「映画なので史実と違うこと自体はよいのです。しかし…(ネタバレ!)」ボヘミアン・ラプソディ bassmanさんの映画レビュー(感想・評価)
映画なので史実と違うこと自体はよいのです。しかし…(ネタバレ!)
クイーンが好きで好きで仕方ない。クイーン最高。批評家にボロクソ言われようが、音楽的にもパフォーマンス的にも挑戦し続け、果ては音楽の"女王"となったバンド。
聞くものを引き込んでしまう魔法を持った歌声、派手なオーケストレーション、分厚いコーラス、地味に見えても華やかなベースライン。グラムロックの影響を受けたという華麗な70年代。技を熟成させ、圧倒的な実力を証明した80年代。
素晴らしい曲の数々をありがとう!!!
*もともと好きでない作品はレビューしない質である。
それに映画のおかげでクイーンファンが増えるのは良かった。
しかし本作を「史実」であると捉えてしまった為にフレディetc.が嫌いになったというご意見を耳にした為、慌ててレビューした。(そういう意見があるのも仕方ない。これの理由は後述。)
もちろん自分はクイーンのメンバーの友達でも何でもないのでこのレビューが真実だとは断言しない。
ただ思ったことは書き留めさせてほしい。
数年前にクイーンの映画が作られると聞いた頃は無邪気に喜んだ。クイーンを聴かない人にも良さが伝わるかもしれない、と。ファンとしては嬉しい限り。
別に『ボヘミアン・ラプソディ』を高評価している人達を責めたいとは思わないし、色々な世代の人がイベントとして楽しむ事もあり得る。
しかし、どれだけ盛り上っても誰もが疑問を感じているのではないだろうか。
海外では大手の新聞・経済紙(FTやNewYorktimes,Guardian)や批評家が酷評している映画。実際にNY Timesの記事を読んだが、クイーンファンである記者ががっかりしたそうだ。またRotten Tomatoというサイトでは支持率は60%ほどでギリギリrotten(腐敗)評価を目逃れているということがわかった。ちなみに60%未満からrotten。ずっとアカデミー会員からの評価も低かった。オスカーは獲ったけれど…。(最初から高評価しているなら理解できるが酷評しておいて賞を獲らせるのはどうかと思う。それと反対でアカデミー会員の評価が抜群だった『アリー…』が日の目を見なかったのも不思議)
同じくファンであるbassmanも低評価してしまうが、いくつかの理由がある。
自分の好きな初期の曲が使われなかった、
音楽性の変化による議論についてもっと掘り下げて描いて欲しかった、とかファンゆえの勝手な愚直は重要度が低いので書かない。
1.フレディ・マーキュリーについて。フレディはノーブルな顔立ちで綺麗な瞳、長いまっすぐな脚をしていたが本作では…。ラミが全く努力していない、とは言わない。元の容姿がクリソツの俳優を起用しろ!!!とも言わない。
しかし、しゃべり方も違和感があるし肉体改造も充分ではない。liveaid時代のフレディは筋肉質だった。逆を言うと若フレディはもっと痩せていた。ペルシャ人の血を引くフレディと似た容姿を見つけるのは難しいと思うが、せめて役に体型を近付ける事の出来る俳優にしてほしかった。(松山ケンイチやアーミル・カーンのレベルで!!)
また後述するがフレディの人物像についての疑問点もある。
2.映画中のブライアンは常識的でバンドの喧嘩を止める事が多かったが、現実は反対でブライアンが揉め事の発端になる事も多々あったらしい。
3.ロジャー・フレディの関係にも疑問。映画では2人はよく険悪な雰囲気になっているけれど現実では仲が良かった。親しいと喧嘩もしただろうが、フレディのソロ時代もロジャーがpvに出たりする程仲良しだった。
4.また映画のジョンは影が薄いがイヤミにも見える。しかし本当は優しく謙虚なジョンなのだ。
例えば、another one bites the dustはマイケル・ジャクソンに提供するつもりだったが断られたためジョンはボツにするつもりだった。しかしフレディが歌詞を気に入ってクイーンで演奏する事になったのである。だが映画では遅刻したフレディをジョンが軽く責めた後、「歌えるなら良いけどね」と皮肉まじりに歌詞を渡している…!
