「苦しかった。」アメリカン・アニマルズ shinkatoさんの映画レビュー(感想・評価)
苦しかった。
前評判高いのでかなりハードル上がってしまったせいもあるか、中盤までの展開がイマイチ入り込めなかった。登場人物たちに感情移入出来なかったのは、彼らに「迷い」のようなものが感じられなかった?いや、違うな。迷いは表現出来ていたが、何か「ちゃんと」してた。自分の言葉でしっかりと話しているような。それじゃ感情移入出来ない。何者でもない自分への焦りとか、何者かになるために必要だと信じるそれは、幻想であること。劇中御本人達がそう言っているのだから、そのあたりの未熟さをもっと個人個人で表現して欲しい、と中盤までは思ってた。
しかし、クライマックスはそれを補って余りある展開、演技、素晴らしい。
数々のムチャは、もっとコメディ風なものを予想していたが、僕は全てをシリアスに受け止めた。胸が苦しかった。。追い詰められていく彼らの焦燥感をこれほどダイレクトにこっち側に伝えてくる作品は僕は他には知らない。
これは若い頃の自分を回顧する物語か?いや違うだろう。今現在の自分にすら彼らは訴えかけてくる。この普遍的な真実から目を背けてはならない。
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