騙し絵の牙のレビュー・感想・評価
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巧みな構成
タイトルと予告編から、コンゲームの映画として構えて観たが、騙し騙されと言う展開はそれほど深くないし、その点での爽快感は薄い。どちらかと言えば、斜陽産業である出版人のビジネス奮闘記と表現した方が合いそうだ。
文芸誌で出版社としての地位を築いた「薫風社」。看板の文芸誌は落ち目で、雑誌その他の出版で存続している。しかし、社内では文芸誌の地位が1番で、役員も派閥が分かれる。ところが、創業社長の急死で、社内は揺れ始める。
そこへ、カルチャー紙トリニティの編集長として雇われたのが速水(大泉洋)。改革派の東松(佐藤浩市)の差金だ。故人である社長の側近で、文芸誌の地位に固執する伝統派の宮藤(佐野史郎)、伝統の文芸誌を守り続ける編集長江波(木村佳乃)、看板作家の二階堂(國村隼)、創業者の息子伊庭(中村倫也)、東松と密談している外資ファンド(斎藤工)など、曲者が入れ替わり立ち替わり暗躍する。出版に夢を見て働く本屋の娘、高野恵(松岡茉優)が、そんな薫風社で一編集者として、新しい才能を世に出すため日々奮闘する。
社内の権力争いの騙し合いと、作家や編集者の、裏に隠れた思いが交錯し、いくつものエピソードが物語を織り上げていく。個々のエピソードや設定は目新しさは無いが、それらを差し込むタイミングや全体の物語との絡ませ方は、お見事。テレビドラマ1クール分くらいの要素を、違和感なく配置、構成している。あまりに緻密に整然と進行するので、逆に掴みどころが無い感じを受けた。
例えると、とても丁寧に手入れをされている、ビジネスホテルの部屋といった感じか。細部に至るまで、綺麗に拭き掃除がされていて、小物の配置や部屋の空気まできちんと整頓されている。一級の技が施されているのに、どこにでもあるかなり狭いビジネスホテルの一室。田舎の貧相な旅館の窓から、大パノラマが見えた感動や驚きとは、対照的な感覚で、心地よさの質が違う。
どんでん返しとしての伏線・回収はたしかに沢山ある。しかし、大泉洋と松岡茉優の出版にかける情熱の部分が、物語の底流にありラストに繋がる部分だったので、全体を崩しても、その心情面に表現を割いても良かったと思う。この辺は好みの分かれるところだろう。
とはいえ、構成力抜群の佳作であることは間違いない。
困難だから面白い。難しいから面白い。
大泉洋さん演じる速水の、倫理観無視でメキメキと必要な物、人、を利用して仕掛けを施し、それが種明かし的に展開する様子は本当に痛快。
最高の笑顔でやることエゲツなくて何故か笑えて来ました。
一方で松岡茉優さんは本当に本が好きなのであろう、原稿に鉛筆を入れる際の文をチェックする目の動きは読むことへの集中力を感じましたし、映画冒頭の原稿にあることをしてしまったことへのアドリブにも、物語や小説と言った作品に対するリスペクトを感じました。
大泉洋さん速水は面白い事象の追求
松岡茉優さん高野は面白い作品の追求
それぞれが一貫して異なる価値観で生きている。
そんな彼等だからこその、最後の選択とその結末にも説得力あり、物語全体を通して、上手い落とし所だと思いました。
最後のどんでん返し?
と言うより隠れた事実に鳥肌。
一度見通し、より背景や相関などを明確に再認識したうえでもう一度初めから観たい作品だと思いました。
それと劇中出てくる小説作品のタイトル秀逸過ぎ、読みたすぎ。
大泉洋がカッコよすぎる!
主人公
原作を読んでた人間ほど騙される映画
出だしから、あれっこんな作品やったかなって思いながら鑑賞し、最後は原作のエッセンスを残しながら違う作品だったと知る感じでした。
でも、原作好きでも楽しめる作品にはなっているかなと思います(但し、別作品です!)。
原作にある出版業界を包む悲壮感は薄くなっており、大泉洋演じる速水の秘めたる文芸への熱さも無くなってます(トリニティを守るって感じが無い)。
というより、ラストにもはや速水が主人公ではなかったことがわかったとき、こう来たかと笑ってしまいました。
こういう大泉さんじゃないの。
たしかにそう来たか、という展開ではあったけれど大どんでん返しでもなく宣伝で煽り過ぎた感じは否めない。原作の方が大泉さんに演じてもらうつもりで書いた内容であったという事だけど私が見たいのはこういう大泉さんではないけどなぁ、という感想。もっとおチャラケて欲しかった。ふり幅大きく楽しく残念で愉快なお話を期待していました。ちょっと大泉さんが作られた感がすごくてあんまり役に陶酔できていないように見えたのは私だけかしら。こういう役は、他の人だったらもっと面白かったかも。松岡茉優さんが本当に上手くて、それを追いながら最後まで楽しめました。
速水が魅力的
速水は、原作と映画とでは別人のようだったが、どちらも魅力的だった。映画の速水の方が、原作に比べて内面の描写が少なかったので、より大物に見えた。他方、原作の速水は、小説へ執念という映画よりもう一段深いこだわりを持っており、それはそれでかっこいい。両方見るべし。
映像で織り成す騙し絵
大泉洋は、こうでなくては!