ジョンは存命中だが制作に関わっていないのでこの描き方は…と思う。(それでもこの映画を観てジョンは良い人、と思った方もいてまぁ良かった)
5.love of my lifeはメアリーを歌った曲だとは限らない。(しかしlily of the valleyは「当時付き合っていた彼女のことだよ」とフレディ本人が認めている)確かに多くのファンがlove of my life = メアリーへの切ない愛の歌だと思っているし、その説を否定したいとは思わない。しかしフレディは歌詞について多くを語りたがらず、曲を聴く人々に想像させる自由を与えた。意味深な歌詞は色々な意味にとれるからリスナーを惹き付けるのだ。実際にブライアン・メイも歌詞の取り方はリスナー次第だと主張している。
どの人物も正確に描かれていない。フレディの名誉の為に言うと、彼は人をペット扱いするクズでも無いし、わがままでクイーンを解散の危機にさらした訳でもない。ワンマンでは無い。その証拠にクイーンはled zeppelin等と違い、「リーダー」のいないバンドだった。
ボヘミアン・ラプソディの原案はブライアン・メイが考えたし、映画撮影中にもかなり意見が入っている模様。彼のフィルターを通して美化した自己像と、歪められた歴史であると捉える人もいる。
宣伝にも問題があって、まるで史実の様に思わせてしまう。「彼の物語・伝記映画」「真実の物語」のダブル(トリプル?)パンチが映画のフィクション部分を真実だと勘違いさせる一因になっている。「フィクションだから!!」と強調してくれていたら、低評価レビューを書く気にならなかっただろうと推測する。
実は映画を観てフレディは下品でろくでもないと勘違いした人もけっこういるようだ。(あの内容では仕方ないと思う。その人達を責めたりする気にはならない)しかし、本作の問題点を皆さんに知って頂きたかった。
以上が低評価の理由である。(曲の発表の時期のおかしさ等は映画なので許容範囲だと感じた。)
*最後まで読んでくださりありがとうございました。色々書きましたが、悪意からではなくクイーンへの愛からです。
ブライアン・メイに憧れてギターを始め、ジョン・ディーコンを真似てチーズトーストを食べるというクイーン・フリークの書いたレビューですから、アンチではないです。親愛なる皆さんに伝わりますように。
この映画に不満を持ったファンの心の奥は、ヘイトでは無く
"Freddie……I still love you."
なのです、結局。
クイーンへの愛が溢れるレビュー、楽しく読ませていだきました。
私はこの作品が結構好きなのですが、ファンであるbassmanさんが、低評価なのもよくわかりました。
ただ、一つ疑問なのは、この映画を見て、フレディマーキュリーへの評価が下がるのかなあ、ということです。ドキュメントではないのはわかっているし、フィクションと知って見ていると思うので。映画としてはフレディの弱さこそが、人気の秘密だったと思います。
ちなみに私は「キラークイーン」と「ドンツストップミーナウ」が好きです。
音楽家の映画は往々にして我々が知らなかった闇の部分を扱っていることもあり、麻薬に溺れていたり、仲間との軋轢があったりして、そのアーティストにとってはマイナスイメージになることも多い。私の好きなエルトン・ジョンも「ロケットマン」に関してはイマイチ好きになれなかった。
この映画で闇の部分とは、フレディーがバイセクシャルであったり、エイズになったりする部分であると思うが、既に周知の事実であり、彼が若くしてエイズで亡くなってしまうと言う、いわゆる余命もの映画として見るにしても、物語としての目新しさ、面白さには欠けた。
ロックスターとして大成功した後、紆余曲折あって一旦仲間と離れるが、ライブエイドのためにまた仲直りして出演することになるが、そこまで出演に執着した理由がいまいち曖昧な感じだった。
ただ、最後のライブエイドでの大観衆と一体化したライブパフォーマンスは、 俳優がやっているとは思えないほど本物のようで、最高に盛り上げてくれた。ここだけでも見る価値のある映画だと思った。でも、ちょっと考えると、本物のクイーンのライブ映像を見たほうがもっと感動するんじゃない?という気もした。
映画と関係無いことですが
最近、布袋寅泰とロジャー・テイラーが共演していたことを知って驚きです!
ロジャー、やっぱり人気ですね。
あと自分は今のQueenのliveには行きませんが別にアダム・ランバートアンチじゃないです。
歌唱力もあるし
態度が謙虚な人だなと思います。
ただたまに自信喪失発言をしてるのが不憫です(汗)すごいプレッシャーだろうからね…。うむ…。
フレディ・マーキュリー
の人物像について
何か違和感が…。
何か大切な部分を抜かして
滑稽さのみが
独り歩きしたような。
そうです、色々と足りないんです!
