search サーチのレビュー・感想・評価
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「近い」からこそ「遠い」、「遠い」からこそ「近い」 SNSのパラドックス
物語がすべてPC画面上で進行するという試みは面白かったが、そうでなければいけない必然性が見出せなかった。ある事件を捜査していくうちに、被害者や被害者遺族の思いもよらない素顔が明らかになるのはよくあるパターンだ。
親は子どもと「近い」。そして、それまでの関係の履歴を前提に振る舞う。すると逆に、子どもの真の姿が見えない。ネットで知り合った見ず知らずの他人は「遠い」。関係の履歴がないからこそ、真の姿がわかるかのように振る舞うことができる。女子高生が親にも打ち明けていない秘密をオンライン上の他人と共有している。そんなことが起こるのは、まさしく相手が「赤の他人」だからだ。
本作は、いわば「アームチェア・ディテクティブ」を現代の情報環境でシミュレーションしてみた、そのチャレンジの記録ではないのか。ある手がかりから探偵が推理し、助手がその推理を裏づける証拠を見つけ、徐々に真犯人に迫る。決定的な証拠が見つかったところで、探偵は言う。「関係者を集めてくれ」と。そんなミステリーがウェブ上の情報だけで成り立つようになった。探偵と助手をひとりでやれる訳だ。
現代版アームチェア・ディテクティブの誕生を目撃した。『search サーチ』はそんな体験をもたらす映画なのかもしれない。
新しい才能の登場
監督はgoogleグラスで撮影された動画で有名になったアニーシュ・チャガンティ。その動画がきっかけでgoogleに入社しCM制作に携わった後にこの映画で監督デビューを果たした。シリコンバレー出身の新世代の映画監督と言っていいだろう。
PC画面だけで進行するという、「ギミックありき」の作品かと思いきや、プロットが抜群に優れており、画面に釘付けになる。監督はクラシックなスリラー映画をたくさん研究したそうだが、ギミックが奇抜な分、ストーリーはむしろオーソドックスで、SNSなどの現代要素を上手くブレンドした感じだ。PC画面を1時間40分も観続けるのはさすがに厳しいのではと思っていたが、全く気にならなかった。むしろPC画面の情報量の多さに驚いた。普段からPCを使っているくせにこんなに多くの情報があることを改めて気付かされた。
現代人は多くの異なる顔を、インターネットの中に持つ。それがそのままスリラー要素として上手くはめたセンスが素晴らしい。
今後の映画作りの一つの基準となるであろう物語革命
オープニングからエンディングまであらゆるシーンがPC画面上で展開する。そんな画期的な手法を駆使しつつ、決してギミック本位に陥らず、しっかりとストーリーを伝える。それも普遍的で重厚なストーリーを。本作でまず驚かされるのはそこであり、最終的に行き着く場所もやはりそこなのだ。弱冠27歳の作り手が、いくらgoogleに所属していたとはいえ、従来のストーリーテリングの文法をこれほど巧く革新してみせたことを手放しで称賛したい。そして我々も、日常の何気ないPC操作やスクリーン動作が他の何にも増して自身の人生を描き出していることに気づかされるのだ。
冒頭5分で泣かされ、ミステリーとサスペンスが濃厚に絡み合い、いつしかカタルシスへと転じていく構成力にも目を見張るものが。今後もこういった作品は増加の一途を辿るだろう。しかし重要なのは物語や人の感情を伝えようとする力。その意味でも本作は一つの基準となるはずだ。
ギミックだけじゃない正統派サスペンス
全編がパソコンやスマホの画面で進行する映画、というギミックに特に興味が持てない、もしくはむしろ邪魔だし惹かれないという人もいると思う。自分の中にも少なからずそういう部分があった。ところがこの映画は、もちろんアイデア勝負に打って出てみごとに勝ちを収めたトリッキーな作品ではあるのだが、実際に受ける印象はしごく真っ当で良質なサスペンスミステリーなのだ。
ちゃんと面白いストーリーが骨子としてあって、その上で、どう見せれば新鮮かつ刺激的なのかを練りに練っている。モニターやSNSといった要素は現代の社会とリンクするためのアイテムであって、ハイテクとかハッカーみたいな要素がほとんどないのも等身大の説得力に繋がっている。
