グリーンブックのレビュー・感想・評価
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様式美
差別撤廃啓蒙映画と言えばそれまでだけど、それが全てでいい。
未だになくならない人種、価値観などに対する差別を、関わり合ってなくしていけるすごい人々がいるっていうだけで、それが出来きらない自分も助けられていると感じるので、本当にそれだけで映画のテーマというのはいいんだなと思った。
人と人が仲良くなる方法が示されている。
◆ストーリー
実話。ナイトクラブで用心棒をしていたトニーはクラブの改装工事の為に職にあぶれてしまう。次の仕事探しで辿り着いたのは黒人ピアニストのドン・シャーリーの運転手であった。
舞台は1962年のアメリカ。人種差別が根強いかの時代、トニー自身も黒人をよく思っていない。ホワイトハウスでも演奏経験のあるドンはトニーとは品格が別物。相性最悪の2人のアメリカ中西部を巡る8週間もの旅が始まります。
◆良かったポイント①
映画『シェフ』では親子関係の修復の模様が丁寧に描かれていましたが、この作品では交友関係が描かれていました。相性最悪の2人が旅を通して苦楽を共にして心を通わせます。
当初トニーはドンをいけすかない黒人野郎と思っていましたが、旅先で彼の見事なピアノ演奏を見てからは黒人であるドンが旅の先々で差別、不当な扱い、白人からの暴力を受けると必死に守ろうとします。ピアニストとしての彼を認めたからだと思います。
一方ドンは内心トニーを荒々しい、趣味の合わない野蛮なやつだと思っていますが、ドライバー兼マネージャー業もしてくれる彼の仕事ぶりから認め始めます。酒場で白人グループから因縁をつけられた時も、警察が不当に差別してきた時もトニーは率先してドンの前に立ちます。いつもすました表情をしている彼が時折笑顔を見せるシーンには個人的にグッと来ました。
◆良かったポイント②
話の本筋とはちょっとズレるのですが、トニーは奥さんにお願いされて旅先から手紙を書きます。ある時ドンがトニーの手紙を見てあまりの稚拙な内容から手紙の書き方を指南します。それがとてもロマンチックな文章で手紙を受け取った奥さんは顔を赤らめ涙を浮かべて喜びます。ママ友たちにダンナからの手紙を読み上げて自慢するシーンもあります。
女性は自分に向けられた好意に敏感です。女性は恋愛から結婚のステージに入ると幻想モードから現実モードに切り替わる、と言われていますが、心ではずっといつまでも一人の女として見て欲しいんですね。
◆黒人差別の一端を見た!
黒人差別と言っても実際どのようなものがあったのか知りませんでしたが、こんなに酷い物とは。酒場に行けばいきなり白人に因縁をつけられるのも当たり前だし、ドンはホワイトハウスでの演奏経験がある程のピアニストですが旅先の演奏会場ではトイレが白人とは別、楽屋は物置スペース、本来ならVIP扱いのはずなのに白人と同じ場所で食事をさせてくれません。真面目な顔をしたホテルのウェイターが「あなたはここで食事が出来ません、しきたりなのです。ご理解下さい」と丁寧に断りを入れるシーンはゾッとします。それに警察官まで差別してきます。恐ろしい。
◆全然話変わってくるんですが
旅を通じて苦楽を共にして、互いの仕事を一生懸命こなし、同じものを食べて色んなものを共有する、そしてお互いを認めて、お互い尊敬する。人と人が心を通わせる方法の1つがこの作品で示されていました。
映画の内容とは話が変わってきますが社会での女性の扱いや、これからの男性の在り方などが論じられる時に結構一方向的だと思うんですよね。子供にとって良影響なのは母親からの母性と父親からの父性の両方を受け取る事だと思っています。これからの時代は片方が強くあるべき!とかではなく、本当に必要なのは男性と女性がお互いにリスペクトする事だと思います。トニーとドンのように。
最近、ドンパチものばかり見てたのでちょっと一休み。 古いアメ車が好...
最近、ドンパチものばかり見てたのでちょっと一休み。
古いアメ車が好きなので、内容にはあまり期待してなかったけど、脚本がよかった。
イタリア系トニーのとぼけたキャラがいい。黒人音楽家シャリーもインテリ過ぎてない。
二人の会話も自己語りも、くどくなくバランスがいい。
クリスマスに家族、親戚で賑わう家に帰って、「ニガーとどうだった?」って聞く親戚に「ニガーはやめておけ」、トニーの奥さんがシャリーに「お手紙ありがとう」のシーンが最高!
