まく子のレビュー・感想・評価
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記憶の片隅にある一瞬を擽ぐる
男の子が少年に変わる、ほんの一瞬の物語だ。 大人になんかならなくて良い。 それは、「帰りのバスを待つ短い時間」…がずっと続いて欲しいと、叶わないと分かっていても願ってしまう気持ちと一緒のような気がする。 バスは来る。それは分かっていても、その一瞬がとても愛おしい。 女の子を好きになるのに、あれこれ理由はいらない。 寂しそうな転校生には気持ちを寄せがちだ。 少しでも心を開いてくれたら、二人の心がずっと通い合うような気にさえなる。 そして、大人の恋愛はどこか純粋じゃなくて、利己的で、誰かを傷つけてるように感じてしまう。 でも、いつかは自分にもプラトニックではいられなくなる日が来る。 こうして、一瞬一瞬の出会いや葛藤も繰り返し、繰り返し、記憶の美しいカケラになっていく。 小さな永遠は、風に乗って流されず、落ちて降り積もって、更にいくつも積み重なって、大きな永遠になるのだ。 まく子は、きっと自分だ。 まいて、下に落ちて降り積もった、小さな想いや、願い、葛藤、そして経験が、いつの日か大きな大きなかけがえのないものなることを知り、誰かに伝える時が、きっとやって来る。
宇宙人
原作未読 温泉旅館の11歳の一人息子の悩みと、そこに住み込みで働きに来た母親と共にやって来た不思議ちゃん美少女同級生の話。 浮気をしている父親が嫌だったり、自身の身体の変化が恐かったり、孤立して長欠している同級生とのことだったりと色々抱える主人公の前に、土星の近くの星から来たという少女が現れなつかれて、それを通じて成長してというストーリーだけど…。 中盤までは不思議な空気感でどう展開するのかという期待はあったが、後半の説法は今まで何も見たり聞いたり教わったりしていなかったのか?とムリが有り過ぎるし、しかもそこから超絶ファンタジーで何でもあり。 ヒューマンドラマねぇ…小学生向けという感じ。
観て良かった!
公開初日に観ました。 西加奈子さんのファンです。 原作を読んでいたのでストーリーは分かっての鑑賞です。 まず 映画の舞台となる四万温泉の風情がとてもしっくりときました。 空気感がなんとも言えず胸熱で 原作とシンクロして単純な私は早くもうるっときそうでした。 主人公の小学生と転入生が出会う 城跡の崩れかけた石垣も よく見つけたなぁと感心するほどのロケーションです。 ストーリーはファンタジー要素があるものの 子供だった頃の自分と重なり合う部分が多く そして、子供だった頃には気づくことのなかった 生きて成長してやがて年老いていくことの不思議さ 愛おしさを今だから感じることができた… そんな映画でした。 子供から大人まで楽しめると思いますが 特に大人には観てもらいたいなと思いました。
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