「評判通りの良作」若おかみは小学生! Movieアパートさんの映画レビュー(感想・評価)
評判通りの良作
えらい評判が高いので何事かと思い鑑賞
ストーリーは全く頭に入れないまま見にいったところ、絵柄からは想像のつかないハードな冒頭にビックリ 両親の死 というのは幼い主人公の境遇としては昔ながらによくあるパターンではあると思うのだけどそのシーンの容赦なさというか抗いようのない感じにすごく驚かされた このシーンだけでもこの映画が悪い意味での 子供向け 映画ではないということがよくわかる
しかもこの映画、これまた興味深いことにその悲劇がそのあと取り立てて表面に押し出されて取り扱われない
別に無視されているとかではなく むしろ間違いなく話の根幹にこの悲劇はずっと横たわっているんだけど、それだけが前面に出ているのではなく飽くまで日々の生活や人との関わりの中でじんわりと主人公の想いが浮かび上がってくるような作りになっていて、凄く抑制されている
別に大げさに騒ぎ立てないから良い と言うわけではないけど、今回語ろうとしている感情に対してのアプローチとしてはとても誠実だったなぁと感じた
後は最初に書いたことと繋がることだけど、終盤宿にやってくるある家族 本当にビックリした
子供向け映画 どころか 大人向け映画でもここまで主人公を追い込む というか 揺さぶってくるような展開中々ないのではないだろうか
自分が主人公の立場なら彼らを受け入れられるのだろうか… と思わず想像せずにはいられないが、主人公の成長と絡めてなんとか回収できていたと思う
というか、子供が主人公の子供向け映画 という前提(実際そうなのかは別にして)がなかったらこの展開を入れることで一気に映画のトーンが崩壊してたかもしれない (大人の方が子供より与えられる赦しの余地 が少ないという事を大人は知ってるいるので…)
正直 評判を聞かなければ間違いなく見にいってなかったけど、キチンと見ておいてよかった
カメラを止めるな! にしろ 少し前の この世界の片隅に にしろ、口コミというのは信用できるなぁ
と改めて思った一本だった