ボヘミアン・ラプソディのレビュー・感想・評価
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音楽映画の難しさ。
その映画に登場するミュージシャンの音楽が優れていれば優れているだけ、その映画の成功は半ば約束されているようなものです。屁理屈をつけるようですが、この映画を観終わった今、映画そのものが良かったのか、と訊かれたなら、「少し違うな」と答えたい気分です。つまり、「クイーンの音楽が、やはり素晴らしいのだ」というのが正直な気分なのです。極論を云えば、メインはあくまで音楽で、映像、脚本は付け足し、みたいなものです。既成の音楽を使用していたので、ミュージカル映画としても、あまり、評価はできないような気がします。まぁ、そうは云っても、ライブエイドでの「伝説のチャンピオン」の歌唱シーンでは、私自身の涙腺が完全に決壊してしまいましたが・・・。欲を云えば、ジョン・ディーコンが作った「マイ・ベスト・フレンド」が聴きたかったです。
今の医療技術をもってすればフレディ・マーキュリーは現在でも生きながらえたかもしれないのに・・・云ってみても詮のないことは百も承知のことですが。かえすがえすも残念なことです。それにしても実際のフレディ・マーキュリーは意外と下顎が長かったのですね。
合掌。
大画面と良質な音響で
フレディ・マーキュリーという人について私が知ることは、ちっとも多くない。
亡くなったニュースが世界中を駆け巡り、多くの人が悼み、嘆き悲しむその人が、Queenのあの独特な個性を溢れさせていた稀有なボーカリストだと気づけるくらいには知っていた。
そして、数年前、彼の生涯を追ったドキュメンタリーをたまたま見て、彼の生涯についていくつかの事を知った。
だから、決してファンと呼べるほどではないし、語れるほど多くも知らない。
でも、ふと思う。
果たして、Queenの曲をどこかで一度も耳にしたことすらない人がどれくらいいるだろうか。
果たして、ジャンル問わず影響を受けてないアーティストがどれくらいいるだろうか。
オープニングのライトに照らし出される20世紀FOXのロゴも、音楽がQueen仕様で、観客はすでにQueenの世界に引き込まれながら映画の幕が上がる。
映画である以上、100%のノンフィクションは有り得ないと分かっているから、描かれていたQueenとフレディがどれだけリアルだったか、どこが創られた部分か、そんなことを思いながら観ていた。
そして、映画の尺の中に納める以上、全ては描ききれなくて当然だとは分かっていても、Queenが世に出ることも、長く活動している間に起きただろう数々の出来事もずいぶんあっさり描かれているようにも見えた。
それでも。
胸に、響いた。
胸が、詰まった。
Queenだけが持つ、彼らのそれぞれの才能がぶつかり合って生み出される作品たち。
ほんの少しとはいえ、映画で描かれるその過程。
どうしてQueenが世界中の人たちを魅了し、唯一無二の存在として、今なお君臨するのか、その理由が垣間見える。
そして、最後の恋人と言われるジム・ハットンのことは知っていたけれど、メアリーに関してはあまり知らなくて。
フレディとメアリーの、いつしか恋愛を越えた愛情と絆、それが時にあまりにもすばらしく、時にあまりにも切なく、見ていて胸が苦しくなった。
紆余曲折はあったけれど、フレディには、メアリーや仲間たちやジム、例えば映画では、ソロとして進もうとしたことで、道を誤りかけた彼を引き戻してくれ、受け入れてくれた人たちがいる。フレディは決して独りではない、はずだ。それなのに、劇中のフレディを見ていると、なぜあんなにも孤独を強く感じるのだろう。
なぜ、それが辛くて、胸にこたえて、泣けてくるのだろう。
