ナポリの隣人
劇場公開日 2019年2月9日
解説
「小さな恋人」「家の鍵」「最初の人間」などで知られるイタリアの名匠ジャンニ・アメリオが、母の死が原因で不仲になっていた父と娘が、父の隣家の家族に起こった事件をきっかけに、関係を見つめなおしていく姿を描いた人間ドラマ。南イタリアのナポリで、かつて家族と暮らしたアパートに、いまはひとりで暮らす元弁護士のロレンツォ。娘のエレナはアラビア語の法廷通訳で生計を立てるシングルマザーだが、母の死が父による裏切りのせいだと信じ、いまも父を許せずにいた。ロレンツォは気難しいところがあるものの、最近は隣家の若い夫婦と彼らの子どもと仲良くなり、擬似家族のような関係になっていた。しかし、そんな平穏な日々が、ある事件によって突然幕を閉じてしまう。ロレンツォ役の主演レナート・カルペンティエーリが、イタリアのアカデミー賞と呼ばれるダビッド・デ・ドナテッロ賞などで主演男優賞を受賞。日本では「イタリア映画祭2018」で「世情」のタイトルで上映されている。
2017年製作/108分/イタリア
原題:La tenerezza
配給:ザジフィルムズ
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2021年10月11日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
この何年かで一番の出来のヨーロッパ映画だ。
観客の目に映っているものが必ずしも物語の中心ではない演出によって、最初からスクリーンの中へと引き込む力強さ。
人物の心理を簡単にセリフで表現しない深遠な描写。
様々な出来事が重なって映画に触れる機会がめっきり減ってしまっていたこの数年、出会う作品の質もまた、それほど高いとは思えないものがばかりだった。この作品は私が映画に求める語り口に満ち溢れ、久しぶりに映画鑑賞の喜びに浸ることができた。
また、離婚をしてからというもの、子供たちとの会話が極端に少なくなってしまった私自身と、主人公親子の姿が重なった。
いつまでも子供たちへの心配は絶えず、これに耐える辛さに負けそうになることは多い。このことから逃げたい気持ちを抑えても、代わりに苛立ちを隠せなくなる。
世の年寄たちが孫の顔が見たいなどと勝手な希望を口にするその寂しさがだんだんと分かるような歳に自分が差し掛かっていることを思い知らされる。
表には出さないが、きっと子供たちのほうでもこの愚かな親のことで心配をしたり、苛立ちを覚えたりしているのだろう。
2021年1月31日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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幸せは家族のもとに帰ること。自分の浮気が原因で妻が亡くなり、娘と息子とも口を聞かず、孫も懐かず、人生に楽しみを見いだせない孤独の老人の隣家に心優しい家庭が越して来る。奥さんと会話するうちに徐々に打ち解け、次第に心開くようになり、生活にも張りが出てくる。しかし、旦那は子供を愛せないことに悩んでおり、精神的に病んでいた。旦那は一家心中を図り、彼女は意識不明で集中治療室へ。付きっきりとなるが、やがて死んでしまう。亡くなる直前、彼女の幻を見て、家に、家族のもとに帰るように諭され、今一度家族を見つめ直す契機となる。長い時間を掛け、家族が再生していくストーリー。
2021年1月7日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
子供たちと確執を抱え
アパートで一人暮らす老人ロレンツォ
越してきた隣人との出会いから
心を開くようになるも
彼らを失う…
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“家族主義の国イタリア”
“人情溢れる下町ナポリ”
そのイメージが覆る
分かり合えずすれ違う家族の心情
繋がりが希薄になった地域社会…
大量の移民が流入している町ナポリ
人々の心の闇を容赦なく描き切り
観る者の心をゆさぶる
───ナポリの隣人公式サイトより
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愛し方を知らない人々
考え方や感じ方は人それぞれ
血の繋がりだけではなく
理解しようとする
寄り添うことが愛なのでは
人生
その人の後ろについてくるもの
深い余韻を残す良作
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原作は#ロレンツォマローネ
「La tentazione di essere felici (幸せであることの誘惑) 」
イタリアの名匠#ジャンニアメリオ
イタリア映画祭2018 (日本) で
「世情」のタイトルで上映された作品
「 tenerezza」
愛情·優しさ·思いやりの意
2020年10月23日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
老弁護士は昔、愛人がいたため妻が早逝したと思っている、娘と息子には疎遠にされている。
隣に引っ越してきた一家と親しくなる。
特に奥さんは気さくで子供たちとも仲良くなる。
ある日、散歩から帰ると・・・。
親子関係も赦しがないと、しんどくなる。
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