マチネの終わりにのレビュー・感想・評価
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大人のための、しっとりとした意欲作
正直なところ、原作小説は発売して間もないタイミングで購入したが、当時の自分にはフィットしなかった。読むと眠くなるので、寝付けない夜には抜群の効果を発揮した。それが不惑を迎えるか否かのタイミングで読み直したら、思わずスルスルと読了してしまった。
そんな頃に映画化が発表されたわけだが、世界的なクラシックギタリストとパリの通信社に勤務するジャーナリストが壮絶なすれ違いを繰り返し、運命に翻弄されていく。この設定に説得力を持たせるのが福山雅治と石田ゆり子である。6年間でたった3度しか会わなかった男女の心の移ろいを丁寧に演じている。東京、仏パリ、米ニューヨークの彩り豊かな街並みも、作品を1つ上のステージへと導く役割を果たしている。大人が見るべき、大人のためのしっとりとした意欲作といえる。
大人の恋
観終えて、素敵な映画だったなぁ、と余韻に浸りました。
天才ギタリストと女性ジャーナリストとの、
パリ、ニューヨーク、マドリッド、東京。
世界を舞台した恋愛ストーリー。
熟年層に高い人気を誇る福山雅治と石田ゆり子が主演。
共に40代の設定です。
《過去は変えられる》
この言葉が何度も繰り替えされます。
原作者は芥川賞作家の平野啓一郎。
映画「ある男」でも原作者。
深みのある大人の男性を書かせたら当代随一の作家ですね。
蒔野の知的でキザな台詞がサマになるのも福山雅治だから。
蒔野聡史は天才と幼い日から期待されたギタリスト。
しかし40歳を迎えて今まで築いてきたキャリアにも自信を失い、
体力的にも人気にも翳りを感じています。
そんな時、エージェントの是永(板谷由夏)に紹介された
国際的ジャーナリスト小峰洋子(石田ゆり子)と運命の出会いを
果たします。
洋子の的を得た演奏の評価も的確で、気持ちが調和して離れがたい2人。
しかし洋子はパリへ帰国。
そしてすぐにパリで無差別テロ事件が起こり、
洋子は取材中に更なる心の傷を負います。
そんな時、蒔野がパリへ。
2人の気持ちは燃え上がり、蒔野はフィアンセから洋子を奪おうと
決意します。
洋子の答えは?
運命の恋は急展開。
突然、恩師・祖父江(古谷一行)が、待ち合わせの日に突然倒れたのです。
古典的恋愛映画の定番。
“すれ違い“
鍵を握るのはマネージャーの早苗でした。
早苗の策略は2人の運命をドラマティックに盛り上げます。
(かなり手強い恋敵)
パリのビストロ、アパルトマン、
ニューヨークのセントラルパーク、
コンテンポラリーダンス、
数々の美しいシーンと名場面。
全編通して流れるクリシックギター調べ。
福山雅治が奏でる「幸福の硬貨」も絶品!!
演奏活動のプレッシャーに押しつぶされる芸術家の悩み苦しみ。
そこから立ち上がり復活する姿も秀逸です。
日本映画では割と珍しい《知的で大人の恋》
最高の主役を迎えて、その酔い心地は極めて芳醇でした。
(早苗・・・と言う人間の生き様も
…………ある意味では共感を感じました。
蒔野を、生きる目的、支えるのが使命と信じる早苗、
……………しかしそこに男女間の愛が絡んでしまう・・・
……………自分の残酷な仕打ちに苦悩する蒔野を傍で見つめる、)
……………早苗も辛い苦しい日々を過ごしている、)
含みのあるラストも・・・良かったです。
本当に2人に
《過去は未来に変えられるのでしょうか?》
大人味の効いたすれ違い恋物語
久々に観る大人味のラブストーリーだった。終始、甘美なギターの音色をBGMにした、典型的なすれ違いラブストーリーだったが、すれ違い方が現代的でもあり、古典的で泥臭くもあり、本作のポイントになっていた。
天才クラシックギタリストの蒔野聡史(福山雅治)は、40歳代になって演奏者として行き詰っていた。彷徨っていた。聡史の女性マネージャーは、聡史に秘かな想いを寄せ、聡史を懸命に支えていた。そんな時、聡史は、偶然、フランス駐在のジャーナリスト・小峰洋子(石田ゆり子)と出会い、お互いに運命的なものを感じる。その後、フランスで再会した二人は、お互いの想いを確かめ合う。そして、洋子は、帰国して聡史に会おうとするが、突発的な出来事で二人の心は次第にすれ違っていく・・・。
聡史役の福山雅治は、『ガリレオ』の主人公を彷彿とさせる理屈っぽさで、音楽家らしいストイックさを表現している。音楽家として彷徨しながらも、洋子を想う一途さを好演している。流石にギター演奏シーンは見応えがある。
