ヘレディタリー 継承のレビュー・感想・評価
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2時間があっと言う間、心理的に煽られる恐怖感が有ったので、ホラー好きにはうけそうな良作?
私は基本的にはホラー映画は観ない主義だけれど、時間的にこの作品しか観られなかったので観賞。
やっぱりファーストシーンから、音楽とドールハウスの数々が映し出される不気味な映像でまんまと物語に引き込まれてしまった。
本作は2時間越える作品なのに、全くそんな長さを感じさせない作品だった。
主人公アニーの母が亡くなり、葬儀のシーンから始まる物語は、何故かこの家族は普通ではないようだ、このよそよそしい感じは何?どう展開していくのだろうか?
先が読み難い恐怖と言うのだろうか?
映像的には、ポルターガイスト現象等ハデな演出は殆ど無いのだが、心理的に兎に角不気味な雰囲気を見せ付けアニーの家族に何時の間にか感情移入出来る様に作られていた。
ところで、世の中不安要素が増加するとホラー映画が量産されると言うのは本当だろうか?
昨年も年末にスティーブン・キングの原作と言う事で「IT」を観た。
だが、これは完全に予告編に騙された失敗だった。少しも怖くない恐怖映画で大いに失望した。
私は、ホラー映画が嫌いで基本観無いとは言っても、観始めるとやっぱり怖さを期待する。
何故か人間心理として、怖い物見たさとと言う心理が誰にでも存在する為に、ホラー作品は内容的に生産性と言うか、観て得る物が少ない割に、ヒットする可能性を秘めている。
その為に映画制作サイドでは、比較的コンスタントに映画化がされ易いカテゴリーのようだ。
それだけに評価される作品を残す事が出来るかどうかが、監督のセンスの問われるところだろう?
そう言う意味では、本作も言ってしまえば黒魔術の交霊、降霊現象を信じていた祖母の一家に起きる不思議な不幸の連鎖を描いただけの作品なのだが、不気味な世界感でホラー作品やサイコ作品としては、充分に一定の水準に達した良作と言えるかも知れない。
好き嫌いの分かれる作品かも知れないが、ホラー作品としては良く出来ていたと思う。
ホラーではなく、オカルト映画、しかし最悪
本作品、ホラーと言うよりオカルト映画、正直、怖くありません・・・・
この手の作品って作り手の自己満足なんだろうな、しかし、この手の映画には、情報にも予告編にも騙されるな・・・・
出ている役者さんは大変にやる気ある演技なんで、本作品の出来が可愛そうになるな・・・
しかも、ホラーって1時間30分位にまとめてくれると良いかな・・・2時間は長い・・・・
テンポも悪し、怖くもない、悍ましい雰囲気もない、気持ち悪くもない、話は面白くない、中学生の頃、「悪魔の棲む家」と言うこれも凄くつまらないホラーだったけど、それを上回るつまらなさ・・・・来年公開される「サスペリア」のリブート「ハロウィン」その後、期待していますよ。
王に捧げよ我らの首を
新鋭アリ・アスター監督、主演トニ・コレットとガブリエル・バーンが製作総指揮も務めたホラー作。
海外予告編を見掛けたときからその異様な空気感でずっと気になっていた作品だった。
公開後も高評価で、そこからなるべく情報をシャットアウトして鑑賞に臨んだのだが――
あ。ああ。これは駄目だ。これはいけない。なにやってんの。
怖い。めっちゃ怖い。想像を遥かに超えて、怖過ぎる。
僕は元来ビビりではある。だけど、映画を観ながら
歯がカチカチ鳴りそうなほどの恐怖に襲われたのはいつ以来だろう?
自然と呼吸が浅くなるほどの緊張感を味わったのはいつ以来だろう?
『シャイニング』『インシディアス』は超怖いが演出を楽しんでもいた。
高校の頃に観た『キャリー』『呪怨』ではトラウマ級の恐怖を
味わったから、そのあたりが感覚的には近いのかもしれない。
恐怖度ではなく全編を覆う異様さなら『ウィッチ』もやや近い?
とにかく言いたいことは……これまで自分が観てきた恐怖映画の
中でも本作はかなりユニークで、そしてトップクラスに恐ろしい。
...
