騙し絵の牙のレビュー・感想・評価
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美味しいところは松岡茉優さん
吉田大八監督作。原作の小説が大泉洋さんに当て書きしたということで、洋さんのワンマンショーと思いきや、個々の個性が際立つ群像劇の様相。
出版業界の衰退を背景に大手出版社「薫風社」の改革、権力争い、雑誌存続のための悪戦苦闘などをスピーディーな展開で描いたエンターテイメントだった。
本屋の娘で本や文学を純粋に愛する編集者を演じた松岡茉優さんに惹かれた。そして池田イライザさんはもはや無敵。
表題の騙し絵の「絵」とは、いわゆる絵画作品というよりも…、な一作。
原作の塩田武士は主人公の速水を大泉洋の想定で執筆したとのこと。当たり前だけど彼の風貌、振る舞いに違和感は皆無。それにちょっとした「得体の知れなさ」が付きまとっているところが本作の「味」となっています。
予告を見てたら、大泉洋の役どころはもっと軽快な詐欺師で、内容もいわゆる「コンゲーム(瞞し映画)」なのかな、と思っていたら、想像以上に出版業界を舞台にした企業物語でした。ガチガチに企業意識やコスト観念に囚われた薫風社の社員に対して発する大泉の台詞は、決して多弁ではないがはっとさせられるものがあります。「薫風社はあなたのおもちゃじゃない!」と激高する社員に対する大泉の返しは最高。仕事に対してはこんな姿勢で臨みたいもの。
吉田大八監督らしく、脇を固める役者達の人物像の掘り下げ方が見事で、ある程度性格や人となりは理解できるように演出しているものの)、その行動には事前に読み切れない部分もちゃんとあって、ラストまで良い意味での緊張感が持続しています。中でもやはり初登場場面から松岡茉優の演技は素晴らしく、大泉洋に全くひけを取っていません。また旧態依然とした薫風社で権力闘争に明け暮れる、旧弊の経営者像を演じる佐藤浩市の、一片の愛嬌を匂わせつつも、修羅場をくぐり抜けてきたような風貌も見事。そして國村隼は面白すぎました!
必冊仕事人
スカッとだまされたいという強い願望があって、その手の惹句の本や映画についつい手を出してしまうのだが、期待に応えてくれるものは少ない。この映画もそつなく作られてはいるものの驚きはなく、出版業界ネタとしては「9人の翻訳家」よりだいぶ弱い。
中間小説誌の退潮は近年著しく、出版社の内情はさもありなんという感じ。興味深くはあるが、いかんせん物語に広がりがない。題名からてっきりミステリかと思っていたら、そうでもなかった。ラストのベストセラーを一発当てるくだりなどほとんどファンタジーだ(書名はヴァン・ヴォクトのSFに似ているけれど)。
國村隼扮する作家は、筒井康隆氏を彷彿させる。
面白いの言葉の意味
「大泉洋が出ている映画!?見に行くしかないじゃん!」って言うところからこの映画は気になり出しました
大泉洋がみんなを巻き込んでいく
一見たくさんの情報量を関係のないような事がどんどん出てくるため、頭の中で情報整理をしながら見ることが大変でしたが少し進むと「あっここはそう言うことだったのか」となる納得がいく伏線回収をしっかりと行い最後にしっかりオチがあり1分1秒見逃せない映画です
映画のテンポがとてもよく少しでも見過ごしてしまうと話に置いていかれそうになるのでしっかりと集中力がある時に見ることおすすめします👀
騙される快感を味わっては?
このご時世で経済大国と言われた国が実はやる事3流だったりと、人々もこれまでの騙しに気づき始めた頃、何気なくこの映画を観ました。予算オーバーの豪華俳優陣に大した期待もせず映画館に入ると客も数人しか居なく、「失敗したか・・」と思いきや、想像以上にのめり込んでしまった。大泉洋は好きではないが、部下の若手社員に騙されて悔しがってコーヒーを叩きつける光景は爽快だった。あれ?もしかしたら大泉洋の役にのめり込んでる?僕も、もしかして豪華俳優陣全てがこの映画に騙されている??今回いい意味で騙されてしまったが渦中にいたらシンドイだろうな。
「全員ウソをついている」か?
