バスキア、10代最後のときのレビュー・感想・評価
全10件を表示
混乱期のNYのエネルギー
バスキアの活躍した1970年代後半のニューヨークは、ひどい有様だった。70年代はニューヨークで最悪の時期とされ、治安はひどく犯罪都市として名を馳せてしまっていた。しかし、そんな荒れ果てた、混沌とした時代だからこそ、バスキアのような新しいアーティストが生れたのだと、この映画が言っている。
バスキアがこの時代に過ごしたイーストビレッジが治安のせいで家賃も安く、金のない若いアーティストが根城にしていた。そこから新しいムーブメントが起こりアートシーンが活性化した。今のイーストビレッジはジェントリフィケーションの結果、高級住宅地となり、治安はよく住みやすい場所となったが、かつてのような燃えるような活気は失われた。
社会の混乱期には、それを刺激にして映画や文学も含めて優れたクリエイターが生まれる。平和で過ごしやすいけど、アートの活気の失われた街とどっちが好きか。この映画はそういう問いかけをしているんじゃないだろうか。
天才アーティストの無名時代とNYのアートシーン
世に知られる
【君は無法地帯と化した70年代末のNY、マンハッタンに現れたジャン=ミシェル・バスキアを知っているか!”】
ー このドキュメンタリー作品の監督は、あのサラ・ドライバーである。
当然、ジム・ジャームッシュは雄弁に、バスキアがNYアンダーグラウンドカルチャーに与えた影響を熱く語っている。-
・ストリートアートの世界からスターとなった20世紀で最も重要な現代アーティストのひとりである、ジャン=ミシェル・バスキア。
だが、彼は27歳でオーヴァードーズにより、早逝してしまった。
・破綻し、暴力にあふれた1970年代末のN.Y.には、18歳の彼の心を動かす何かがあった。
・今作では、名声を得る前のバスキアの生活を映し、彼を知る多くの関係者のインタビューを介して、上記を含め、天才誕生の秘密に迫ろうとしている。
<このドキュメンタリー作品は、面白くはあるのであるが、残念なのはジャン=ミシェル・バスキアの姿は頻繁に映像に出て来るし、当時のNYアンダーグラウンドカルチャーについて語る多くの人々のインタビューは面白かったのであるが、バスキア自身の言葉が一切、描かれないのである。
彼自身がNYのストリートアートに注力していた時、何を考えていたのか。
そして、アンディ・ウォーホルにインスピレーションを与えた際に、彼はどう思ったのか・・。
彼自身の肉声が遺されていなかったのかもしれないが、そこが少し残念であった作品である。>
バスキアを知る人物が語るドキュメンタリー。
六本木の街にも・・・
"Same Old Shit"
全10件を表示