「人は弱いが温かい」凪待ち つくしさんの映画レビュー(感想・評価)
人は弱いが温かい
どんなクズ男かと思ったら私にはそうは見えなかった。郁男が踠き苦悩する様は胸が痛い。
依存症の闇に呑まれる様が、グワーンと気分悪いカメラアングルで、何とも不気味だった。
そんな時の郁男はスイッチ入って眼がイッてしまってて怖い。
また、義理の娘と接する郁男は、優しい表情。
この対極の表情が、憎めなさと、切なさと、怖さを無言で伝えていた。
そして、
郁男の姿と、義父を通して見える石巻の傷。
重なって、涙が出た。
完全な悪人も、完全な善人もいない。皆、弱さを抱えながら支え合って生きる姿は考えさせられる。自己責任、生産性が声高に叫ばれ、失敗を許さないギスギスした今の社会に必要なのはこんな優しさ、支え合いなのかも。
(乱闘シーンの迫力に息を呑んだけど、決して意味の無い暴力では無いので、バイオレンス映画だと敬遠しなくても大丈夫です)
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