近いうちに妻と見たいかな。
あ、手紙は書かないけどねw
誰にでもすすめられる良作
人種差別という重いテーマを孕んでいながら、ユーモラスで温かみのある作風でテンポもよく、観る人を選ばず誰にでもすすめたくなる作品。
60年代アメリカンポップスが楽しく、明るく美しい南部の風景映像も素晴らしい。
いい映画はこう余韻がいい。
久しぶりに手応えのあるいい映画だなあと、いい余韻を感じた時間でした。
話の長さや早さがまるで気にならない、スッと物語に入れるし心が切なさと温かさが交互にきて…とっても感情が豊かになるような感覚…!
名シーンがたくさんある。
釈放されて土砂降りの中『私は何者なんだ!』というセリフを吐くシーンは響きました。
Dignity Always Prevails. 千里の道も一歩から
黒人非差別を謳うような所謂なかつての作品とは、エピソードは似たり寄ったり。構図だけが逆。ミスデイジーのように、今までは、教養もお金もあるのが白人、差別されても忍耐があるのが黒人の構図だった。
本作は、教養もある豊かな黒人男性に、白人運転手がつかえる。日本人だと、アメリカの過去の歴史を知っているからその違和感に気付くだけで、それが快でも不快でもないが、本作のフライヤーも作中も、その写真を前面的に使っていて、アメリカの一般人からすればパッと見ただけで目を引く関係性なのだとわかる。例えば、犬が人を散歩させている写真くらいの違和感なのだろう。
でも、今作のその構図すらも、白人が作っているのならとてもシラけるが、実話に基づいていることで、入り込める。
仕事を求め何者を相手にする運転手の仕事かもわからず面談に行ったイタリア系アメリカ人のトニーが、雇い主となる黒人系のドクターシャーリーに出会う。ドクターシャーリーは実は他分野で博士号を沢山持つピアニストで、まだまだ黒人差別の残る時代にニューヨークからアメリカ南部を回る演奏旅行に出る。そのガードマンや運転手を兼ねた、トニーの仕事。
普通ならば、まっぴらごめんなのだろうが、トニー自身が白人と言えどもイタリア系で、黒人ほどではないにしても生粋の白人からは差別される対象でもあり、職業や経済的な水準も移民層にあたるから、お金のためにも不本意ながら引き受ける事になる。
黒人差別かと思いきや、白人内での差別も含まれていて、トニーがドクに理解を示せるのは同じ被差別の立場を味わっているものとして当然でもあるのだが、それでも、最初はイタリア系も黒人系には家に入る事さえ快く思わないほど。それが、お互いの境遇を理解し合い、傷の舐め合いに至り、深い友情と信頼関係を築き上げる話でもある。
正直、多様性をアピールしながらも、いまだに何かにつけて暗黙の序列を決めたがる白人は、一対一なら良くてもメジャーな価値観は本当に不愉快。今作を見て、先人達がしてした過去に落ち込むどころか、拍手して賞を授けようとするのは、作中で黒人音楽を理解するアピールのためにアーティストを呼ぶが、黒人そのものにはされたら嫌な態度でも平気で取る文化を当然とする姿勢と、現代もなんら変わらなく思える。
でも、口は悪いがハッタリと機転はきくトニーと、才能とお金はあるが性的マイノリティのハンディと寂しさを抱えたドクターシャーリーことドクの関係性は最強のふたりそのもので、見ていて面白さはある。
ドクはその時代にどこで育ったんだと不可思議に思うほど、言葉も綺麗で教養があり男性ながらお淑やか。
でもドクがそう振る舞う理由は、どこに行っても差別される黒人だからこそ、たとえ暴力に訴えても国全体が白人有利であり通らない。勝つための唯一の手段が品位で勝ることと考えているから。だから、何があっても態度を崩さないのだ。白人社会の中でも被差別地位に当たるイタリア系移民のトニーはカッとなったら手が出てしまうタイプだが、ドクがそれを諭し、マナーや文語を教え、繊細な速弾きをするドクは一見無敵。
ところが、ドクには疎遠になった兄しか家族がおらず、ドク自身はゲイ。それゆえいつもどこか孤独を顔に浮かべていて、1日にウイスキーを一本空けるほど飲んでしまう。黒人という理由で括られがちだが、奴隷のようにされる黒人達と、モーニングを着てピアノ弾きをするドクの立ち位置は差別を受けていてもまた少し社会的立ち位置が異なり、でも白人にも混ざれず、更にゲイでもあるドクには混ざれるコミュニティもないのだった。
