アイネクライネナハトムジークのレビュー・感想・評価
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優しくて柔らかい空気感
春馬さんの醸し出す優しくて柔らかい空気感が、ストーリーとマッチして、とても温かい気持ちになります。あの爽やかな可愛い笑顔が心に染み渡ります。胸に日常を大切に、周りの人を思いやり生きていくことを再度心に誓うきっかけとなる映画でした。
テーマ的には偶然の出会いに感謝みたいなことだと思うけれど、ありえないエピソードばかりで説得力がないから全体的に陳腐な印象だった。
原作は読んだことがなく、井坂幸太郎さんの小説も読んだことがない。
多部未華子さん目当てで見たけれど、多部さんの魅力はあまり出ておらずよくなかった。
一番よくなかったのは多部さんが夜間の道路工事の警備員として交通整理をしているシーン。
すごく衝撃を受けた。
多部さんだからなんとなく似合ってはいたけれども、それはないだろうと思った。
これはだいたいおじさんとおばさんの仕事で、夜はおばさんやってない。
原作はどうなっているのか知らないけれども、これを多部さんにやらしたら全て何もかもぶち壊し。
しかもここは普通の恋愛映画だったら最も重要な、相手役の三浦春馬さんとの再会シーンなので一瞬金返せ的な気分になった。
しかも多部さんの演じている本間紗季という役のキャラや背景の描写がほとんどなかったから、いったいこの人何者?という疑問が最後まで残った。
内容的には一事が万事でよくわからない映画だった。
こんなことありえないというエピソードの連続。
しかもそれが結びついているのかいないのか、よくわからないうちに劇中の時間だけが進行していく。
見ている方は何がなんだかわからなくなってこの人誰?みたいなことが多かった。
よくわからなかったけれど、個人的にいいと思ったのは男目線だったところ。
こういう映画はだいたい女性目線だけどこの映画は男性目線だった。
女性の登場人物のキャラや背景の説明がほとんどなかったのは不満だったけれど、女性をなんだかよくわからない怪物みたいな感じで描いていてそこは共感できた。
テーマ的には偶然の出会いに感謝みたいなことだと思うけれど、ありえないエピソードばかりで説得力がないから全体的に陳腐な印象だった。
男性はバカでロマンチストだから、出会いに感謝している人が多いと思うけれど、女性はどうなのかな?
この映画でもところどころ入っているけど、女性は案外リアリストだから偶然の出会いに感謝などしていないし、相手と出会わなければよかったと思っている人がほとんどのような気がする。
公開時に見たんだけど、映画見た時点では多部さんはまだ結婚していなくて、これで共演三回目だし、すごく息の合っている三浦春馬さんと結婚してくれないかな?と個人的には思っていた。
この映画の公開後すぐ多部さんは他の人と結婚して、その後しばらくしてから三浦さんがあんなことになるなんて夢にも思わなかった。
ふと…… 今でも仙台の街にいるような
昨秋のロードショー時に観て以来の2度めになる。まさかこんな形(アンコール上映)で、もう一度スクリーンで観ることになるとは……あまりにも悲しい。
なぜか佐藤だけは名字しかない。エンドロールでも他の登場人物にはフルネームがあった。三浦春馬が雑誌のインタビューでそこを話していたのだけど、何を語っていたのかは思い出せない。
淡々といくつかの小さな出会いの話が綴られいく。あまりにも何も起こらなくて、いきなり10年後に飛んだりして、その間のエピソードも語られてなくて。
人と人との出会いは本当は奇跡の繰り返しなのだろうけど、日常の中では当たり前の出来事として埋もれていく。
どうしても……
この時、三浦春馬はどんな思いでこの役と向き合っていたのかと考えずにはいられなかった。
ラストの少し前、彼が演じる佐藤と多部未華子演じる紗季ちゃんが向き合うシーンは、二人ともこの上なく幸せそうで温かい空気に包まれていた。
あれは演技ではなかったように思う。あんな風に穏やかに微笑むことができる彼の人生は、やっぱり多くの出会いに支えられた豊かなものだったと私は信じたい。
伊坂さんの脚本がまずいい。登場人物の複層的な構成もとてもいい。恋愛...
