男はつらいよ お帰り 寅さんのレビュー・感想・評価
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桑田の映像にはガッカリしたぜ。
桑田佳祐が映画の冒頭で歌を唄うのですが、これが最初から最後までピント外れで哀しかったです。
CGをフル活用して修正に修正を重ねた不気味な映像。
なんじゃこりゃ……、と、呆然とし、白けたままで映画が始まります。
きっと桑田佳祐ご本人はいい気分で歌っていたのだろうと思いますが、エンドロールで渥美清が同じ歌を唄ったのとは比較にもならぬ惨めな出来ばえで、ミスキャストなのが鮮明。
おそらくは、なんらかの大人の事情によってこの大御所歌手を出演させねばならなかった山田監督が、映画人としての矜持にもとづく底意地の悪い処遇を見せたというところだったのかも知れません。
ケチを付けるとしたら、そのあたりが一番目についたところで、それ以外はまずまず普通の寅さん映画でした。
昔変わらずの柴又アングルに感動
22年ぶりの続編。
人物構成は違うけど久々に柴又家族が揃い、昔の撮影アングルそのままに始まったのには感極まった😂
過去の回想と現在の柴又家族が入り乱れる映画です。
寅さん主体では無く甥の満男メインはしょうがないですけど、よくぞまぁ作って下さいました😂
また、よくぞ出演して下さいました‼️
泉ちゃん(後藤久美子)✨
泉があるシーンにて「満男の家族が羨ましい」と告げる場面があるが、ホントそうだよ‼️
古臭いと思っても必ず昔が良かったと思う時が来るし、メロン事件が起こる様な家族だけど、周りから観れば羨ましい家族なんだって。
私個人とすればタコ社長(太宰久雄)を数秒でもピックアップしてくれた事が嬉しかった✨(タコ社長の娘も娘でした😂)
満男の小説の一文は短いけれど、これ程想いが詰まった文は見た事が無い。
まぁ、それは寅さんが皆に愛された理由だけど。
今後人情味溢れるシリーズ作品は出てくるだろうか。
私とすればドンピシャ満男と泉ちゃん世代なので、羨ましさ溢れるシリーズ終焉であった。
観る側の思い出と出会わせてくれる一作。でもこのストーリーって…
祖父は、時々流れる「男はつらいよ」のTV放送を観ては、日が暮れるのを待つ人でした。亡くなって久しく、もうその姿をあらためることは叶いませんが、この映画で映された景色を通じて、彼の横顔に再会できた気がしています。
さて肝心の内容なのですが、これって『ビフォア・サンセット』でやってた流れそのままですよね?(終わり方は『ビフォア・サンライズ』寄り)
だんご食べようとしたらマカロン出てきたような、「あれ、俺お店間違った?」感に包まれた2時間でした。でもマカロンを食べたい時は初めから洋菓子店に入るんだよなぁ…
良い映画でした
男はつらいよを見てきたから、ちゃんと男はつらいよを見せてもらえました。
面白かったというか、幸せでした。
リリーのくだりも、他のマドンナのくだりも、メロンのくだりも、もちろんみつおのくだりも。
あくまでも、男はつらいよなんだなぁって
ちゃんと、男の映画なんだろうなぁって
男は過去を引きずって、女はその時を生きる、男側の映画なんだなぁ。
同時代でなくても懐かしい
男はつらいよを映画館で見たのは初めてだった。
満男の来歴をうまく寅さんが絡むように組み立てた話には腐心が感じられた。気兼ねせず結婚しろと諭される満男に、東京物語の紀子が重なる気がした。
泉ちゃんは棒読みに棒演技、むしろ昔のほうが上手だったが、ひとりだけ小津をやっている感じは悪くなかった。
浅丘ルリ子が山田監督に「これ以上明るくしたらやらないわよ」と言っているのが聞こえてきそうな暗がりのバーだった。さくらも博もまだしゃんとしていたが、くるまやの上り框に介助手すりがついていた。みんな元気でいてくれと思った。
満男の「もしこんなときおじさんがいてくれたら」が素直に伝わってきて、マドンナたちのフラッシュになって──現況も名前も知れない女優たちに涙が出た。
