「これから寅さんを観てみようと思っている皆様へ」男はつらいよ お帰り 寅さん masamiさんの映画レビュー(感想・評価)
これから寅さんを観てみようと思っている皆様へ
ある年代になってわかってくる事がある。
例えば落語である。若い頃は古臭い演芸だと思っていた。しかし演芸場に何回か行って分かった、これは話芸の極致だと!
人の持つ力。想像する力。何ものにも代え難い力。
演芸場でこれは凄いと実感した。
談志師匠、曰く「落語は業の肯定である」
深く納得した。落語には愚かな人間が沢山出て来る。しかし愚かだが愛すべき人間だ。私達だって愚かな人間だ。不寛容とは真逆だ。
わかっちゃいるけどやめられないって言っても良いかも知れない。
例えば神社仏閣だ。ティーンエイジの頃は、修学旅行で古刹に行っても何も感じなかった。ただ古いだけ。線香臭いだけ。
馬鹿だ。その頃の私は馬鹿だ。その頃の私はただ眺めていただけだった。
今は違う。先人を思い。細かい部分に目を向けると新たな発見がある。飽きる事は無い。
神は細部に宿る。
例えば「男はつらいよ」である。10代の頃もたまに観に行ってたが、他に観る映画が無いと言う
消去的な理由であった。馬鹿な男が美女に
ふられる話かなあ、くらいの印象だった。
馬鹿なのは私だった。
かなり前の事だ。あるイベントで式根島に行った。自転車で30分もあれば一周できる小さな島だ。
しかし景色の美しさに仰天した。
半径2〜300メートル位の小さな入江。その外は太平洋の荒波。なんと海岸に近い所に露天風呂。時間がゆっくり流れている感じ。
何故か懐かしい。初めてなのに懐かしい。
銭湯に描かれている絵を想起させる。
その夜、式根島の小学校で映画の上映会が、あった。上映されたのは36作目「男はつらいよ 柴又より愛をこめて」だった。
もうビックリですよ!私が見た風景が画面に活写されている!素晴らしい!
山田監督はこの美しい風景をフィルムに残したいと思った。小さな島なので「二十四の瞳」にオマージュを捧げ、第36作として「男はつらいよ 柴又より愛をこめて」を完成させた。
その後初期の作品からビデオ視聴ながら見て行った。
3ヶ月位かけてで全作を見た。寅さんに対する思いがどんどん変わっていった。愚かな人間から好ましい人物に変化した。やがて大好きになった。
さらに崇敬し私の中の最高の手本となった。
寅さんは常に思いやりの気持ちを忘れない。短慮な所はあるが人の話をちゃんと聞く。また人の不幸を願うことは醜い事なのも分かっている。
柴又へも何回も通った。
この映画で初めて寅さんを観た方で旧作を見てみたいと感じた方もいるだろう。
最初から全部見るのが一番だが、私の中でこれを見て欲しいと思う5本をあげる。
① 一作目 男はつらいよ
② 五作目 男はつらいよ 望郷篇
③ 十五作目 男はつらいよ 寅次郎相合い傘
④ 十七作目 男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け
⑤二十五作目 男はつらいよ寅次郎ハイビスカスの花
五つに絞るのは厳しい、また異論もあるだろうが、個人的にどうしても見て欲しい五作だ。
日本の風景の美しさ、人を思いやる事の大切さ、下町の人情、言葉の裏にあるやさしさ、
全てが詰まっている!大好きな五作だ。
さて本作についての話に移りますが、もしかしてネタバレが含まれているかもしれません。ですからそれが嫌な方は読まないで下さい。
私は試写会でこの映画を観ました。久々に自分で応募して当たりました。場所は神田、神保町の教育会館 一ツ橋ホールです。
神田、神保町の場所を説明します。
四ツ谷、赤坂、麹町、ちゃらちゃら流れる御茶ノ水、粋な姐ちゃん・・・(自主規制)
まっ、その辺りです。
現場に着いて、ビックリ!早めに行ったのに大混雑!試写会で無料だからか?
貧乏人の行列だ‼️
まあ、私もだが・・・
上映が始まると、あちこちで啜り泣き・・・
あれ?! 私の頰が濡れてる!なんで?
泣く場面でもないのに泣けてくる。
主役は満男だ。なんと小説家になっていた!
周囲に促され仕方なくサイン会を開くことになった。そこに思わぬ人が現れた!