なんでも口に出しストレートで配慮がない表現もするトニーとは真逆のドクだったが、お互いへの理解が進むうちに、「嫌だったら口に出せよ。寂しい時は自分から先に手を打て。」と言ったトニーの言葉を胸に、ツアーを終え、ニューヨークに帰宅し家でひとりぼっちになったクリスマスの夜、ドクはトニーの家のファミリーディナーに訪ねてくる。一対一では親しくなっても、公の場では疎外されるのが常識なのに、クリスマスに白人家庭を訪ねたらどうなるのか、想像に容易いからドクは一度は断った。どれだけの勇気を持って、壁を乗り越えるために訪ねてきたのか。そして、元々差別意識の薄いトニーの妻は温かく迎えるが、ドクに「素敵な手紙をありがとう」と言うところから、表面的な態度ではなく、心からドクそのものを歓迎しているとわかる。
本当だ。品位こそが唯一の方法であり、どんなに傷付いても品位しか見方を変えて貰える方法はないのだと実感する。そして、それでも貫いてきたドクがやっと、ひと家庭を変えることができた瞬間を見られて、見ていても嬉しさがこみあげると共に、それほどまで地道で長い道のりなのだと実感する。
差別に抵抗せず品位を保てど、人間なのだから毎回傷つく。それでも常に耐えて、態度を崩さない忍耐力は尊敬を超えるのだが、吐き出す場を持てていなかったドクにとって、トニーと知り合えたことは一生の財産だろう。
最初はトニーの周りも、自身たちもイタリア系でありながら、黒人をニガーニガーと呼び、汚らわしいかのように扱い、黒人が家に来たりなにかを触るのも良い顔をしないような、差別意識が当たり前に染み込んだ人達しかいなかった。
教養とは無縁だったトニーが、国内トップクラスのピアニストの音を知る機会を得て、更に価値観まで正してくれるドクと知り合えたのもまた大きな財産。クリスマスに、ドクがいない場面でも、帰宅したトニーは「ニガーはよせ」と言えている。作中、知らなかった田舎の風景の自然に癒されて「なんでも見てみるもんだな」と妻に手紙を書くトニー。その通りである。
最初こそドクに財布を取られないか警戒したりするトニーだったが、お給料のためもあるが何よりドクのために、ドクを守ってくれるトニーがドクはきっととても頼もしかっただろう。
家族持ちで家族を愛しているトニーはクリスマスに間に合うように家に帰りたい、その希望を叶えるため、豪雪の中運転を進めて眠くなったトニーの代わりに、最後にはドクが自らハンドルを握って運転し、トニーは後部座席で安心して眠る。
でも、劇中、お互いの価値観に相違はあるが、どちらも必要な場面が多数ありピンチを切り抜けていくのは見ていて楽しい。
・飲んだくれたドクをバーに迎えに行き喧嘩をふっかけられるが、ハッタリで銃を所持と思わせて事なきを得る。暴力で勝負するなと話したドクにトニーも理解をしていたが、現金を奪うために強盗されそうだった場面では拳銃のおかげで助かる。
まさか本当に拳銃所持だったとは。ハッタリで後ろのポケットに手を入れていた時は、実はポケットにあるのは黒人専用ホテルが記載されたグリーンブックだったりして笑、などと思っていたのに。
・嘘や買収を嫌うドクだが、ゲイとして警察に捕まったドクをトニーが迎えに行き、トニーが警察を話術で買収し揉み消してもらう。
・差別発言にカッときたトニーが警察を殴り、ドクもトニーも警察に収容されるが、不本意ながら普段は口聞きなど好まないドクが人脈を利用し大統領からトップダウンで警察に電話が行き、解放して貰う。
・立ち寄った土産物店で売り場から離れて地面に落ちていた緑の石、翡翠を落ちているしラッキーとトニーが盗み、ドクが断固譲らず戻しに行くが、最後にはドクがお守りがわりに翡翠を車のフロントガラスに置こうと言い出す。
