女と男の観覧車のレビュー・感想・評価
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情は残るが、黙っていれば、何も起こらない。
狂い始めた生活と言うが、寧ろ夢の中の話。
登場する人物全員が孤独。欲求不満を抱えて生きている。
だから、最後に元に戻らないと、生きていけない。
一夏の夢から覚めて、普通の生活に戻ることになる。だから、ミッキーとキャロラインは夏が終わって、最後に姿を消す。情は残るが、黙っていれば、何も起こらない。
面白い。
追伸 ワンダーホイールが原題だが、観覧車であっても、コニーアイランドの観覧車を指すらしい。ゴンドラが動いて揺れるタイプの観覧車だそうだ。正にこの映画の事だね。ぐらぐら揺れて、最後に戻る。
僕はこのタイプの観覧車に乗った事がある。確か、横浜のドリームランドだったと思う。4回位行った。
男と女の感性の違い、そして元女優妻の嫉妬の激しさ狡さ嫌らしさが満点
男と女の感性の違い、そして恋愛に溺れる女性達の姿が、しっかりと描かれて感心はさせられた。
舞台は50年代のニューヨークの遊園地。
まず、そのレストランで働く元女優を演ずるケイト・ウインスレットが、演技を感じさせなくて凄い。前夫を若い男との浮気で傷つけ自殺させた過去にも関わらず、子連れでも再婚してくれた現在の夫にときめかず、若い作家志望の大学生ジャスティン・ティンバーレイクとの逢引きに夢中になってしまう。そして、日常からの脱出の夢を彼に重ねてしまう。演技のリアリティが十分すぎて、大学生で無くても突き放したくなる様な女の嫉妬の激しさ、狡さ嫌らしさと非現実生が表現されていた。
メリーゴーランド管理者の夫の娘、ジュノー・テンプルも良い。父親の反対にもかかわらずマフィアの男の元に走り結婚したが、FBIに多くをゲロし殺さそうで逃げ込んできた。にもかかわらず、文学的大学生ティンバーレイクに、まるで恋する乙女の様に夢中になってしまう。命からがら転がり込んだ時の姿と、彼が私に夢中と、夢見る様にウインスレットに話す落差をつけた演技が、とても魅力的に思えた。
そして、学生役のティンバーレイク、本人的には自分の心に忠実に二人に接していることで、結局は二股をかけてしまっているのが、面白い。他の人間に相談までして現実重視し、娘の方は諦めようとするも、結局は娘の方を誘ってしまっているのだ。
ということで、放火し映画館に入り浸る子供、夫役も含め、ウッディアレン本人や、過去の妻達や現在の妻を反映した様な私小説風のキャラクターが登場も、どの家庭にもある様な普遍的な男女となっていて、流石と思えるところはある。
ただ、この映画の最大の欠点はウインスレットの演技が多分演出に忠実で、うますぎて、だからこそ彼女に少しも魅力が感じられないこと。というか、彼女のキャラクター設定、つまり魅力を封じたウッディアレンの脚本自体が最大の難点かもしれない。こんな女は追い出してしまえと早々と思ってしまった。脚本兼監督アレンもそう思ってることの反映の様に感じてしまったのだ。
単なる不倫ドラマ
映画館で観るような作品じゃないな ウッディアレン的な要素満載、ジニーというバツイチ 子持ち 再婚 元女優 という女と若い男が不倫すりゃ ヒステリックな女の方がこうなるよな、そこに恐怖さえ覚える、さらに嫉妬が絡むと殺されるかも知れないのにマフィヤに渡してしまう展開、元々ジニーのせいではないが
ラストが呆気ないのがやや不満かな キャロライナのその後が知りたかった ジニーと放火魔息子のその後もきになるところ、やはりテレビドラマ向けの作品だな
ウディアレンで二番目に好き
音楽や、セリフが多いところや、主役以外の俳優がカメラ目線で話すところなどがウディアレン節満載。
巧みな会話と練りこんだ内容がウディアレンらしい
ケイトウィンスレットは年を取っても綺麗で好き
ジニーが波乱な展開すぎて役ながら可哀想だと同情してしまった
夫の元妻との娘に不倫相手をとられるなんて、女なら誰しも思うだろうがまー憎い憎い
そら当たってイヤミを言うしまうのは皆んなそうだと思う
と女目線でみてて共感した笑
最後の最後まで
野球の試合観に行くか?