恐怖映画にはある程度のフォーマットが存在すると思う。
それは例えば序盤で怪異の存在と特徴を匂わせ、登場人物たちがその
怪異に襲われつつも正体の解明に向かう、という全体の流れだったり、
細かな演出で言うなら「振り向いた途端に目の前に……」とか
「いったんキャラクターを落ち着かせた直後にドカン!」とか
そういったテクニックだったり。
まずもって本作が恐ろしいのは、
そんな恐怖映画のフォーマットが、
全くと言っていいほど通用しない点。
怪異が存在するかすらも明確に分からないのに、
何かにずっと狙われているという不気味な感覚と、
細かな違和感・不穏さ・異様さ、そして
紛れもなく明確な実害だけが淡々と示される。
闇の奥の人影。
ドールハウスの影。
ツリーハウスの光。
鳩の首。
電柱。
蟻。蛆。蠅。顔。蟻。顔。ボール。
舌打ち。舌打ち。舌打ち。
笑う分身。砕ける鼻。
燃える女。手を振る女。怒号する女。
墓の土。炉の火。光の環。
浮遊する躰。扉を乱れ打つ頭。
平伏す屍。
理解できないもの、得体の知れないもの、
こちらに悪意があるかの意思すら読めないもの。
それらはもはや根源的なレベルの恐怖対象だと思う。
この映画は全編にその「得体の知れなさ」が充満している。
それこそ空気中から酸素を追い出してこちらを窒息させるほどに。
開始30分のあの道路上での悪夢的映像や、
クライマックスでの"さくさくさくさく"は
まともに文章に起こすのも躊躇するほどのトラウマ級映像。
レビューを書く以上は腹を括って思い出している訳だが……
正直、いまも半分鳥肌立った状態でこの部分を書いている。
...
この映画、外観もヘビーだが内面もヘビー。
家族を失った人々の後悔と怒りと哀しみがものすごくリアルかつ
しんどい重量感で描かれているのもユニークかつ恐ろしい点。
主演トニ・コレットが凄い。
彼女の身を裂くような慟哭と絶叫、そして家族との
罵り合いは凄まじい重量で心に圧し掛かってくるし、
激情から一瞬で意識のスイッチが切れるような所作も怖い。
娘チャーリー役ミリー・シャピロは映画初出演だそうな。
チャーリーは、普通の子供とは何かがかけ離れている。
残酷さに対する概念が欠けているのか、異なるのか。
映画全編の空気を支配する異様な存在感があった。
息子役アレックス・ウルフ。
自分の行為への後悔と母への愛憎がぐちゃぐちゃに
入り雑じる彼の演技もものすごく重苦しい。
そして父役ガブリエル・バーン。一番正気な役だし、
良い夫だし良い父親だったのに……可哀想過ぎる。
彼らの必死の気持ちを道具のように利用し、
目的を果たそうとするどす黒い邪悪。
アニーが手掛けていたドールハウス。
だが人形のように眺め回されていたのは……
好き勝手に配置され弄ばれていた人形は……
アニーたち家族の方だったのか。
...
役者陣の優れた演技と、ひたすらに得体の知れない恐怖の数々。
127分というホラー映画としてはかなりの長尺ながら少しも
長さは感じなかったけれど、その一方で「後生だからこの物語
から早く解放して……」という矛盾した思いで鑑賞もしていたし、
席を立つ時には、プールから体を引き上げる時のように体が重く感じられた。
いやはや、三十代半ばでなお夢に見そうなほど怖い映画に
出逢えるとは……これ、喜んでいいことなんだろうか?
正直この映画をしばらく観直す気にはなれないけれど、
こんな恐怖映画には滅多にお目にかかれないと思います。
ええもう、はい、5.0判定です。
<2018.12.01鑑賞>
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余談:
得体が知れないことが怖いなら!
折角だし物語の流れを整理して恐怖を軽減しておこう。
・地獄の八王のひとりペイモンの崇拝者たちが彼の召喚を策略。
→一派の長あるいはペイモンに見初められた王妃、
エレン・リーの一族にペイモンを降ろそうと考える。
→ペイモン召喚には男の肉体が必要。
→アニーの父と兄は儀式に失敗して召喚前に死亡?