昨年からの上映前予告でしきりに流れていた「全員ウソをついている」って、これだけ?というのが観終わっての感想。この予告の方に騙されたわ。全員じゃないし、ウソというより、単に本当の目的について口を閉じていた・隠していただけじゃないのか。この予告宣伝ってどうよ?これ見て煽られてなきゃ映画を観に行ってないので、私に対して宣伝は成功しているわけだけど。
ストーリーは面白く、俳優の演技も楽しめたけれど、前宣伝が大風呂敷すぎて、結果的には拍子抜け。でも、観て損したとは思わなかった。ただ、映画館じゃなくてテレビドラマでも十分なスジかなぁ。大画面の必要ある?もっとも、テレビならあれほどの役者は集められなかっただろうな。
難しいから面白い
超絶エンターテイメントだった。
出版社の物語ではあるものの、打ち出されるメッセージが小気味いい。
実際のトコ本作は、その「難しい」には当てはまらないのかもしれない程、豪華な俳優陣。が、しかし、この脚本にこのキャスティング…走り出すまでが難しかったのではなかろうかと想像する。
失礼な言い方だと思うのだが、小林聡美さんを引っ張りだしただけでも俺的には大金星だ。そしてのっけから持ち味全快だ。ニュース番組で腕時計を気にする素振りいるか?曲者っぷりも甚だしい。俺は小林さんのあの仕草で、作品への期待感を膨らませたのだと思う。
「演出の仕事はキャスティングで8割終わる」と聞いた事がある。この作品はそれを体現したかのような仕上がりで、皆様、見事な泳ぎっぷりだった。
その水槽を用意した監督の手腕も相当だと思う。
驚くような仕掛けがふんだんに用意されていて、皆様それを楽しんでいるようにも感じる。
大泉氏と松岡さんに寄るところは多いのだけれど、役者陣は粒だっていて抜かりがなかった。
また、音楽がNICEなタイミングで入る。
エンドロールで音楽のコールを探したのは初めてだ。「LITE」って表記されてた。
実に心地よく嫌味なく煽ってくれる。
昨今の風潮として「ローリスク・ハイリターン」みたいな声も聞き、それ自体は間違いではないとは思うのだけど、全てにおいて優先されるべきではないと思うし、世の中がインスタント化してきたなと感じる時も多々ある。そんな中の「難しいから面白い」
胸がすく想いだ。
一握りの才能ある人間の特権だと目を背けるだろうか?いやいや、そんな事はない。程度の差はあれ「難題」は思考を伴い成長を促してくれる。そして経験という武器を与えてくれる。
どうせ克服せねばならない壁ならば、自らの意思とともにぶつかっていきたいと思う。
安心や保証は確かに大切だ。だが、それを得る為の開拓にこそ目を向けなければ人も組織も腐っていってしまうのかもしれない。
そしてその変革にも旬があると、KIBAプロジェクトは語る。時流は留まりはしないのだ。
最後のドンデンに向けて、丁寧に練られた伏線も素晴らしい。それが可能かどうかは置いといても、やりそうなキャラ達であったのは間違いない。
今の今まで指揮者だった速水の苦渋。
描いていた図面をバッサリ破られた悔しさは相当だと思う。だけど監督はその内面を明かしはしない。
相手を恨むのでも、自分を卑下するのでもない。
いわゆる句読点なのだ。
その章が終わっただけだ。
その世界に居続けるのならば、同じような事は起こるし、逆の立場にだってなりうる。
コーヒー投げつけて終わりでいいのだ。
ゲームセットはまだだし、雌雄も決してはいないのだ。
実は、時間に余裕があったのでもう一本観るつもりだった。なのだけど、俺はすこぶる満足で、お腹いっぱいだった。この作品の余韻を楽しみたくて、もう一本観るのはやめた。
こんな気分になったのは初めてだ。
まだかなり早いけれど、今年度の俺的アカデミー最優秀作品賞なのである。
充実した幸せな時間だった。
『スティング』には勝てないか〜
水曜どうでしょうでは騙され芸人などと言われていた頃が懐かしい
あの頃の大泉洋さんは気持ちいいほどどうでしょう幹部達にあの手この手で黙られてまんまとあちこち拉致られていましたね〜
ある時は隠し台本の通りにまんまとカブの買い物をしたりまたある時はアメフトの方々に担ぎ出されたりそしてまたある時はなかなか夏野菜料理を作れなかったりと数え上げればキリがありません
そうそう「ジャングルリベンジ」の時はカップ麺を手からするりと落としておられましたね
人は本当に驚いたりすると物も持てなくなる事をリアルに知りました
今や洋ちゃん… もとい洋さんも騙す側に回られたこという事でいいですね
ということでいざ映画館へ出陣してまいりました
これでもかというほど隅々まで余すところなく前のめりで見ていましたからそりゃー騙されましたよ、必ず皆んなが騙されるとの思いで見ていたので頭もフル回転です、まだコイツは騙されてないぞ〜とか、いやいやそんなもんじゃ済まないでしょ〜などなどと見ていたら疲れちゃってね
で見えてきたのがどうやら主役は大泉洋ではないなとね
高野を演じる松岡茉優ではなかろうか?