行かない
で終わるところが良かった
ジニーは舞台や物語、映画が好きなのに対して夫は釣りや野球、、、
全く趣味が合わないのもおもしろい
ラストシーンのジニーが一番化粧や衣装が派手になってた
MAXに着飾って最後にフラれるオチ、面白かった
おもしろい
欲求の溜まった人妻の恋心、嫉妬、上行意識が良くかけている。浜辺でこっそり男と会うシーンがあり2人の特別な場所と思っているが娘とも同じ場所であっていてイライラしてしまう。欲求不満が爆発しその行動(行動しないということ)により更なる悲劇が生まれ生活が崩壊してしまう夏の恋は恐ろしいが面白い。
光がきれいだった。
1950年代、コニーアイランド。
よくわからないけど地域全体が遊園地みたいな場所と思えばいいのでしょうか。
たしか映画「ブルックリン」でもシアーシャローナンたちが海水浴に来ていたように記憶しています。
今回の映画は、色がきれいでした。
遊園地のネオンが室内に映っていたり、オレンジの夕日が見事だったり。
美しき風景に反比例する、主人公のさび色の毎日。
そこから大学生には見えないけどかわいげのあるジャスティンティンバーレイクとの浮気に色めきたつケイトウィンスレットが、まあ説得力たっぷりに悲喜劇を演じます。
ケイトウィンスレットの容貌が、昔美人だった、今は生活にくたびれているけど
過去の夢が忘れられないあきらめの悪い中年女性っていうのを、本当に体現していて、感心しました。
もうちょっと病的に恋に溺れていて、夫の娘とジャスティンがひかれあうのを
どうにか阻止したくて、二人のデートするお店に危険を知らせる電話をしなかったシーンまでのあれこれが面白かったです。
そして、それが露見してから、女優になりきっておうちで衣装を着こんで永台詞をいうケイトは最高でした。
息子(ケイトの連れ子)の放火癖が何を表しているのかよくわからなかったです。
非行の典型的な何かがあるのでしょうか。
なんにせよ、彼の放火癖は止められず、ラストにはなんかおっきな火を起こしていたような…
まあ、みんなおばかさんですって話です。
きっとわたしもそうなんだろうなっておもいました。
ウッディ・アレン版貧乏地獄物語
中年以上が見ると何とも切なく遣る瀬無い気持ちになる作品。日本映画で扱うような四畳半的世界が描かれているのだけど、その貧乏臭さが薄まっているのは、ウッディ・アレンの軽妙な演出とBGMのジャズの効果だと思われます。それにしても、ケイト・ウィンスレットの演技は鬼気迫るものがあり必見。ジム・ベルーシの演じる情けない中年デブハゲアル中もいかにもいそう。繰り返しになるけど、現実生活の閉塞感と逃避(貧乏臭さ)、それと対照的な軽妙な演出のギャップが激しすぎて、やや違和感を感じながら見終えました。
ウディ・アレン的テネシー・ウィリアムズ演劇
ウディ・アレンの今年の新作。大女優ケイト・ウィンスレットを主役に配したあたり、かなりの意欲作なのでは?という気がする。数年前にも大女優ケイト・ブランシェットを主役に配しかなり力を入れて作ったであろうことが垣間見える「ブルー ジャスミン」があり、そちらはウディ・アレン流にアレンジしたケイト・ブランシェットのための「欲望という名の電車」という感じがあった(ちなみにブランシェットは舞台で幾度となくブランチ役を演じている)。それでは今作はどうか?テネシー・ウィリアムズ的なヒロイン像や「観覧車」というタイトルから察するに、「ガラスの動物園」のような気もするし、個人的にはどこか「サンセット大通り」あたりも想起した。元女優である主人公ジニーが、脚本家志願の若き男に入れあげ、激しい嫉妬と妄想と狂気に溺れていく。そんな鬼気迫るヒロインを演じるのに、ウィンスレットほどの女優でなくては!と思う気持ちも良く分かる気がする。
ウィンスレットもその期待に応えるかの如く熱の入った演技を見せつけてはくれるのだが、どうしても暑苦しいというか力み過ぎというか。映画自体がやや舞台がかったところがあり、ジニーら家族が暮らす遊園地の隣のアパートを一室をメインステージにした舞台のような作り方で、台詞の応酬も舞台っぽい部分が強く、これを本当に舞台で見たならド迫力で見応え十分だったのだろうと思う一方で、映画で見ると少々その大芝居が煩く感じられてくるのも否めず(ジム・ベルーシも然り)。むしろ、物語においては台風の目のような立場でありながらも、どこか清涼感漂うジュノー・テンプルの存在と演技の方がよっぽど輝いて見えたほど。
