チワワちゃんのレビュー・感想・評価
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テーマがよくわからない
主人公をバラバラ殺人の犠牲者、としたことでギリギリ映画になっているが、それ以外は取るに足らない若者たちのどうでもいい話。チワワちゃん役はなんかイメージが違う。だからといって誰だったら良かったのかも分からない。最後まで出さずに周りの人物の話を蓄積して見る側のイメージを膨らませていった方がいい気がした。桐島、的な。麦ちゃんは良かったけど、浅野忠信はこの映画に出て欲しくなかったな‥
ワンカットワンカットの切なさ
仲良しグループの1人、チワワが東京湾でバラバラ遺体となって発見された。
本名も素性も知らなかったチワワの死の真相を求めて、友人たちを訪ねて回る主人公のミキを中心に描いた青春サスペンス映画。
若手俳優を中心に、東京でバカ騒ぎの日々を送る面々と彼らを描いた今作。
チワワちゃんに対する嫉妬や憧憬などの複雑な気持ちを抱えるミキやほぼ台詞のないヤンキー崩れ風のキャラながらも存在感を示した成田凌など評価すべき役者が多い中、キーパーソンとなるチワワちゃんこと吉田志織の魅力が大爆発していた。
健康的なエロスと快活な性格で見るもの全てを虜にする天然美少女を好演。秒で好きになりました笑。
あらすじ的にはサスペンス映画だが、その構えで鑑賞すると完全に今作は駄作扱いされてしまう。
最終的には鑑賞後の受け取り方次第だが、自分は今作がとても好きだ。
大きな理由がワンカットワンカットの切なさにあると思う。
冒頭のチワワちゃんの自己紹介も少なに600万もの大金を手にしてZulieの「Heart Beats」をバックに街中を疾走するシーンやUKインティロックシーン注目のニューカマー、Pale Wavesによる「Television Romance」に乗せて突然キャストが踊り出すチワワダンスのシーンなど音楽的演出がとても良く、サントラは必聴盤だと思う。
チワワダンスシーンで踊る集団の中、冷めた目で彼らを見つめるミキと吉田の描写と何故かワンシーンだけ踊る吉田の件がとても好き笑。
なんだかよくわかんないけどなんか良いという感想がぴったりハマるような作品笑。
スローテンポながらもキャッチーなサウンドでラストを飾るHave a Nice Dayの「僕らの時代」が切ない爽快さを残してくれた。
インスタを切り取ったようなキラキラ感
パリピ全開から一転、花火の終わりのように眩しかったものたちが輝きを失っていく。何にもないようでいろいろあって、いろいろあるようでなんにもない。そんな若者たちがリアルだなと思った
【岡崎京子ワールドを、具現化できる監督出てこーい、‼】
ー 「THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY リミット・オブ・スリーピング ビューティ」以来の二宮健作品。ー
・極彩色ポップカルチャームービー。
・期待の若手俳優も大集合。
気になる俳優さんがいる方は、観ても良いかもしれない。
<2019年1月19日 劇場にて鑑賞>
さようなら、チワワちゃん… そして、ありがとう!
故人の残影を追った巡礼の物語。
わたしは、以前お世話になったヒトが
よく足を運んだと生前におっしゃっていたお店や
お気に入りだったという場所を巡って
歩き渡ったことがありました。
巡っていくにつれ、故人への愛情や感謝の念が
より強くなっていくのを感じましたし
いっそう身近に思い、そして再度
涙したりもしました…
さて、本作『チワワちゃん』は
《千脇 “チワワちゃん” 良子》と接点のあった
知人の述懐を、ひとつ、ひとつ、〈数珠繋ぎ〉していく
【対話による巡礼】のお話でした。
自分がまだ、
「何者であるか?何者になろうとしているのか?」
判らない若者たち…
「時間はあるが、やりたいことは見つからない…」
でも体力だけは有り余っているもんだから夜毎
その鬱屈した思いを込めて力いっぱい
バカ騒ぎを繰り返してしまう…
門脇 麦さん演じるミキはそんな最中に
身を置きながらも、俯瞰してどこか冷めた様子で
眺めていました。そうしてストーリーテイラーであり
インタビュアーでもある“ミキ”の視点で物語が進みます。
この作品は、そんな若者たちのエモーショナル表現を
近年よく言い回わされる【プロモーションビデオみたい】な
奇抜でケレン味のある映像で
(そこがこの作品の評価が分かれるポイントかな?)
