「柴又ファンタジー」男はつらいよ お帰り 寅さん Masuzohさんの映画レビュー(感想・評価)
柴又ファンタジー
テレビが案の定松竹系劇場で小中学生100円で
客入れてるのを丸々隠して小中学生に人気の寅さん
と盛大なステマをしてましたが
年末年始なかなかコレという作品もないので
とりわけ寅さんファンではないのですがこれを
男はつらいよは全シリーズはとても観ておりませんが
第1作目はリマスター版を最近配信で
ハワイ旅行行ってる振りしてくるまやに引きこもる話が
大好きです(新・男はつらいよ?)
で今作
現代の柴又
寅さんの聖地として可能な限り外観を変えずに残された
柴又が寅さんの舞台
くるまやの内部も当時の雰囲気を残したまま再登場
福祉用具の手すりがついていますがとても令和の世の
風景とは思えない隔絶した空間に見えます
サザエさんのお茶の間のシーンみたいな感じ
小説家になった満男の視点で
寅さんとの思い出を過去のリマスター映像を
加えながら振り返っていく構成
時には呆れ時には嫌がり
時に思い悩むときにはハッとすることを
言ってくれたおじさんを思い出していきます
寅さんが主人公じゃないのかという人もいますが
寅さんシリーズってあんまり寅さんは主人公として
成長したり物語のカギを握るわけではありません
しいて言えばそれは第1作でもう終わってしまいました
以降の続編はなんだかんだマドンナや
とらや周囲の人、満男などを主体にストーリーが
動いていった感じなので
今作もそんなに違和感のあるストーリーではないです
ただ時間が経った、老いたという表現が露骨なのも
昔の寅さんが活躍していた頃の対比なのでしょうが
それもあって余計柴又のファンタジー感が増してしまい
下町とか庶民とかと言った感覚も知る者は
施設の中という寂しさを感じてしまいます
うまく言えませんがノスタルジーより悲しい感じ
ただコレを観ると吉岡秀隆の演技って本当に
コテコテの寅さんでの子役演技から始まってるんだなと
思わされます
えなりくんもそうですけど
もう頭に浮かんだこと全部口にして喋ってしまう
演じ方はこの人の専売特許ですね
ゴクミの演技は賛否両論みたいですが
まあ昔からこんな感じだったかなと
結局初見ではメロン事件のとことか色々な部分に
感慨が湧かないと思いますし、老健にいるような
世代層のファンがどのくらい見に行けるのかはわかりませんが
49作で終わってしまったところを山田洋次監督が
やれるうちに何かという感じでしょうか
どんな層が見に行くのか配給側も迷いがあるので
小中学生100円にしてみてるんでしょうね
正直ただのエピローグみたいな映画で
昔ならテレビスペシャルでやってそうな内容だなあと
思ったのでSWとまではいかないけど
CG寅さんくらい頑張って出してみろよと
思いましたが・・おっと思うシーンもありました
見た目以上に間口の小さい作品ですが
1作でも男はつらいよ観たことがある方なら
話のタネにいいんじゃないかと思います