パッドマン 5億人の女性を救った男のレビュー・感想・評価
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実在のスーパーヒーロー映画
映画で観られる感動の名演説ベスト5に入れたい。国連での主人公の演説は本気で感動した。 生理の苦しみは男性には理解しがたい。人生で男は生理を一度も経験しない、この身体的な体験差の断絶は相当に深いものだと思う。この主人公のすごいところは、その断絶を真摯に考え抜いて想像するところ。 主人公の戦いは、他の男性には当然理解されない。そればかりか、母親や肝心の妻にさえも理解されない。男女の固定観念に男性も女性も縛られていている。 そんな彼を助けるのは、若い女学生と都会の先進的な考えを持つ女性。この映画が優れているのは、ただナプキンを安く作れる機械を作っただけでは成功しない、啓蒙活動もまた重要だと描いているところ。考えを変えない限り、新しいものは受け入れてもらえないのだ。 『パッドマン』というタイトルは粋で素晴らしい。確かに彼は紛れもなく多くの女性を救ったスーパーヒーローだ。
インドのメロドラマの本気とその先。
因習にとらわれたインドの女性のために、安価な生理用ナプキンの生産と普及に努める男“パッドマン”の実話をベースにしたサクセスストーリーだが、ジャンルをひとつに限定することができない貪欲さはインド映画ならでは。本作もコメディ、社会派ドラマ、メロドラマが複雑に絡み合っている。面白くて楽しくて、それでいて胸を打つ感動作として傑作認定した上で言及しておきたいのが、この映画のメロドラマとしての秀逸さだ。
この映画のラストで、主人公とヒロインは別れる選択を迫られる。お互いに身を引かなくてはならないと納得した上であるだけに、切なさもひとしお。そしてこの映画の凄みを感じたのが、ふたりの別れが、主人公が成功へと駆け上がるハッピーなエンディングと同時進行であること。社会的にも認められ、故郷に錦を飾り、愛妻も取り戻した。映像も音楽も幸福感に満ちているが、観客には二人が犠牲にしたものの大きさがしっかりと感じられるのだ。憎い。巧い。このラスト、たまんねえな。
男性が学べる教訓がたくさん
全編を通じて女性の生理と生理用品について考えさせられる映画は前代未聞かつ画期的で、それゆえに普段は生理について深く考慮することのない男性こそ、観て学べることがたくさんある。インドのように「穢れ」として忌み嫌うほどではないにせよ、日本でも生理はどこか避けるべき話題、タブーのような雰囲気がある。オープンな議論が適切かどうかはともかく、少なくともパートナー同士では必要に応じて率直に真摯に話し合えるような空気、女性が痛みを我慢している時期は男性がさりげなく支えられるような環境になるといいなと、本作を観て痛感した。 成功者は他人から見ると「変わり者」で、それでも志を曲げないこと、あきらめないことが大切だと教える、シンプルなメッセージもいい。ラクシュミを後半支える女子大生パリーのキャラクターも魅力的だ。
パッドマンという名のスーパーヒーロー
予期していた以上に、本当に素晴らしい映画だった。私がインド映画で一番楽しみにしているのは恋愛パートの歌なのだが、これもきっちり入っていて大満足。
主人公・ラクシュミが妻・ガヤトリに惚れて惚れて惚れまくって、その末に結婚したんだ、っていうことは大事な部分。それを普通に台詞や芝居でやると控えめ過ぎたり、あるいは嘘臭いほど過剰だったりするせいで、イマイチ伝わらない残念な感じになることもあるのだが、その点歌はイイ。
大袈裟な愛の台詞も歌詞なら気にならない。
愛する妻・ガヤトリと片時も離れたくないラクシュミだが、「女の穢れ」のせいで一人寝を余儀なくされる。嫁を貰うまで現象すら知らないラクシュミに対して、「トライアウト」と揶揄する近所の少年は現象自体の知識はある。
インドが内包する「格差」の一つが序盤から明確に示される。
ひたむきに妻の為を思い、その思いがやがて「ナプキンの自作」という突拍子もない行為へと繋がっていく。
言葉足らずな面はあるものの、ラクシュミの純粋な思いと、それを許さない伝統的な価値観のギャップはとても歯痒い。