2時間に彼の人生を収めてしまうのは
不可能ですもんね。
musashinokozoさん
コメントありがとうございます!
恐縮でございます。
そう言って頂けると
本当に励まされます!
そうですよね。
商業的なコトを考えると
曲の扱いが浅くなるのは
仕方ないのかも知れませんが
やはり…なんだか足りないですよね!
タイトル曲ボヘミアン・ラプソディ
はフルで流した方が
クイーン知らない人もファンも
きっと盛り上がれるのに!
と自分も思いました。
やはり挿入歌にしては
6minutes is forever,
だったのでしょうか???(笑)
素晴らしい批評かと思います。
2時間の尺に収められないはずなんです、フレディの人生。
Netflixなどで8回シリーズくらいに描いて欲しいくらい。
あと、ボヘミアンラプソディならば、フルで聴かせて欲しかった。
まだまだたくさん名曲ありますよね。
扱う曲が少ないとも思いました。
kossykossyさん
コメントありがとうございます!
現在、映画.comアプリを入れていないのと
そもそも更新をサボっており
たま~にTwitterのようにコメント欄に呟く程度な為、気が付かなくて申し訳ございません。
trailerをみる限り、よくわからないのですが
やはりlgbtの系の話は出てきそうですよねー。
日本公開は8月だそうです!
ふむ。
自分の知識ではどこまでが事実でどこまでがフィクションなのかわからないのですが本人が生きているから揉めなくてすみますね。
冗談抜きで良いと思いますよ、エルトン。
your song以外、彼の曲はあまり聴かないのですが
『ロケットマン』は気になってすぐにcheck-inしてしまいました。
実はですね~
日本公演なのですが…
基本的にAdamの新Queenに関心がないため行く予定はないのです…。
しかし前述のとおりロジャーのソロ活動には興味津々です!
若い頃から変わらないあの典型ロック(ちょっとくどくて古い。でも格好いい)が恋しくて仕方ない時があります。
kossy kossyさん
お久しぶりです!
コメントありがとうございます!
現在、映画.COMアプリを使っておりませんので
偶然コメントに気が付けて良かったです!
ロジャーが五年間ぶりのソロ!
gangsters are running this world
ってタイトルからロジャー節炸裂(笑)
若かりし頃のソロ曲let's get crazy中の詩のごとく
″always be crazy till the day I die!″
とまだまだ伝わってくるぜ!
それでは映画.comをおやすみ(?)致します。えーと、しばらく更新しなくなるというだけで退会はしません。
いままで嬉しいコメントと共感、誠にありがとうございましたm(_ _)m
なお返信は遅くなりますが何かしらございましたらコメントはご遠慮なく。
ありがとうございます!おかげで画像を見つけられました。
そうですね。ルークももう成人ですし。ジョンじゃなくて本人の意志だととっていいかな~Σ(゚∀゚)
あの、ところで、bassmanさんの名前の由来ってジョンからでしょうか?(/▽\)♪bassmanさんのレビューみてたら、言うことはきっちり言うけど穏やかで優しく理路整然としていて理系な感じで。。。なんかジョンみたいと思いました(*ノωノ)
↑語彙力ない私の最大の誉め言葉!!!
あ!、ここのコメ欄でご返信頂いてたんですね😅
私も『ムーンライト』『君の名前で僕を呼んで』鑑賞しました。
(アプリのアプデを機にそれまでのしょ-もないレビュ-を全削除したのでもうありません🚮)
あれらの作品を受けて?→本作ではこの程度のLGBT描写でいいだろう〜的なものを勝手に感じてしまいました。
bassmanさんお久しぶりです😃
ところでジョンがこの映画を「許可」したのは複雑な心情になりますρ(・・、)息子も出てるみたいだし。。。私は一回しかみてないので見つけられなかったけど(;^ω^)
でもブライアンがインタビューで「ジョンは賛成した」とひと言言ってるだけなので、賛成といっても文句言わなかっただけで同意と取られたのかな?とか自分に都合よく考えてしまいますΣ(゚∀゚ノ)ノ
↑ラインハルト・マック氏の三男のjohn fredrick mackさんです。
Freddie Mercury Fan Clubが今年の1/5にインスタグラムにupしてました。
freddie mercury fan club freddie mack
で検索してみてください^^
この暑苦しいレビューに、思いの外いろいろな方が興味深い意見を書いて下さってとても嬉しいです。上↑に書いた通り全く注目されないだろうなーと思っていたので。bassmanの重い想いが皆様に届いたのかな?と思って喜んでおります^^
レビュー投稿時は
「共感してくれる人が2、3人居ればラッキー^^」と思っておりましたので、みなさんには本当に感謝ですm(__)m
共感してくださった方、嬉しいコメントを残してくださった方はもちろんのこと、こんな暑苦しいレビューを読んでくださっただけでも感謝です。ありがとうございます!
