「種の起源」アメリカン・アニマルズ Miyuさんの映画レビュー(感想・評価)
種の起源
曲と映像がめっちゃ好きだった。特に逮捕の瞬間のシーン印象的。ライトが当たり、声などの雑音はあえて消された状態で4人の悲壮感をよく表していたと思う。何より本人が出てきて、インタビューに答えるだけでなく本編に組み込まれている演出がとても新鮮でよかった。ウォーレンとスペンサーの記憶のズレの表現も見ていて楽しかった。
緊迫感と現実味がすごかった。決行日のシーンは、彼らが想像していた映画のようにはうまくいかなくて、それとのギャップに見ていてヒリヒリするし、自分もチームに加わってるかのようにヒヤヒヤするし、とにかくドキドキした。
主役2人はもちろんのこと、あとの2人にもきちんと見せ場があって、キャラが埋もれていなくて、役者それぞれの個性が発揮されていて見応えもあった。
インタビューでウォーレンは首謀者はいなかった、と言っていて、だからと言って彼に責任感がないという問題でもないだろうし、でも結局ウォーレンが信じているほど他の3人に強奪への決心はなくて、結局流された形なんだろうなと、作品の中で思わされた。オランダのことやバイヤーのこと、ウォーレンの作り話と言われていたけれど、私はウォーレンを信じてみたた。いな、と思った。それは、結果はどうあれ、あそこまでの決断をすることはやっぱりすごいことだから。退屈な毎日に風穴を開けたい、スパイスが欲しいという気持ちは痛いほどわかる。けれど自分にあんな決断力は良くも悪くもないから、かっこいいと思った。だからこそ、あと一歩やめるという決断をしてほしかったなって切に思っ
4人の本人たちが、これからの人生をこれからも進んでいくんだな、と思わせてくれる帰り方がすごく好きだった。あんなことやらなければもっと成功できた人々ではあると思うけれど、あの経験で彼らの中の何かが変わったのも確かなのかなと思えた。
ウォーレンが、10年後あの時やっておけばって後悔したくないだろ、っと言っていたけれど、現実にやったことで後悔してないといいな。