は監督が触れていた『希望』でしょうか。
とても素敵な映画でした。
2人を中心とした様々な出演者のセリフ、仕草、笑い、演出、演技の素晴...
男2人者はいつもよい
笑って、泣いて、考える超優良作品
黒人差別が厳しかった時代。黒人アーティストがアメリカ南部をツアーで回るのは本当に大変だったんだろう。当時の厳しい雰囲気がとてもよく伝わってきた。
雇う側と雇われる側、当時の一般的な関係とは逆の2人が、黒人の扱いに戸惑う(戸惑うのは現代の我々なのだが)シーンをちりばめながら、徐々に心の距離を縮めていく。こんなの感動しか待ってないだろ!と思ってたら、いい意味で予定調和の感動が待っていた。ただ、その感動は予想よりもはるかに心暖まるものだ。
それなりのトラブルや事件が起こるものの、意外と淡々と時が過ぎていく。終わり方もこれ見よがしに泣かせる感じはない。むしろニヤッとしてしまったくらい。でも、この淡々とした感じがジワジワと心に沁みいった。実話の持つ力かも。
さらには人種問題だけではなくLGBT問題も匂わせていて、いろいろと考えさせられる話だった。
今年の個人的ベストの中に確実に入る映画。
ニガーイタ公そんな時代
視野が広がりました
ドライビング・最強のふたり
祝!本年度アカデミー賞作品賞受賞!
…でなくとも見たいと思っていた。
『ヘルプ』『ドリーム』など、人種問題をユーモアとハートフルで包んだ作品が大好きだから。
当初地元の映画館では上映の予定は無かったが、アカデミー賞を受賞した事で急遽上映が決定、先日見た『ROMA ローマ』と共にこの春見れて嬉しい一本。
とにかくドストレートに、実話ベースながら王道とでも言うべきストーリーと、主演二人の好演が心地よい。
トニー・“リップ”・バレロンガ。
イタリア系の白人。
ゴミ収集、大食い競争、クラブやギャングの用心棒…稼ぎの為なら何でもやる。
妻子あり。
家族思いで陽気な大食漢だが、ガサツで時に荒々しく、口も悪い。手が出る事もしばしば…いや、しょっちゅう。
食って、飲んで、タバコを吹かして、びっくりのブヨブヨ体型ながら、ヴィゴ・モーテンセンにまた一つ、名演と代表作が。
ある日トニーに、運転手の仕事が舞い込む。
その雇い主が、ドクター・ドン・シャーリー。
ドクターと言っても、医者ではない。天才的な黒人ピアニスト。
その演奏は、ピアノとは無縁のトニーすら魅了するほど。
品行方正で、気位が高く、知性にも溢れている。
まるでお城の一室のような家は、高級装飾品や王様が座るような椅子、何処ぞの部族長が着るような服などでいっぱい。
麻薬のディーラーからカリスマ性たっぷりの天才ピアニストまで、マハーシャラ・アリは紛れもなく今随一の黒人スターだ。
吹替ナシのピアノ演奏シーンは、圧巻!
本当に人徳と魅力に溢れている。
何もかも正反対の二人。
白人と黒人。
非リッチとリッチ。
無教養と教養。
陽気と堅物。
粗野と真面目。
当然、最初は全くソリが合わない。
トニーはドンのいちいち細かい指摘が面倒臭い。
ドンはトニーのいい加減さが気に障る。
しかし次第に、お互い補っていく。
ドンはトニーに、自分とは違うものの見方、考えを教える。手紙の件はユーモラスであった。
トニーはドンに、もっと人生を楽しく生きる事を教える。ケンタッキー・フライドチキンが美味しそうであった。
ぎこちなくて、ぎくしゃくして、徐々に歩み寄って、時に衝突して、喧嘩して、やがて芽生え、育まれていく。
この旅の中で。
ドンのコンサート・ツアー。
ただのツアーではない。
この時代、訪れる地域が問題。
1960年代の米南部と言えば…。
言うまでもなく、ドンには差別が襲い掛かる。
チクッと刺さり、じわじわボディーブローのように効いてくるような偏見から、あからさまな差別、実際に受けた暴力まで。
苦境、苦難の連続。
この南部ツアーの3倍の契約金の北部ツアーの話もあった。
でも、それを断って、南部ツアーへ。
何故?…などと愚問。
信念と勇気。
トニーも当初は人種差別意識があった。
序盤、黒人工が使ったコップを捨てる。
その時の事を、ドンの面接時に、“もてなした”と平気でデタラメを言う。
この仕事を引き受けたのも、単に報酬が良かったから。
運転手兼用心棒ならまだしも、黒人の雑用その他諸々の召し使いみたいな真似なんてやってらんねぇ!
