■松木ひなの(中村守里)は、自分の想いをノート書くことでしか表現できない14歳。
そんな彼女への同級生の苛めに耐え兼ね、逃げ込むように入った保健室で、ひなのは先生の進藤有紀(長谷川葉生)と会う。
初めて自分を受け入れてくれた有紀に、ひなのは心を開いていくが、進藤先生も不倫問題で学校内で糾弾されて行く。
◆感想
・序盤の展開は観ていてキツイ。
だが、そこでは日本で起こっている陰惨な苛めが描かれている。
苛めとは、当事者は傷つくが、苛めている者はそれをストレス発散にしているのだろうか。ストレス社会が産み出したモノなのだろうか。
・昔、登山を真面目にしていた時に、ネパールのシェルパ舘と雑談の際に、日本の”苛め”の話をしたら、心底驚かれた事を思い出す。
彼らの生き方の中には”苛め”という概念がそもそもないらしい事を知って、逆に驚いた事を思い出す。
・偉そうなことを書いているが、もしかしたら私も自覚無き苛めを行っているのかもしれない。
■今作で秀逸なのは、松木ひなのが、進藤先生の窮状を見て、姉に貸してもらった青森のロックバンド”SWANKY DOGS”の所まで、姉に車を飛ばしてもらい、自身の多数のノートの言葉を曲にして貰い、罵詈雑言が貼られた保健室の鍵を閉めて、進藤先生に聞かせるシーンである。
彼女は、自らが綴っていた想いを曲にして貰った事で、確かに成長したのである。
<苛めは、もしかしたら世界中に蔓延しているのかもしれない。
だが、私は苛めに会って苦しんでいる人に言いたい。
”苛めをする輩など、無視して自分の道を進め!”と。
苛めをする輩には、関わる必要はない。学校のヒエラルキーなど、気にする事はない。
そんな事で悩む時間が有れば、自分のやりたいことをやれば良いと思う。
苛めに屈してはイケナイ。今作のひなののように、自分の道を進めばよいと、オジサンは思うのである。
”そんなに簡単な事じゃないんだよ”と嗤う輩には、嗤わせておけば良いのである。>