→エレンは孫チャーリーを気に入るが、必要なのはピーターの肉体。
→エレン死亡(意図的か偶然かは不明)
→チャーリーを殺害(電柱に紋章=呪術的手段?)
→ジョーンをアニーに差し向けて降霊術を伝授。
→夢遊病のアニーにエレンの遺体を運ばせる(アニーの手に黒い土)。
終盤の流れを考えるに、おそらくはエレン自身が憑依して実行。
→アニー、降霊術でチャーリーとエレンの魂を自宅に招き入れる。
→アニーを騙し、障害となる夫スティーブンを殺害。
→アニーにエレンが憑依。
→ピーターを自死に追い込む。
→ピーターの肉体にチャーリーを降ろす。
→ピーターの肉体を持つチャーリーにペイモン召喚。王位継承。
→Long Live the King!
なんだこれ、やっぱ怖いよッ!!
カルト映画
「映画の日」に合わせて劇場に行ってきました!
冒頭の ミニチュア模型のシーンから始まる辺り、この家族が既に「籠の鳥」で、行く末を暗示しているかの様でしたね。
ホラーというより、カルト映画かな。
「オーメン」とか「ローズマリーの赤ちゃん」とか、その辺りとカブる感じ。
作品の方向性としては好きです。
何だか得体の知れないモノ…ではないのでその分 余計に怖いですね。
ただ単に怖がらせようとか、そういうのは全くないです。
あ、ピーターを追いかけるアニーは尋常じゃなく怖かったですね(笑)
その、孫のピーターを極限まで弱らせてからの……で、なんだか可哀想でした。
でも、終盤の浮遊トニ・コレットの ワイヤー(?)を使ったシュシュシュでボトンッ…コロコロ…がツボでした(笑)
正直、想像していた内容とは違っていて、思っていた程ではなかったかなと言うのが率直な感想。
前評判が良かったし、かなりハードルを上げての鑑賞だったので、それが良くなかったのかな…。
余談ですが、この ペイモンという悪魔。
女性の顔をした男らしいですね。
“ペイモン”が解らず、帰り道にGoogleで「ペイモン」って言っても「デーモン」としか出てこなかったので、そっちの方が怖かったです(笑)夜道だし。
血筋が継承するもの
この映画の面白さは,物語の全体像を自分自身で再構成しながら説明しようとするさいに感じられるものだと思う。「ホラー映画だから」というジャンル分けの先入観があると,どのくらい怖いかで評価しようとしてしまう。「説明が少ない」「謎が明かされない」という不満に思う人は,「明かされない謎の答えについて仮説を立て,矛盾なく説明する」ことを趣味にはできないかもしれない。
【あらすじの再構成】
地獄の8王の1人,悪魔ペイモンは,人間の体を宿主とすることで生きながらえていた。宿主は男性でなければならず,父親から息子へと,ペイモンは継承されていく。
※ペイモンは"実際に存在する"悪魔であり,Wikipediaによれば劇中に登場する印(シジル)も実在する。
ペイモンは人間に知識を授ける悪魔であり,この悪魔を崇拝するカルト集団が存在した。このカルト集団は,父から息子へとペイモンが継承されていくのを見守ることを使命にしていた。ペイモンを宿した男が結婚し,息子を作るように促すのも役目だった。
主人公の母リーは,ペイモンが宿る男の妻(王妃)だった。結婚する前から悪魔ペイモンを信奉していたのかどうかはわからないが,リーもまたカルト教団の一員であり,ペイモンが父から息子へと継承されるように願っていた。
しかし夫の死後,リーの息子は早逝し,一族から男性がいなくなってしまう。そこでリーは娘である主人公に生まれた息子ピーターに目をつけるが.娘はリーを信用しておらず,リーからピーターを遠ざけた。
だが主人公に生まれた娘チャーリーは障害を持っており,主人公は心のどこかでチャーリーを疎んでいた。そこで主人公は,孫に会わせろとせがむリーに,娘チャーリーの世話をさせる。こうしてチャーリーが,悪魔ペイモンの仮の宿主となった(チャーリーが宿主となるまでの間,ペイモンがどこにいたのかは不明である)