ただただ美しいライティングと背景に佇む観覧車の美しさに見とれ、夢の世界のような遊園地の隣で生々しい痴情のもつれと、美しい光に照らされた人間臭い人々という対比に惹かれつつ、悪い意味でひたすら息苦しいばかりの物語にすっかり疲弊してしまった。ただ放火癖のある息子が締め括るラストシーンは余韻と皮肉があってやけに好きだった。
主人公の奥底まで照らし出す撮影の見事さ
1950年代米国ニューヨーク郊外のリゾート地・コニーアイランド。
まもなく40歳になる元女優のジニー(ケイト・ウィンスレット)は、その地の遊園地のレストランでウェイトレスをやっている。
彼女は、息子のリッチーを連れ、粗野なハンプティ(ジム・ベルーシ)と再婚、ハンプティも同じ遊園地の回転木馬係として働いている。
そんな中、5年間音信不通だったハンプティの娘キャロライナ(ジュノー・テンプル)がやって来る。
キャロライナは、駆け落ちしたギャングの夫の秘密を警察に漏らしたため追われている、という・・・
というところから始まる物語。
で、これが若い頃のウディ・アレンならば、キャロラインをギャングの追っ手から守るためのドタバタ喜劇になるところだが、そうはならない。
ジニーは、海岸で監視員をしている脚本家志望の若者ミッキー( ジャスティン・ティンバーレイク)と不倫をしており、いつか、この騒々しく薄っぺらな遊園地から連れ出してくれるものと信じているが、その一方で、ミッキーはキャロライナに好意を寄せている、と嫉妬心に駆られていく・・・と物語は展開していきます。
そんな物語は、映画の中で引き合いに出されるドストエフスキーやチェーホフの物語に似ています。
とにかく、ジニーの妄念が凄まじい。
妄念、妄執、独占欲と疎外感が一緒くたになった凄まじい嫉妬心。
現在の自分のひとかけらも認めたくない、その恐ろしさ。
実際のところ、この手の女性は観ているだけで辟易で、映画で観るのも嫌なのだけれど、本作はグイグイと惹き込まれていきます。
これは、ウディ・アレンの脚本の上手さもさることながら、撮影監督のヴィットリオ・ストラーロの手腕によるところが大きいでしょう。
前作『カフェ・ソサエティ 』からコンビを組んだストラーロだが、本作ではカメラワークも超絶だが、なんといってもライティングが素晴らしい。
いつものウディ・アレン映画と比べると、寄りの画が多く、登場人物に肉薄するとともに、真横から色とりどりのライトを当て、その色で登場人物の心理状況を補完していきます。
この色とりどりのライティング、クライマックスでは、さらに凄い。
妄念の塊と化し、かつての舞台衣装を身にまとい、ミッキーに対して長台詞をいうジニー。
はじめ、ライトは黄昏の紅い光なのだが、途中から、スポットライトを思わせる白色光に変わり、ジニーの顔を照らしつけ、皺の一本一本、心の襞の奥底まであぶり出します。
いやはや、ほんとに凄まじい。
嫉妬女とダメ男
始まる前に流れた、マンマ・ミーアの
新作が無性に見たくなる後味。
ケイトが見事にハマってて
嫉妬って見にくいなって凄かった。笑
人の振り見て我が振り…じゃないけど
何の意味もないし、疑われる事で
相手は確信に変わるなーっていう。
あの青年の何が魅力的だったのかは
全然伝わってこなかった。
娘の出現で嫉妬に狂うのは分かるけど
ライフガードっていいつつ大して
身体作られてるわけでもないし、
監視中に本読んだり、不倫したり
二股しかけて最終的に若いの選ぶって。
放火魔の息子は悩みの種、
ストレスの一つってのは分かるけど
何だったのか気味悪かった。
旦那の娘もあんまりかわいくはなかったけど(特に光の当て方)、不倫を非難せず女心を理解するなんて、いい子過ぎ。
若気の至りに年増のババァがハマったらこうなります。っていう映画かな。
観覧車って意味がどこにあるのかな。
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