・作中何度も警察沙汰になり白人が善悪まで取り仕切り黒人というだけであらぬ事でも悪いとされる場面を何度も見てきて、クリスマスに運転中もまた警察に車を止められる。トニーもドクも見ているこちらも「あぁまたか面倒な事になる」と思ったところで、「タイヤがパンクしていませんか?」と親切心とわかる。度重なる差別に憤ってきながらも、逆に白人を決めつけた自分を自覚し、思い込みは良くないと思わされる場面。
など。
産まれた時にはマイケルジャクソンがいて、60年代70年代の黒人音楽も好きで育った私は元々有色人種だし、白でも黒でも黄色でも、同じ人間同士にしか見えない。
本来ならただの、ピアニストと運転手の友情の話で、経済的な水準を信頼関係が乗り越えただけの話なのだが、人種差別という文化が背景にあるから一本の映画になり賞まで取るほど大きな話になる。それほどまでに根深い、差別の社会問題。
肌の色が違うから人間扱いしないという見方には理解に苦しむ。肌が黒いから動物とみなし、奴隷にする目的で黒人をアフリカから買ってきて、裸で鎖に繋いで船で輸送し、やりたくない仕事はなんでも押し付け、感謝どころかゴキブリかのように扱ってきた心境が未だ本当に理解できない。たとえ百歩譲って別の生き物かのように見えたとしても、顔を見れば感情があることくらいわかるだろう。嫌がることをさせて心が痛まない人達が大量にいる白人社会は理解に苦しむ。
同じ白人の中でも、ブランド青目は良し、アイルランド系イタリア系オランダ系など移民は下、ユダヤ系は嫌い、イギリスとアメリカは馬鹿にし合うなど、排他しそれも猿扱いするようなジョークを当然としていた過去の価値観は現代でもそう簡単には覆っていない。価値観が遅れていると思われないよう保身目的で、態度に出さなくなっただけ。奴隷はやめても、基本的に共和党は白人に優しいし、社会的な水準をひっくり返せている移民層が少ないことからも根深い。
理由なく長年ずっとずっと差別されてきた側も、白人からなにか指摘されると素直に受け取れず、根底に差別があるからではないかと白人を見てしまう逆差別の意識が芽生えてしまうのも仕方がないかなと思う。
トニーが俺はイタリア系だけど、全員ピザやパスタが好きだと思われてもいちいちなんとも思わないよと話す場面で、傷つき方は人によるかなと思うが、やはり揉め事でイタリア系をハーフニグロと罵られると、トニーも手が出る。
白人だって、白人だから人の気持ちがわからないんでしょと言われたら嫌なはず。
血の系統で、体格毛質や運動や音楽の才能はある程度分類できたりするが、人種に限らず誰と接する時も、「どうせ〇〇なんだから」と決めつけてはいけないし、決めつけられすぎて、「どうせ自分は〇〇だから」と理解されることを諦めてもいけない。
それを理解して、ずっと差別にも孤独にもひとりで耐えてきたドクが、終始品位のある佇まいは維持しながらも、自分から人の輪に入れていくようになる変化を、ライトゥーミーで刑事役、ハウスオブカードではフロントマンを務めていたマハーシャラアリが演じている。堂々としていてしなやかで、とても素敵。フライドチキンを初めて食べる場面でも、風呂上がりにクリームかなにかを塗る場面でも、ピアニスト役でも納得の細くすっとした綺麗な手がとても印象的。
「素敵な手紙をありがとう」と迎えるトニーの妻ドロリスに、満面の笑みで応えるラストシーンが大好きな作品。笑っていた方がさらに素敵。
想定よりも遥かにマイノリティをテーマにした映画
アメリカお国柄がにじみ出る作風で個人的にはあまり好きではない
高評価なのでそれなり以上に面白いのだろうと期待したが
叩きづらいテーマで、特に大きな失点がなければ高評価になるのだろうか
まれによくある人種差別はいけませんよ系映画、その進化系
見る前からわかってはいたが、ここまで来るとうーん、キャラクターが記号的に感じる
マイノリティと荒くれ者のツアー
黒人差別色濃い時代に
完全DQNイタリア系を品位あるアフリカ系が諌めながら旅をしていくのは面白い
ロードムービーとしては似たような風景、トラブルもほどほどで想定の範囲なのが残念
映画そのものの品質は悪くない
時系列シャッフル、複雑な場面転換などの難しい演出も特に無く
安心して見れるだろう、言ってしまえば陳腐