しかしそれは観ているこちらが「あって当たり前」の世界の住人だから、なのだ。
「ないのが当たり前」の世界の住人たちは、高過ぎるナプキンの使用を躊躇い、女の領域に立ち入ろうとするラクシュミを不審に思い、守ってきた伝統を破壊しようとする異物を拒む。
それも考えてみれば当然の事。当然だから、歯痒く、辛く、心を揺さぶられる。
ラクシュミがパリーという良き理解者・パートナーを得て快進撃を重ねる様子はまさに爽快。顧客と従業員、知識と雇用が拡大していく様子は、本当に胸踊る気持ちがした。
一見すると「生理」関連の事だけを取り上げている映画のように見えるが、インドという巨大な市民を抱える国家の問題点が色々とリンクしていて、本当に興味深い。
問題だらけだからこそ、その問題を解決する事が大きなビジネスに繋がっていくし、国そのものを大きく育てることに繋がる、という明確なメッセージを、さらに拡散させていこうという製作側の意識にも素直に感動させられる。
最後に、ラクシュミが自分を支え続けてくれたパリーではなく、ガヤトリの元へと戻るエンディングについて。
ラクシュミのそもそもの動機が「ガヤトリを守りたい」というものである以上、どんなにパリーが魅力的な女性でも、どんなにパリーがラクシュミの理解者だとしても、ガヤトリの元へ帰るエンディング以外はあり得ない。
いや、私もパリー派だよ?パリーとイイ感じになったことも微笑ましく観てたよ?
ただ、パリー自身も自分の父に対して告白したように、「愛する人を守りたい、その笑顔を守りたい」という純粋さを失ったら、多分ラクシュミはパリーにとっても「特別な人」ではなくなってしまう。
インドの先進的女性の代表格のようなパリーに、幸せになって欲しい気持ちは痛いほどわかるけど、やっぱりラクシュミがラクシュミである特別さ、というのはガヤトリへの献身的な愛抜きには語れないよね。
このちょっとやるせない感じも、「パッドマン」の良さかな、という気がする。
女性の尊厳のために立ち上がる男性もいる
妻のためにがんばる主人公に大変好感が持てました!やってることがバカバカしいですが、ここまで一生懸命に向き合った人がいなかったらインドの男尊女卑は改善されなかったんだろうなと思いました。(カーストとかあるし今もひどいのかもしれないけど) インド映画らしいバカバカしいシーンもあり、笑って涙できる素晴らしいヒューマンドラマだと思います。
『教養はないが感情がある』
サタジット・レイの『大河のうた』に出て来たロケ地がそのまま使われている。今ではサタジット・レイと言ってもあまり知られていないだろうが、淀川長治先生はチャップリンと同じ位好きだったはずだ。この映画はその要素がなんとなく含んでいる。つまり、インドの昔からのメロドラマが基本なのだろう。しかし、主旨に共感する。空気が読めない変態男ではない。いささか、脚色された部分もあろうかと思うが、男目線の罪なきフェミニストだ。
ナプキンでここまで話を作るのか?と笑ってはいけない。よく考えれば、全人類の約半分がそれに悩まされているわけで、本来は当たり前のことなのだろう。月や火星に人間を送り込もうとしているのに、女性は未だにナプキンを使っている。
さて、
ピルと言う薬がある。避妊薬である。この単語を口にすると、おかしな目で見られる。しかし、ピルは生理痛によく効くと言った事が確かめられている。
女性が国際宇宙ステーションに滞在なんて言う話で、女性の地位向上を喜ぶのではなく、ナプキンの要らない『何かを』を発明する女性は出て来ないものだろうか?それでこそ、女性の地位向上の繋がると思う。
追伸 エジソンを発明王とするが、彼はいくつかの発明はしたかもしれないが、教養はあったが、感情はなかった。いやいや、お金に対する感情しかなかった。だから、彼は発明王と言うよりも、偉大なる実業家と見ている。ノーベル賞を授けるなら、ノーベル経済学賞だと思う。
この映画の主人公もある意味実業家なのだが、彼には感情があった。つまり、女性の雇用まで、視野に入れている。日本では『ヤクル○レディ』なのだろう。だから、新しい経済を考えたと言う事で共感をしたい。
