ジュリアンのレビュー・感想・評価
全51件中、21~40件目を表示
精神をガリガリと削ってくる作品
観なくてはならない作品なのかもしれない。思い出すだけで怖くて悲しくて心臓痛くなるけど…
他人事で済ましてはいけない。
ジュリアンは終始誰にも助けを求めていない事に心が引き裂かれそうになる。
自分が我慢し頑張らなきゃ…とずっと堪えているあの姿、私達大人が周囲が気づかなければいけない。
そんな事を深く考えてしまう作品であり、精神を削られたような感覚に落ちる作品。
孤独
両親の板挟みになって苦しむジュリアン君
DV追体験サイコホラー
ここ20年見た映画で一番怖かった。
DV夫アントワーヌから逃げ、ミリアムはひっそりと暮らそうとしていたが息子ジュリアンの面会権を取られてしまい、二週間に一度はアントワーヌにジュリアンは会わなければいけなくなってしまう。ジュリアンは執拗に母に執着する父親から必死に母を庇おうとするが…
静かに積み重ねられるDV夫アントワーヌのピリピリとした精神に気を使う周りの人々。決して台詞には出ないけれど、それによってこの家族はどんな嫌な目に遭ってきたのかを想像させられる。
家族という閉鎖環境。
きちんと法的手続を踏んだにもかかわらず、DV夫に会わければいけない怖さ。
司法も頼りにはなれないとしたらミリアムやジュリアンは何に助けを求めればいいのか…ジュリアンの姉のジョセフィーヌの歌っているシーンの目の動きが不安さを語るように、彼女たちは何にも守られていない。
車の中のシートベルトをしていない時に鳴るあのピーピーと言う不快な音がこの映画のBGM。
ハネケ映画のような神経に障る嫌さの先にDV夫がモンスターとして描かれる後半。
この映画はホラー映画だと思う、けれどそのモンスターは隣の家庭にいるかもしれない。
ドキドキ
真正面、ストレート
リアリティが怖い
想像していたよりもリアリティがすごく、緊迫感がありました。
ジュリアンの悲しい顔や恐怖を感じている顔を見ているとこちらまで泣きたくなってしまうほど感情移入もできましたし、嘘をついている場面ではこちらまで緊張しました。
また、前半は夫にも感情移入してしまいそうになりましたがどんどん感情が激しくなって暴力的になっていき、何を考えているのかわからない表情がまた怖かったです。
映像やテンポもあまり無駄がなく(パーティーのところ以外)、カメラのアングルもこだわっていて私は好きでした。
ジュリアンの姉の存在が生かしきれてなく、何を伝えたいのかよく分かりませんでした。
予告どおりに嘘をつくところなどに期待しすぎるとあまり面白くないと思います。
人間の怖さ。最早ホラー。
怖い。
冒頭の調停のシーン。観ているこっちとしては明らかに母親側になりたくなるのに、そうもいかないのだなあという不穏感から始まり。
父親の恐ろしさよ...。ポスターにも使われているジュリアンのあの表情をこっちもしたくなる怖さ。上手く取り繕っているようで決して何者も受け入れない恐ろしさ。怖かった...。
ラストは本当にどきどきした。箍の外れてしまった男の怖さ。最早完全にホラー。
画面の切り取り方が美しくて、それぞれの視点、不穏な感じが上手く出せていたと思います。ただ伏線だったのかな?と思えたシーンがあんまりうまく使われていなかった気もする。あまり詰め込み過ぎるのも、と思いつつもあのシーンは何だったのかしら、と思えるところがいくつかあった。
いつからそうなったのか
DV家庭のリアル
そこまでになりますか?