そりゃ都合がよすぎる展開が皆無とは言わないが、本作はまったくキワモノじゃないし、ジャンル映画を活性化させてくれるカンフル剤の役割を果たした功績も、大きく評価されていいんじゃないだろうか。
凄まじい完成度
最初は「うわ、ずっとPC画面なのか...」と不安になったけど、あっという間に引き込まれて観づらさは全く感じなかった。
失踪した娘を探す、というシンプルな話をインターネットと組み合わせ、ここまで面白く魅せる切り口が凄い。
シャマランといい、インド系の監督のセンスが好き。
パソコンの画面だけで映さない構成が斬新で面白い
2に向けて今更ながら初鑑賞。パソコンの画面だけで映さない構成が斬新で面白かった。マウスカーソルの動きと、クリックする動きだけで父のマーゴットを捜し出すという執念が伝わってくる。
最悪の展開になるかと思いきやハッピーエンド。待ち受け画面を父と娘に設定して締めるのは後味良い終わり方でほっこりした。
子供を思う親の気持ちは誰しも同じ。
妻を病気で亡くしたアメリカ人男性が、15歳のマーゴットと言う娘と平凡な毎日を過ごしていた。
ところが、ある日、娘が何の痕跡も残さず行方不明に。警察は最初は、家出だと言っていたが、娘のSNSを探していたら、父親の知らない娘の姿が出てきた。
捜査を買って出た女性刑事が、病気持ちの息子のため、薬物中毒者を犠牲にしてしまう。
また、息子は、マーゴットを見て、思いを寄せていたが、実際には近づけず、SNS上で全く別人の若い女性になりすまし、肉親がガンで週に25時間も働いているとマーゴットに告白する。
マーゴットは同情し、自分のピアノ・レッスンの代金の2500ドルを息子にあげる。
マーゴットは確か、5日間も行方不明だったので、絶望かと思われたが、捜索できなかった雨天時に、マーゴットはその水を飲んでいるから、生きている可能性があると言い、崖の下にいたマーゴットを見つけ、ハッピーエンド。
結局、娘を思う父親と、息子を思う刑事の母親の映画だと言う結末。物語がSNS上でほとんど、進んでいくのが面白かった。
うまくできてる
突然娘が失踪して、父親が必死に探す物語。似たようなストーリーの物語は過去にもいくつかあったと思いますが、この映画は娘のパソコンに残るSNSや銀行口座の記録を元に探していくのが新しい。パソコンをよく使う人は、映画内で行われるパスワード再発行の手続きとかよくわかって面白いでしょうが、そうでない人にはこの部分は伝わらないかもしれません。でもストーリーとしては、そういうのがわからなくても十分楽しめます。父親が最終的に驚くべき犯人を突き止めるのは爽快です。
SNSでは埋まらない。
2024
112本目
ストーリー自体はよくあるストーリーではあるが、観せ方や解決までのプロセスが面白い。
最初はパソコンを画面をメインで展開してく事に違和感を感じていたが、なかなか面白い。
吹き替えはオススメしません。
字幕でみましょう。
さて、
娘と言えど、知らない事ばかり。
親は知った風で、自分の子供はそうではないと信じたい。
だからこそ、溝が生まれていく…
SNSを通じて会話をしているが、そんなものはやはり一片にしか過ぎないな…
そんな関係性の親があらゆるSNSを使い娘を調べまくり解決まで導く。
その過程でログインしまくる親に引きました…笑
が、親の執念ですよね。
自分も同じ事をすると思う。
会話はホントに大事。
なんでも決めつけは良くない…とは思っているが
身近に人ほどわかってると思いたいし、
わかって欲しいと思う。
ストーリー自体は至って難しいものでは無いが、
普通の映画より刺さるものがあった。
ザ・父親と娘
母を亡くして娘のとの接し方がわからずどんな子と友達なのかもどういう事が好きなのかも把握できていない"父親"らしい前半からインターネットを駆使して娘を捜索していくまでテンポが良く面白かった。
どんな結果になっても絶対に諦めない(警察を信用しない)父親の愛が最後無事生還していてすごかったし、サスペンスものなのにほっこりな気持ちで終われで良かった。
パソコン上の画面だけで物語が進む! 発想が面白い!
パソコンの画面だけで進むサスペンス!
設定だけでも面白いけど中身もしっかり面白かった!
伏線は張りつつ、最後まで犯人が分からない、サスペンスの要素も良かったけど、家族の愛が感じられるストーリーも良かった!