伊坂さんの脚本がまずいい。登場人物の複層的な構成もとてもいい。恋愛を一押しする偶然やきっかけや神頼みみたいなものが物象化されることを批判しつつも、批判しきれない、現実を見つめてるのがとてもよくて、深い作品になってる。しかも、なぜか、出てくる人がみんないい人たちなのがいい。主人公の上司だけはちょっと別の立ち位置だけど、奥さんに騙されてた最後のくだりがやはり効いている。
みじゅくなせかい
死後、紹介された三浦さんのツイッター発言で、
『明るみになる事が清いのか、明るみにならない事が清いのか…どの業界、職種でも、叩くだけ叩き、本人達の気力を奪っていく。皆んなが間違いを犯さない訳じゃないと思う』
『国力を高めるために、少しだけ戒める為に憤りだけじゃなく、立ち直る言葉を国民全員で紡ぎ出せないのか…』
──というのがあった。
報道では東出不倫バッシングへの反撥と推察されていました。
ほんとのことはわかりません。
ここには『国力を高めるために』とか『国民全員』とかの言葉がありました。
その言葉選びが、針小棒大でもあり、牽強付会でもあり、なんとなくちぐはぐな印象なのを指摘されていました。
ただし、そう見えてしまうもの──なのは、わかります。
自分の周りの現象は、一事が万事となって──しまうものです。
ニュースを見聞きするたびに、やれやれ世も末だと嘆くのとおなじで、些細なこと、身近な現象が、国家につながってしまうのです。
だけど、その雑ぱくな感慨は、かなりいい線いっている世界観──ではなかろうか。
データもなく、ほとんど無根拠なんだが、日常の肌感ていうのは、けっこう、真実なもの──ではないだろうか。
なんとなく感じることが、じっさいの社会を形づくっていることを、わたしたちは、知っている──と思う。
それが『国力を高めるために』とか『国民全員』とかの壮語になっても、かならずしも的外れではないと思うわけです。
2005年に、ブラザーフッドやスカーレットレターに出ていたイウンジュという韓国の女優が自殺した。
テヒョン、イェジンと共演した永遠の片想いにも出ていた。
ビョンホンとバンジージャンプするで共演もしていた。
まさにブレイクしたばかりの売れっ子で、見るからに清純派で、ソルギョングが葬儀で大号泣したというニュースもあって、覚えている。24歳だった。
2005年のあたりは、韓国映画が攻勢をはじめたころだった。
じぶんとしても、2000年のペパーミントで開眼して、韓国映画を積極的に見始めたころでもあった。
韓国映画を見始めた──とは、映画を通じて、韓国社会を知り始めた、ことでもあった。
もちろん映画から知り得ることには、限界があるんだが、ハリウッド映画を通じて、アメリカを知ったという言い方が成り立つなら、韓国映画を見て、韓国を知った──とも言えるはずです。
映画を通じてとりあえず外面を知ったわけです。
映画から知ることのできる韓国は、ペパーミントみたいな、暗い思いやりのない社会でした。
その当時の韓国の芸能ニュースには、プロダクションに隷属するアイドルや枕営業の話題などがひんぱんにあった。芸能人の自殺もイウンジュだけではなかった。
それらの芸能ニュースと、映画のなかの暗い社会とをあわせて、韓国は未成熟な社会だと、感じていました。
それが、いつしか逆転している。
著名人の自殺があったから、だけのことではなく、あのころ韓国社会に感じていた、未成熟さ、暗さ、人の狭量──そういった皮相を、いまは日本に感じる。のである。
日常生活、嫌なことばかりに遭う。いやな人ばかりに会うし。成熟したひとなんていないし。むろんじぶん自身もそうかもしれない。愛国者だが、ここはちっともいい国ではありません。──と思うことが多い。
インターネットで「中国人・韓国人がおどろいた日本人の~」と展開する論調をよく見かけます。日本人のリッパさを述べた、国策なニュースです。志はわかります。日本人が日本に誇りをもつのはだいじなことです。しかし、ゆめゆめ、そんなたわごとに、悦になってはいけない。
個人的に、コンテンツの未成熟さが、国家の未成熟さと比例している──という感覚がある。
だから、三浦さんが言った『国力を高めるために』とか『国民全員』とかの、いっけん針小棒大な言説が、わからなくない。
ものすごく、無根拠なはなしだが、日本の映画がだめなのは、日本がだめになったからだ、という肌感が、ある。どうしようもなく、ある。
禍のさなかでもあり、弱って鬱状態にあったとはいえ、ここがそういう国で、そういう国民なんですよ、とは、あるていどかれの自殺があらわしている──と思った。