一方、洋子役の石田ゆり子は、今まで静かな役が多かったがジャーナリストとしての毅然とした姿もカッコ良い。年齢を感じさせない美しさで、聡史への秘めたる想いを好演している。懸命に自分を抑えようとする日本的な佇まいが切ない。石田ゆり子のイメージが活かされている。
本作のポイントは、二人のすれ違い方である。突発的な出来事だけが二人の心を混迷させたのではなく、人為的なものが強く介在している点が本作の特徴である。泥臭く日本的であるが、醜悪にならないのは、福山雅治と石田ゆり子の役者としてのクリーンなイメージが効いているからである。
ラストシーン。二人が駆け寄り始めるシーンで終わってしまう。肝心のその後は描かれない。観客の想像に任せてくれる大人の映画らしいエンディングだった。
本作は、運命に翻弄されながらも、愛を求め続けた、大人味のラブストーリーである。
感情を表さないのが大人なのか。
原作が面白いと聞いて、読もう読もうと思い未読。
んで、映画化。大人のラブストーリーと聞いて、未視聴。
やっと重い腰を上げて見てみた。
好きなトーンではあるが、刺さりませんでした。
世界的に有名なクラシックギタリスト。
フランスで活躍するジャーナリスト。
ニューヨークで稼ぐビジネスマン。
そんな世界に憧れを感じなくなって何年経ったろう・・・。
フランスの街角のレストランで、詩人のように愛を語る。
傷ついた友人を音楽の音色で癒す。
きらびやかで豪華なパーティを主催する。
今の私の生活とは、残念ながらかけ離れすぎ。
住む世界が違うと人格すらも変わるのだろうか。
この物語にはどういう人が共感するのだろうか。
10代の若者が共感できないのは、まぁ分かる。
大人の恋愛とか言われると、共感できない自分は
すでにおじいちゃんにでもなったのかと思わせられる。
全体をつつむ暗めな色使い。
全編クラシックギターのBGM。
説明を省いて心理描写で描く。
好きなトーンの作り方だっただけに、よけい残念。
いや、「大人」ではない私が悪いのだ。
でも、これを面白いと思える「大人」にはなりたくない。
さすが福山雅治
福山雅治扮するギタリスト蒔野聡史は、コンサートの終わりに石田ゆり子扮するジャーナリストの小峰洋子と出会い好意を持った。しかし洋子にはフィアンセがいた。蒔野はギターを弾くのが嫌になったと言う。洋子は連絡が取れなくなっていた。
「洋子さんが世界のどこかで死んだって聞いたら僕も死ぬよ。」なんてよく言えるよね。まあ、さすが福山雅治と言うべきかな。結婚すると言っている女性にそこまで迫れるのはよほど自信がないとね。福山雅治にしてはちょっとねちっこい台詞だよな。孤独とは影響力が無くなった事を知る事だそうだ。それにしてもマネージャーもえげつないね。やってはいけない事をやっちゃって。自分だけ良くって周りを不幸にして。
石田ゆり子は、フランス語のレッスンをインスタにもあげているそうだが、パリによく似合っている気がする。映画でフランス語や英語が使えるレベルは素晴らしいんじゃないかな。
大人の恋
福山雅治、石田ゆり子、桜井ユキと好きな役者の揃った映画。
これは40代に見て欲しい映画です。若い世代には伝わらない気がしました。
このゆったり感と音楽が心地よかった。
また、私が好きなのはラスト。
時間は、短いですが公園での再会、涙もろい私はここで涙しました。ラストが秀逸な映画はとても好きです。
余談ですが、劇中途中で2回ほど出てくるモンチッチがとても懐かしかった。
大人向けの映画とは
大体30〜35歳以上に向けた映画なのではないか。
なのでヒール役のマネージャーに罰は当たらないし、コップの水はレストランでは浴びせない。
この映画を物語たらしめる要素は、一目惚れする男女、スパイス要素にマネージャー。これだけ。
あとは俳優陣と、ロケ地の雰囲気で持たせる。
映画に音楽は重要だが、この映画はギタリストが主人公な為か、クラシックギターのBGMがほとんど。これが私には合わない。
大人向けだからかラストシーンは抱き合わない。キスもない。言葉すらない。
愛情表現をしないのが大人なのか。
落ち着いているのか、シックなのか。
とにかくクラシックギターには情熱は感じるが、愛する人への情熱はあまり感じなかった。
そこが一番の弱点かな。
やはり映画なんだし、どこかで燃え上がって欲しい。
どちらかと言うと退屈な映画でした。
原作は未読。大人のラブストーリー。 福山雅治と石田ゆり子との大人の...
