ヘレディタリー 継承のレビュー・感想・評価
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邪悪だ・・・この映画はあまりに邪悪だ・・・
この映画はあまりに危険だ。最近はホラーというジャンルも様々な偏移をたどって細分化され、決定的な場面を見せずに恐怖を描いたり、また笑いの要素を逆手にとって身の凍えるほどの場面を作り上げるなどの異色作も多く見られたが、本作はそのいずれとも大きく異なる。ある意味、この時代に現れるべくして現れた、真の恐怖をもたらず人間離れした存在とでも言おうか。序盤からあらゆる細部に胸の奥をゾワゾワとさせられ、A24らしいアーティスティックな演出(映像、音響、演技)がかつてない感触で肌を撫で続ける。そして幾つかのシーン。思わずギャッと悲鳴をあげそうになった。ストーリーの詳細は明かさないが、一言で言えば「邪悪」。かつて『エクソシスト』が世に放たれた時にも、人々は触れてはならないもの、見てはいけないものを目にしたような感覚を覚え、この邪悪さに心底恐怖したのだろう。以上、私は警告した。後は自己責任で存分に震撼されたい。
尋常でない禍々しさ。ひきつった笑いで逃避するしかない
ドールハウスから現実の室内へシームレスにつなぐショットの冒頭から異常な感覚が持続する。不穏な気配をあおるインダストリアル系のBGM。重さと不気味さに圧倒される。
アリ・アスター監督、戦慄のデビュー作。30そこそこの若さでこの確かな演出力はどうだ。自身の脚本で紡ぎ出すストーリーは、欧州由来の伝統的な悪魔信仰や悪魔的な存在への畏怖に根差す要素もあり、ロジカルな点で日本人の腑に落ちるとは言いがたいが、感覚を直撃する恐怖描写でグローバルなホラー映画としての価値を獲得した。
演技達者なトニ・コレットの表情も怖い(ハイライトのシーンは脳裏に焼き付くインパクトだ)が、娘役ミリー・シャピロの“異物感”とでもいうべき唯一無二のルックスと存在感も本作の成功要因だ。これが長編映画デビューという彼女の出演作をもっと観たい。
近年の「イット・フォローズ」「ドント・ブリーズ」に並ぶ独創的な傑作ホラーだと感じた。
IMAX上映の今、見られて良かった作品
邪悪で不気味、見るのは自分の責任で…との紹介文を目にしたので余程後味悪いのかと鑑賞をためらったが、ホラー好き怖いもの見たさの好奇心と、わざわざのIMAX上映に惹かれて鑑賞。この監督作品を観たあとの心地が悪いらしい感想が多く目につき、今まで鑑賞する気になれず、3本の作品はどれも見ていなかった。
始まりから中盤まではしっかりとした家族内のドラマが描かれているがストーリーの要素に散りばめられた伏線回収が徐々に増えて行き、最後に一気に雰囲気変わる辺り、脚本と構成力が凄い。覚悟して行ったからか「胸騒ぎ」ほどの不気味さは感じなかった。よくこんな話思いつくなあ、と感心してしまったが。横から音がしたり、静かだけど実は不快な重低音が随所に聞こえていたりとIMAXならではの音響効果が不気味さを煽りまくる。オカルトの描き方、私が好きなシャマラン作品にテイストは似てるけど、M.ナイト・シャマランにあるユーモアは無いようだ。belive me と言う人を信じたら失敗する、という自分の経験がこの作品にも描かれていてちょっと笑った。
なかなか不気味な世界の表現だが退屈しなかったのは確か。個人的に、自分が引っ張られることのない世界だから引いて見られたのが良かったのか。
こわいこわいこわい
親、家族、地域、そして宗教観。人間(アメリカン?)としてのアイデンティティの全てをぶっ壊して行く127分。IMAXのデカい画面と音響設備で見れば怖さ10倍緻密さ100倍ですわ。
親に愛されてないなんて恐怖でしかないし、家族に気を遣われないなんて絶望的だし、他人の善意が全て罠だなんて何のために生きてるのかわからなくなる。そんな救いようのないお話しに、少しだけ霊的なエッセンスを加えた感じで、基本は「人間って自己中で怖いです」な話。他人だったらいいんだけど、本当は愛し合い守り合わなきゃいけない家族だけで話が進んで行くのが独特の陰鬱とした空気感を生み出してるのかもしれない。
