THE GUILTY ギルティ(2018)のレビュー・感想・評価
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DVDで十分…
日本で言うなら110番の電話番をしている警察官の会話と表情だけで進む作品。
主人公同様、電話越しに聞こえてくる声色、音だけで状況判断を迫られる緊迫した雰囲気を味わえます。
どこの国でも警察組織は縛りがあって、本来有り難い熱血漢もウザがられるのか…?と思いきや。
むしろその逆、取り返しのつかないことをした罪悪感のために、暴走していたと。
独断と偏見で大丈夫…?と思ったら、やっぱりねという展開。
Tom Hardyの“Locke”みたいな感じですが、映像は本当に室内と主人公のアップのみ。
途中から他の場所も観たいなぁ…とさすがに少し飽きました。デンマーク語だから、字幕を読んでいるだけだし、映画でなくてもいいような…。脳内で勝手に想像した映像の方がショッキングで、そういう意味では上手い作りなのかも知れませんが。主人公役、鼻はKevin Costner、正面下から見ると少しKevin Bacon似だなぁと、余計なことを考える暇も十分ありました。
当たり前の共通前提が抜け落ちている論理的思考
観客自身に内包されている、
正義、慈愛、他人との距離感許容範囲、
心とか命とか当たり前の共通前提が抜け落ちている合理的論理的思考、
非論理的(論理外含)な言動への許容、狡猾さ、偏見、倫理などを、
自覚してその気持ちを登場人物にどう按分するか?
それによって観客それぞれのサスペンスの割合、
ヒューマンドラマの割合、そして作品への評価は変わる。
メインプロットは、SOSの通報→事の収束、以上。
サブプロットを観客自身に委ねるチャレンジ的傑作。
サブプロットを観客に委ねる?
どういうこと?
簡単な一例、
軽い(と推測はできるが詳細不明)ケガをした女性からのSOSコールのシーン。
の主人公に対して。
〇軽傷で電話してくるな!毅然とした主人公の態度は適切!
〇軽傷?なぜ詳しく聞かない?主人公は信用できないやつ。
〇人間は誰でも清濁両方持っている、あるいは、今はそれどころではない、続きを冷静に観る。
観客の主人公を観る前提に微妙な差異が生じる。
これが狙いでもある。
おそらく、シナリオと芝居と演出の
細かなチューニングの軌道修正を現場で繰り返していたのだろう。
主人公の正義感の源泉は?
父親を見放した存在は?
母親が怯えているのは?
娘、息子達の背景を想像して号泣した人もいるでしょう。
作品のリメイクもされるだろうが、
こういう技術を複数の役者でも大きな現場でもできるのであれば、
ハリウッドデビューも遅くないでしょう。
小説読んでるみたい。
電話の向う側の情景が鮮明に広がる秀作
明日が大事な裁判のアスガー、弁当食ってるトーベン
音や声だけでストーリーが進むとなっても、デーン語(?)が全くわからないため字幕を追う必要がある。それでも受話器の向こうで微かに聞こえるノイズや想像できる背景音がジワジワと脳内にイメージを作ってくれる。昨年は『サーチ』でこんな映画もありか!と感じたばかりなのに、今回は電話オペレーター室のみで展開するサスペンス。相手と会話するアスガーの機転の利く対応、さらに被害者と思われる少女マチルデに自分を信頼させるテクニックとか、見せ場(聞かせ場)に舌を巻く。
見事だったのはPC上の地図をも使っていたことだろうか、犯人と思しきワゴン車の位置や警察車両がどの辺りを走っているだとか、かない脳内イメージの手助けをしてくれる。また警察官のため息とか無言になる瞬間とか、説明調ではないのに、凄惨な現場状況を伝えてくれるのです。
ついつい40年前に110番にイタズラ電話をかけたことを思い出しましたが、こんな真摯な対応をしてくれる警察に子供ながらに何をやっていたんだと反省するばかり。これはguiltyだけど、時効ですね・・・ふふふ。そんなGUILTYの意味も終盤には明かされるのですが、精神疾患を抱えているのと同様、罪の意識というのは心の深層に根付くものなのでしょうね。
立ち上がれなかった。
面白い!
想像力が付く映画❗面白い❗
絵付きのラジオドラマ?