しかし,ペイモンの正当な宿主は男性でなければならない。そしてピーターこそ、リーの夫の血を受け継ぐ唯一の男性である。したがってカルト集団は,あくまでピーターに悪魔ペイモンを宿らせようと画策する。
ピーターに悪魔を宿らせる儀式は,どうやらリーの死をきっかけに発動するものであったらしい。
リーが死ぬと,主人公がリーを掘り出して首を落とし,家族が住む家の屋根裏に遺体を放置することで、一家は儀式の影響下に置かれた。
だが主人公は,悪魔ペイモンのことなど知らないし,自分の父がその宿主であったことも知らされていなかった。それにもかかわらず主人公が夢遊病状態で儀式の遂行に関与したということは,主人公のDNAに「悪魔ペイモンの継承」という役割が刻まれていた,ということになる。この点において,主人公は2つの人格によって引き裂かれている。1つの人格が1人の人間,1人の母親として息子と娘を愛する一方で,もう1つの人格は,遺伝を有する生物として冷酷にペイモンの継承を執行するのである。
ピーターへの悪魔ペイモンの継承は,仮宿主のチャーリーの死を要求した。だがその死は,人間によって仕組まれたものではない。チャーリーが障害を持って生まれたのは偶然。そのチャーリーを主人公が疎むのも偶然。ピーターが大麻にはまっているのも偶然。そのピーターがあの晩パーティに誘われたのも偶然。パーティへ行くピーターに,チャーリーの世話を主人公が押し付けたのも偶然。ピーターが大麻のためチャーリーから目を離したのも偶然。パーティの場で,チャーリーのアレルギー源である胡桃の入ったケーキが出されたのも偶然。そのケーキをチャーリーが食べたのも偶然。
かくしてチャーリーは呼吸困難に陥り,ピーターの車で搬送される。そして走行中の車から顔を出す。そして車は,道路の真ん中にたまたま転がっていた動物の轢死体を避け,たまたまそこにあった電柱にチャーリーは首をもがれる。
その電柱に刻まれていたのは,悪魔ペイモンのあの印(シジル)だった。この偶然は,ただの偶然なのか,それとも人智を超えた悪魔によって操作されたものだったのか。※人間の制御をはなれた偶然の連鎖が、結局人間(的なもの)の意図したかのような結果を生む(=我々が運命と呼ぶもの)という点において、本作はギリシャをはじめとする、古代神話を彷彿とさせる。
カルト集団は,娘チャーリーの死を悲しむ主人公に忍び寄る。そして降霊術によりチャーリーの霊を呼び出すと嘘をつく。気づかぬうちに,主人公はピーターの肉体にペイモンを宿らせる儀式をしてしまうのだ。こうしてピーターの精神は肉体から追い出され,ついに悪魔ペイモンが男性の肉体を得るのである。
(チャーリーが舌を鳴らす癖が,悪魔ペイモンが乗り移ったピーター(だったもの)にも移る。このことはチャーリーだと思われていたものが最初からペイモンだったということを意味するようにも思える。しかしカルト教団の1人が,悪魔の乗り移ったピーターのことをチャーリーとも呼ぶ。なのでピーターの肉体にチャーリーの魂が乗り移ったとも考えられる。チャーリーの魂と,ペイモンの魂は,全く別々のものではないのだろうか?)
・父親の死は,必要だったのか。ノートを燃やした時誰の体が燃えるかは,どのようなルールにしたがって決まるのか
・儀式のためには,一族の女性の首が体から落とされなければならなかったようだ
ホラーにおける最新のクラシック
ガラスを擦り合わせたり、黒板を爪で引っ掻いた音を聞かされた時のような不快感をずっと味あわされる。
日常に忍び込んでた不快感の正体が解った時には、もう手遅れになっていたという恐怖。
「ローズマリーの赤ちゃん」のようでした。
映画監督の三宅隆太さんが「ホラーにおける最新のクラシック」と評してたけど納得です。
引張りすぎ
向こうでは評価が高いそうだが、これ、下手でしょ?