そして。
ラスト21分、コピーにも書かれている、魂に響くラスト21分。
本当に魂に響きすぎて、ずっと泣きそうだった。
大画面と良質な音響のおかげもあり、臨場感とともに、そのライブにいるように感じ、アーティストと会場がともに作り出すあの独特の空間と雰囲気と色が身近に感じられるようだった。特にQueenのライブは、コール&レスポンスや観客たちの自然な参加で、一体感の強いライブだから余計かもしれない。
そして、心を揺さぶる何かを目に、耳に、感じ取った時特有の、あの胸が詰まって堪らなくなる感じに襲われ続けた。
そこに、フレディが、目に焼き付けようとでもするかのように、会場とメンバーを何ともいえない表情で見渡すもんだから、完全にやられた。
にもかかわらず、その直後にエンドロールが始まり、ふと気づけば、フレディはこの世を去ってしまった後の現実だ。なんてこった。
映画が終わり、一瞬で画面は暗くなり、劇場は明るくなり、一気に静寂に包まれる。
さっきまでの孤独と感動を引きずった心にその静寂が痛かった。
フレディ・マーキュリーは、こんな形ですら人々を魅了するんだな。
そして、ラミ・マレック、やはり凄い俳優さんだ。
新しい解釈としてのボヘミアン・ラプソディ
正直、あまり期待せずに劇場に。
もちろんオンタイムでクイーンのファンでしたが、、、。
「ボヘミアン・ラプソディ」は、ずっと「父殺し」の意味を持つ楽曲だと解釈していました~後半に行くに従って、浮き彫りになっていくフレディ個人の痛々しいまでの寂寥感が、楽曲の歌詞に折り重なっていく様がエモーショナルに迫って来て、最後の大ステージは涙なくして観ていられませんでした。共に唄いかけ踊り出して来そうになり、観終わった後はそこに居る誰かとハグしたい衝動に駆られました。日本の観客は冷静だったのですが、英国などではどうだったんでしょう。
マイノリティとしての彼の生死と孤独、そして「再生」の物語として、よく出来ていたクレジットでした。また俳優ファンとしては、ディーコン役のジョセフ・マゼロ出演は嬉しかったです。
圧倒的ライブ感!!!
伝説を見た。
星10個でも足りないくらいの感動!今年は本作を観られたのでもう充分幸せ!!
本作は、絶対に映画館の大画面と音響で楽しまなければ、もったいない!!
超超超スパースターQUEENの名曲の数々がどの様に作られていったのか?
本作で名曲の裏側を知る事で、楽曲に更に親しみと感動を覚える事だろう!
リアルタイムでQUEENを聴いて育った世代の人は勿論だけれど、本作を観る迄、QUEENを知らなかったと言う今の若い世代の人達にも、感動の波が押し寄せる事確実だと思う!
ファーストシーンから、ラストのライブエイドのコンサートシーン迄、ぐいぐいと観客の心を作品の中へと引きずり込んで行く力が本作にはある。
それは、もうフレディー達QUEENの名曲が凄過ぎるのは当たり前だけれども、本作は伝記映画としても充分に巧く練られていて、演出も効果的にされている作品だと思う。
ブライアン・シンガー監督自身もきっと相当に、学生時代の頃に彼らQUEENの音楽の影響を受けて育ったに違いないと思う。全く時間を感じさせない本作上映時間の、2時間15分はあっという間に終わってしまった!
また、映画館で観たい!
私は学生時代には、特に洋楽ファンと言う訳ではなく、むしろ音楽には疎い方だったが、それでも映画に出てくる楽曲は今でも歌詞も総て覚えている。
自然と当時の若者の誰もが生活の1部として当たり前にQUEENの音楽と共に暮らした!
今年はこの映画を観られただけで、もう充分に大満足だ!
圧巻!
壮大な伏線
映画「ボヘミアン・ラプソディ」を観ました!
感動感動でした!
グレイテストショーマンもすごかったけど、あれを超える感動!