終始、飽きさせない構成でなされていますが
急にストンと静寂が訪れる…
そのメリハリが、わたしには心地良く
観賞に浸れました。
「結局犯人、分かる思たら分からへんのかーいっ!」
とモヤっとされた鑑賞者もいると思いますが
本作の主題はそこではありません。
劇中の冒頭と末尾での印象的な【モノローグ】。。。
その【モノローグ】がすでに主題を述べている訳で
あとはそれをなぞっていくだけの
実に、潔いよい作りでした。
それは何よりルック(画作り)に
自信があったからなのでしょう。
それで副題と言いますか
この作品にメッセージを見出すならば
《バラバラ殺人事件》
《シンガポール爆破事件》が象徴するような…
テロや内戦、自然災害から殺人に至るまで
昨今起こる様々な出来事…
それをわたしたちは、どこか遠い場所で起こる
よもや 《 自分たちには関係ない事 》 と冷めた
視点で傍観者になってしまってはいないだろうか?
若者が集まって騒いでいるダンスシーンは
【現実のなかの非現実】である象徴の現われであり
「現実で起こっている問題は、
地続きで自分たちにも繋がっているんだぞッ!」
「いつまでも無関係でいられる訳じゃぁないんだよッ!」
という警鐘の音が…
わたしには聞こえたような気がしました。
成田 凌さん、最ッ低!そして最ッ高!
村上虹郎さん、今回わたし一番注目して観てた!
劇中でかぶってた帽子が欲しい!(似たの買いました♪)
浅野忠信さんの存在感たるや!
いっぺんに空気が変わった!
しかも作品におけるキラーワードを口にしてました。
門脇 麦さん、前主演作『止め俺』の役柄と同じく、
繊細な表現で、揺れ動く女性の心情を見事に
演じていました。タバコ吸う所作、前から好きよ!
そしてなにより吉田志織さん!
チワワちゃんさながら天真爛漫な彼女の今後に期待!
評価が別れそうな作品は、星☆を多めに献上しがち…
それはわたしの自意識 ≒ 美意識がそうさせるのですが、
今回は、元より原作者《岡崎京子センセイ》信者であり
(麦さん、センセイに似てる!?)
そして同じくお慕いしている
「性と暴力そして革命」のスローガンを掲げた
《故・若松孝二 監督》に畏敬の念を捧げると共に
そしてなにより、この両雄を、わたしの中で融合し
結びつけてくれた門脇 麦さん、二宮 監督に
感謝の意を込めまして…
よって、“ R指定 ”も必要悪の範囲内!
文句無し!新年早々わたしの中でのベスト級!
星☆5つを捧げます!!
いろんなサブカル作品を自分の中で関連付け
〈数珠繋ぎ〉していく作業は楽しいものです!
そして【新コーナー】
チワワちゃん名言プレイバック!!
「男同士は価値観を共有する。
男と女は距離感を共有する」
「女同士は気を使って疲れる。
男といるのは楽だけど何かを消耗する」
チワワちゃんの主役の子よかった。 こんな女がフラッと現れた日には女...
