「日本全滅の代わりに沈む戦艦大和」アルキメデスの大戦 w9pB8jjq6fwWhJoさんの映画レビュー(感想・評価)
日本全滅の代わりに沈む戦艦大和
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菅田君は好きなタイプではないが、最後はとても複雑な感情を表現していて、良い役者だと思いました。
最初は会議で軍艦か空母かで、山本五十六は空母を進言。古い頭の幹部は軍艦。その軍艦は日本を戦争に突入させるためのシンボルなのです。ただし、とても安く予算を見積もってきたので、菅田君がその見積りを暴いて、空母に軍配があがらせるというストーリー。
そこまで持って行くため数学の天才が何もないところからギリギリの戦いが行われるのです。脇役の柄本、一輪の花のような美波の存在は宝石のようです。
しかし、力が抜けるようなどんでん返しが起こります。
平和のために、努力しても、結局、山本五十六や軍部は真珠湾攻撃に突入します。
まるで、日本はアメリカと戦争しなければならない運命が、どうやっても避けられなかったとこの映画は言っているようです。
目に見えない日本の宿命のようです。
そして、日本が滅びないための生け贄である戦艦大和の設計の重要部分は、奇しくも天才数学者の菅田君が虚偽予算の全貌を暴くために書き起こした設計図が優秀であるがゆえに、採用されたものであったのです。自分の数式で作られた戦艦大和を見つめて流す涙は悲しすぎて泣けます。
平和のための数学が戦争の道具になります。それでも、それが日本全滅の代わりに海に沈むのです。
不思議な感慨にしばらく立てませんでした。
追記
また美波が好きになりました^_^
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