原作は未読。大人のラブストーリー。
福山雅治と石田ゆり子との大人の雰囲気がとても素敵だった。ラストも良かったです。
映画化の難しさなのかな
原作では書き込むことができるキャラクターの心情を
いかに説明しすぎず映画として成立させるのは難しいというのはわかる。
しかし彼らが共通の話題を経て惹かれあうところは伝わってきたものの
「きみが死ぬならぼくも死ぬ」的な会話にはかなり引いてしまった。
唐突すぎやしないかと。
この作品において、彼と彼女がいかに惹かれあっている関係なのかをしっかり描かなければただの雰囲気だけのプロモーションビデオに終わる。
未来と過去などの暗示的なセリフなどはかえって浮いてしまっているような。
唯一生生しいのは早苗であり、洋子の夫の投げつける怒りだったりするのは結局、主役の二人とその関係がしっかり描けてないからだと思う。そしてその肝心の早苗はこの作品において「主役の恋を邪魔したあとに今度は反省して結びつける」という非常に都合のいい存在に成り果てたことには驚いた。障害として立ちはだかり、その後彼らを結びつけるべく身を引いてみるというのはあまりに虫が良すぎるだろう。
ご都合主義的なにおいと、説得力不足はなかなかしんどい。
パリでの石田ゆり子のブルーのシャツと緑のスカート、はめてた指輪はかわいかった。
役者がよい。
説明的なセリフが少なくてよい。役者の皆さんが良かった。
ただ、ストーリーの核の部分が雑。もっとしっかりと構成できたでしょうに。
マチネって、昼公演と言う意味。
一瞬にして惹かれ合う恋。しかし、桜井ユキの気持ちもわからなくはない。題名の「マチネの終わりに」は人生後半が始まる40代と重ねてつけられたそので、素敵だなと思った。
好きな人と結ばれるべき!
本を読んだ時も思ったけど、あそこでおかしいと気付かなきゃ💦どうして聡史は留守電に恩師の入院に付き添ってたと言わなかったのか、どうして洋子は会って説明を求めなかったのか!もちろんそうしなきゃストーリーにならなかったわけだけど💦そしてちゃっかり妻になった早苗、やはりOUTでしょ💦聡史と洋子はあの後結ばれるべきと思う。残念だらけだけどそれなりに楽しめた映画。ギター音楽が良かった。あと石田ゆり子の疲れた表情が流石と思った。
配役最高
ストーリーも配役も舞台も素晴らしい
心に残る作品
福山雅治老けたな〜〜〜って感じ。 蒔野はかっこよくなきゃ成立しない...
福山雅治老けたな〜〜〜って感じ。
蒔野はかっこよくなきゃ成立しないと思うけど、お世辞にもそうは思わず、ますます見てられない。FC会員だけど、キツい。孤独を武器にしたナルシスト、以上。って感じ。
蒔野というキャラとして見ようとするんだけど、ちょいちょい福山雅治が顔を出すからそういう意味でも集中できず……
中盤の三谷の件は良かったけど、その前後はお腹いっぱい。
個人的にはリチャードがただ気の毒。
大人な空気感のラブストーリー
未来によって過去の思い出が変わる・・・
私にはピンとこないフレーズだったけど、
ラブストーリーはベタでもやっぱりいい。
人の不幸の上に幸せは成り立たないんだよね、
善人であればあるほど。
もっとワガママで自分のことしか考えない人間なら
桜井ユキも幸せになれたのに?
名高い名役者の演技が素晴らしい!
大好きな作品の一つ。
人生の歯車ってこういう風に廻るんだなあと思いました。
ギター好きな筆者にとってはそれだけでも観ていてうっとりするのだが、何より役者が素晴らしい。役者個人の色を出し過ぎず、かといって他であってはいけないという、絶妙な立ち位置で演技をしていると感じた。
ネタバレにならないよう文言は伏せるが、印象的な言葉がいくつかあり、大人が好む、大人のための映画だなと思いました!
欧州映画のような会話劇
未来が過去を変える、ああ、今まで考えたことがなかったが、なるほどです。
過去の出来事は変えられないけど、その意味合いは何度も更新されていく。
スジ的には、桜井ユキの行動はバレるリスクが高く無理があると思われる事と、
福山雅治はあれほど運命と思った彼女をなぜ板谷由香ルートで探さなかったのか、
桜井ユキは復帰コンサート前の大切な時期になぜ動揺させる行動を取ったのか、考えるところはないわけでは無い。
しかしそれらをカバーするのが、美人と言っていいのか悩むが間違いなく魅力的な石田ゆり子と(注:大好きです)、
ギターテクはもちろん癖を抑えた福山雅治による、欧米の風景とギター音楽をバックにした、ちょっと日常生活から浮いた会話劇だ。
大人のスターを使ったこんな日本映画もたまにはいい。
意外にドロドロ
カミサンの希望で、こちらを観てきました。
あまり、興味を持ってなかったのだけど、良かったですよ。
映像も良いし、音楽はとても美しいし、
俳優陣は非常に上手だし…
それ故に、辛い映画でした。
ドラマで見る「年齢不詳な石田ゆり子」ではなく、
年齢相応のリアルな女性としての石田ゆり子が、素敵でした。
もっと「これが真実の愛」「永遠に忘れられない人」的な
美しすぎるストーリーなのかと予想してたんですよ。
全然、違いましたね。
もっとリアルな…
ドロドロした気持ちの渦巻く…
だからこそ、ラストはアレでなくてはね。
あのような幕引きで良かったと思います。
オススメです。
原作→映画はおすすめしない
逆ならおすすめ。映画に非はない。
役者もめっちゃいいし、脚本もいい。
ただ原作の描写がエグすぎて、少し期待外れ感があった。
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