劇場公開日 2019年5月17日

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「インタビューが最後で構造的にしっかり意味を持つのが素晴らしい」アメリカン・アニマルズ kizkizさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5インタビューが最後で構造的にしっかり意味を持つのが素晴らしい

2019年10月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

若者達が大学図書館に保管された貴重本を盗んだ事件を元にしたノンフィクション映画。

実際の犯人達へのインタビューが挟まれる構成が個性的。
これにより犯人達が普通の若者だったのがより際立ちます。

またインタビューを入れるバランスが絶妙。
”ドキュメンタリーに超豪華な再現VTR”なのか”フィクションに本人登場”なのか、どっちとも受け止めれる面白い作り。

そしてこのインタビューが最後で構造的にしっかり意味を持つのが素晴らしい。
我々がずっと見てきたことはなんだったのか?
現実を記録するだけでなく、メスを入れるのはドキュメンタリーのチカラだな。

また、シンプルに物語として面白いです。
強奪の参考にするのがクライム映画、肝心なとこでヘタレだったり、ドタバタ・クライム。

それをゲラゲラ笑うのではなく、普通の若者が必死になっているのが胸に突き刺さる。
本人たちも観客も、彼らが何に必死になってるのかもわからなくなるのが更に面白い!

あと配役がばっちし!
キャラに300%マッチした演技、表現、顔。
演じてる感ゼロ。
すごい。

おまけに音楽も素晴らしい。
ピリピリしたパワーが剥き出しのOPは一気に作品に惹き込む魅力があります。
スタッフロールの曲がまさかの!?
ドキュメンタリーの要素もあるこの作品にこの曲は……たまりませんねー。

犯行が行われるまでがドキドキして面白い。
犯行が行われてる最中がハラハラして面白い。
そして犯行が行われたあとが一番面白い!
あの演出、演技は見事でした。

ドキュメンタリー要素を挟んだ構造の面白さ。
単純な物語の面白さ。
考えさせられる内容。
演技の素晴らしさ。
見事の音楽と映像。

いやー、大当たりでした~。
事実は小説よりも奇なり。

kizkiz