「確信犯的、偉大なるマンネリ定番!」劇場版シティーハンター 新宿プライベート・アイズ Naguyさんの映画レビュー(感想・評価)
確信犯的、偉大なるマンネリ定番!
完ぺきなオリジナル・リバイバルである。アニメ界のベテラン、こだま兼嗣監督(69歳)と声優・神谷明(72歳)の再復権といってもいい。
「シティーハンター」の原作は、少年ジャンプで1985年から1991年にかけて連載。アニメは、1987年から4度のTVシリーズ化されたほか、劇場版も2本(ひとつは2本立て)と、一世を風靡した。
昔懐かしのファン感覚からすると、"20年も休んでいたシリーズが、なんでこんなに混んでいるの??" これも様々なプロモーションや大規模タイアップを展開した配給のアニプレックスの動員力だとすると、ほんと感心する。
"偉大なるマンネリズムの定番"とは、その昔、こだま監督自身が語っていたこと。こだま監督といえば、かつて「名探偵コナン(初期)」や「ルパン三世(第二期)」の製作にも携わっていただけに、最新アクションアニメの、イイトコどりもしている。
新宿でボディーガードや探偵を請け負うスイーパー、"シティーハンター・冴羽獠"と、その相棒・槇村香が、美人の依頼人からの仕事を受けて事件を解決する。30年経っても、"エピソード完結型"のスタイルは健在である。笑っちゃうくらい、安心のマンネリである。
一方で20年ぶりの新作でも、冴羽獠が歳を取るわけではなく、最新アップデートが嬉しい。
"シティーハンター"への連絡は、駅の伝言板の"XYZ"はアプリでスマホキャプチャーして行うなど、今風になっている。
近年のアニメに多いロケ地のリアル描写を取り入れ、"新宿ゴールデン街"や"花園神社"、"新宿パークタワー"、"バスタ新宿"、"地下街サブナード"、"ルミネ・エスト"・・・などが細かく描かれている。一方で"伊勢丹"、"ヨドバシカメラ"や"ビックカメラ"などの法人は改称している。
クライマックスのアクションが展開される舞台は、新宿中央公園をモデルにしているようだが、架空の場所っぽい。
エンディングテーマの「Get Wild」(TM NETWORK)だけでなく、岡村靖幸の「SUPER GIRL」や大沢誉志幸の「ゴーゴーヘブン」など過去の主題歌と挿入歌のオンパレード。過去のTVシリーズの名場面がエンドロールでも流れる。
「ドラゴンボール超 ブロリー」(2018)もそうだが、偉大なるマンネリ定番に、これ以上の何を求めようか。ずっとこのままで…いい。
(2019/2/8/ユナイテッドシネマ豊洲/ビスタ)