偏屈なわたしでも労いのありがとうが出てくる仕上がりだった。
この労作にケチがついたので以下一応書いておきたい。
折しも「世界的に有名な」グラフィックデザイナーの苦言がゴシップとなっている。
しかし過去作の場面を引用し寅さんを復活させる──ってのはアイデアと呼べるようなものなんだろうか。
ターキンのピーターカッシングではあるいまいし、ルーカススタジオを持ってくるならいざ知らず、過去場面を編集して挿入するほかに渥美清の動画はありえない。グラフィックデザイナーの有り難い言葉を拝聴せずとも、ほぼ誰でもそこへ帰着することである。
ゆえに、それを「俺のアイデアだ」と言ってしまうとき、人の写真を貼っつけて背景をいじって、はいグラフィックでございます。一億円です。──というウォーホールみたいな方法論と、それが怪もなく通用するばかりか、ゲージツ家として崇められるグラフィックデザイナーという職業の形骸性を露呈させてしまうのである。
よしんばそれがアイデアだとしても、盗用とは穏やかではない。蕎麦屋で話したことなら、よけい穏やかではない。まして、ホントに世界的に有名なアーチストであるなら、とうてい世界的に有名なアーチストのする行いではない。この御大の歯ぎしりは、晩節を汚しているばかりか、お里を知らしめている──以外のなにものでもない。
この瑣末時に、もし好意的な見方があるとすれば、このひとは、時代の寵児の晩年がどんだけ寂しいかという「グラフィックデザイン」を自身を使って表現しているのだ──ということになる。きっと山田監督や寅さんやくるまやの人たちが羨ましくてならないのだろう。
もっと脚本を作り込んで欲しかった
満男くんより若干上の世代です。
今まで寅さんはTVでさえ見たことがなかったが、コロナ禍で家にいる間に49作品、通しで見てはまってしまった。先月は宣言開けすぐに帝釈天に詣で、寅さんミュージアムも行ったほど。
そのため期待して、ストリーミング開始後すぐに視聴。
しかし、満足とは言えず。
せっかく20有余年を経てとらやの面々に会えるわけだから、博とさくら夫妻の幾星霜がほんわかと伝わってくるシーンが欲しかった。冒頭からボケたの何ので喧嘩。さくらはしかめっ面。おいちゃんたちの思い出話も欲しかったし。
バイトだった好青年は今やカフェとらやを切り盛りしているようだけど、女房子もいてまさかバイトではなかろうし、どういう立場なんだろうとか、奥さんはあのバイトの女の子かなとか、源ちゃんもお達者なのだから、先代御前様の思い出や懐かしむ一言くらいあったらよかったし、総じてレギュラーメンバーのその後が知りたかったこちらははぐらかされた気分。
そちらに時間が取れないわけはなかったと思う。
志らく師匠とか、サイン会の551おばさんとか、出版社のセクハラ問答とか、理想的すぎる娘との会話とか面白味に欠ける部分の尺をそちらに回せば良かったのに。
そもそも寅さんはいつこの一家から消えたんだろう?
今や「お兄ちゃんが帰ってくる」ことは全く想定してない一家。
そして、泉ちゃん以外の面々も失礼ながら芝居が下手になってしまった。
さくらさんも腕の動きが邪魔だし。
満男くんには全く精彩がない。
博さんに至ってはいてもいなくても程度。
リリーさんは相変わらずうまかった。老いてなお、いいオンナだった。
全編通して、繰り返し何度も見たのは、橋爪功扮する泉パパと満男のやりとり。
ひったくるようにして得た2万円を、めちゃくちゃにたたんでがま口にしまうところなど秀逸。
老い衰えて力を入れないと口がしまらない、ふん、と力を込めて締めた後、ふと左右を見回す泉パパの表情が、なんともリアルで哀れで滑稽で、愛おしかった。
不倫の果てに再婚した妻と、ささやかながら幸せそうだったこの男(役者は違うけど)に、その後何があったのだろう。。。と、この人の人生を見たいと思った。
山田洋次らしさを感じたのは、ここだけでした。