だとするとまだまだ先があるぞ〜とかね
そんな事を思いつつやっぱり私はまんまと騙されてしまったってわけですよ
最後のオチは薄々見えちゃってたんですけど相手の落とし方がどれもこれも唸るほどの理由でそこらへんはかなり緻密に考えられたところなのではないでしょうか
理詰めではなくこの映画のコンセプトの一つ「面白い」を有効に使っていたのでしょう
「おもしろきこともなき世をおもしろく」ですな
安定の大泉さん
普通にいい作品ではあった。ただ、起承転結が乏しい感じがしたし、音楽ももっと利用して欲しい。小説でもいいと思ってしまう。ただ、役者が良くて、上手いからそこを補っているけど。テンポは良く、騙して2転3転するところは良いのだが、若干のわかりづらさや説明不足(あえてそうしたのかもしれないが)はある。総合的には良くも悪くもなくって感じ。
伏線を残さないところがよかった
騙し合いっていうほど騙し合っているわけではないけど、大泉さんの騙しの展開は良かったと思う。
この映画の1番よかったと思う点は、"作品の流れありきで登場人物が不用意に傷つけられて放置される"みたいな、中途半端な描き方されてないところ。
主要な人物を最後までしっかり描き切っていて、すっきり終わったところに好感持てました。
かなりに遅れてのレビューだが… 小耳に挟んだ話によると…
今更小耳に挟んだ話によると…どうやら作家の塩田武士(すみません,全く存知上げて居なくて)が,大泉洋をイメージして主人公を「あてがき」した小説を大泉洋の主演で映画化したらしいが、私個人の感想としまして,良い悪いでは無く,大泉洋以外のキャストがわりとハマり役&バッチリだった様に思われた。
一寸,上から目線だが、予告編を観る限り“騙し合い”という設定を期待せざるを得ない❗️という思いから鑑賞したが、良い意味でも悪い意味でも,“そうかぁ⁉️“と,中途半端な想いで終了しちゃった感だったなぁ…⁈
想像を超えて面白い!!
大泉洋さん、こっちの方が面白いです!
三国志の笑いよりも真面目な演技の大泉さんは強い!
松岡茉優さんも演技うまいし。
観てて、こんな人生楽しいだろうな〜と思いました。
ラストもワクワクで終わって爽快!
映画館で見る価値ありでした。
出版業界って。
あんまりよくわかんないけど、私のようなシロートには特に違和感なく観れました。
原作未読でもうっすらオチはわかってしまう展開でしたが、最後までテンポよく楽しめました。
エンドロール含めた尺も程よくコンパクトで好印象。
何より無理矢理なタイアップ曲とか無いのが良かった。
少年漫画雑誌のおもひで 本屋に行くと催す派です
上映がのびのびになって、これまでに何十回映画館で予告編を見たことでしょう。完全に耳タコになっていて、大泉洋の顔ももう、飽き飽きよ。新解釈三國志のこともあるし、パス。観~ない!と決めておりました。出版業界もので、大泉洋にリリー・フランキーでしょ。詐欺師ばっかり出てくるんでしょ。疲れるよ~ いいや。そのうち地上波でやるだろうし。
そうゆうわけで、期待は全然していなかったけど、縁あって、観てしまいました。予告編でのセリフが本編ではいい具合にちりばめられていて、あー、ここでこのセリフかぁ、と嬉しくなって、いい感じにプラス効果に働きました。
めちゃくちゃ、面白いです。
と、まではいきませんが、
か~なり、面白かったです。
テンポのよい展開。
皆、俳優さんは達者でしたし、挿入音楽もよかったです。
出版社や本屋さんは大変ですよね。活字離れだし。写真週刊誌も見なくなりましたね。立ち読みされちゃうし。aUの映画🈹で実際、見ることが多いのですが、スマートプレミアムに入っていると、雑誌読み放題ですからね。
池田エライザの役は等身大のモデルとしての彼女プラス謎のキャラクターが、ひりひり感があって、よかったです。「城島咲」「ジョージ真崎」
「神坐(かんなぎ)」「SHINZA」
女子学生のセリフ。だって、アニメにも映画にもなってないから、本読むしかないでしょ。 ちょっと感心しました。
あと、K.IBA ねぇ
立ち飲み酒場はアルマイトの椀に千円入れておいて、ツマミやお酒を頼むと店員さんがお釣りを入れて、その都度勘定するシステムですね。
高野書店の佇まいよかったです。売りきれた子供雑誌を買いに神保町まで店主の父親が行くシーンも。最近は幼稚園児向けの雑誌の付録(コンビニのレジや銀行ATMなど)が凄くて、すぐに売りきれるらしいですね。親でもちゃんと作れるかわからないほど精巧な付録らしいです。
昔むかしの話で恐縮ですが、子供のマンガ雑誌の付録が盛んだった頃、豪華5大付録なんてのもありました。その付録ばかりを売ってる縁日の屋台(テキヤ)もいましてね、買って貰えなかった雑誌(冒険王)の付録をオヤジが買って帰宅したんです。うれしくてね。作り方の解説は本誌に書いてあるので、苦労しましたよ。ロボットの手足と頭を組み立ていくと、大問題が発覚しました。ロボットの胴体部分は本誌に綴じ込みだったのです。
ガーン😱
オヤジを恨みましたねぇ。貧乏が悪いんじゃないんです。絶対、オヤジが悪いんです。二度も泣かされて。
縁日の屋台を見ると思い出してしまいます。
最後の方で、会社の屋上に紙コップのコーヒーを投げつけるシーンがありましたねぇ。 あんな感じです。
騙されたかった
評価の高さが気になり、騙されたという感想をみて楽しみにしてました。
が、出版社になんの馴染みもない人には特にかもしれませんが、何も余韻がなかった。わざわざ大きなスクリーンで観なくて良かったし。
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