三尺魂

＜Caution! 内容に触れています。＞

１．花火師の城戸（津田寛治）・・・・打ち上げ花火に失敗し多額の借金を抱えている。
２．研修医の高村（木ノ本嶺浩）・・・医師として、患者と上手くコミュニケーションを取れない事に苦悩している。
３．主婦のふみ（辻しのぶ）・・・・・息子を交通事故で亡くした事を、自身の罪として悔やんでいる。
４．女子高生の希子（村上穂乃佳）・・同級生からの苛めや、義理の母を母として認められない事に悩んでいる。

ー　そんな4人が、城戸が作った三尺玉で集団自殺を図ろうとするが、繰り返されるタイムリープの中で、夫々が生きる価値、意味を考えていく過程が、時にコミカルに、時に涙腺を刺激する台詞と共に描かれている作品。－

■好きなタイムリープ作品は、数知れず・・。で、好きな作品幾つか。
　・「オール・ユー・ニード・イズ・キル」・・シリアスSF系。で、秀作。
　・「パーム・スプリングス」・・笑える系
　・「MONDAY/このタイムループ、上司にきづかせないと終わらない」・・笑える邦画系
　・「LOOPER/ルーパー」・・シリアスSF系
　・「バタフライエフェクト」・・シリアスSF系。で、傑作。

＜タイムリープ映画って、面白いよね！ほぼ同じシチュエーションを繰り返す中で、微妙に登場人物のスキル、心持、シチュエーションが変わって行く中で起こる物事。
　今作は、存在自体全く知らなかったが、秀作であると思う。
　そして、津田寛治さんは、矢張り名優である事も再認識した作品である。＞

序盤でいきなりボタンを押して笑えました。これから死のうとする人たちに十分な判断力や活力があるのは違和感を感じましたが、まあコメディ寄りにしないと話が進まないし、許容範囲だと思うようになりました。何度もループする事でグループセラピーに移行する様は面白く、4人の背景も作り込んでありました。前半は舞台劇っぽいと思いましたが、後半は払拭されました。大手には作れない、日本人らしい筋道の立った映画だと思いますが、教科書通りの締め方だと思いました。私たちにとってはやり直しのきかない人生ですが、代償もなく却って不気味でした。

個人的な感想だけど、素晴らしい。
脚本演出もキャストも、こんな映画作れるってスタッフも素晴らしいはず。
最初はよくわからないまま始まり、笑いまくってたのに、途中から涙が止まらなかった。
こんな映画だと思わなかった…色んな人に観ていただきたい作品。

これまたよくある死んでから、元に戻るを繰り返すループの世界
これだ言うと、トムクルーズの映画の真似と思うかも知れないけれど。
でも、ここではループはあまり意味ないんだよね。
ループを止めるには着火装置の線を切れば良いだけなんだから。
でもね、本題は、問答を繰り返すこと。
コントのような問答で、見事に自殺の原因を掘り下げ自殺を止めるわけ。
これは、ここに出てくる演技者揃いだからできること。
でもね、いじめ自殺を問答で防げるほど、日本のいじめは甘くないから。
根本から直さないと、日本はいじめ自殺世界一から抜け出せないから