お話は現在パートの人、場所、物に触発されて
回想シーンが始まる。
さくらがメロンを持った時の事。くるのか?
くるのか?あのシーン?場内はザワザワですよ。
やはりきたーー!よっ!日本一!
お馴染みのメロン騒動ですよ。
もう場内大爆笑ですよ。みんな大好きなんだ!
私は前日にDVDで相合い傘観てるけど、大画面で、かつ満員の劇場で観ると格別だ!
いわば落語のような古典芸能の域だ。
わかっているけど笑っちゃう!
あの時代を代表する女優が画面に映し出されるたび、みんなうっとりですよ。
吉永小百合、今でも綺麗ですが若き日の小百合ちゃん。
まあ〜綺麗ね〜
そんな声が聞こえてくる。
田中裕子は妖艶な美女だ。想像つかないだろうなー、今時の人は。
大原麗子、大地喜和子、八千草薫、京マチ子
悲しいが鬼籍に入られたマドンナも銀幕の中では生きている。
時代(とき)の流れ。最初は電話を隣に借りていたさくらも今はスマホを使っている。くるまやもカフェになった。
しかし変わらないものもある。それは・・・
人情だ!人の情けと書いて人情。
物語の前半でお仏壇が出て来る。三枚の写真。
おいちゃん、おばちゃん、7年前に亡くなった満男の奥さん。寅さんの写真は有りません。
物語は終わり、シリーズ初のエンドロール。そこに寅さんの朗々とした歌声。
観客全員、滂沱の涙。
そして試写会にも関わらず拍手、拍手!
これ以上何を望むと言うのか?
50年に渡る長い長い、寅さんの物語。
寅さんは多くの人の心の中で生きている。
漂泊の詩人として今どこを旅しているのだろうか?
ありがとう寅さん、お帰り寅さん。
もりのいぶきさんコメントありがとうございます。いいじゃないんでしょうか。1ヶ月で三本だったら。
実は私は再度劇場に行ってしまいました。さらに寅さん熱が加速しました。
レンタル店で貸出中が多いのは皆んなそうなんだね。
11作目を先に見た方がいいかもしれないですね。
masamiさん
お邪魔いたします。
>① 一作目 男はつらいよ
>② 五作目 男はつらいよ 望郷篇
>③ 十五作目 男はつらいよ 寅次郎相合い傘
ようやくここまで鑑賞しました。 …って、まだ3本だ~ 汗
海賊船のキャプテンタイガー
こういうノリ、好きです。
15作目でリリーさんが登場しましたが、2回目なのですね。
17作目に進む前に、初登場の回(11作目)を
見てみようかなと考えてます。
しかし1カ月で3本ペース。
1年半かかりそうです。 ひえー。
がんばります。。
kossy様、いつもですがありがとうございます。記憶ではそこまで大きくなかったです。なんかお客さんに自慢してるうちにサバを読んで、さらに自分でもそう思い込んでしまったと・・・
レクサスのタクシーってあったら凄いですね。
タクシーネタを振られたような気がしましたw
いやはや、駅の構内に常駐するタクシーってのは地域差もあるんでしょうけど、大型扱いになる車は入れないと思います。したがって、センティアでも排気量の少ないクラスじゃないのかな(珍しすぎてわかりません)・・・だとすると、改造費込みでも600万くらいじゃないでしょうか。
ちなみに最近ではレクサスでもハイブリッドなら駅待機もOKらしいのですが、さすがにレクサスだと改造費込みで1000万。同じ料金ならレクサスに乗りたい♪(ただし、狭い道は入ってくれません)
masamiさん、masamiさん、聞こえますかーー!
クルマです。寅次郎です。ここから、叫びますけどw
ホイールは燃えませんよー。ブレーキが摩擦熱で真っ赤に燃え上がってるだけです!ロックしてるんですね。ブレーキ配管の中で気泡が発生し、温度上昇で加圧されてしまってる事が原因だと推測しますが、詳しくは端折りますw
遂に見て参りました!
観客層は年配が多く、若輩は自分一人くらいでしたが(と言っても自分ももういい歳なんですが…)、
劇場皆一緒になって、笑い、感動してました。
本当に寅さん好きに悪い人は居ません!居る筈がありません!