映画 → 小説 派です。
とっても楽しく見れました。
屋上で紙コップ叩きつけるシーン好きです。
ただ
騙し絵?騙される?については
何だかなぁーって思ってました。
基本起こったことがあとバラしで
展開されていくのですが
テンポと役者さんの良さで
へーってなるほどねーって感じで
最後まで楽しめます。
ただしつこいストーカーに追われている
看板タレントだったら
部屋まで送れよ…
とか
所々ツッコミどころがあって
ちょいちょいトーンダウン⤵️させられますが…
ただこの映画が騙し絵なのは
あとから小説を読むとわかります。
全然違う話しやん…
普段は面白そうな小説があれば
映像化のことなど気にしないで読んじゃいますが
今回は大泉洋のあてがきとの事で
いつか映画になるからその後
小説でいいやと
買ってからずーっと放置してました。
去年コロナで公開延期になったとき
さすがに読んじゃえとページを開いたところ
思いとどまってよかった。
基本
小説の映画化はあんまり好印象に
ならないと思ってるので・・・
今回は小説読んでた人は度肝抜かれたのでは?
だって
小説の方が面白い上に
話が全然違うってオチ🤣
ただ映画からの小説読んだので
小説の高野恵が松岡茉優で頭に浮かぶので
こっちの高野もいいなーって
楽しく読めたのは 内緒🤫
...........
映画単体としては★4、原作ありきなら★1
映画と原作は全く別作品です。タイトルを変えた方がいいのでは?と思うくらい違います。
私は映画の後に原作を読んだので映画それ自体は楽しめたのですが、映画は完全にエンタメ作品で、原作は社会派の作品なので、どちらも見た後ではどう評価したらいいのか分かりません。ここまで違う作品にしたのか……といった感想です。個人的には小説の方が重たくて好きです。
出版だけでなく色んな業界の踏み込んだ話をするのは映画では難しかったんでしょうか。速水さんのバリカンとか中央委員会での演説とか見てみたかったですねえ。大泉さんにやってほしかった。エピローグで明かされる継父の話や若い才能を失ってしまった話も、「編集者」としての速水輝也を描く上では欠かせない話なので、この映画ではやらなかったんですね。
小説では編集者としての速水輝也には揺るぎないものを感じましたが、映画では利己的な印象が強かったです。小説への愛はどこへ。高野さんに花を持たせるためにそうしたのかもしれませんが、原作や大泉さんのファンからすればショックかもしれないですね。私ももし好きな作品がここまで別物になっていたらショックだろうな、とは思います。ずっと応援していた、むしろ一緒に戦ってきたはずの主人公が別人になっている、くらいの感覚ですかね。
私は初見なため映画は楽しめましたが、原作が好きな方なら全く別作品であることを承知の上で観ないといけないと思います。
謀略というより企業の新陳代謝そのもの
タイトル「めちゃくちゃ面白いです」にしようかと思いましたが、カブりそうなのでやめました。
新陳代謝というのは、エロオヤジに象徴される古い体質とか既得権のような特権階級VSパワハラもモラハラもしないよう気を付けている今風のリーダーという意味です。
観る前には読んではいなかったのですが、こちらのインタビューではラブシーンは全カットといっていましたが、、、セクハラがないということが、大先生との対比で必要だったのでしょう。
お父さんに孫の顔が見たいといわれて、その直後の屋上で昔話をしながらもたれかかるように距離を詰めるようなカットがあれば、そういうことなんだろうなと想像はできますが。
ところで犬ってあんなに言うこと聞かないものなのでしょうか。
警察犬で使われる犬種だと思うんですが・・・
道産子向けには何と特典映像が!!羨ましいでしょう(笑)
予告編の内容から犯罪に伴う推理ものと思い構えていたが、人が死ぬわけでも暴力や脅迫があるわけでもなく安心して話の流れを楽しめる
水曜日どうでしょう大好きな道産子としては、二の線の大泉洋はどうしても違和感があるのだけれど、彼が次々と繰り出す蘊蓄、モットー、必殺技がどれも嫌味がなく楽しめる
もう一人の主人公松岡茉優さんは今回はちょっと不器用だけど真っ直ぐな情熱と行動力のある熱血編集マン
この二人の掛け合いを中心に伝統のある出版社の社内で起きる様々な登場人物の思慮や思惑、陰謀、意地や欲望が盛り込まれ、テンポ良く話が進む。
特に捻った謎掛けや性格のひねくれた極悪人が出てくる訳でもないが、この手の映画は結構楽しめる。
結末にも大きく関係してくるカリスマ作家の描き方がやや物足りなかったのでラストは唐突感があったり、
ワイン大好きベテラン作家のパーティや無名新人の出版会見が派手すぎて違和感が残るところもあったり
そもそもこの出版不況の中でハード事業を目論む出版会社が国内にあるか?とか
突っ込みどころは多くあるものの、
上手くまとめた脚本、実力派俳優のそつない演技、スピード感のある画面構成やカット割とそれを盛り上げるBGMがバランスよく調和がとれて約2時間しっかりと楽しめるおススメの作品だった。
ワクワクが止まらなかった‼️
大泉洋さんを当て書きして作られただけあって、なんでしょう、大泉さんらしい、行動が全く読めない不思議なキャラがよかったです。
本好きなので出版社というだけでワクワク、原稿チェックして校正してるのとか、モデルの撮影とか、興味津々、そしてどこが嘘なんだ〜と思いながらガン見していたので、とにかく楽しかった。
さすがに…ちょっと読めてしまったところもありました(^^;;
内容ぶっ飛んでて、ありえない感じもまたよかった。
松岡茉優ちゃんもなかなかやってくれましたね。
ほんと可愛いです。
オープニング、エンディングの感じも好きでした。
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