あきらめねぇド根性、、、
小生、人生で初めての映画レビューで、
文才もなく大変お恥ずかしい限りですが、
こちらの映画を拝見し圧倒的な満足感から気がついたらレビュー画面を開いておりました。
スマホ画面、パソコン画面で動き続けるという映像表現の新しさもびっくりですが、何より最後の大どんでん返しに続くまでにいくつもの付箋があり、それらが見事に回収されるラストはもう、めちゃくちゃ気持ちよかったです💪💪💪
そして何よりパピーの、娘のためなら地獄へでも突撃するぞ、という愛の力、あきらめない愛の力を感じました、、、。
ぜひ家族で見て欲しい映画です。
こんな父親になりたいです🥷
他人のPCの中を見る好奇心
面白かった。一気見。
ずっとPCの画面上で行われるというのが斬新で、
それだけでも興味が湧いた。
怪しそうな人が何人もいて、
誰だろな?とか思いながら進めて行くのが楽しい。
そして、これが最大の魅力なのかもしれないけど
「人のPCの中身を見る」という
本来はしないであろうことをしてるから
ちょっと怖いもの見たさ?身ちゃいけないものを覗き見してる感覚?そういうのが、無意識にドキドキして楽しいのかも。
舞台のアイデアが全て
話が全て、誰かが開いているPCや携帯電話などのデバイスの画面の中だけで進行していく。
つまりすべての画像・動画・音声は一度コンピュータを経由したものである訳で、ということはすべての画像・動画・音声が加工し放題ってことじゃないか!
となると失踪した娘を父親が探すのがストーリーの骨子だけど、娘は本当に失踪したのか、主人公の男は本当に失踪した娘の父親なのか、そもそも娘は実在したのか、そのレベルをさえ覆すどんでん返しをいくらでも仕込める!
この設定を考えた人は天才だ!
これは歴史に残る不条理ものの名作に違いない!
・・・と、おおいに期待して観に行ったんですけどね・・・。
何一つ不条理なところがなくて本当にがっかりした。
制作側はむしろ不条理を嫌って話の解りやすさのために腐心したようで、どんでん返しはない訳じゃないがこういう特殊な舞台装置でなくても普通にできるものだけ。
何なら『デバイスの画面の中だけで進行する』っていうアイデアを、制作側は持て余したんじゃないかと思う。
登場人物はみんな、いちいちストーリーがちゃんと端末のカメラに撮られるよう行動していて不自然にさえ感じた。
都合のいいときに限ってPCをシャットダウンし忘れたり。
電話をかけるのに端末を顔から離して自撮りで話したり。
挙句どこの誰とも知らない人が見ているワンセグのニュース番組、なんてのに至ってはもはや反則だろ。
結局、『デバイスの画面の中だけで進行する』という舞台装置以上に面白いものは私は見出せなかった。
だいたい、娘の遺体と対面もしないうちから葬式の手配はしないだろ。
わりと好み
テンポが良かった。二転三転する話をいいリズム感で繋いでる。
SNSでの周りの反応のくだりとか弟のくだりとかを引っ張りすぎない感じが良かった。
結末への感想は、結局親が子を思う気持ちに変わりないってことで、行動と結果は違えどそこに主人公も犯人も大きな差はなかったのかなと。犯人の意外性もある中で納得もできたから割と好みの終わり方。
子供の生死は、この映画が胸糞映画として評価されてない時点でまぁそうだろうなって予想できるけど、それでも感動はある。
一方で、いくら捜査主任?だと言っても、捜査してない範囲を捜査済みに出来たり、偽の情報を父親に流していることがバレなかったり、周りの警察を無能にしすぎ?
