劇場公開日 2019年5月17日

  • 予告編を見る

「物語はこの映画で完結する」アメリカン・アニマルズ とえさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0物語はこの映画で完結する

2019年5月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

私が観る前に思っていた映画とは違う映画だったけど、これは、これで、良い意味で裏切られた作品だった

「このままでは、平凡で退屈な大人になってしまう」と感じた大学生4人組が、大学の図書館に貯蔵してある希少本の図鑑を盗む計画を立てる

その話は実話が元になっているのだけど、この映画が他の映画と違うのは、当事者たちが、映画の中に出てきて、その当時の様子を語るのだ

それは、本人しか知らない心情の吐露であって、それがドラマで描かれる実話にリアリティを増している

主人公は4人の大学生だ

大学生ぐらいの年頃というのは、たいてい無謀で、無敵で、何でもできると思い込んでいる

たとえば、カンフー映画を観たら、自分もカンフーの達人になった気分になってしまうように、
彼らは「オーシャンズ11」を観たら、泥棒ができるような気分になってしまうのだ

そんなノリで、泥棒を計画したのが始まりだ

しかし、多くの人が経験あるように若さの勢いとか、ノリっていうのは、たいてい、バカげているもので…

ここでは、ノリと勢いだけではない苦味や痛みも描かれている

はるか昔に、私もそんな時期を通ったからこそ、彼らの痛みが心に突き刺さってくる

若さの勢いがあまりにバカげていて、笑ってしまうシーンも多かったけど、その代償をキッチリと払わされているところに現実を超えたリアルがあると思った

とえ