チワワちゃんの主役の子よかった。
こんな女がフラッと現れた日には女子として絶対に敵わないなと思う。
天然でかわいい女を嫌味なく上手に演じられてた。
天然、明るい、かわいい、みんなに好かれて常に注目あびてて巨乳で料理上手なのになのになのに彼氏に浮気されて。。
あの年頃の男子ってみんな獣だから、そういう性なだけってもう少し大人になったらすんなり理解できるのだけど。
あの年頃の女子もまた浮気されてまるで世界の終わりみたいな気持ちになるのよね必要以上に傷ついたりして。。わかるわ。若いわ。
残酷さこそ若さよね。。
そして成田凌がまたもやクズ演じて自分の中では俳優としての好感度あがりまくりです。
今回も素晴らしきクズシーンありがとうございます。
いやぁ素晴らしかった。
いやがる麦ちゃん無理やり襲ったあげくダメダメグダグタかっこわるい情けないエロシーンってなんの誰の得にもならん。
麦ちゃんも何割減でだいぶブスに映ってるし、また成田も然り。
こういうのを敢えて入れてくるこの監督と麦ちゃんと成田に私はスーを差し上げたいと思います。
オッサレーに仕上げてなんぼの現代においてこんなリアルなかなか描かれないよ。
でも現実ってほんとはこんなもんだよね。
本気で素晴らしい❗️こういうのがみたいんだよね。
チワワちゃんが可愛すぎる件。
吉田志織さんが本当に可愛すぎて、
演技も可愛くて明るくて独特な感性を持ってるチワワちゃんにぴったりだと思って感動した。
スマホの画面を写す現代っぽさとか
このご時世にタバコ吸いまくってるシーンとか
普通の世界では嫌悪されそうな男女のもつれとか
すごいありのままを映像にしてて共感できた。
ただただ今を生きてる羨ましさを感じていたら
自由を手にした大学生特有の葛藤やらが表れてて、
本当に素晴らしい映画だなと思いました。(語彙力)
一時で終わってしまうような関係性もイマドキっぽいし、
簡単に連絡を絶つことができるのもイマドキっぽいと思った。
成田凌の濡れ場は何回見てもすごい。
妙にリアルな青春映画
Television Romanceが極めて印象的かつ効果的。個人的にはB'zの“Pleasure'91 〜人生の快楽〜”を彷彿させられた。二宮監督のセンスに共感できるところ、共感できないところとあるが、今後の活躍を期待したいと思える作り手が現れたとは言える。成田凌は一時期の藤原竜也みたいにクズ役のオファーしか来ていないのかな。それが彼の持ち味なのかもしれないけれど、少し心配なところでもある。
三作品の中でいちばん好き。
岡崎京子原作の映画化作品三本の中で、いちばん好きです。
映像も音もよかったし、古い名画のオマージュが(あまりに有名な作品なので)かわいかったし、「チワワちゃん」はちゃんと、おちびだけど胸が大きくて、バカだけど素直でかわいくて男の人とすぐ寝ちゃう、笑顔が素敵なあの「チワワちゃん」だったし。
今回目を引いた俳優陣は、門脇麦ちゃんと村上虹郎くん。
麦ちゃんは、目の力と裸みたいな表情が素敵でした。
監督の二宮さん、26歳とお若い方みたいで次回作が楽しみ。
堤裕介さんという方の音楽もとてもよかったです。
邦画の映画音楽でこんなに惹かれたのは初めて。
音だけで飛べる。
残念だったのは、ヘアメイクに衣装。
謎すぎました。
10代後半から20代頭くらいって、毎日ちびちび無駄に使うからお金がなくて、時間と、欲しいものや行きたい場所だけはたくさんあって、いつだって退屈で、弱くて、中身のない話ばかりしていたなぁと思い出して、自分のあの時代が終わってほんとうによかった!と強く思いました。笑
"自分だけの、チワワちゃんとの思い出"
若さを衝動性と暴力性で消耗しながらも快楽に身を委ねる若者達。
しかし、全員がそんな自分や周りをどこか冷めて見て"そこに何が残るの?""だからなんなの?"と問い続けているような前提がそこにはあった。
みんなそれぞれ、大なり小なり"その人だけのチワワちゃんとの思い出"があって
その人にとって都合が悪いような隠したいような思い出もあって
その中でもう会えない"自分が会ったチワワちゃん"に想いを馳せるような映画だった。
チワワちゃん自身に思いを馳せているのは、主人公だけ。
それでいて、主人公だけしか知らない彼女の姿も勿論ある。
人なら、経験があるような、
誰かとの自分だけの思い出。墓場まで持っていかなければいけない話。なにか大事な話をしたわけではないけれど、あの時あの場所で、あの人と話したことを、あったことをなんとなく覚えている。
そういった、”その人だけの、彼女との思い出”を振り返るような話だった。
それらは全て、結局人生のひとかけらでしかないはさ、消耗してく若さのひとつでしかない。
だからこそ、”若さの自爆テロ”なんだろうな。
遠くでやっているテロの話と、チワワちゃんの死は、等しく現実味がない。人生の一かけらでしかない。
でも確かに、チワワちゃんはそこにいた。
笑い、考え、傷つき、愛され、憎まれ、そこにいた。
登場人物の心の中に、
”自分だけの、チワワちゃん”が居たんだろう。
*
ということで、ここからは普通の感想です。
ラストシーンがとてもすきでした。実は静かに涙してしまった…。
それから、大学生の間に見れて良かったと強く思います。
社会人になってだったり、高校生の時見るのではまた印象が違っただろうなぁ、なんて。
個人的には、好きな映画です。
あとチワワちゃん、とにかく可愛い!魅力的過ぎる。ティナちゃんも可愛い!可憐すぎる!みんな細い!!!!!!
