「軽はずみな考えって良くない…本当に良くない。」アメリカン・アニマルズ ガーコさんの映画レビュー(感想・評価)
軽はずみな考えって良くない…本当に良くない。
『オーシャンズ11』のような、完璧な犯罪映画かと思ったら…。
これまでになかった、ドキュメンタリーとフィクションを融合したかのような、新しい映画の誕生でした!
4人の大学生の犯罪行為に焦点を当てて、その行動から心理に至るまで、詳細に映像にしていくところが凄い。
実際に犯罪を犯した、4人の大学生のインタビューを交えながら進んでいく感じが、今までにない新しい形を生み出していました。
今日は、な、な、なんと!
監督が登壇しての独占試写会!
だから、監督から映画の裏話を色々と教えてもらうことができました(^^)
この映画を撮ろうと決めたのは、彼らが捕まってから4年後のことらしく、その頃はまだ4人は刑務所に入っていたとのこと。
そんな彼らに、手紙を送り続けるうちに彼らとの交流を深めていったと語る監督。
実際には、さらに4年の歳月を要して、8年かけて彼らの犯罪を映画化することに決めたようです。
だからこそ、詳細な部分に至るまで、丁寧に彼らの心境や行動が描かれていたように感じました。
インタビューを交えながらなので、犯罪の決行から捕まった瞬間の後悔の念まで…。
若者だったら誰もが抱きたくなりやすい、「特別な人間になりたかった」と語る彼らの軽はずみな思考が痛い。
最近YoutuberやTikTokなどで、自分を表現したい人が増えているから、分からなくもない…。
彼らはきっと、若者の考え方の最先端を走っていたのかもせれませんね。
でも、結果的にそれが自らを犯罪者へと貶めることになるとは…。
幸せな家庭で育ち、お金に不自由のない平凡な暮らしを送る大学生。
やっていけないことの分別が、きちんと理解できていたはずなのに、やってしまったから、その罪の意識は相当重くのし掛かっているように感じました。
普通の人が犯罪を犯したら、普通に悲しみ普通に悔やむもの。
その普通の感覚を兼ね備えた彼らだったからこそ、この映画は作られたのだと思います。
被害者の気持ちをきちんと考えることのできる彼らなら、これからの人生やり直せるはず!
そんな応援の言葉をかけてあげたくなりました。
今の時代にぴったりの映画。
会場に大学生くらいの若い人が多かったのも、納得の映画でした。
ありがとうございました(^^)