「神様でさえ答えられない少年の叫び」存在のない子供たち カメさんの映画レビュー(感想・評価)
神様でさえ答えられない少年の叫び
個人評価:4.3
まずは少年と赤ん坊に主演男優賞と助演をあげたい。
実際に同じような境遇の子供をオーディションして選んだとの事なので、フィクションでありながら、本物を描いており、演技や台詞にも嘘がなく、芯に迫るものがある。
12歳の少年が感じる世界観。わずか1歳たらずの赤ちゃんの足を路上にロープで繋ぎ、少年が置き去りにするシーン。その赤ちゃんを見る少年の眼差し。この酷い世界に何故お前は生を受けたのか、何故自分は生まれしまったのか。
生まれなければ良かったという少年の世界観に、心をナイフでえぐられる思いになる。
「神さまは僕らをボロ雑巾のように生かすのが願いだ」という法廷での裁判官と神様へ対しての訴え。その答えを大人達も神様も返す事は出来ない。
本作は見る人を選ぶ作品かもしれない。しかしながら、映画作品として記録に残し、世界に伝えるべき内容である。
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