●悪魔憑依映画はたくさんあるけど、話に意外性がない。「ローズマリーの赤ちゃん」みたいに展開のあるドラマがないのだ。ただただ悶々とした話が続いてサスペンスもないので退屈きわまりない。
●何にもないのに不気味な音楽と長回しでウンザリだった。前編そんなペースの場面ばかりでメリハリが効いてない。
●怖そうなカットが出ても長く見せ過ぎてインパクトがない。そもそもオリジナリティもなく、目を引くほど恐ろしい描写がない。
●降霊のシークエンスが中盤とは遅すぎる。ハッキリ言ってそれまで何も事件が起こってないの同じなんだから。思わせぶりな場面が続いても対して効果的な伏線になっていない。
●人物の心理描写もわかりずらい。妹を殺してそのまま帰ってくる兄が怖い。そんなはずはないと思いつつも、現実にはあるかもしれない。人間の内面の悪を描く作品だったら面白いだろうけど、このホラー作品には合っていない。ていうか本筋のテーマではないし、その後の人物描写に貢献していないんだ。自分の不注意で妹、殺したら学校にも行かずに部屋に引きこもるかも。自殺を考えるかも。なのに苦悩しながらも日常が戻りつつあるんだから気持ちわるい。
ホラーって日常との対比だと思う。登場人物自体が狂って見えるんだから効果がない。リンチみたいな作品なら別だが…ってそれを目指したのか?
●降霊シーンとか、空飛ぶ首なしとかギャグか?闇から飛び出してくる母親をものスゴイ反射神経で逃げるのは最も笑った。で、何で母親から逃げるの?海外のホラードッキリみたい。いきなりピエロが出てきて、逃げ出すとか。
作り手のとにかく変わった事をやりたいという下心が見えた。そのあたりのセンスが評価されているのだろうが、ホラーの職人だったら犯さない失敗をいくつもやっちゃってる。ダメだと思う。
寄生
祖母の死から始まるある一家に迫る不可解な出来事の数々の話。
チャーリーという名の変わった娘、マリファナ大好き心を開かない息子、ヒステリックで夢遊病持ちの母親、唯一まともなセラピストの父親というなかなか強烈な家族で不穏な空気感が終始漂う流れ。
鳩に始まり娘に続き、盛り上がって行くのかと思いきや、幻視幻聴か夢かということの繰り返しで何が何だか良く判らないというか何でもありというか…まあそれが狙いなんだろうけど。
終盤になってやっとタイトルの意味するところがわかったけれど、みる側が補完しないといけない部分が多いし、悪魔がどうとかいう割に継承することそものが目的のただのカルト教団の話で 自分の好みではなかった。
『BASTARD!!』にそんな奴いたなぁ・・・
かなり色々なマスメディアで取り上げられているガッツリとした宗教ホラー映画である。キリスト教的、又はその兄弟達であるユダヤ教、イスラム教、その他のヨーロッパの土着宗教や、そこから派生する、神学者が創り出した悪魔学的発想がテーマとなっていると思えた。なので、今作は、観ていて思ったのは多分、アジア系人種には背景がピンと来ないであろうと言うのが正直な意見である。
勿論、そんなテーマやコンセプトを知らなくても、普通に恐怖を感じることは出来るし、とにかく首がすっ飛ぶシーンの目白押しだ。
そしてその首も又、今作の最大のテーマである、悪魔ペイモンに由来しているという作りはなかなか面白い構成である。
それぞれの怪奇現象がきちんと回収されるところも親切だし、その辺りの丁寧さは有難い。久しぶりに劇場内で女性観客の悲鳴を聞けたのも新鮮だったw 妹の不気味な顔といい、兄のムロツヨシっ振りといい、父親の影の薄さといい、なかなかキャラが際立っているキャストだが、やはり母親の顔芸が今作の恐怖を何倍にも際立たせるオーバーアクションで、その演技に拍手を送りたい。
どこかで聴いたことがある、エンドロール中の劇伴である『Both sides now』の、もの悲しいカントリーミュージックも又、惨劇に対する鎮魂歌のようで、心に強く残る曲である。劇中の多くのアイデアは、今までの使い回しの感は否めず、“こっくりさん”なんてJAPANホラーも要素も入っていたり、しかし光のハレーションを巧く盛り込んだりと、その努力自体は充分認められる内容である。
昼夜の切り替えをカット割りで見せる等の視覚演出も唸らせる効果だ。
欧米では相当受容れられる西洋ホラーとして完成品だと感じる仕上がりだと、しっかり認識できた作品である。
完璧な悪夢……完璧な宣伝コピーだと思います
個人的な経験の中では、戦慄感、忘れたいのに忘れられない顔、の二点において、あの伝説の『エスター』に匹敵する凄さでした。
映画的な満足度はかなり分かれると思いますが、鑑賞した方のうち2割から3割くらいの人が、今後の人生のどこかで、ふとした時に、あの〝コッ〟という音をどこかで聞いたり(錯覚だとしても)、映画の中のどこかのシーンを夢で見てしまうはずです。
そういった意味では、怖いけど二度楽しめそうですよ。
タイトルなし
雰囲気、音、演出、演者などは最初から最後まで緊張感があって良かった。
でも、肝心の内容は?