あとはやっぱりちょっとエロい。R15の作品です。
予告を見て、好きかも、と思った人には刺さる映画だろうなぁ…。
そんな感じです。個人的には☆4だけど、客観的評価なら3.5かな。でも、好きです。
「これぞ映画」
今年13本目。
大学生があるきっかけから、大いにハシャぐ姿が描かれる。
若い時は誰しも多かれ少なかれ、弾けていた時があると思いますが、ここまでハシャぐのは、少数派だと思います。
けれど、それが自分には出来なかった事を、映画が表現してくれている、と言う点で、いい映画だと思います。
そこが映画の魅力ですし。
女優だと、チワワちゃん役の吉田志織さんの、今後の活躍に注目しようと思います。
応援したくなりました。
俺も快楽のみで600万を3日間で使い切りてー笑
青春時代を駆け抜けてしまったおじさんには、これが現代のリアルだとしたら、青春の謳歌、爆発方法は恐怖の対象でしかない。新たな青春のバイブルかは疑問だが、出演者はが次世代の担い手なのは間違いない。
時代というよりは世代
もう20年以上は前になるが、自分にも既視感のある映画だった。多少の文化格差はあるのだろうが、人の思うことやすることは対して変わらず、時間はそれでも先へと進んでいく。立ち止まりたい!…立ち止まれない。そんなもどかしさを抱えながら、青春は爆発して、徒花であったとしても美しい輝きを放つ。無軌道、暴走、からの気付きと終息。
さとう珠緒に似てない?!
チワワちゃんのぶりっ子ぶり、顔、スタイル、身長。
どっかで見たことあると思ったら、
さとう珠緒に似ている事に気づきました。
もちろん、さとう珠緒さんは元気(?)に
頑張っておられるのですが、
愛されたい欲求オーラの表現が
そっくりな感じがしました。
結局、人間はどこまで行っても
完全に理解し合える事はないって事を
思い知らされるのですが。
それを受け入れる事が出来るかどうか、
そこでうまく生き抜いていけるかどうか
分かれてくる気がします。
受け入れられずに、もっと理想の世界が
あるのじゃないかと次から次へと
違う世界へ飛び込んでしまう。
その結果、運悪く残酷な世界の犠牲に
なってしまう人はたくさんいると思う。
その一人がチワワちゃんであり、
誰にも知らずに死んでいっている生命は
計り知れずある事でしょう。
世界を見れば、まだ戦争、飢餓、競争社会の
地獄の数々。
それがこの現実世界の現状であり、実情で、
未来永劫に変わる事は無い気はします。
ただそんな世界に生きているのが
私たちで、誰一人として、差別なく、突然、
地獄に落とされる可能性があるのです。
悲しいですが、
この残酷な世界で生きるしかない事を
受け入れる事。
今ある日常が、
如何に奇跡的で有難い事なのかを
あらためて思う事。
そんな事を思い出しました。
ただ、そう思った事も続いていく日常で
忘れていってしまうのですが、
時おりこんな映画に出会うことで
思い出すことになるのです。感謝。
全編、MVのように描くことで
今の時代を表現しているような気がします。
役者陣はなかなかのメンツでした。
寛一郎、虹郎、成田凌、門脇麦、
さすがでした。
(玉城ティナの泣き顔の不細工っぷりには
ちょっと見直しました。
松本穂香のちょい役もなかなかgood:)
ただそんな地獄のような世界でも
奇跡はあるはずで
一瞬でしたがそんな瞬間があったって事は
ただ 「生きてるだけで、愛。」
と感じました。
ただあそこまで深い感動まで行かなかった
ですが、目指すところは同じなのかなって
気がします。
そう考えると、
やっぱり趣里さんの入り込み度の方が
上回っていたのかな〜。^^;
でもこのメンバーが一つの映画に集まったって事は
将来的に奇跡と言われるのかも。
未来が楽しみな役者陣の健闘に感謝です。
(^。^) m(_ _)m
3.5より、3.6 かな?
