ジュリアンのレビュー・感想・評価
全82件中、61~80件目を表示
音の怖さ
どんな音にも自分自身がびくつく方なのでとても怖かった。まして元・夫の怒鳴り声は言わずもがな。「狩猟」という言葉が出てきたので心の準備をしておいてよかった。パーティーの場面、歌っている彼女がちっとも楽しそうでなく終始不安そうだったのも怖かった。トイレの場面、他の方がレビュー・コメントで書いてらしたように、私も妊娠検査薬だと思った。結果は陽性だったんだろう。でも彼氏には言わず(言えず?)、その彼は呑気な笑顔で彼女と歌ってる。ここにも男の悪い意味での脳天気さを見た気がする。
この映画で改めて思ったのは、事前に出演者のインタビュー動画とか見ない方がいいな、ということです。今回、勝手に盛り上がって想像して、結果、期待はずれでした。
発見(遅い!)
怖いお父さん役のドゥニ・メノーシェは「イングロリアス・バスターズ」冒頭のフランスの酪農家のお父さん役だったのですね!「悪なき殺人」で主役のミシェルをやるとのことで楽しみです☺️
日本版の予告だと誤解するかも
どっちが嘘をついてるのかとかそういう話ではないような
真実を突き止めるとかそういうのではなくて、DVをなかなか見抜けない制度や現実、DVそのものに焦点をあてている
フランスでは2日半に1人DV被害の女性が死んでいるそうですが、調停の時間がものすごく短くて(実際短いらしい)、えっ、それで親権決めちゃうの?というかんじでさもありなん…
日本だと男性が悪いと決めてかかったような調停もあるそうなのでなるべくフラットに…と思って見ていましたが確かにどっちがホントのこと言っているのやら…
弁護士も夫側はきちんと証拠能力のありそうなものを持ってくるし…
父親役の役者さんほんとハマリ役というか、大柄で、手も女や子供の頭を包めるくらい大きくて、座った目で、いつ何をするかわからない感じが出ていてビクビクしてしまった
殴られてる瞬間だけでなく継続的に緊張を強いられるのがDVなんだなー…
わざと無視してるときとか、車の運転が乱暴なときとか特に怖かった
あとDVで銃が使われるかもしれないというあたりすごく怖かった
日本でも猟銃は所持できるけど免許取得大変だし所持率も高くないし日常的に銃殺されるリスクってほとんど考えないけど外国(フランスに限らず)だとそういうこともあるんだよなぁという…
子役は今回長編デビューらしいけどすごく良かった
父親役との体格差が効いていたし、撮影中ほんとに怖いと思う瞬間もあったとインタビューにあってなるほどな〜というかんじ
トイレのシーン、妊娠検査薬…?かな…?と思ったけどどうだろう
妊娠して家を出たいのか、それともストレスで生理が止まった…?とか思ったけど字幕見逃した…?
全体を通しておもしろかった
画面として美しかったのは最初の調停員のオフィスかも
☆☆☆★★ いや〜!久しぶりになかなかの胸糞映画でしたな〜(-_-...
☆☆☆★★
いや〜!久しぶりになかなかの胸糞映画でしたな〜(-_-)
しかもこれは、かなり後を引きそうなくらいの胸糞振り。
映画の冒頭、弁護士を交えての話し合い。
双方の話だけを聞いていると、妻側の意見には強引なところが感じられ。少々無理なこじ付けではないか?…と思えるのだが。
此処から映画はジワジワと、人間の真の怖さとは何か?を炙り出す。
中盤での子供を騙し、家に乗り込む場面。
男は突然に改心したかの様に見せ、一旦は安心させる。
この場面が有るだけに。最後の場面に繋がる時の怖さは倍増する。
特に、この時の暗闇での長廻し。
「行ったのだろうか?いや、まだ居るのかな?…もう行っただろう?」の。あの気になって眠れなくってしまう感覚。観ていても、この監督デビュー作らしいですが。いや上手いなあ〜…と。
映画のラスト。
男は逮捕され、既に安全は確保されているのに。その恐怖から、母親と息子はなかなか外に出る事が出来ない。
そして、それは通報した隣人の老婆にも言える。
事件は解決しているのに「良かったわね〜!」と喜ぶ事が出来ない。
みんながみんな、「これで本当に終わったのだろうか?」…と言う、心の底に不安感を持っている終わり方だった。
また、明らかに演出自体も「まだ何かあるんじゃないか!」と、観客に思わせている様に見えた。
この感覚って過去にも有ったなあ〜…と思い、「あゝそう言えば!」と思い当たった…。
ブレッソンの『ラルジャン』だ!