さらに犯人役を押し付けられて殺された人と同じ写真に写ってたのは流石にやりすぎかも。女刑事と繋がりがある人を麻薬中毒のレイパーとして犯人に仕立て上げるのは無理がある。っていうかあの男はなんで自分が犯人って嘘ついたんだ...?一回で理解できなかったからもう一度見ればわかるかも。
あと見間違いかもしれないけど最後のFacebookで弟の名前も連絡履歴にあった?個人的にはそこは無くて良かったかも。
アイデアの勝利!最初から最後までPCの一画面のみで進むストーリー
今までこの発想で作られた映画はありそうで存在しませんでした。
まさに発想の勝利です。
しかも単調になりそうなストーリーをいかに視聴者を飽きさせないように工夫も随所にされています。脚本も丁寧です。
欲を言えば「こんなの普通撮影しないだろ」という場面も不自然に撮影されているところが改善点です。まあこればかりは映画の作り上しかたのない部分ではありますが…。
斬新な非常に素晴らしい映画ですので見たことない方はぜひ。
疲れるけど、意外なラスト
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主人公のおっさんの高校生くらいの娘が急にいなくなる。
おっさんは警察に頼む傍ら、娘のPCからネット使用状況を調査。
そこから交友関係を知り、直接話を聞いたりして行く。
娘は勝手にピアノを辞めてた。で学校サボってキャンプへ行く予定で、
でもキャンプには来ず、連絡してもつながらなかったらしい。
また実は主人公の弟とマリファナ仲間になってたことも判明。
弟が犯人かと疑ったが、彼はただ話を聞いてあげてただけだった。
片親な上に短気で押しつけがましい父に、娘は話せなかったのだ。
やがて娘の車が湖に沈んでるのが発見される。本人は行方不明。
でも前科者が、自分が殺したと自供した動画を残して自殺。
こうして遺体は見つからないまま、事件は終了。
でもおっさんは、あるおかしなことに気付く。
捜査の指揮をとってた女性警察官は、志願してのことだったらしい。
でも自分には、任命されたと説明してた。矛盾してる。
実は湖に娘を呼び出したのは女性警察官の息子だった。
悪意はなかったのだが、娘はその時マリファナで興奮状態にあった。
そしてはずみで谷底に落ちてしまったのだった。
息子から連絡を受けた女性警察官が証拠隠滅で車を湖に沈めた。
そして自ら志願して指揮をとり、前科者に偽の自供をさせて殺した。
で谷底が捜索される前に捜査打ち切りとしたのだった。
すぐに谷底が捜索され、娘はギリ生きてた。
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中盤くらいまで、とにかく疲れた。説明が少なく設定が分かりにくい。
PCやスマホの画面のアップばかりで、そこから状況を理解せなアカンから、
ずっと画面を凝視しとらんとアカンからしんどい。
状況が大体分かった中盤からは面白くなってきたが、主人公がバカ。
娘が消えたのは同情するけど、とにかく感情的になり過ぎでウザい。
でも女性警察官が犯人ってのは、さすがにビックリしたなあ。
アメリカって仕事とプライベートを完全に分けてそうやのに、
見上げた警官もいるもんやなって思ってたから。
夜中の3時か4時に主人公のおっさんから感情的な電話をされて、
怒りもせずに、おっさんが向かった湖にすぐ向かったもんな。
ええ警官やなあ、もしおれの娘が誘拐されたらこの人に頼もうって思った。
そしたら犯人かい!犯人やったら、そりゃすぐ行くわなw
SNSへの風刺も効いた素晴らしいサスペンス。
二転三転する展開と現代のソーシャルメディアならではのアイデアがとても自然に織り込まれたサスペンス作品。
サスペンスのアイデアだけに終始せず、登場人物達のドラマも見応えがあるのでとても満足度が高い。
デジタル世代の危機管理
まず、何か知りたいことがあるとしよう。それを調べるのに最初にすることはなんだろうか?
昔なら、知っていそうな人に聞く、図書館や新聞で探す、関連の高そうなところに電話する、みたいな方法だっただろうね。
でも今なら間違いなくGoogleだろう。取っ掛かりの部分は検索ウィンドウにアバウトに打ち込んで、あとはURLを踏むだけである程度のことはわかる。
今作はそんな現代のリアリティを前提に作られた傑作サスペンスだ。
行方不明になった娘を探す父親、というどんな時代にも通用するメインストーリーと、全編PC上で展開する超イマドキな演出の融合。
サスペンス部分だけでなく、登場人物のバックグラウンドまでPC上のデータで見せてしまう。
懐かしいUIが時代を感じさせ、撮影者に話しかける演出がアットホーム感を伝える。斬新なだけでなく合理的。
パパは娘を思うあまり彼女のSNSアカウントへのアクセスを試み、そこから少しずつ自分の知らない娘の姿を発見することになるのだが、それがまた興味深い。
映画の本質的なテーマからは逸れてしまうが、例えば家族や恋人、親友が死んだり行方不明になったりしたとして、彼ら彼女らのデジタルな遺品はどうなるのだろう?本体だけでなくデータやアカウント、契約の詳細は一体誰が把握してるのだろうか?
電子商取引や仮想通貨があったとしたら、それってどうなるのか?
どんなに近しい人だったとしても、知られたくないことはあるだろう。でも、自分のデジタル財産に誰もアクセス出来ないというのは不便なことも多々ある。
映画が面白かったと同時に、これからの危機管理、という面でも興味深い。
とりあえず、自分のアカウント情報くらいは一番近しい人が調べられる状態にしておいた方が良いのかもしれない。
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