頑張ってるけど
本名も知らないチワワちゃん。
そのわりに金貸したり、一緒に住んだり。どうでもいい感じなのにラストみんなで泣いたり。パリピシーンもスプリングブレイカーを意識したのか日本ではリアリティがない感じ。グラグラ揺れるカメラが15年前のアメリカ映画っぽい。身内ノリの小箱のクラブに大金もった会社員はいないだろ。今の若い子は喫煙率低いだろ。
とか、いろいろ突っ込みたくなるけど他の量産型ティーンムービーよりは10倍いいです。
若者が身近な人の死をどう理解し、乗り越えるかについての話
演劇オタクなので成河さん(バーテンダーのゲイお兄さんシマ役)目当てで観に行った。私は知ってるんだ、若者の生死の対比を描いた青春映画は大体良作だって…
・チワワちゃんにおいて誰があの子を殺したか?何故彼女は死んだのか?は重要ではない。整合性ある脚本を求める人はそこが気になるかもしれないけど、そこに意味はない。だってきっと、「彼女は実はこんな素顔が…のっぴきならない理由が…」みたいな立派な理由はない。なにも社会派で重厚な筋が通った映画だけが素晴らしいわけではない。(普段はそういうのが好きだけど)
・若者のあまりに危うい青春、刹那的な衝動、生の隣にある死を描いた作品としては「ロミオとジュリエット(原作)」「夜空はいつでも最高密度の青色だ」「香港製造」あたりの青春物語に近い味わいだった。あまり映画見らんから詳しくないけど。
・この映画は、若者が身近な人の死をどう理解し、乗り越えるかについての話。飢えや病気、戦争なんかに生命を脅かされる可能性が最も少ないであろう現代になっても、変わらず「死」は唐突に身近に現れる。日常の延長線上にある死。
特に若者は肉体的には死に最も遠い存在。彼らが他人の死に出会う瞬間があるとすれば、テレビの中。殺人事件や災害、テロ事件等が遠い世界の出来事のように報じられる。(爆破テロの映像がテレビで流れてたよね)
・でも若者だって死について考える。考えざるをえない。チワワちゃんが死んで彼女に関わった人たちは、きっと大なり小なりモヤモヤした感情を覚えただろう。この気持ちをどうしたらいいのか持て余していただろう。彼女の死とその複雑な感情に向き合うために、チワワちゃんとの思い出を語るという行為が、きっと彼ら彼女らには必要だったんだ。その思い出は美しいものばかりではないけど、彼女は確かに生きていた。そして今はいない。
それを確認するための物語だから、「彼女の真実は…」みたいなカタルシスはこの作品に必要ない。事実は存在せず、解釈だけが存在する。
・だからこそ、ラストで海に花束を投げるシーンが泣ける。冒頭の近親者の葬式(千脇良子用)とは異なる、残された友人たちなりの“チワワちゃん”の葬式であり送別。「またみんなに会いたいな」と言っていた彼女のための。
これも若者たちがチワワちゃんの死を乗り越え、明日を生きるために必要なことだったんだ。皆、青春そのものであるチワワちゃんを内包・同化しながら、大人になっていく。過去には戻れないけど、きっと彼ら彼女らの側を、あの日の、財布を盗んだチワワちゃんが全速力で駆け抜けていく。(一緒に並走しているイメージ。)泣くしかない。
(海に花束を投げるという儀式は、津波被災地の遺族も行ってるよね。あと、身近な人の死を理解するという文脈では、「永い言い訳」「若おかみは小学生!」「風の電話~残された人々の声~」とかを思い出した。)
・チワワという少女は青春・自由・死・東京の象徴なんだ....と思ったけど、この考え方は彼女を実態ある人間扱いしてないね。うだつの上がらないミキの憧れや嫉妬心はよく分かるんだけど、チワワの価値観が自分とあまりに違いすぎて、彼女を自分と同じ人間と思ってないみたいなとこある。