2019年1月28日 ヒューマントラストシネマ有楽町/シアター2
そこで!?
終わるのかと。
悪そうな父親がどんどん正体を現していってストーカー化して、うおー!ぶっ放しやがったよー!!とドキドキする展開。この後どんなどんでん返しが待っているのかと、勝手に期待してたらそこで終わってしまった。
もちろん、十分怖くてハラハラな展開で楽しんだんだけど、何故か次の展開があるものだと思ってしまった。
ひねくれものはイヤだね。
音楽がないと、日常性のリアリティが強まる
最後のエンドロールに音楽が全くないので(今どき珍しい!)気が付きましたが、全編、パーティで歌うバンドのシーン以外には音楽がつけられていなかったと思います。
音楽なしにこれだけのサスペンスというのも珍しい映画ですが、それだけ日常の音にリアリティを感じることができます。
ジュリアンの父親の荒っぽい運転操作と乱暴に吹き上がるアクセル音やブレーキ音、路肩をタイヤが擦る音などに彼の苛立ちと妻に会えない焦燥感が現れてきて、怖がっているジュリアン自身の心理も表情以上に伝わってきます。
唯一の音であるバンドが演奏している音楽がCCRの「プラウド・メアリー」など古いアメリカ音楽というところも、現代フランス社会を描く映画として意味深です(このパーティの位置づけ自体はもう一つよくわからなかったですが……)
音楽にどんな意味があるかと思って調べたら、CCRにこだわっていたのではなくて、夫のDVに苦しんで乗り越えたティナ・ターナーへのオマージュという監督のインタビュー記事がありました。なるほど、そういえば昔、彼女は旦那のアイクとデュオ組んでたときこの曲をカバーして大ヒットしたんだ。舞台裏は地獄だったのかもしれない。
最後は、日常では起こりえないように思えて、実はDVの末路としての日常がサスペンスいっぱいに描かれる。重いけれど、正直な映画です。
パパは悪ものチャンピオン
子役もすごいがDV親父がマジ怖い。
くまちゃんみたいなルックスなのにスクリーンに登場する度に空気が張り詰める。嫌な汗かきまくりです。
レイティングGなのでフィジカルな暴力や血の描写はまったくありませんが、リアルなDVの体感には血の気が引いた。トラウマ物。
やや冗長な場面や説明的なシーンにダレる箇所もあり。
普通
なんか離婚調停みたいなのから始まって、話し合いの末にジュリアンが犠牲となり毎週末会うことに。
そこから徐々に父親の本性が明らかになってゆく。
最初は両親ともクズかと思ったが、まぁ父親の方が感情を抑えることができないタイプの人間だったみたい。
息子と毎週会えることにはなったものの、妻にはなかなか会えず、パーティがあるから週末を変更してほしいと息子に言われたが妻から直接話されなかったことに苛立ち、父親の実家での食事中に妻がこっそり引越しだと知るとその場で息子を問い詰めて父親と祖父が口論し実家からは閉め出され、娘のパーティに勝手に顔を出しプレゼントを渡そうとするが妻と話し中に妻の妹の友人である男が現れると態度を豹変し妻に暴力、終いには息子を問い詰めて聞き出した引越し先の住居に深夜やって来てインターホン連打、開けてもらえないとわかると玄関のドアを猟銃でぶっぱなす始末。
当然妻と息子が家にはいて泣きながらやめるよう叫ぶが聞く耳を持たない父親。
近隣住民が通報し父親逮捕。
内容が至って普通で邦画と何も変わらなかったし、もう少し洋画としての捻りがあっても良かったのかなと感じた。
どこにでも起こりうる事件
傑作ですね、偏った見方をする作品では無いのですが、どうしてもそういう風に見てしまいがち。
日本語タイトルがそれを引き起こす過ちだと思う。(原題は親権)
この映画が本当に恐ろしいと観客が感じるのは、自分と似てる環境に恐怖潜んでいる…と感じた瞬間だと思う。
子役が演技していると思えない。
タイトルなし
この環境で子どもはマトモに育つのだろうかと親目線で観てしまった。離婚率が高いと思うけど、こういう環境がまず普通なのかなと、よく映画で離婚した親子を見てると思う。最初の離婚調停みたいな場面から、だんだん本性が現れ、最後爆発する。こんなオヤジは恐ろしいが、いそう。
最後にどんでん返しがあるかと思いきや、思った通りの結末で終わってし...