追追伸 インドの女優さんは綺麗だなぁ。みんなトレーシハイドみたいだ。
インド映画はやっぱり良き
インド映画は有名どころしか見ていないが、ハズレがない。 この映画も前例に漏れず、泣きあり笑いありの最高な映画だった。 最後の演説シーンは歴代トップレベルに良いシーンだった。 インドは美人な女性が多い。 恋愛もあって、人には勧めずらいテーマだが、みんなに見てほしい映画。
閉鎖的な文化にショックを受けつつも。
生理用ナプキンを安価に製造する機会を作り出した人の話。 まあ観ていてインドの(地域差や宗教観があるとは思うし、どのくらいの範囲で同じ様な風習になっっているのかは不明だが)閉鎖的な文化にはまず改めてショックを受けた。そして2001年という事にも再びショックw まず生理期間はできるだけ離れて過ごす「穢れ」と言うのもなんだかなー。って感じ。 確かに一昔前の日本ならありそうな話ではあるが、携帯電話を片手に持った2001年にも変わらずに続いているってのは不思議な感じがした。 また男尊女卑の考えも脈々と続いているのは言うまでもない。 しかしその事に疑問を持ってどうすれば妻を楽にさせてあげられるのか? を真剣に考え行動する姿が素晴らしい。 普通の男性であればそれにすら気づかない、また「布でも巻いておけ」といったところか。 しかもその布も決して衛生的ではなく、年間に何人も亡くなっているとの事。 痛みはや苦しみ、辛さはある程度は理解できていても同じ痛みを共感する事はできない。それをできるだけケアしようと立ち上がった姿がとても感動的。 インド映画にありがちな歌って、踊ってって言うのはかなり控えめではあるものの笑いあり、涙ありの飽きさせない内容で最後まで楽しめた。 村の人間が「菩提樹の木に逆さに吊るし、枝で叩け」と騒ぎ立てていたのに、褒章をもらうとクルッと手のひらを返し、村を上げての大歓迎って所も「おいおいおい」と突っ込みたかったw ラストの拙い英語でのスピーチは非常に素晴らしく、キレイな言葉や内容で伝えるのではなく、自分を突き動かした気持ちを観ている自分たちにもぶつけてきて非常に感動的であった。 個人的には妻も旦那を愛しているのならもう少し早く協力してあげれば良いんじゃない? と思ったりもしたけども、そういうことすら許さない村の文化みたいなものも非常に怖いなー。と感じた。 まあ良い商品を作れたところでそれをうまく人に伝える大切さも描かれていた。 ラクシュミの信念にただただ頭が下がる。そんな作品でした。
本当は5でもいい
ラストがなぁ。
インド映画にありがちな選択。
革命を起こした人ならば、
ちゃんと支えてくれた人と
幸せになって欲しいもの。。
なんで?良い結末に連絡してくるなど
当たり前にダメだから。
それよりも、苦楽を共に
一緒だから上手くやれて来た人と結ばれるべき。
まだまだ最後、インド映画は人生を変えて一緒に頑張って来た人よりも、元鞘に戻りがち。
ラストは納得いかない。
後半のスピーチ終わりまでは良かったのに。
インドらしさは抑えつつ、失わず
いきなり歌から始まったときは「コテコテのインド映画かな」と思ったけど、その時点で名前もわからない主人公が妻想いで、でも少しやりすぎでってのが伝わってきた。 そして観ていると全然歌わないし踊らない。「ちょっと違うぞ」と思った頃にはもうとてもおもしろくなっていました。 どこまで事実に即してるのかもわからないけど、天才はやっぱり変態なのだと思ってしまうほど、ラクシュミはぶっとんでて、それでも愛らしいキャラクターでした。 もっと昔かと思いきや、話は2000年代。都会と田舎の違いもあるのだけど、いまだに科学よりも宗教が広まっている地域があるのが衝撃的。 コミカルなシーンも多いものの、テーマはとても重いはずだし、深刻なはず。男性こそ観るべき作品でした。
笑顔にする映画