気づいたら悪魔の仕業になってて、チャーリーの死だって直接結びつくとは思えないし、そうだとしても説得力不足だし、墓荒しはなんだったの?ジョーンの仕業だったの?それともそれも悪魔のせい?ハトの首を切断したのには理由はなかったの?ただの恐怖演出?最後の人たちはなに?何処から沸いたの?それだって言いたいことは本当は何となく分かるし、全部悪魔の仕業だったのかもしれないけど、どれも説得力に欠けるのが勿体ない。
チャーリーが死ぬまでをもっと短くして、もっと悪魔とおばあちゃんについて描いてほしかった。そこが薄いから置いてけぼり感が凄かった。
前述の通り、良い部分もとてもあっただけに勿体ない気がしました。
続編があるような気がしないでもないけど、それ前提の内容ならまた話は変わるかもしれないです。
キューブリックがローズマリーを撮ったら
雰囲気と音響と子役を含み役者陣の演技は凄いの一言。
途中からあれこれはローズマリーが最初からちゃんと継承する赤ちゃんを産めなかったバージョンか?と思ったらどんどん最後に向かってローズマリーの赤ちゃんぽくなっていった。なぜ悪魔崇拝者は脱ぎたがる?
んー、言うほど怖いかなぁ?
私は怖がりなので普段ホラー映画は観ないのですが、レビューを読んで興味を持ち、珍しくホラーを劇場で観てみることにしました。
が、結論としては特に怖くもないうえに目新しさも少なく、なんだか退屈なものでした。ホラーというよりはオカルトスリラーという感じですかね。
心理的にくると言われてたので、どんなものかとビクビクしていましたが、ダメージがなくて良かったですw
ジャンルはちょっと違いますが、マルホランドドライブとかの方がよっぽど怖いし、面白いし、革新的な映画だったと思います。
そして怖さだけで言えばやはりJホラーの方が数段上だなーと改めて思いました。
ミニチュアを使った演出と、チャーリーの人間離れした容姿は良かった部分だと思います。
ホラー映画としては0点
ストーリーの進みが遅くて長く、とにかく淡々としてて退屈でした。
またホラー映画特有の絶叫要素もほぼゼロなので、スリルを味わいたいと言う人には不向きな映画です。
とはいいつつも、ジワジワとも静かな恐怖を味わうようには作られていますが、普段からホラー映画を見慣れている人なら微塵も恐怖は感じません。
個人的にはホラーと言うよりは、シュールなオカルトミステリーですね。
普通とは違う変わり種のホラー映画を見たいと人には楽しめるのではないでしょうか。
とにかく恐い 途中からずうっと怖い
出だしは、なんとなく怖い感じだったが、途中のある出来事からもう怖すぎてハンドタオルをずうっと口に当ててしまった。
自分だけでなく、劇場にいる人全員が息を飲んだままだから、もう怖さがマックスのまま。
怖がりの人は何か握れる物を持って行った方がいいよ。
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