ハンガリー版ザ・コールと思ったら意外な
タイトルの意味は見た後に考えてさせられる。
コペンハーゲンの景色もシェラン島の風景も出てこない(地図は出てくる)潔さ。
画変わりが無いので体感時間は長いが劇場で観てこその集中力、音に注力して想像力を膨らませないと楽しめない。
電話だからこその想像力(先入観)が肝
Den skyldigeっててっきり陸橋って意味かと思ったけど
翻訳ソフトにかけると 犯人って出てきて洋題とほぼ同じなのね。
私は好き
着想が面白い。
イーベンが美人じゃなかったらどうしよう
野暮なことを言う。
絶対に最後までイーベンが出てきて欲しくないと思った。
あまりに野暮すぎる。
電話口の会話を盗み見、盗み聞きしてる分際で、このまま殺されるかもしれない状態にある女、イーベンの容姿について考えてしまったわたしも結構な罪です。
終盤、しっかりロマンスがあったのが良かった。
ウットリしつつ、薄々気づいてた恐怖に慄きました。
ラストのバックショットに繋がる、大事なロマンスだったと思います。
愛とか、罪とか、なんなん。
イーベンは最後まで出てこないので、安心して見て良し。
一音たりとも聞き逃さず
究極のワンシチュエーション。
「誘拐だ」と判明してから一気に出てくる緊迫感がその後もダレずにどんどん高まってくる。
電話口から聞こえてくる声と周囲の音から想像をフルに膨らませ、情報が追加されるたびに想像の画をアップデートさせながら観るのが新鮮で楽しい。
アスガーと共に電話番をしているような気分になってくる。
どんな小さな音も聞き逃すまいと息を殺して集中して観ていた。
子供に話しかけるフリをする、という機転の利くイーベン。
くぐもった声から読み取れる恐怖は相当で、最初は痛々しい気持ちになる。
しかし段々見えてくる事の真実はなかなかキツい。
「悪い男だ」のくだりで、もしや赤子を殺したのはイーベンでは?と疑っていたら本当にその通りになってしまった。
マチルダの今後の人生を考えると頭が痛い。
誤解まみれとはいえ、ミケルもただの良い人ってわけではなさそうだし。
しかし、分かりやすい弱者に気をとられると真実を取りこぼしてしまうものだな…。
まああんなの見抜けるわけもないけれど。
どこかやる気の無さげなアスガーの口調から、この部署に来てからの彼の良くないであろう態度が見て取れる。
記者の電話やら翌日の裁判の話やら、何か不穏なものを抱えた彼は通常の「デキる刑事」的な安定感が無いのが面白い。
事件そのものへの心配もありつつアスガー自身への心配もかなり大きい。
指示したことが裏目裏目に出た時の自分への失望感、緊急電話の中継係という職務がゆえ捜査を指示できないジレンマが余計に彼を追いつめ、張り詰めた糸がいつ切れるかと気が気じゃなかった。
そしてずっと匂わされていた罪の大胆な独白に度肝を抜かれた。
「何か悪い物を取り除きたかった。」彼も病んでいたということか。
イーベンもアスガーも、精神を病んでいたからって人を殺していいわけではないけれど。
緊急電話の部屋にいた人たちはびっくりしただろうな。コイツ言いやがった…!!とか思っているのかな。
ラスト、光の中にアスガーの黒い影が写ってパッと消えるエンディングのタイミングで残像が見え、作品自体の余韻と重なってグッときた。
一番良い形で終結してくれて良かった。
最後の電話は誰に宛てたんだろう。
ラシッドか、パトリシアか、ボスか。
いずれにせよ明日の裁判で供述書通りの受け答えはしないんだろう。
犯した罪も大きければ破損したPCと電話の弁償額も大きい。
ほぼリアルタイムで進む事件。
とことんリアルを追求しているかと思いきや、カメラワークやライティング、個人のイメージをグッと引き付ける部分の音量調整などがすごく映画的なのが良かった。
そしてアスガーの顔が良い。Tack.
ワンシチュエーションものとして秀逸
ワンシチュエーションの捻りが効いたミステリーとして秀逸。宣伝を見ていて「ものすごく耳をすまさないといけない映画」なのかと思ったが、そういう系統の映画ではないなと思った。勿論ひとつひとつの会話はものすごく注意深く聴いてしまうんだけど。
物語としては完全に騙される系のやつだけど、主人公が割と暴走しがちなせいで逆に冷静に観られた。「落ち着けよ、引き継げよ!」みたいな。何もかも自分で引っ掴んでやっていこうとすると駄目ですよ、という教訓が垣間見えるのは私だけでしょうか。主人公の過去が随所に垣間見えるのでその辺も分かりやすいですね。
声だけの出演者を想像させてしまうのが上手かった。声だけの演技凄い...と思わせる。
映画の可能性を広げる作品だなと思います。
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