冒頭の結婚式から、音楽だけの台詞のない新婚夫婦の日々は それだけで十分にこちらを笑顔にしてくれる 妻のことが大好きで、彼女を笑顔にしたい夫 その夫のことがとても大切で、その愛情に喜びを隠しきれない妻 ところが、妻の生理が来たところから、ふたりの幸せな日々に陰りが生じる 忌むべきものであるため、そのあいだは家の外のベランダで生活する妻 穢れたものであるため、妻の肩に触れることすら許されない夫 そして、サリーの下に隠して干し、繰り返し使用する不衛生な古布の生理用品 しかし、薬局で購入できる生理用品は、とても高価すぎる 夫は、はじめて生理を取り巻く状況を知る その不衛生な生理用品で、妻が病気になったり、命を落とすかもしれないことも知る そして、妻のために、生理用品を作ることを決意する 生理と口にすることさえ禁じられたような価値観の中、 夫のしようとする事は、女性の誰にも、妻にすらも理解されない そうして、狂ったと言われ、妻と引き離され、村を後にすることになってしまう それでも、夫は、諦めない しかし、その彼の行動は、結果的にインドの女性だけではなく、他国の女性すらも救うことになる 生理だけではなく、女性の自立を促す基板にすらなる まともな学歴さえない彼が、これだけのことを成し遂げる時点で、 本来はとても聡い人なのだろうと思う それに、無欲だ 驚くほど無欲 でも、もし彼が無欲でなければ、ここまでのことは成し遂げられなかっただろうと思う 国連に呼ばれ、行ったスピーチで、無欲な彼の想いの全貌をようやく私も理解した これが実際の話を元にしているというのだから、驚く そして、もうひとつ驚く事は、観ながら、ほとんどの時間を笑顔で過ごしていたことだ 観ているだけで笑顔にしてくれるような話 ただ、ラスト、パリーがいい女すぎて、誰も悪くなさすぎて、無性に泣けた
こういう人物こそが尊敬されるべき
「パッドマン 5億人の女性を救った男」 2018年公開のインドの伝記映画である。 結婚している女性、あるいはパートナーといる女性に尋ねたい。 「もし自分の夫、彼氏がある日、生理用ナプキンの研究を始めたら?」 インドに住む男は女性と結婚して平凡な日常が訪れると思っていた。しかし妻が洗濯物を隠すのを見て、自分を避けるようになったことに疑問を抱く。それが女性の生理のせいだと知った男は、妻に女性用ナプキンをプレゼントする。ところが海外製の女性用ナプキンは高価で、妻は値段を見て返してくるように怒り出す。その矢先、務めていた工場で仲間が怪我をしてとっさに女性用ナプキンで傷口を抑え、近くに医者につれていく。仲間たちは、男が女性用ナプキンを持っていて変態か、とバカにするが医者はそれで傷口を抑えたことは、止血にも衛生的にも正しい判断だった、と主人公に言う。そこで主人公は女性の生理問題について医者と話をすると、実にインド人女性の12%しかナプキンを使っておらず、残りの女性たちは布を使いまわし衛生的に危険だ、と医者から聞く。 その日から妻のためにナプキンの研究に没頭する男だったが、妻にナプキンを渡しても、失敗ばかりで、妻はもうやめてほしい、と言う。しかし妻のために必死にナプキンの研究に没頭する彼だったが、とうとう妻に使ってもらえなくなった彼は、初めて女性の日を迎えた身内の娘に夜中、ナプキンを試してくれるように頼みに行く。そこを見つかってしまい、村で変態扱いされ、妻は家を出ていき、家族も彼のものを離れてしまった。 それでも村を出て各地でナプキンの材料や金を工面しながら、彼は研究を続けるのであった。 この物語は実話を元にしたフィクションでありアルナーチャラム・ムルガナンダムという実在の人物がモデルになっている。 日本も恋人同士や夫婦間で生理の問題を話すのは、ためらわれることもある中で、今はわからないが当時のインドでは男が女性の生理用品を作るなどあり得なかったときに、彼は妻のために研究して作った。 しかし全てを失ってしまったのだ。それでも彼が作り続けたのは、女性への尊敬、特に女性蔑視が根強い中央、中東アジア圏で、女性を尊ぶ心があったからこそ、続けられたのではないだろうか? 5億人の女性を救った男、とあるがインドだけではない。おそらく生理用品が高価で使えないアジア圏の貧困層の女性たちを彼は生理面でも雇用面でも救った。つまり10億単位で彼はきっと貢献した男なのだと思う。
拍手
ちょっと前に公開されていた映画ですが、上映期間中は忙しくて映画館に行けず、、(涙)
今回はスマホの小さな画面で鑑賞しました。
結果、これは映画館で観たかった〜!!