しかし、この目で、自ら差別に立ち向かっていく者の姿を見て…。
幾らぶっきらぼうでも、心境や意識が変わらない訳がない。
監督がピーター・ファレリーだとは驚かされる。
勿論彼らしく笑いもあるが、おバカ/お下品ではなく、ついニヤリ、クスリと顔が綻ぶ。
笑いと、人種問題と、感動のドラマを織り交ぜた新境地は、お見事!
実話ベース故、トニーもドンも実在の人物。ちょいと調べたら、トニーが役者もしていたのは驚きだが、脚本に、トニーの息子が携わっているのもこれまた驚き!
なるほど、だからか。父と深い友情で結ばれた友の話を、こんなにも温かく、優しく描けたのは。
地位や住まいは恵まれたドン。
しかし、この旅で我が身で知った現実、そして本当は孤独な胸の内…。
「黒人でも白人でも人間でもない私は何者なんだ?」…悲痛な叫び。
そんな彼に、ぶっきらぼうながらも、好アドバイスするトニー。
「あんたにしか弾けない演奏がある」
ドンがクライマックス、ある場所で弾いた“自分の”演奏は、まるで解き放たれたかのような素晴らしさ!
視野の狭かったトニーに視野を広く受け入れる事、暴力では何も解決しない事を清く正しく教えたドンだが、実は彼の方こそが、人生に於いてもっと大事なもの、欠けがえのないものを影響受けた。
人種問題や人の尊厳が本作のテーマだが、本作がこれほど多くの人から支持される理由は、身近で普遍的な人の有り様が描かれているから。
一部では白人目線の理想、お綺麗事と批判されてるようだが、
ラストのアットホームでウェルカムなメリー・クリスマス、二人の旅路~終着点まで、心満たされた。
人種差別
アメリカの根の深い問題、特に南北戦争時のアメリカは黒人を奴隷として扱っていた その後のアメリカ社会でも常に人種差別問題で暴力や暴行など頻繁に繰り返されていた、そんか時代背景の元 非凡な才能で名声を手にしていたドク、彼は感じていたんだろう 自分は何なのか?人種差別とはどういう事なのか
勇気を振り絞って回った南部の地域、そして運転手として行動を共にする 純粋で生活は楽ではなかったがそれなりに幸せな人生を送っていたイタリア人トニー
しかしこの作品はそんな問題も孕みながら 生活習慣さえ違う2人が一緒に行動していくうちにいろんなトラブルに巻き込まれ 黒人であるが故の現実に向き合い 心を通わせていく 奇跡的な真実の物語である
トニーとその家族は明るく開放的で、賑やかな家庭の日常が羨ましくも思った、家族の姿もこうあるべきで人種を超えた人間愛に心を掴まれた、泣くような映画ではなかったかも知れないが ドクをドロレスが歓迎し抱き合いながら耳元で囁いた時は涙が出てしまった。
この作品は全ての人に見てもらいたい。
マハーシャラのピアノは素晴らしい、本当に演奏してるとしか思えなかったが。
感動というよりも心温まる映画
色々と考えてしまったなあ
考え方の違い、人種差別、時代が変わっても、これは今の時代にも同性愛、学歴、貧困など似ているなあと思ってしまいました。
旅をしている間に色々と起こる問題、それを解決して乗り越えて行くうちに二人が理解していく過程が観ていてほっとなります。
全ての人がこんな風に理解し打ち解ける事はできないけど、せめてこの映画を観ている間はと思うのです。
白人にもなれない、黒人にもなれない、だからといってずっと境界線の間を漂っていく人生が対語まで続くとは思いたくない。
そして白人に生まれたからといて必ずしも裕福で幸福な人生を送っているわけではない現実。
二人が理解しあえたということだけでも、この映画を観たかいが有ると思いました。
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