このシーンだけ星5つです。
寅さんストーリーを強制終了させた映画
幼い頃から両親とずっとファンでした。
結婚し、いまは高校生と中学生の息子たち、そして妻も、寅さんが好きです。
「お帰り寅さん」の上映を知り、夢かと思うほど喜び、1年以上首を長くして待っていました。
最近、この映画のDVDが出るというニュースを見て、あらためて自分の中に、あの映画を見た時の感覚がよみがえり、ここにやってきました。
この映画によって、「寅さんはこの世にいないんだ」と、思い知らされることになるとは。
「寂しい」
一言でいうと、そんな感覚しか残りませんでした。
見終わって、妻と無言で帰宅しました。
懐かしいとか、そんな感覚を満たしたいなら、DVDでもBSでも再放送を見れば、それで良いです。
私はこの映画に「ああ、まだ寅さんは生きてて、まだどこかに旅を続けてるんだ」と思えるような、希望を感じたかった。
でも、この映画で、そんな期待は思いきり断ち切られ、私の中の寅さんストーリーは、まったく予想外の「強制終了」をさせられたのでした。
48作で、終わってくれていたらほんとに良かった。
蛇足
・キャラクターが年老いていることを、ことのほか強調する理由がわからない
・泉はなにをしたかったのか。さっぱりわからない(空港でのキスは引いた)
・寅さんを亡霊のように出現させるのは、例えば、美空ひばりをAIで復活させて、多くのファンを傷つけたのと同じように、失礼なことだと思う
・寅さんは、「気配」だけでじゅうぶん。最後に皆がお店の入り口に向かって「おかえり」というだけでも、十分満足できたと思う
ただいま。 このひと言のために、旅に出る。
2019年12月17日
#男はつらいよお帰り寅さん 鑑賞
FBS試写会 @T・ジョイ博多
山田監督らしく現代の日本が舞台であって単なる懐古趣味ではない。それでいて男はつらいよ的な演出をしっかりしていて往年のファンも楽しめる
ただ、オープニングの歌は桑田さんではなく #渥美清 さんにしてほしかった!!
松竹の金字塔を令和に
子供の頃実家の前が松竹系の映画館でした。毎年元日は映画館のスピーカーから大音量で流れる「私、生まれも育ちも葛飾柴又...」この音楽で目覚めるというのが自分の年始のスタートでした。まだ幼稚園から小学校の低学年の頃はその映画館は遊び場でもあってモギリの人の座っている番台のような席より低い身長の子供は気がつかれずに劇場に入りスクリーンの前の特等席で爆睡し支配人に抱っこされて家まで送ってもらったこともあったと母親が話してました。
そんな思い出の「男はつらいよ」。このような男の情念、哀愁はもちろん子供の私には理解できず、「こんな大人になったらおしまいだ」「なにが男はつらいだ!こんな親戚のおっちゃんいたら家族はもっとつらいぞ」
と全否定していたようです。その後は寅さんどころか自分の家の前が東宝ならゴジラとかみれるし、東映だったら漫画祭りや仮面ライダーがみれるのによりによってなんで松竹なんてと配給会社にまで悪タレをつく始末。
その映画館も閉館となり一時期映画に対し全く興味のなかった私は寂しいという感情すら芽生えませんでした。
その後大人になった私は映画にはまり「男はつらいよ」が松竹の金字塔と当然知ることになる。フーテンの寅のダンディズムや哀愁もわかる年齢になった。しかし名画座がどこにでもあるわけでなく、また今更DVDでシリーズ全て見返す余裕もなく半ば諦めかけていた矢先のお帰り寅さんに心踊った。
とはいっても渥美清さんは亡くなっている。適当な編集で安っぽい仕上がりだったらどうしよう。流石、山田洋次監督。自分の分身のような作品をぞんざいにするわけない。ほぼ当時からのオリジナルキャストを起用しつつも、寅さんを知らない人でもついていける脚色となっている。細かい部分は良しとして令和になって子どもの頃大嫌いだった寅さんにもう一度巡り会えたのは感激でした。寅さんをどう思うかって?