最後にどんでん返しがあるかと思いきや、思った通りの結末で終わってしまう中途半端な映画だった。
忘れてはいけないこと
(追記)
ここ数日報道されている野田市の少女虐待死のニュースですが、少女の感じた恐怖がどれほどのものだったのか想像するだけで、涙が出てきました。
児童相談所とか学校関係者が父親の剣幕に威圧を感じたからアンケートを父親に渡してしまった、と弁解していましたが、家庭という密室でその威圧に晒される少女が受ける絶望的な恐怖への想像力が僅かでもあれば、放置なんか出来なかったはず。
対応の不適切さもさることながら、その『想像力の欠如』こそが最大の問題なのに、メディアも対応のまずさばかり強調し、悲劇の少女への同情と駄目な大人たちを攻撃することがニュースの主題になっているのが心配です。
関係した大人の中に一人でも健全な想像力が働く人がいれば、フォローの訪問なり、再度の保護などで取り返しがつく(少なくとも死なずに済む)可能性があったことを伝えるべきだと思います。
再発防止のためには、想像力が働かないと結果的に見て見ぬ振りをしたことになる、という事態の深刻さをもっと強調したほうがいいのではないでしょうか。
(2019.2.3)
体格も含めた暴力的な威圧に晒された時の恐怖を、恐怖を覚える側から描いており、切迫感と言う意味では、並みのホラーの何倍も緊張を強いられる。
他の入居者が開錠したタイミングに紛れて入ってくるのではないか?非常用の外階段を伝って上ってくるのではないか?
そのような、あの場面では誰もが想像するであろう恐怖が静謐の中の微かな金属擦過音で表され、観客も我が身のことのように息を飲む。その数分間は小劇場の低い天井と観客席の間に、シーンという文字が漂っているように錯覚するほど。
一見、ジュリアンに比べて楽な立場と誤解される姉の恐怖心とストレスもトイレの足元の定点映像だけで見事に描かれており、このアイデアだけでも凄さを感じました。
「サスペンスとして上出来」と作品の仕上がりに満足してしまうとついなおざりになってしまいがちですが、忘れていけないのは、DVも殆どの場合、被害者は女性と子供たちだという事実。
裁判の場に持ち込めたとしてもこの映画のようなことは起こるし、『万引き家族』で描かれたような為すすべのない子どもたちも現実にはたくさんいるのだと思います。
偉そうなことを言っても自分ができることは限られますが、せめて、もし自分の周辺で、暴力的な気配を察知するようなことがあった時は見て見ぬ振りだけは絶対にしないようにする、と思ってます。
期待ほどでは
期待ほどのものではなかったけれど、ほどよい緊張感が味わえる映画でした。母親を守るために必死で嘘をつくジュリアンの姿はついつい応援してしまいたくなるようなものがありました。
音楽なしで、ただただ静かに効果音を流しつづけるエンドロールも素敵。
あの男
離婚した夫婦と子供達との関係性をめぐる話。
裁判所で弁護士を交えて互いの主張と条件を述べあうも、そこに至る背景・主張について食い違いをみせるという始まり。
どちらの言い分もも胡散臭さというか誇張されている感じがある中でフラットにみられるか、どちらか一方に偏心するかでその後の印象がかなり変わりそうな感じ。
主にジュリアン君と父親とのやり取りで話は進んで行くが、含みをもたせた展開から徐々に狂ったものをみせていく様子は恐ろしく、激しく、緊迫感がもの凄くて最後はかなり引き込まれた。
自分がみた劇場はかなり恵まれていて完全に無音だったけれど、この作品のクライマックスでのガサガサバリバリ雑音はやめて頂きたいと切に願う。
耳を研ぎ澄まして観るべき映画
試写会で鑑賞。離婚協定中の夫婦、とその子供たちの話。母を庇おうと幼いながら知恵を尽くすジュリアン。母と父、どっちが本当のことを言ってるのか最後まで分からない。姉ちゃんのトイレのシーンが好き。ラストシーンは衝撃。音のないエンドロールは新鮮で、頭の中が整理できた。
全82件中、61~80件目を表示