劇場公開日 2019年11月1日

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「原作ネタバレも含みます」マチネの終わりに 琥珀さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0原作ネタバレも含みます

2019年11月3日
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鑑賞方法:映画館
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グレシャムの法則
きりんさんのコメント
2020年7月20日

原作未読です

怪我をしたジャリーラのためにギターを弾いた蒔野の、その時の彼の動機が、グレシャムさんのレビューで解って息を飲みました。

また、復縁せずに洋子のジャーナリストとしての生き様を見守る蒔野の眼差しも理由がわかった気がします。

「生き続けるように」と祈りを込めて託されていく“硬貨”は、象徴的に出演者みんなに差し出されていたんですね・・

映画の尺に収めるために脚本と編集でカットされていてもなお、何かが地下水のように湧いてくる作品通してのテーマが、御レビューで初めて合点がいきました。
ありがとうございます。

きりん
寝落ちマン(次男)さんのコメント
2019年11月19日

そ-ですね。最初シリアスに見えたのですが、告ってからは昔オールナイトニッポンでエロトークをしてた彼や“今日の観客で一番👉🏼カ・ワ・イ・イ・コ・ハ・ダ・レ・カ・ナ❣️”で選んだファンに手を付けるロックスターかに見えてハニカミ顔もニヤケ顔に見えちゃいました😑

寝落ちマン(次男)
寝落ちマン(次男)さんのコメント
2019年11月18日

原作は結構な心のひだをめくるような言葉のやり取りがあったのですね。

寝落ちマン(次男)
グレシャムの法則さんのコメント
2019年11月5日

ハリソンさん、ありがとうございます。
ネタバレレビューを読んでからでも音楽と映像と役者の皆さんが素晴らしいと、鮮度が落ちないということですね。良かったです。

グレシャムの法則
ハリソンさんのコメント
2019年11月5日

琥珀さんの評価が高評価なので、これは!?と思い見てきました。
唐突感がないこともないですが、素晴らしい出来栄えだったと思います。
これは、人に勧めたくなる映画ですね。
多分、レビューみてなかったら、見逃してた映画です〜。

ハリソン
かいりさんのコメント
2019年11月4日

琥珀さん、ありがとうございます。
映画では結構唐突に薪野が洋子に愛を告白したり、時代背景はあまり描かれていないなか、所々で『幸福の硬貨』が流れることにより映画を紡いでくれたんですね。

自分の読んだことある作品が映画化されると、思い入れもあるからシンクロした際は嬉しくなり、逆にあれ?と思うこともあり。そんな経験が最近少なかったので、このサイトに登録して、原作のことを書かれてるレビューを眺めるのが好きでした。
琥珀さんのレビューは影から拝読させていただいてますが、かなりの読書量と、それを超える表現力が素敵だなぁと思います。ありがとうございます。

かいり
グレシャムの法則さんのコメント
2019年11月4日

かいりさん、ありがとうございます。
少々長くなりますが、お付き合いください。

原作におけるジャリーラは洋子のバグダッド支局時代の現地採用のイラク人で、イラク内戦状態の中、スパイとみなされて殺されそうになります。そして、スェーデンへの亡命を図りましたが、経由地のパリで入国審査に引っかかり、強制送還となれば殺されるのが必至という命の瀬戸際で洋子のもとに一時的に滞在しています(勿論洋子の力添えがあってのことです)。
そんな状況のもと、蒔野が訪れ『幸福の硬貨』について映画の内容やタイトルの意味について、説明的な会話が展開されます。

映画は第二次大戦時のクロアチアが舞台。当時、ヒトラーを真似た人種政策をとるファシズム政党が政権を握っている中、リルケを愛する若いクロアチア人の詩人とセルヴィア人の少女、彼女に想いを寄せるファシズム政党の将校が絡むという愛憎劇です。
ラスト、戦争で破壊された町並みを背景にリルケの詩が朗読されて、美しいギターのテーマ曲が流れる。

『天使よ!私たちには、まだ知られていない広場が、どこかにあるのではないでしょうか?
そこでは、この世界では遂に、愛という曲芸に成功することのなかった二人が、(以下、省略)』
詩はまだ続きますが、その中に、『私たちの未だ見たこともない永遠に通用する幸福の硬貨』という文言が出てきます。

このような精神世界の奥深い高揚感に包まれるようなやり取りをしているうちに、蒔野と洋子は心の底からの繋がりをあらためて共有し、蒔野は少し運命がずれれば亡くなったいたかもしれないイラクの若い命の前で、映画のテーマ曲『幸福の硬貨』を奏でるのです。

原作を読んでいるとこのテーマ曲の重みが一層感じられます。映画では以上の背景まで語られませんが(ジャリーラの設定も違う)、実際の曲が素晴らしいので、小説では不可能な耳から入ってくる音楽を通じて、二人の気持ちの繋がりが伝わってくるように作られていると感じました。

なまじ、原作を読んでいると、映画の印象から発展させるはずの想像力が働かない、ということもあるかもしれません。監督が原作をどう解釈したのか、というアプローチと原作に縛られない想像力の発露。
どちらがどう、ではなく、人それぞれの楽しみ方があるということですね。
なかなか悩ましいところです。

グレシャムの法則
かいりさんのコメント
2019年11月4日

原作をお読みになった琥珀さんには、「幸福の硬貨」はどう映ったでしょうか。私は大学生の時は本の虫だったのですが、とある時から読めなくなり、以降本を手にしていませんが、この原作は読んでみたいなと久々に思いました。460ページ大変そうだけど、、、

かいり