かっこいいよー大好きです。
いつまでかかるかわからないけど全シリーズ観賞するぞー^_^
人情に溢れた素敵な人。
吉岡秀隆さんが好きで見に行きました。
寅さんのことは何も知らないけど人情に溢れて素敵な人でした。今の時代にはいない人だと思います。
映画を見た後渥美清さんのこと調べたりしていたら、
この時代に生きていてほしいしテレビに出ていて欲しかったなと思います。
この映画を見て寅さんはまだまだ生きている気がしました。渥美清さんはこの時代にこの作品がまた注目されるとは思ってなかったんだろうな。でもこの時代に必要な人だから渥美清さんはこの作品を天国からまた送ってきたのかなと思いました。
ご本人無しでよくぞここまで
記憶の寅さんをちりばめるだけでよくぞここまでと思いました。
流石、山田洋次監督だなぁ!と。
後藤久美子の演技が酷いと聞きましたが、私はあの棒読みが昭和っぽさを醸してて作品には合ってたと思います。満男は怪演でした。
思い出の美女たち総まとめで寅さんがいかに愛されてたかが凄く伝わってきてウルッときました。
しかし、寅さん観たことない方にはさっぱりわかんないやつだと思う。
パラサイトより断然いいと思うけど
私は寅さん嫌いじゃないけど、映画館までいってみなくてもいいかな、って感じでした。周りですごくいいというので行った。前回の部で終わりにお客さんがみんな拍手していた。びっくりした。こんなの初めて。最初の語りが変な声だなと思っていたら桑田だった。そこからそのままテーマソングを歌う。桑田が寅さんをリスペクトしていることを感じた。桑田の気持ちが入った歌に涙が出てきた。オープニングの歌でこんなの初めてだ。この歌が桑田のベストソングです、私は。吉岡は相変わらず演技を感じさせない、空気みたいな演技。半分以上は過去の寅さんの映像でしたかね。昔の寅さんをダイジェストで見る感じ。うまく表現できないけど良かった。この回も自然とみんな拍手しました。私も自然と拍手していました。アカデミー作品賞でもいいと思う。
昭和の古きよき時代
過去の男はつらいよの映像を混ぜながら現在のみつおを中心とした寅さんファミリーの現在を描いた話。
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私は渥美さんが生きてた時を知らない世代なんだけど、大学の時に男はつらいよ全シリーズ見てて、まさか新作をスクリーンで見れるとは思わなかった。
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隣に座ってるおじちゃん号泣してたけど、何故か私も最後は泣けたよ。懐かしい〜!ってなって、周りのおじちゃんおばちゃんと同じ世代かのように自分が思えたよ(笑).
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むかしの寅さんの面白いシーンでみんながどっと笑う劇場の雰囲気が昔の映画館っぽくて、なんだか昭和にタイムスリップしたような気分でしたとさ。
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過去の映像が結構多いんだけど、過去と現在の繋げ方がうまくて、山田洋次監督の寅さんへの愛を感じた。
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でもさすがに後藤久美子の演技下手だったなぁ。実力派キャストの中であれは可哀想。
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山田洋次の脚本力
吉岡秀隆の『なんだ、夢か』っていうベタベタの台詞からタイトルにいったところで震えたの。寅さんって、こういうベタさをうまく見せるよね。
吉岡秀隆は「こいつヘタレなことばっかり言ってんな」ってキャラなんだけど、寅さんの血をひいてる感じでいい。
それで後藤久美子に会うんだけど、ゴクミの芝居ひどいな。ヨーロッパに行ったエリート設定だから「日本語たどたどしいのしょうがないね」って感じで逃げられてるけど。
『あのとき伯父さんは』って回想で寅さんの名シーンが入ってくるんだけど、ここは全部面白いの。
博がさくらに告白するシーンがいい。カメラアングルもいい。でも「三年間、あなたを見てました」ってのは今だと「ストーカー?」「キモ!」で終わりそう。生の強い感情をぶつけるのを、今は避けるし。しかし、さくらは走る。いいよね。
夏木マリの出演シーンも良くて「いま、こういう湿っぽい演技する女優さんがいなくなったな」と思ったんだけど、これ、そういう脚本がなくなってんだよね。寅さんは看板映画だから出演決まった女優さんは嬉しかったろうけど、こういう演技力を試されるような脚本やるのも嬉しかったろうな。
あとやっぱり寅さんシリーズのマドンナといえば浅丘ルリ子。さくらが語るプロポーズを受けるところはめちゃいい。それをあっさり流す脚本もめちゃいい。