三浦さんは180㎝ちかい体躯と美しい容貌、豊かな黒髪、波乗りができる運動能力をもっていた。まだ30になったばかりで、温厚で思いやりがあり、たくさんの人々に愛されていた。
ぜんぜん知らない人だが、いい人に見えました。
すべてにおいて死を選ばなくてもいいはずの属性がありながら、死んだことを考えるとき、国の混迷に目が向けられても、かんぜんに的外れだとは思わない。
すなわちイウンジュが亡くなったときに感じた韓国観が、そのまま自国にかさなってしまった──わけです。
なんていうか、かわいそうなんですよとか、すごくがんばって生きてますよとか、善良なんだけどぜんぜん報われないんですよとか、日本映画が、そういう露骨なエクスキューズ(自己弁護)に映画の共感性をぶちこんでしまうところが、わたしはものすごくきらい。未成熟。原作未読だがそんな同情票だけで小説が成り立つとは思わない。
日本映画ってのは、たいていそういう映画で、これもそうです。なんか根本的にだめだとおもいます。未成熟です。つたない──っていう印象しか残りません。0点。
せめて、まっとうな主演作があればよかった。煮え切らない役ばかり回される俳優だった。
すかっとしたヒーローが見たかった。せめて安らかにねむってほしい。
生きてて良かった
三浦春馬さんの笑顔が素敵な作品
人は巡り合うべくして巡り合うんだろう
三浦春馬くんの優しく、穏やかな芝居がやっぱり好きだなと思いました。多部ちゃんとのコンビも最後になってしまいましたね。とても残念でなりません。
この作品、今泉色は薄く、伊坂幸太郎色が強かったなと…
あの時、あの場所でこの人に会ってなかったら、今の自分はいなかったという群像劇なんだけど、それぞれがみんなそうなわけで、それが絡み合って、私達は生きてる。そうなると、自分の行動が誰かの何かしらのきっかけになっていたり、自分でも気付いてないどこかに影響を及ぼしていたりすることもあるんだろうなと思いました。わかっていたけど、ハッピーエンドの作品は気持ちが温かくなるのでいいですよね。
矢本くんのお父さん役、なんかちゃらんぽらんですけど、1本筋が通ってて結構好きかもです。
出会いって?運命。
たくさんの出会いの中でこの人と。思えるのはちょっとしたきっかけだったりする。
あの時そこに行かなかったらとか、仕事の仲間だったりとか。時々思う時がある。出会いって運命なのかな。
原田泰三の会話の中に奥さんと別れた原因は日々の何気ない不満が積み重なって別れた。と。その時奥さんと出会ってなかったら?とのくだりで泰三が出会ってよかった。と答えた。(感動)
でも10年後、奥さんに出会ってよかったか聞いたらところ。財布はわざと落としたと。奥さんがきっかけを作った。ことに(感動)
三浦春馬と多部未華子の10年間のふたりの交際が想像できなくてもう少しふたりの日常を見てみたかった。そして。10年は長いかな。
三浦春馬の笑顔がいい。顔も。声も。常に自然なところが好き。
[2021年9月5日]
Amazonプライムでの観賞が無料になったので2度目の観賞。春馬くんの優しさや関わっている友人や知人の温かさを強く感じた。
出会ったのがあなたで良かった
今泉力哉監督作品では少し物足りない
出逢いって不思議やね。
以前友達に勧められて鑑賞。
まず、斎藤和義ファンは必見!ほぼほぼ前半は「ベリーベリーストロング」の内容だったし、それから10年後…泣きます。
(劇中のBGMが、「う〜ん、せっちゃんのインストっぽいなぁ…」と思って調べたらやっぱりそうだったのね…!!)
なんか結構気になるところ満載でした。 サンドの伊達ちゃんと富澤さんが出て、途中、三浦春馬の後輩の人が、伊坂幸太郎そっくりだし… そういうところも含めて色々面白かったです。
何より内容がよかった。本当に、全然劇的じゃないんだけど、でも、人と人との出逢いって、それ自体が劇的なんだろうと思いました。
結婚や恋愛だけが出逢いなのではなく、友達や職場でのつながり、飲み屋でもなんでも、「なんでこの人と出会ったんだろう…。」 「なぜこの人だったんだろう…」 、そう思うと、縁というのは不思議だと思います。そんな風に、自分の立場に置き換えて観てしまう作品でした。素敵な音楽と、とっても素直な脚本、かっこヘタレで優しい三浦春馬によって、心があったかくなります。
「私も三浦春馬に求婚されたい〜〜〜!!!」と一人で悶えていました。
こういう映画が観たかった。
TSUTAYAで面陳展開していたので、即借りて自宅にて鑑賞。個人的に思い入れのある仙台&恒松祐里が出ていたので期待感は高く持ってました。
まず、本当に良い映画だった!