と言う訳で
映画としての良し悪しを評価するつもりはございません。それは他のレビュアーさん達に委ねます^^
しかし、先日『不滅の恋 ベートーヴェン』を鑑賞したのですが
「天才音楽家」の描き方があまりにステレオタイプと言いましょうか、ボヘミアンのフレディもこんな感じ…と思って苦笑いでした^^
(ここにコメントくださったご意見も参考にしてます)
そして、やはり謳い文句の「真実の物語」が気になりました。
「創作」が「真実」になってしまう恐れを感じました。
(このCMが無かったらレビューしてなかったかも…という程です(笑))
映画の評判の良し悪しはどうでも良かったのですが…
「映画を観てフレディという人がどれだけ傲慢かがわかった」
というご意見を耳にしてレビュー投稿を決意しました。
自分はファンですから贔屓目も多少あるはずです。だから「フレディは優しい人だよ!ワンマンに描かないでおくれよ!」と感じてしまうのだと推測しておりました。
しかしクイーンをご存知で無い世代が映画を観て「フレディ…暴君,自分勝手」とおっしゃるのでしたら、やはり先入観の問題ではなく描き方に問題があったのかも…という次第です。
このレビューを読んで映画を見終えた時の釈然としない気持ちが晴れました。
楽曲の素晴らしさやステージの輝きに感動し涙しましたが、どこかもやもや。
クイーンを知らない若い世代の者ですが、映画から伝わってきたフレディの印象は暴君で不摂生。(ファンの方には失礼かも、ごめんなさい)
ですが不思議なことに彼の魅力をもっと知りたい、映画で見えていない素晴らしい面があるはずだとも思えまして、このレビューに行き着きました。
おかげでこれから本当のクイーンを知っていこう、という気持ちになれました。ありがとうございます。
なるほど、確かにあの描かれ方だとおっしゃる通り憤慨してしまうかもしれませんね。
私自身も今回の映画を見て色々と勘違いしてしまうところでした。
この作品はブライアン版ということなのですね。
彼にとっての真実ではあるが、事実ではないと。
色々と疑念が晴れました。
だって、映画の中のフレディには好感が持てなかったもので…ああ、バンドは家族だと怒ってキレた後に、メンバーになにも話さなかった姿には少し好感を覚えましたが。
このレビュー、読めてよかったです。
感謝、感謝です!
"It is impossible to replace Freddie."
ジョンの言葉です。フレディ死後のクイーンに参加していない事からもわかるように、強い思いがあるんですね…
日本ではアダムランバートがボーカルでのクイーンも親しまれていますが、海外ではフレディ死後のクイーンを批判するファンもけっこういるそうです。
人それぞれですね。
まぁbassmanはジョンと同意見なので前述のセリフでかなりやられましたけど^^
deakyさんのようにジョン・ディーコンへの深いこだわりがある人がいらっしゃって嬉しいです!
そうですね、ジョンがいたら映画の内容が変わってたかも。
でも彼はボーカルがフレディじゃない時点で納得しないので映画に反対した可能性もアリですね。映画ではフレディの歌声に俳優と他の歌手の声を合成しているらしいですし。
ジョンが製作に参加しないのも悲しかったです。もしジョンがいてくれたら
「真実をねじ曲げ過ぎた描写は削除しよう。フレディのこと誤解する人がいたら困るよ。」
みたいな事を言ってくれそうなのに~~(T_T)
俺はクイーンを知らずに観たがあんまりな印象。ストーリーもキャラもそんな魅力が無い。
一時期 勢いが凄かったが、もうブームが終ってきたと言うのもうなずける。周りの友だちもボヘラプの話題を出さなくなってきたし。
でも、クイーンが時代の常識を超え、良い曲を生み出していたのはわかった。
同感です。
ブライアンの主観が入りすぎてる様に感じます。
ブライアン嫌いな訳じゃないですが、実際より美化されてるシーン多いのは分かります(-_-;)
それに、あのストーリーではフレディ・マーキュリーの偉大さ・魅力が存分に伝わりませんーーー(*´∇`*)