回想の各シーンは台詞展開がすごくて「山田洋次すげえ!」と思った。あれを書けるのは尋常じゃない。
本編ストーリーは、まあ、なんだかどうでもいいやって感じで終わったけど、回想が楽しいからいいかな。
山田洋次監督がきっちり落とし前をつけた
上映終了間近と知り滑り込んだ。アメリカンニューシネマの産湯につかった私なので、松竹映画や男はつらいよシリーズに強い思い入れがある訳ではないが、そこそこ観てはいるので自分なりに落とし前をつけるべきかと。
結果、観て良かった。
50周年記念の今作。光雄(吉岡秀隆)やさくら(倍賞千恵子)たちの回想により過去の映像を散りばめた。渥美清の寅さんがよみがえった。
ストーリーはいたってシンプル。光雄が初恋の人、泉(後藤久美子)と再会し、過去の記憶をたどる。泉への、そして寅さんへの思いが溢れた。
個人的には泉のヨーロピアンスタイルのキッスにドキッとした。私にとってのベストシーンだった。
ラストは葛飾柴又の『ニューシネマパラダイス』。これ絶対やりたかったやつ!光雄のカットの挿入はいらんかったが。
ここに叔父さん(寅さん)がいてくれたら
まず、私は寅さんシリーズを一回も観ていません。
なのに泣いたり笑ったり最後は涙が溢れて止まりませんでした。寅さん(渥美清さん)がもういないということを知っているからこそ、余計に胸が締めつけられる思いでした。
冒頭の桑田さんのオープニングですが、最後まで見終わってしまえば大して気にならないものでした。なので桑田さんが嫌だからという理由でこの映画を観ない、鑑賞しないことは全くもって「もったいない」です。
それだけでこの映画に低評価をつけるのか分かりません。私もまた冒頭やだな…と思い敬遠していたものでしたが、見終わってむしろ今回は違う人でなければいけなかったように思いました。
寅さんの甥っ子の満男さんを主人公に寅さんに関わった人達が回想していくという構成です。
寅さんの言葉の端々が温かく、時には劇場全体を笑わせていました。その一体感も非常に心地よいものでした。シリーズを観ていないと分からないところ(ん?どうしてみんな笑っているのかな?)というところもありましたが、気にならないくらい非常に面白い映画でした。
近年の日本映画の中ではトップクラスの面白さです。
残念なのは高齢の鑑賞者が多いために、ネットでのレビューや評価が伸び悩んでしまうところでしょうか。こんなに素晴らしい映画を何故評価しないのか、非常に疑問です。
お隣さん、地元の人達との何気ない会話、温かい家族の温度、
何より忘れてはいけないのが、寅さんという存在。温かい思い出を沢山残して今もどこかを旅しているのでしょう。
私はこの映画を観て、寅さんにすごく会いたいと思いました。自分の辛いこととかを話したい、そして寅さんが満男さんにしていたように、ぽんっと背中を押して欲しい。
満男さんの
「ここに叔父さんがいてくれたら」
という言葉が胸にグサグサと刺さってくるのです。
寅さんの生き方は満男くんに受け継がれているようです。どんな風に受け継がれたのか。是非劇場に足を運んで欲しい。
お年寄りが多くても怯まずに観て欲しい。
きっと最後には温かい涙が流れて止まらなくなっているでしょう。
予想外に良かった
昔の映像と組み合わせて作った作品なので心配だったが、うまく合わさっていて楽しむことが出来た。オープニングの桑田さんの歌は唐突感があったのと、出川哲朗の端役ぶりには笑った。子役だった吉岡秀隆も後藤久美子も良い年の取り方をして、今や親を演じられるようになったのには感慨深いものがあった。現在50歳の私は過去の映像を見ているとこれまでの人生を思い出し、時折涙してしまう箇所もあった。濃厚な人間関係が少々暑苦しくも懐かしく、暖かい映画です。
先生、俺のことを意識しすぎなんだよ。
観客は、渥美清さんが出ていないのは百も承知で、観に行きました。
ノスタルジーもあるかもしれないけれど、「男はつらいよ」への変わらぬ期待感を持って。
皆で大笑いして、うんうんとうなずいて、ほろりときて、「さあ、明日からまたがんばりましょう」と伸びをして席を立つのが、「男はつらいよ」。
それを大前提に作られたなら、渥美さんが出ていなくても、「ああ、「男はつらいよ」だ」と言えたはず。
感想は、「これもなかなか…」となれば最高ですが、「やっぱり渥美清は偉大だな」となっても、観客としては、それはそれでよかったのです。
しかし本作は、「男はつらいよ」とはまったくの別物でした。
NHKBSのほうにあえて礼儀も(センスも)ないタイトルを付けたくせに、「贋作」のほうが真作に近いという皮肉。
山田監督はこの映画を誰のために作ったのでしょうか。観客のためでしょうか、自分自身のためでしょうか。
「先生、俺のことを意識しすぎなんだよ。それに、インテリだから難しいことばっかり考えたがるんだろうけどさ。今度はもうちょっと、観客の身になって作ってやってくれよ。俺もお盆には映画館に足を運べるからさ」
全339件中、41~60件目を表示