【ネタバレあり】
クイーンは、中学の時に知って以来、ずっと好き。DVDも持ってる。でも、この映画はクイーンを全然知らない人も感動間違いなし。
フレディがエイズを患ったという告白をしたというニュースが世界を駆け巡り、大ショックだったのを覚えてる。
その数年後には亡くなるという誰もが知るネタバレもあるのですが(笑)、ストーリーには期待しないで行ったら大間違いでした。
今までは歌詞の内容を知らずに聞いてました。
だけど、容姿へのコンプレックス、出身地へのコンプレックス、親との葛藤、LGBT、側近の裏切り、スターゆえの孤独などなど、背景を知った上での歌詞を読むと、本当に感動。
まるでそれらが、感動のライブシーンまでの伏線のように思える。
音楽ファンじゃなくても最後のライブシーンでは、間違いなく感動のクライマックスに連れていかれるはず。
おすすめです。
事実は小説よりも…
ザンジバル生まれ、(両親は)ゾロアスター教、インド系、ゲイ、ジャンキー、大ヒットメーカーであり、偉大なるパフォーマー。
衣装は奇抜。
タンクトップにピチピチパンツでパーフォーマンスを行うこともあるマッチョのちょび髭の出っ歯(歯が多い、と劇中で説明あり)。
そしてエイズで若くして亡くなる…。
漫画でも見ない、濃すぎるキャラのフレディ。
キャラ設定もエピソードも、足し算に次ぐ足し算で、
物語だったら「どれか1つ突き抜けてたらいいよ。やりすぎ」と削られるレベル。
でも「やりすぎ、濃すぎ」も、「事実なんだからしょうがない」。
情操教育の一環(というか、私が見たかった)で、4歳の娘と共に出かけられるか煩悶して、
「異性同姓問わずのベッドシーンなどが出てきたり、激しいドラッグシーンが出てきたりしたら、どうしたらいいか答えが見つからない…」と、結果1人で出かけることにしたが、
そう過激なシーンもなく、心配したけれど一緒でも行けたかもな、というくらい、意外と子どもでも(面白がってくれるかどうかは置いておいて)安心して見られる作品になっていた。
フレディの人生を、駆け足で。
彼の複雑な内面の変化を感じ取ることができたのは、
主演の目力と演技力によるものが大きい。
どこか怯えていて、迷いのある不安そうな視線の揺らぎに、
ここまで偉大なロックスターも、
私たちと同じ人間であり、
同じように自分のあり方に悩み、
答えがわからないまま、ただ走っていたのだという、
当たり前のことに気づかされる。
名前を変え、出生を伏せ、過去を語らず、セクシャリティも偽り、
「フレディ・マーキュリー」として生きた。
それでも中に確かに「ファルーク・バルサラ」がいたことを受け入れる姿には、涙を誘われる。
ファルークであり、
フレディであること。
偉大なロックスターの、規模大きめの「自分探し」。
こんなにキャラとエピソードが濃い「事実」と名曲の数々に、そんじょそこらの音楽フィクションは勝てるわけがない。
ていうか、なかなかノンフィクションでも難しい。
エピソード対抗馬はジョン・レノンくらいじゃ?
と思っていたら、ジョンの暗殺事件も映画化されるんですね。
それはそれで楽しみです。
世界よ、これが「Queen」だ。
完璧でした。もう一回映画館で観たいです。
感動も勿論しましたが、何より胸が熱くなりました。
そして洋楽に疎い自分でも耳にすることの多いQueenの音楽がいかに凄いかを叩きつけられる作品だと思います。
個人的なイメージでフレディを聖人君子みたいな感じで捉えていたので、メンバーも含めてとても苦しい時期や下積みがあって、ちゃんと自惚れて悪態をついていた頃があるということを知れました。
主演のラミ・マレックの演技も凄かったです。
自分が演技に携わったことが無いので具体的なことはわかりませんがとにかく凄かったです。
ライブシーンでは映画の中のオーディエンスのように立ち上がって両手を掲げて歌いたい気持ちを抑えるのに必死になるぐらい最高でした。すごくライブに行きたくなりました。
あの完璧で確信犯的なセットリストも相まってスタートのファンファーレからエンドロールの最後まで何一つ見逃せない2018年を代表する映画だと思います。
良かった!また観たい!!
フレディが亡くなったのは1991年11月24日。今月でちょうど27年だ。ボヘミアンラプソディー始め多くのヒット曲は今も一向に褪せることなく、常に王道で愛され続けている。まさに怪物のような音楽だ。クィーンが結成される直前から再現されたこの映画では数々のクィーンの名曲が次々と流れる。思わず体を動かしてしまいたくなるが(外国なら漏れなくそうなるだろうが)、周囲の観客は至ってサイレント。ミュージカル映画では無いのだから仕方ないが、フレディ役の俳優さんがまるで生き写しのようで、映画終盤では本当のフレディの顔と見紛うほどだった。終始、スクリーンに釘付けの2時間で、見応えがあった。プライベートなことはほとんど知らなかったけど、かなりリアルに再現されているのかな?
