「原題:Peppermintの意味するものは?」ライリー・ノース 復讐の女神 Naakiさんの映画レビュー(感想・評価)
原題:Peppermintの意味するものは?
オープニングクレジットが終わるや否や1976年製ゼネラルモーターズが誇る高級車Buick Electra 225の水色の車体が遠めからみても揺れているのがわかる。変なことをしてないだろうなと半分邪推して観ていると、車の中で生死を分けるような格闘を男女が繰り広げられていた。この映画の主人公ライリー・ノースの出番となる。それから5年前にさかのぼり、意地悪なママ友と言い合いのなっているシーンにつながる............そんなところを愛娘のカーリーにこんな風に突っ込まれてしまう。
What an asshole.
-Don't say that.
Well, she is.
-Well, maybe so. But still.........
You should've punched her lights out.
-"Punched her lights out," huh?
-You can't go around punching people who are jerks.
-Then you're just as bad as they are.
こんな風に愛娘をさとしてはいた彼女だったけれども5年後には実際に自分が巻き込まれるとはこの時は、微塵にも考えてはいなかった。そしてドラッグディーラーの組織を壊滅状態にするために徹底したバイオレンスアクションに突入する。その前に夫と愛娘のカーリーが殺される原因を作った意地悪ママ友のペグ、彼女がカーリーの誕生日をぶち壊したおかげで2人が射殺されてしまう。ペグからのこんな留守番電話がながれる。
Feel free to stop by, if you're not doing anything else.
......................................
Hope to see you guys.
この文章だけでは、何の話か分からないのが当然で映画を観ていただくしか回答はありません。少し冷たい?
原題の"Peppermint" 昔は薬として現在はハーブと知られていてその精油されたものはアロマ剤として活用されているが、負の部分もあり、その刺激性において筋肉の振戦、皮疹などを引き起こすという悪さもすることがたまにある。
古くはギリシャ神話にも登場し、冥界の女王の逆鱗に触れ、ミントはあえなく草に変えられ愛する人の神殿の前で咲き続けたという逸話も残っていて、また自分の居場所を人々に知らせるために香りがあるとされている。
花言葉は、真心・誠実な愛・美徳とかあり、二ホンハッカには、"迷いから覚める"というものや"Verzeihe mir" という言葉も存在する。その美しい花言葉とは裏腹に雑草よりもその生命力の強さがあるところをこの映画の題名にしたのか?
一般の方やこの映画に信奉している方に言っておきます。個人的意見なので聞き流してください。いいですか!? この映画はっきり言って1977年公開の映画「ローリング・サンダー」と基本設定が酷似している。まず犠牲者が男女の違いはあれ子供と連れ合いが射殺されるところこや自らも犯人からの銃撃を受けて瀕死の重傷を負うところで、「ローリング・サンダー」では2人のベトナム戦争の英雄がギャングどもを一掃する話で、レーン少佐の部下ジョニー伍長を演じていたのが、今や押しも押されぬ名優の1人、若き日のトミー・リー・ジョーンズ。内容もさることながら、その脚本を書いているのが、ポール・シュレイダーという人で「タクシードライバー(1976)」や「ザ・ヤクザ(1974)」の脚本家として知られ、また最近ではイーサン・ホーク主演の映画「魂のゆくえ(2017)」では監督も務めている。
ほとんど台詞らしい台詞がない役のジョニー伍長、その中で唯一と思われるレーン少佐からギャングの居場所が分かったと聞くと
Let's go clean them up! ジョニー伍長が答える。
タランティーノ監督の映画配給会社"Rolling Thunder Pictures"は、この映画から名前を付けられている。
日本は自由な国で禁忌なものは除き、映画なんか何の制限もなく見ることが出きると考えている方は多いと思うが、このポール・シュレイダー監督の映画「Mishima: A Life In Four Chapters(1985)」においては違う。この映画は、三島由紀夫の生涯とその文学作品を題材にしていて配給元はワーナー・ブラザースでハリウッドでは初めてといっていいほど全編日本語を使い、映画のナレーションを担当しているのが、ロイ・シャイダー。製作総指揮には、フランシス・フォード・コッポラとジョージ・ルーカスというそうそうたる顔ぶれが務め、また第38回カンヌ国際映画祭最優秀芸術貢献賞を受賞しているにもかかわらず日本ではビデオにもDVDにもソフト化はされていない。もちろん公開もされていない。一説には三島夫人の強い反対が原因と表向きにはなっているが、映像に"日の丸"や台詞に"天皇(Emperor)" という言葉が出てくるので右翼が騒動を起こすというあくまでも噂話を警戒するあまり映画人が自ら放棄したものによるところが大きい。
話が大きくそれたが、そしたら書くなってか? 一般の視聴者からは高い支持を受けているのにもかかわらず、それに相反するように批評家とされる方々から支持されていない本作。例えば、一般的なニュースの包括的な報道を避けているタイプで映画と演劇に特化した報道で有名なChicago Readerによると「なんぼうまくいっている映画でもタイミングが悪いと映画自体をだめにしてしまう。この映画の問題点は、かなり大声で音痴が歌うようなとこまでは、いっていない事だ。」また音楽や政治、大衆文化を扱うアメリカの隔週発行の雑誌Rolling Stone「リーアム・ニーソンができることなら、ジェニファー・ガーナーだって彼よりはもっとよくできる。おや!この映画、笑いが出るほど酷くて、しかも"96時間"撮った監督とは思えないほどとてつもなく信じがたいものである。だから観客以外は誰もここに連れていけない。」ルポルタージュ、批評、エッセイ、風刺漫画、詩、小説などを掲載し、またレビューやイベント情報はニューヨーク市の文化を主に取り扱っているNew Yorker「取りにくいスライムの後を残すように、もし仮にこの映画が作られなかったら、一般の世の中にとって、良い感じとなったものを........!」
時たま、愛娘カーリーが生き返ったと思わせるような母思いの彼女が登場して泣けるシーンもあり、アクションもかなり頑張りの見えるところもあるけれども、所々でスタンドダブルのご登場がわかるシーンも見え隠れしている。女性が大勢の大男を倒していく? Neo-noir映画? アクションスリラー映画? 考えの狭いものにとってはどれも正解ではなく、ただのファンタジー映画と考えて観ると入りやすくなるのかもしれない。