なんやかんや幽霊だけじゃなく障(さわり)とか怨念とか呪いとか精霊の怒りとか、何でもありの日本のホラーとは違って、キリスト教がベースの欧米のホラーはどうしても悪魔とかいう概念に落としがち。ん?これは?とばあちゃんの葬式で気づいちゃうもんな。
とはいえアリ・アスター監督の上下左右のパーンの先にある意外な映像の使い方のうまさには感服するし、ミニチュアの精度と使い方には全ての映像作家のやってみたい、が詰まってる。デビュー作に潤沢な資金が投入されるって素晴らしいな。A24の鼻の良さにも感服。
相変わらずトニ・コレットの顔つきがクライマックスで母親そっくりに豹変するのが自分的には1番の見どころだと思ってる(決して監督の大好きなだらしない男女の裸体ではない)。
でもね、平日9時から見る映画ではなかったな…この余韻で午後をどう過ごせと?やはりリバイバル上映前半の夜の時間帯を狙うべきだったと心の底から思いましたとさ。
それではハバナイスムービー!
面白過ぎてIMAX2日間連続で行った
言わずと知れた2010年代最高のホラー映画の一本と言われた作品。むちゃくちゃ面白い。アリ・アスターはこの作品をまだ超えることは出来ないだろう。ただ悪趣味というわけではなくホラー映画としての面白さがしっかりある作品。トニー・コレットの怪演はもちろん全ての役者が完璧な演技を完璧なキャラでこなしており、無駄なシーンも一切無い。
IMAX用にした画質は完璧とは言えなかったが音はかなりレベルアップしており気持ち悪さが増している。そして裸のジジババに爆笑できるギャグも良いがジュディ・コリンズが歌うエンディングテーマ曲が毎回楽しみで仕方ない。
2010年代でこの作品と肩を並べられるホラー映画で完璧だった作品は幾つあっただろうか。
パスカル・ロジェ監督の「ゴーストランドの悲劇」ぐらいだろうか。
こんな映画観ない方が良かった...
この監督とは合わない
止まらない負の歯車
密集する虫
追いかけたい監督ですね お母さんの顔が怖い
ミッドサマーを観て、アリ・アスター監督の前作に興味があっての鑑賞です
なるほど、ミッドサマーよりわかりにくい
これは、監督の技術が進歩しているということでしょう
才能のある人はこうでなくっちゃ
どうやら、カルト教がお好きなようですね
そして、恐怖映画としては正解だと思うんですが、観客にとっては不幸な結末側の監督のようです
日本映画ですが前回見た”死刑にいたる病”も原作にわざわざ不幸な結果を付け足していましたからね
これが王道でしょう
正反対の結果でホッと安堵するのがいいかは好みですが
予告では少女が怖そうだったんですが、
どうしてどうして、お母さんの顔が怖い
あんなお母さんだったら嫌だなあ
くらいです
ストーリーはなかなかよく出来ているので観れましたが、前評判程ではありません
ただ、かなり怖いので、ホラーとしては合格ですが、”オーメン”とかの名作にはまだまだ及びません
日本映画でなら”カルト”という秀作(Jホラーては一押しです)があるんですが、それくらいかな
ラストはもっと大袈裟に盛り上げて勝利を祝わないとね
そして、その後の事も知りたいじゃないですか
さわりでも入れとくと、続編つくれたかもね
これは”ミッドサマー”にもいえることです
この辺の課題をクリアすれば、もっと観客に敗北感を味わせられると思う
そしてわかりにくさ
これ、1回観ただけではわかりにくい
配信たから見返したり出来たので、だいたい理解出来たけどね
まあ、この辺りは次回作でクリアしてきているので問題は無いかな
最後までタイトル忘れてた映画NO1
全体を通して絵が素晴らしい
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