吹替版声優が豪華なので日本語吹替版もおすすめ
南北戦争から約100年…それでもまだ色濃く残る黒人差別
時代背景は1960年代のアメリカ。
黒人のジャズピアニスト(クラシックジャズ)であるドン•シャーリーと、南部アメリカ遠征に行くために雇ったイタリア系白人であるトニー•バレロンガの2人が、差別と向き合い友情を得る物語。
南北戦争から100年経ってもなお、南部アメリカには白人による黒人差別が色濃く残っており、演奏会のため遠征を続ける中で多くの差別を目の当たりにする。
なぜ、わざわざ差別が色濃く残る南部へ演奏に行くのか?そこにこの映画の見どころが詰まっている気がする。
また差別というのは単に有色人種であるという事のみでなく、格差も含めてみると面白い。そういう意味ではイタリア系白人のトニーもそこに含めて考える事が出来るからだ。
これを見た私が思うに、差別とは個人の心のありようを映していると思う。何故ならば、差別は人の心の中で生み出されるものであるからだ。
綺麗事ではなく差別と真正面から向き合うには個人個人の一歩踏み出す勇気が必要であり、過去の歴史からも、痛み無くして成果を上げることはできない。差別を無くすという事は歴史を変えるという事であり、差別なき世界を作るには大きな代償が必要なのかもしれない。
そして何よりも友情に代えられるものは何もないという事である。
ところで、日本の大相撲において、ある年の春巡業で市長が倒れ、とっさに救命措置をした女性に対して「土俵から下りてください」。行司が場内アナウンスを繰り返して議論を呼んだあの一件を覚えているか?土俵という神聖な場に女性は上がってはいけない。それは古くからのしきたりであり、行司はそれに従ったのであろう。知らなければ全く懐疑的な行動ではあるが、まさにこれは南部アメリカでの黒人差別と一緒だ。レストランやトイレ、衣装室までもが白人とは別の場所。あくまでも黒人個人に対して差別を行なっているわけではなく、古くからのしきたりを守っているというのが差別する側の意見である。
私達の社会でも、そのような古いしきたりを今も考えもなしに、ただそう教えられてきたからという理由だけで使っていないだろうか?
今一度、差別とはなにか。人種に対する差別。社会規範の中でうまれる差別。そのような事に対して今一度考えさせられる映画であった。
最後に、映画を最後まで見た人の中で、ある意味不完全燃焼に終わった人もいると思う。なんというか、終わり方が浅いというか、ドキュメンタリー系やヒューマン映画系にありがちなクライマックス不足のようなもの。そのようなものを感じた方、ご心配なく。そこから先のクライマックスを作るのは貴方です。何故なら差別は至る所に残っているから。考えに考えて多くの人と考えを共有していくことが大事だと思い、レビューさせて頂きました。
最後まで読んでくださった方ありがとうございます。
ヴィゴモーテンセンの魅力により最後まで観れた!
評価が高い映画だと認識があったので、たまには良い映画でも見ようかと思い、Huluで鑑賞しました。
これはわたしの性ですが、、。
観賞後に違和感と不完全燃焼感がじわじわときて、この感覚を誰かと共有したいと思ってレビューを見たものの、やはり結構な高評価が多くちょっと寂しさとやるせなさを感じたので、この性を満たしたいがためにわざわざアカウント登録してレビューを書くことにしました。汗
題材が題材だし実話だし高評価だから結構リアルに描かれてるのかなと想像してたのですが、普通の娯楽映画でした。多分そういう感じで見れば面白いと思います。
私は日本人でものすごく安心安全に育っていて、歴史も詳しくないし、黒人奴隷の知識もないけれど、それでも「んーーー、描かれ方が浅い。」と思ってしまいました。
いや、浅くても良いんです浅くても。そうゆう映画も好きです。わたし、ハッピーエンド大好きですし。
でもなぜだろう、、、なんでこんなにやるせない気持ちになるんだろう。。。そうじゃない雰囲気漂わせてるからなのかな。深いところまで突いてくれると思っていたのに突かれなかったからかな。
いやいや、曇ったところ見えないままやん!
