「わずか60年前の物語」ブレス しあわせの呼吸 ポップコーン男さんの映画レビュー(感想・評価)
わずか60年前の物語
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ポリオの名前は知っていたがあまり性質や感染後の症状は知らなかった。
障害福祉に携わる者として重度障害者の過去の境遇や時代背景等、参考になる部分は多くあり。
ドイツの患者の扱い方には衝撃を受けると共にドイツらしいな。とも感じた。
何よりも胸をうったのは妻のダイアナのひたむきで恐れを知らない姿勢だろう。
劇中では多くは語られなかったが、喀痰吸引や排泄、入浴、着脱衣に至ってもたとえ身内であっても想像を、越えると感じる。
病院から抜け出る時にその覚悟があったのかは定かでは無いが、当時の電力供給もままならない状況で呼吸器の電源の管理だけでもとんでもない神経を、使ったであろう。
その中でも事あるごとに愛を伝え、キスをし「あなたは私の命」と言ってのける心の強さにはただただ感服する。
上手く伝えられないが、美しい命の輝きを垣間見た様な感じ。また夕暮れのシーンがいくつもあったが、よりその美しさをオーバーラップさせてくれる。
最後の尊厳死と言う視点でも、やはり必要なのだと言う議論をせざるを得ないと考えさせる。
秀逸なタイトルと、たとえハンディキャップを抱えても、生きると決意した人間の強さ、またその強さは美しい妻と、この作品のプロデューサーである息子ジョナサンが与えたものである事も感動をより大きくしている。
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