インドは今でも男尊女卑の文化がある社会と聞きますが、日本の生理の歴史とインドのつい最近までの生理事情はとても似ていました。例えば生理が穢れたものとして扱われていること、女の子が初潮を迎えればお祝いをするところ、生理がある女性は家族のいない外の部屋に5日間とほど隔離されること。
昔の日本でも穢れとして生理の女性は月経小屋に隔離されていました。生理のときに使用していた下着も日光に当てて干せないとか、衛生的に良くないのに。
今の日本では考えられませんが、本当にこの国でもあったことです。生理に関しては今でも良いイメージはありませんが、この映画のテーマになった生理用品が広まっていない頃のインドでは、男性から生理の話題をされるのはとても恥ずかしくて辛いことだったんだと思います。
主人公のラクシュミは奥さんへの愛が溢れんばかりで、奥さんはその優しさが分かっているからこそ、男性であるラクシュミが女性の生理に触れさせるのが申し訳なかったり、恥ずかしかったり、理解できなかったことが辛かったんでしょうね〜。
女性自身も生理に対する文化的な偏見があって、男性には知られたくない恥ずかしいことと言う思いがあるので、そんなインドの女性たちからしたら、ラクシュミは「生理ってどんな感じなの?ねぇ、生理ってこれ使うんでしょ〜」って言いながら近寄ってくる変態的行動にしか見えなかったんでしょうね、、、100%善意でラクシュミがどんなに良い人なのか知っいてる視聴者の私は、観ていてとても辛かった。
今でも女性には女性にしか言えないことってあります。
生理もその話題のひとつです。
周りに理解して欲しいなら、女性側ももう少しオープンになる必要もありますよね、隠しながら、理解してよ!っておかしいですから。
とても勉強になって泣ける映画でした。
おじさん主人公にこんなに胸を締め付けられるとは、、
今後なにか機会があれは映画館でぜひ観たいです。
最高の演説
最後の演説、感動した。 パリー、とっても素敵。ほんと、素敵。 妻はかわいそうだけど、。パリーに幸せになり、共に頑張って欲しかった。 これからは、 世界、 女性の感性、優しさの強さの時代になっていくし、そうでなくては、世界、そして日本もたちいかなくなる、そんなヒントを感じる。
一人の愛する女性のために、最後まで信念を貫いた男
発明好きで妻思いな男ラクシュミカント。妻が玉ねぎを切るのに涙を流せば玉ねぎを自動で切る機械を作り、妻と自転車を二人乗りするために後ろの荷台に椅子を取り付ける。そして彼は妻の命を救うために、55ルピー(日本円だと大体5000円くらい?)もする生理用ナプキンの代わりに自分でナプキンを作り出そうとするのであった。 その過程は凄まじい物であり、例え村中から笑い者にされようが、家族から頭がおかしいと言われようが、彼はただひたすらに綿と布で作った手作りナプキンの研究に打ち込む。彼はただ単純に妻を、ひいてはインドに住む女性のことを思ってのことなのにあんまりだとは思ったが、流石に初潮を迎えた少女に笑顔でナプキンを渡す様は気持ちが悪い。それでも彼は辞めたりはしない。彼の思いはただ一つ。愛する女性の命を救うためである。 この映画では終始、彼は大勢の人々に受け入れられない。ナプキンという言葉を発し、手作りのナプキンを見せれば例えそれまで彼を慕っていた人でも血相を変えて彼のことを変態扱いする。 それでも彼は歩みを止めない。持ち前の機転を生かし、幾度なく困難を乗り越える。 繰り返される挫折を描いたことで、彼が人々に受け入れられた時のカタルシスはとてつもなく大きい物だった。 素直におすすめできる一作。たまにはインド映画も悪くない。
偉大なる人
