劇場公開日 2019年2月22日

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「一番恩恵を受けたのは埼玉県観光課!?」翔んで埼玉 ao-kさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0一番恩恵を受けたのは埼玉県観光課!?

2019年4月22日
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鑑賞方法:映画館

笑える

“埼玉県人にはそこら辺の草でも食わせておけ!”
予告編だけで笑ってしまったこのフレーズ。二階堂ふみの演技力の無駄遣い、ドラキュラのように舞う伊勢谷友介の壊れっぷり、麻生久美子のブチギレ演技、そして、素のままで十分笑えるGacktなど役者たちも楽しく演じたに違いない。埼玉ディスをとことんやりきったその根性だけで☆を1つプラスできてしまうほどのおバカ映画。

しかし、これを単なるおバカ映画と侮るなかれ。実は本作は壮大な埼玉観光物産PR映画として多分に大成功している。東京ばかり肥大化する昨今、地方はどこも人口不足に喘いでいる。人を呼びたい行政が観光PR映画を作ろうとしたって、下ネタはアウト、自虐ネタもアウト、ユーモアの自由度はなく、結局お金をかけて退屈な映画に仕上がるのが関の山だ。

その点、本作はどうだろう。自虐ネタも去ることながら、ご当地名物や埼玉県民以外には通じない情報までも小ネタとして挟み込んでくる愚直さ。真面目さを好む行政には到底できない割り切った感がかえって埼玉PRとして機能してくる。

あの煎餅は何だ?とか池袋が何で植民地?とか、関東圏以外の人にはポカーンな笑いに思えても、それこそがローカルPRとして機能している。一番本作の恩恵を受けているのは、恐らく埼玉県の観光課だろう。笑って見ていては危険だ!知らず知らずに貴方の頭も“さいたま”に犯されている…(笑)

Ao-aO