琥珀さんコメントありがとうございます。お世話になっています。
私の拙いレビューでなにかを感じて頂ければ幸いでございます。
さて下記、私のコメントの続きです。
5作目 男はつらいよ 望郷篇 です。
この映画のテーマは《働く事の尊さ》
です。また山田監督はシリーズの総決算てして望郷篇を作りました。
テレビ版のさくらと博を演じた、長山藍子と井川比佐志(とにかく若くてかっこいい❗️)をマドンナとその彼氏役で起用しています。また舞台は浦安です。
山田監督はテレビ版を作る時に柴又か浦安の二択で悩み、結果的には柴又になりました。それらの思いに決着(おとしまえ)を付ける為に作った訳です。
ところが!
松竹の劇場館主会で地方の館主から【続けてくれ】て熱く懇願され6作目以降も続ける事にしました。地方の館主の思いは叶ったのです!
今の視点で言って申し訳ないのですが
その方達に感謝、感激、雨、あられでございます。
北海道のSLも素晴らしい。大好きな望郷篇です。観て欲しいです。
ナカネムさんコメントありがとうございます。初期、特に一作目を見ると寅さんの乱暴な感じに共感できないかも知れません。でも見て欲しい。
何故ならこの話は50年にわたる寅の成長の物語だからです。
そして実はこのシリーズは寅さんの話だけどは有りません。一作目の最初の台詞。牽強付会では有りますが、そういう事かなあと、感じます。名優志村喬の演技も素晴らしいです。それぞれの役者さんの演技(みんな若い!)当時の風俗、
一作目はまず見て欲しいです。特に若い方に。
なんか押し付けがましくてすみません。
おすすめ5作品教えて頂き有難うございます。僕は今回の作品が寅さんシリーズ初鑑賞でしたので、満男と泉の過去に興味を持ち、42僕の叔父さん、43寅次郎の休日、44寅次郎の告白、45寅次郎の青春と鑑賞しました。ホントに良い作品ですよね。次は早速、おすすめの5作を観てみますね!
ゅずぽんずさんコメントありがとうございます。北山さん確かに大阪のおっちゃんでした。
二子五孫さんコメントありがとうございます。もう少しで公開ですね。私ごときの拙文を褒めて頂き恐縮です。
近大さんコメントありがとうございます。確かな文章力がある近大さんのレビュー楽しみです。
遂にご覧になられたんですね。
自分は公開日まで、後もう少し待たねばなりません(>_<)
その時改めてレビュー読ませて頂きますが、今さらっと読んだだけでも楽しみでなりません!
masamiさん、ズルい。
朝から泣かせて。
まだ観てないのに。
だって試写会落っこちた。
だから、こちとら、観てもいやしない。
観てもないのにmasamiさん文章、様子が良すぎ。
グッときましたね。
観てもないのに感動してんの。
馬鹿タレここにあり。
【ぼくらの七日間戦争】魅了後に【寅さん試写会】に来れたので“令和元年の名作”に巡り会えた事に,只々感謝です☆ミ
また【北山雅康さん】→“大阪のおっちゃん”其の物でツボでしたwww
カールさんコメントありがとうございます。メロン騒動🍈はその後、柴又駅に雨の中☂️寅さんがリリィさんを迎えに行くまでがいいですよね。実はこのシーンのフリかと思います。
稀勢の里ですが確かに似ています!山田監督が言っていたのですが地域によって反応が違うって言うのも面白いです。
下町の人は寅さんが好き過ぎる!
なんか亀有で旧作を上映してるので
行こうかなと・・・
メロン騒動。おばちゃん(三崎千恵子)の メロンなんか貰うんじゃなかった……のあの顔、いつみてもジンと来てしまいます。あのあとリリーが寅さんを叱責するシーンはつらすぎるので、おばちゃんのセリフで切って正解ですよね。
落語と相撲は欠かせませんが、引退してしまった稀勢の里が桟敷で心配そうにしている顔を見るたびに三崎千恵子に似てるなぁとメロンなんか……:のシーンを思い出すのでした。
千疋屋や高野フルーツパーラーの前を通る(通るだけ)たびに三崎千恵子と稀勢の里を思い出しそうです。ツラいなぁ‼️
まだレビューを上げていませんが、masamiさんが選んだ5作以外に7作目の『奮闘編』も好きです!
1作目から見直そうかとも思ってますが、公開されたら再度観に行く予定してます。40インチのテレビ画面じゃ物足りない!