ありきたりな表現ですが、とにかく未鑑賞の方にはぜひ観てもらいたい。
様々な男女のストーリーが展開され、でもそれが全て一つの線で繋がるよう、とても綺麗にまとめられて観やすかった。
そして何より、恋愛という括り以外にも、自分が見失っていたものを思い出させてくれる映画だったな。
恐るべし、伊坂幸太郎。
キャスト達みんな他の作品よりもすごくナチュラルな演技に見えたけど、それがまたこの映画を引き立たせている要因だと思う。
しかし、祐里ちゃんの演技はすごい。
座布団10枚あげたいくらいだわ笑
自分の10年を思う。
人と人の幸せな出会い
原作は、斉藤和義と伊坂幸太郎の交流から生まれた恋愛小説。(原作は未読)
斉藤は音楽と主題歌も担当、脚本は伊坂作品を多く手掛けてきた鈴木謙一。
監督は、恋愛映画の俊英、今泉力哉。
まるで劇中さながらの交流や繋がり。それは本当に作品にも表れている。
ちょっぴり切なさ滲ませつつ、最後は心温まって幸せな気持ちに。
この“出会い”に、心から素直に見て良かった!
(尚、この覚えづらいタイトルは、ドイツ語で“ある小さな夜の曲”。モーツァルトのクラシック名曲の題にもなっている)
舞台は、仙台。
街頭アンケートをきっかけに出会った会社員の佐藤と就活中の紗季。
佐藤の大学時代の友人である一真と由美夫妻。
由美の友人で美容師の美奈子と、彼女の常連客の弟でボクサーの小野。
佐藤の先輩で妻に逃げられた藤間。
10年後。
高校生になった一真と由美の娘・美緒と、彼女と互いに密かに想いを寄せ合う同級生の久留米。
美緒の友達の藤間の娘、亜美子。
付き合い始めて10年。佐藤は紗季にプロポーズを決意する。
そして、各々の出会いが始まったあの夜と同じく、小野も再び世界タイトルマッチに挑む…!
出会い、一期一会。
小さな奇跡、幸せ。
それを表すのにぴったりな群像劇。
時を経て、幾つもの出会いと想いが、心地よいくらい紡ぎ、繋がっていく。
幸せを見出だすには、悩みや苦境もある。
とにかく不器用で、恋愛に縁がない佐藤。そんな時出会い、その後思わぬ所で再会。晴れて付き合う事となり、10年後プロポーズするが、紗季の応えは…。
佐藤も大学時代憧れていた美人の由美。何故かいい加減な一真と結婚。娘の美緒にはそれが謎。難しい年頃で、父親に反発。
同級生の久留米もまた同じく。相手にペコペコしてばかりの平凡な父親のようになりたくない。
かつてチャンピオンになった小野だったが、その後スランプに。もう一度返り咲く。これまで闘ってきた相手や大切な人、家族(=結婚した美奈子)の為にも。
なかなか相手に届かぬ想い。
それは切なく、胸苦しく。
でも、それを乗り越えた時、心底感謝する。
この想いと出会いに…。
どのエピソードも魅力的。
メインエピソードは勿論、その周囲のエピソードも。
佐藤の先輩や難聴の少年(クライマックスの小野の試合で繋がる)、「こちらのお嬢さん、どの方のお嬢さんかご存知で…?」(久留米がラストで父と同じ撃退法を)など、サブエピソードも効いている。
ミステリー作家ならではの巧みな展開、それを纏めた脚本。後々響く台詞やシチュエーションも見事。
斉藤和義の歌や音楽が温かく包み、勇気付ける。
今泉監督の恋愛描写はどうしてこうも、時に胸にヒリヒリ突き刺さり、時にしみじみ染み入るのだろう。
エピソードも魅力なら、それを演じたキャストとアンサンブルも魅力。
映画、TVドラマ、CMと4度目の共演となる三浦春馬と多部未華子は安定カップルだが、やはり周り。
一真役の矢本悠馬のウザいけどイイ奴キャラ。居酒屋で働くあるシーンは、家族を守るカッコいい男の姿。
冴えない先輩だけど、優しくいい人の藤間役の原田泰造の好演。
美緒役の恒松祐里の複雑なお年頃とキュートさ。
登場人物が皆、愛おしい。
素敵な出会いって、運命や自分に訪れた人生の事じゃない。
あの時、君に出会えて、君で良かったと心から思える出会い。
人と人の出会いって、何よりの奇跡、幸せ。
そんな出会いに出会いたい。
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