45歳という若さで逝ってしまったのは本当に惜しかったが、彼は今も精力的に生きている!これからもずっと生き続けるだろうと思う。
また観たい。DVD(ブルーレイ)は買いだ。
★5つでないのは、もっともっと色々な曲を聴きたかったから。来日時のエピソードもあると良かったなぁ。2時間があっという間だった。
無知識で観ました笑
サントラがいい
皆さんすごい評価が高いですね。
熱狂してますね。
私は途中2回くらい寝てしまいました。
でも、私もクイーンだいすきなので、サントラ聴きながら帰りました。
すごく良く出来た作品であることはわかります。俳優さんがみんないい。ヒロインがシングストリートの女優さんって後から知って、その存在感になるほどと思いました。フレディの短い生涯に触れて、私も自分の人生を粗末にしてはいけない、って思いました。
あの頃はまだゲイが市民権を得ていなくてビックリ。その数十年後にはメインストリームにいるのにね。でも最後、恋人が死ぬまで寄り添ったことを知って嬉しかった。そしてノンケのヒロインも最後まで友達として支えたんだね。と、エンドロールみながら涙止まらず。
立川シネマシティの極音上映は、すごくよかった。劇場の客席の電飾みたいなのも好き。
魂に響いた
ミュージックビデオかな
昂ぶる
まるで魂を鷲掴みにされ、ありったけの力で揺さぶられたような感覚だ。
「Queen」ってバントは知ってる。
どんな曲をリリースしたかもなんとなく。
F・マーキュリーって人の顔は朧げながら覚えてる。オールバックの髪型に立派な髭を蓄えて、レオタードのような衣装を着てる人。
俺の認識なんてたかだかそんなもの。
そんな俺なのに…なぜ涙が止まらない??
物語はバンドの結成当時から始まる。
出っ歯で目がギョロっとしてて、スター性など欠片もなく、巷に溢れる若者の1人。
そんな彼と彼らの足跡があまりに有名な楽曲とともに語られる。
このフレディを演じてる役者がまた凄い。
彼は空っぽなのかと思う。
いや、そんな訳はないのだが、彼から発信される何かというよりは、彼に注ぎ込む何かのような感覚で、つい彼に寄り添ってしまう。
おそらくはソレが止まらない涙の理由の1つではあるのだろう。
物語の進行もとても秀逸で。
BGMが流れてこない。
耳に鮮烈に響くメロディはQueenの楽曲だけなのだ。後は雨の音、紙をめくる音、足音、レコードの針が落ちる音、その他諸々。どれもこれもSEなのである。
音楽監督賞みたいなもんがあるなら、進呈したい。無ければ、この作品とこの人の為に新設してもらいたいっ!
曲が流れる前には、その曲の生い立ちとでも言おうか、薄っすらとでもフレディ達のプライベートが語られる。
それらから思うのは、誰かの為、何かの為に書いたのではなく、自らから溢れ出した言葉なのだと言う事。和訳を一生懸命追うも情景までは見えてこない歌詞もあり、だが、その歌詞に反応できる背景をもつ人達には強烈に突き刺さるのだろう。
自分を表現する。その一点においてなんの気負いもなく潔いのである。
ラストのフェスがどれほどのモノだったのか俺にはサッパリ分からないのだが、涙が溢れて止まらなかった。
この時期はQueen的には第一線ってわけでもなく、既に過去のバンドだったようだ。
でも、どうだ!
彼らが巻き起こす熱は、観客の1人1人にくまなく届き、彼が振り上げる拳は天をも裂きそうに力強い。
このフェスが始まる前のシーンでは、自らがエイズに感染してる事を告白するシーンだった。フェスでは、母への想いを叫び、観客にさよならを告げ、俺たちは勝者だと叫ぶ。
全部フレディ本人の事のように思え、この人は常に戦ってきたのだなと思う。
理解されない性癖や、それを隠す為に感じてしまう孤独や、それでも他を求めてしまう弱さとか。でも、彼は目を背けず、常に向き合ってきたのだなあと思う。
そう思わせてくれた編集と、その絵を残したカメラマンと、そのカットを指示した監督に心からの感謝と喝采を贈りたい。
エンドロールが終わっても涙が止まらず、立ち上がるのを躊躇ったのはいつ以来だろうか?
Queenの事はホントに何も知らないが、とても、とても良い映画だった。
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