完成度の高い傑作
導入部分からすぐに物語の設定が飲み込めるようにできている。法律家同士が互いに落とし処を探り合いながら交わす早口の会話から、期せずして登場人物それぞれの相互関係の温度まで伝わってくる。期せずしてと書いたが、勿論それが演出の狙いでもある。
ジュリアンと男のシーンは観ていてつらくなるが、男の理性が次第に蝕まれていく様子が手に取るようにわかって、こちらにまで危機感が伝染してくる。猛獣と一緒の檻に入っているような感覚なのだ。そしてそこから大団円、さらに結末に向けては一本道で、無駄なシーンはひとつもない。二時間があっという間だ。起承転結のお手本みたいな作品である。
邦題は子供の名前である「ジュリアン」だが、原題はフランス語の「Jusqu'a la garde」である。翻訳が難しいが、la gardeを親権とすれば、「親権まで」となるのかもしれない。フランスでは離婚の原因がどうあれ、両方の親の親権が認められることが多い。しかし子供の人権を保護するためには現制度でいいのか、疑問が残っている。
物語の最後になって漸く、原題の仕掛けに気がつく。そして最初の調停のシーンがとてつもなく重要な意味を持っていたことがわかるのだ。
ジュリアンを演じた子役をはじめ、役者陣の演技は本当に見事で、最初から最後まで映画の世界に引き込まれっぱなしであった。完成度が相当に高い作品である。
母子を守るのは一体何なのか
予想外にラストは恐ろしさからの号泣の作品だった
これはある家庭におけるDVを描いた作品
そんな映画を観ながら思い出したことがある
それは大学時代の友人の話
大学を卒業してから数年後、大学時代の同級生A君が結婚したという話を聞いた
その時、私は普通に
「そうかA君は結婚したのか」と思った
A君は、結婚して良い家庭を築きそうな人だと思っていたからだ
しかし、それから数年後、友人からA君が離婚したと知らされた
あまりの早さにビックリしたので事情を聞くと「妊娠してる奥さんに暴力を振るったらしいよ」と、これまた驚きの事実を聞かされた
その瞬間、さーっと体中の血の気が引いたのを覚えている
A君は、大学時代に一緒によく遊びに行った友人で、日頃から人に暴力を振るうような人ではなかった
しかし、結婚して家庭に入った途端、私たちの知らない「内弁慶の顔」が出たようだった
それ以来、DVというのは、周りの人には分からないところで密かに行われているもので、だからこそ、他人にはなかなか理解してもらえず、恐ろしいものなのだと思うようになった
この映画は、そんなDVの難しさをジュリアンという息子の視点で描いている作品だった
ジュリアンの両親は離婚しているのだが、父は裁判所でジュリアンとの面会日を要求する
どんなに母が夫のDVを訴え、息子が父に会いたくないと言っても、司法は父に最低限の権利を与えてしまう
市民を守るべき法律が、全く機能していないのだ
そこから事態は恐れていた方向へと向かっていく
司法が守ってくれないなら、誰が熊みたいな暴力男から か弱い母と息子を守るのか
現実世界では、ラブコメでよくあるようなムキムキのヒーローが突然現れるわけではなく、都合よく父に事故が起きて痛い目にあうわけではない
その実態は
深夜に押しかけてくる夫の恐ろしさに怯え、ベッドで泣きながら震えている母子が大勢いるということなのだ
一体、何のために司法はあるのか
そんなことを
考えさせられた作品だった
いやはや、本当に恐ろしかった
結婚生活に人には言えない悩みを抱えている人に、是非、観て欲しい作品
期待はずれ
音の怖さ
どんな音にも自分自身がびくつく方なのでとても怖かった。まして元・夫の怒鳴り声は言わずもがな。「狩猟」という言葉が出てきたので心の準備をしておいてよかった。パーティーの場面、歌っている彼女がちっとも楽しそうでなく終始不安そうだったのも怖かった。トイレの場面、他の方がレビュー・コメントで書いてらしたように、私も妊娠検査薬だと思った。結果は陽性だったんだろう。でも彼氏には言わず(言えず?)、その彼は呑気な笑顔で彼女と歌ってる。ここにも男の悪い意味での脳天気さを見た気がする。
この映画で改めて思ったのは、事前に出演者のインタビュー動画とか見ない方がいいな、ということです。今回、勝手に盛り上がって想像して、結果、期待はずれでした。
発見(遅い!)
怖いお父さん役のドゥニ・メノーシェは「イングロリアス・バスターズ」冒頭のフランスの酪農家のお父さん役だったのですね!「悪なき殺人」で主役のミシェルをやるとのことで楽しみです☺️
全51件中、21~40件目を表示