長いけど面白かったー😋 インド映画です。 女性用の生理ナプキンがなかった時代、妻のためにそれを作り、広めた男の話。 実話だそうです☺️ . お金を稼ぐよりも多くの人が喜ぶ方が幸せなんだと。素晴らしい。 お金を追い求めてたら途中止まりだったはず。 . ビジネスパートナーともいいコンビだったなぁ👍👍 終わり方も個人的には良かったです。 いやー、偉大な人だ。
悪習から女性を解放する第一歩
2001年インドの小さな村で愛妻と暮らし始めたラクシュミ。血=穢れという考えから生理中の女性は家の外に出すのが一般的であり、女性側もそれを当然としている。
ある日、妻が生理の処理に不潔なボロ巾を使っていると知ったラクシュミは、清潔な生理用品を求めて大枚をはたく。しかし慣習に縛られた妻は使用を拒否。それでも町医者にかかる十人に一人は不潔な生理処理によって病気になった女であると知ったラクシュミは、愛する妻や妹達に清潔で安価な生理ナプキンを届けられるようナプキン開発に乗り出す。
しかし旧態依然としたインドの片田舎では、生理について話すこと・男が生理に関わること事態が恥ずべきことだと思われており……
面白い!ビジネス本来の「人の暮らしを豊かにする」ことを価値とした主人公の提案が認められていくサクセスストーリー。
失敗しても、すぐに次の手を考える前向きさを持つ主人公を応援したくなります。
驚くのはこの物語の開始時点で21世紀だという所。おそらく今も場所によって、このような血を嫌って生理を忌避する文化的慣習は残っているのではと思います。
日本でもあまり公にしない恥ずかしいもの、男性には相談しないもの、という風潮はあるので、笑えない部分があります。
パッドマンというタイトルなのでつい「インドの女性を生理の煩わしさから解放した」という点に目が行きますが、途中出てくる暴力夫から逃れて自立のためナプキン工場で働き始める女性のエピソードなどから、この映画の本質は「インドの悪しき風習に縛られた女性の解放の第一歩」というところにあると思います。
風習に縛られているのは男性キャラだけではありません。作中出てくる妻や妹達などもそうです。「周りの目があるから」ナプキンを使うわけに行かない、男性とナプキン製造に関わるわけに行かない。この問題は生理など知らない子どもや女性協力者パリーの登場で解決していきますが、地元は最後でも決してラクシュミの偉業を本質的に認めたわけではないでしょう。「世界的な大きな舞台で大きな賞を貰った栄誉」に酔っているので歓迎されますが、血を汚いと思うこと、男尊女卑がまかり通る風習などは残ったままだと思われます。
そういう意味で、この物語は現代への問題提起の第一歩であると感じました。
描かれるロマンスについて、物語は一見パリーが進歩的な理解ある女性で、妻はラクシュミの気持ちに無理解だと思えます。
ですが、実は彼女は何度も周囲の目を気にしながらもラクシュミに協力しようとしています。実家に帰って家父長制をかさに着た兄にラクシュミとの離婚を迫られてもしなかった。「生理について話すのは恥」という慣習に縛られながらも、彼女なりにずっとラクシュミを想い続けている。それはテレビに出たラクシュミの活躍内容「まだナプキンのこと?」よりもまず彼のしまわれたシャツ「誰がしまったのかしら」に着目するところからも読み取れます。
ラブロマンスの行方としては、そうあるべき二人がくっついた。そうなる方が好きな彼のままでいてくれるはずと、パリーもよろめきかけたラクシュミを明るく突っぱねた。
主人公こそ男性ですが、いろんなしがらみと闘ういろんな女性を描いた名作だと思います。
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