・チワワちゃん、激しく移り変わる若者文化の、2018年時点の結晶の保存って感じ。ファッションもメイクも音楽も話し方も、他人との距離感や死生観、空気感も含めて。きっと100年後にはファッション史、コミュニケーション言語学等において貴重な資料になっていることでしょう。と博物館課程出身者は思った。あの生々しい空気感や会話は、ある種の小劇場の雰囲気に似てる。たまらん。
・この映画で描かれるのは理想的な恋愛ではない。健気に愛し合う恋人たちもいない。皆、不完全な生身の少年少女たちだから。ふとしたきっかけで繋がったりちょっとしたことで離れたりという緩やかな連帯。そのリアルな距離感がいいなあ。私はあんな青春は送ってないので、半分ファンタジーとして見ていたけど、同行したパリピ先輩によると「クラブの雰囲気や、ああいう人間関係はあるあるやで」とのこと。
・千脇良子ではなく「チワワちゃん」というアイコンありきの人間関係。本当の自分とは違う「幸せで充実している魅力的な自分」の仮面。だから本当のチワワちゃんは誰も知らない。パリピではない自分もそれは同じだし、Twitterには付き合いは長いけど本名すらあやふやな友達は沢山いる。SNS世代の人格形成。
・チワワちゃんは時代のアイコンでもあるよね。若い女の子がここまで自由に、誰にも指図されること無く好きなように生きている。今までの抑圧された女性像ではなく、ああいう風に振る舞う女の子はきっとこの時代では普通にいるはず。そういう意味で「チワワちゃん」は、自立した格好いい女性ではないが、まごうとなき現代の女の子。
・チワワがAVに出ていたこと、乱交パーティをしていたことも否定的に描かなかったのがすごく好感度高かった。「不純だ」と眉をひそめる大人もいるかもしれないけど、チワワは立派な20歳の女性なのだから、彼女が自分の身体をどう使うかは彼女の自由。
・関係ないけど、映画見終わって外に出たら、雨の中に街のネオンが輝き、濡れた道路にその光が乱反射していて、隣には綺麗な女先輩がいて、映画と地続きの世界にいるようで、ウワーーーッ東京!20代の思い出!!青春!!!エモ!!!!という謎興奮に包まれたのでチワワちゃんはシャブ。
・【成河さん】
チワワちゃんにはふたりの大人が出てくる。片方が悪い大人(カメラマン)、もう片方が良い大人(シマくん)。成河シマさんは主役のティーンズ達を付かず離れず見守るポジション。これから大人になり社会へ出て行く若者たちを食いつぶす大人もいれば、見守り支えてくれる大人もいる。社会の良い側面の象徴。
この楽しい時間が続くって思った時が、もうみんなで集まらないってことの予兆なんだよ
映像すきでした!五感で楽しむ映画なのかな、と勝手に感じた。あえて下から撮ったりカメラを揺らしたり変な角度から撮ったり、その心地よい素人感に余分なくらいキラキラガチャガチャ。みんなすごく楽しそうだけど、みんな空っぽ、どこか空虚だったりもしていて、役者の演技がとてもリアルに感じた。ばか騒ぎの楽しさも言いようのない悲しみも、ひしひしと伝わった。青春ってイタい。あんなハメの外し方はしたことないけれど、楽しい時間を終えたあとのなんとも言い表せない虚無は、共感できた。
久々に会ったヨシダくんの、落ちぶれぶりに驚き。成田凌さん、どんどん役の幅が広がっているな、と思う。寝そべって、ただ震える表情、印象的。
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