みたいな。。
黒人差別問題って、もっと残酷で、説明できないほどにものすごく複雑に絡み合っているから、あの二人の間に起こる変化とか、そもそものキャラクターをもっと掘り下げて、それを細かく描いてほしかったなーー。。。と。
それでもなぜ最後まで見れたのかと言うと、ヴィゴモーテンセンがとてもとても良かったからです。彼はやっぱりすごいなあ、と思いました。彼の存在によって深みがある映画のように見えてしまうんです。イリュージョン的な。
ツッコミたいところはあるけど、許しちゃう。みたいな。。。
そんな感じです。
軽い感じで見ればよいかと思います。ポップコーン片手で見る映画としては良きかと。疲れてる時にみてもよいかも。サンドイッチとも相性が良さそう。
っていろいろ言いましたが、映画を一本つくるって、毎日ぐぅたらしてるこのわたしにはとても計り知れないほどの労力とスキルと忍耐と団結力と運とそれ以外にもたくさんのものが合わさってできているから、そこは本当にリスペクトしてます。🙏
出逢えてよかった映画
すごく泣けるわけでも
すごく楽しいわけでも
すごく爽快なわけでもないのに
この映画に出会えることができて
本当に良かったと思えた。
最近涙もろい私はトニーの妻が、
終わりがけにドンへ言う一言を聞くと
何故だか涙が溢れてきてしまう。
レビュー
裕福ではないイタリア系白人(トニー・リップ)と裕福なジャズピアニストの黒人(ドクター・シャーリー)の二人が、ツアーで黒人差別の色濃いアメリカ南部を巡る🦊
各シーン、かなり差別的な行いに満ちてますが、それでも明るい気持ちで楽しめる雰囲気を保ち続けたのは、脚本の素晴らしさ故だと思います🌞✨
脚本はトニー・リップの実の息子が描いてます👍
そして、トニー・リップとともに、ゴッドファーザーにエキストラで出てるという…笑
安心して観られます
主役二人の演技は絶品です。デイジーよりちょっとシニカルでメッセージもあります。喧嘩しながら最後は理解し合うという予定調和の話ですが、ロードムービーはシーンにメリハリつけやすいからお得ですよね。一点難をいえば、メッセージが少しくどい。黒人に評価イマイチだったのはそのあたりに理由があるのかも?まあ、私はアメリカ人じゃないので、その感覚はわからないので素直に面白かったし、感動したし、普通に皆に薦められる映画ですね。
黒人差別問題もちょっとある、おっさん同士の友情ロードムービー
言ってしまえば、よくあるアメリカにおける黒人差別を問題提起した映画なのだが、
王道から色々な要素が少しずつズレている感じが、
今までのそういう同じジャンルの映画を踏襲しつつ、
現代の映画思想と技術で楽しませる事に成功していると感じる。
大きく見れば少し思慮が足りないイタリア系の白人と富豪ピアニストの黒人のコンビの話なのだが、
だいたいこういう映画では黒人は聖人的なポジションで、
その聖人っぷりに諭される白人みたいな綺麗すぎる描かれ方をするのが相場ではあるが、
この映画においては常識人ではあるが、決して聖人ではなく、白人社会に対する憂いや葛藤に自分の内面を曇らしている感じがリアルに思えた。
映画が始まって、旅の終わりまで何か政治的に思う所が出てくる、といったような映画ではなくてほとんど終始ピアニストとドライバーの人間関係に焦点を当てているのが、説教臭くなくて、問題はほとんど何も解決はしていないのだが、映画としての後味としては凄いスッキリしている。
自分の国がこんなに綺麗だとは思わなかったみたいな車からの発言等からも、いいなあこんな旅を自分もしてみたなと思わせるような、黒人差別問題もちょっとあるおっさん同士の友情ロードムービーだった。
生涯ベスト30入り
素晴らしい!
ヴィゴ・モーテンセンは歳をとって素晴らしい演技派になった。
マハーシャラアリも後半に感情を露にする演技が素晴らしい!
黒人白人の問題だけでなく、イタリア、ドイツ、ロシア、ユダヤまで少し加えた、広範な人種差別を問うテーマは1960年代という背景も相まって、より深く迫るテーマ。
何より後半のバーでの演奏が最高に素晴らしく、また、ラストのあっさりだけど一捻り効いた感じはあれくらいが最高!
これはまた見たい映画のリストに確実に入ってくる。
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