女と男の観覧車のレビュー・感想・評価
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かわいそう
「世界中がアイラブユー」以来、約20年振りのウッディ・アレン。ケイト・ウィンスレット目当てだったのだが、もう少し美しく撮ってあげて欲しかった。。。爺様たちの手すさびに付き合わされたようで可哀相。
屋内シーンの独特なライティングが、通り一遍ではない雰囲気を醸し出し思わず目を凝らしてしまう。つまらない舞台劇っぽくなりがちな場面をうまく引き締めていたと思う。
基本的には面白いけど倫理的にかなり引く
めくるめく展開により、最後まで飽きないし、基本的にはとても面白い作品だとは思ったけれど、過ちを繰り返す子供や過ちを繰り返し続ける大人の表現が倫理的にどうも受け入れることができず、むしろ引いてしまった。
ケイト・ウィンスレットの妖艶悪女ともいえる演技を見るだけでも面白みを感じるけれど、あまりに完璧な“ジミー”にやっぱり引いてしまう。
冒頭の魅力的な“キャロライナ”登場そのものが、最近のウディ・アレンの良からぬニュースを知っていただけに、結構引いてしまったのだけれど、監督特有のアイロニーなどを考慮して観賞し出すと、全てひっくるめて楽しめるような作品かなとも思いながら見ていた。
作品のキーとなる観覧車の照明なのか、赤や青の光が人物や舞台を効果的に照らし出す絵が非常に良くて、醜悪なお話しの良きスパイスのように思えた。脚本だけでも十分内容を把握できる作品ではあったけれど、画面内のあらゆる効果でより一層作品を咀嚼できたような気がした。ただ、個人的にそれは苦虫をかみつぶしたよう気が少しだけしてしまったのだが…
あらゆるエゴや秘め事、そしてその対立など、物語の楽しむ要素は半端なくあったけれど、後味は決してよろしいものではない。
映画としては素晴らしいけれど、物語としては好きじゃない。
主人公の性格がヤバいやつだった。てか登場人物全員アレな感じで、余白...
主人公の性格がヤバいやつだった。てか登場人物全員アレな感じで、余白も多いからどう受け止めていいのか分からん…。特にロマンチックでもないし…。うーん…。
アレン監督は年増女が本当に嫌いなのね〜(笑)
画面の美しさと裏腹に
観てる間中、「ああ、痛!痛!」と声が出そうになった!
どんだけウッディ・アレン監督は年増女が嫌いなのか〜(笑)
前々作の「ブルージャスミン」はいかにも痛そうだったので
観る前から怖気付いてスルーしたのだけど
今回はうっかり観に行ってしまって、
相変わらず本当に「痛い」内容で〜〜
痛いだけで無く悲しい〜〜。
主人公のジニーは売れなかったとはいえ元女優で
そこそこプライドの高い女だったのに
バツイチ子持ちで生きてゆくには
若干酒癖は悪いが、気のいい親父のハンプティに
結構無理して合わせてるうちに、
「本当の自分はこんなんじゃない!」と
昔の自分と今の自分が乖離してゆくのがさぞや苦しいだろうに〜
と、気の毒になる一方で、昔の自分にしがみつく気持ちの醜さも
自分の胸に手を当てる感じで痛いわ〜〜。
そうやって、ジニー的には「合わせてやっている」ハンプティが
縁を切ったと言っていた実の娘が泣きついて来た途端、
娘の学費のために財布が固くなって
ジニーの連れ子のためのお金を出してくれなくなる。
そんなジニーをとんでもない落とし穴に監督は容赦なく突き落とす。
ほんとに酷い男だわ!ウッディ・アレン!
で、月に8本程は映画館に通う中途半端な映画好き的には
男性主人公の場合は「なんで?」 と思うような可愛い若い女性と
土壇場でくっつけたりするくせに、
女性主人公の場合は容赦なく突き落とす〜〜。
ウッディ・アレンは本当にプライドの高い年増女が嫌いなのね〜。
私もウッディ・アレンの若い女趣味が嫌いだけどさ〜(笑)
それでも音楽や美術が毎回流石にウッディ・アレン!
と唸らされるのでついつい観に行ってしまうけど
今回はそんなものでフォローしきれない程、
悲しくて痛い映画だったわ〜
@もう一度観るなら?
「勘弁してください〜〜(笑)」
ケイトウインスレット めっちゃビューティフル
どこかで見た女優 タイタニックのヒロインやないですか。ヤハリ、若い娘役と違い余裕が感じられました。ヒステリックな役で残念でした。が美しさは健在です。得した気分です。
コニーアイランド いいね
50'sのコニーアイランドとウディアレンと黒人DOOWOOPとギャング。これだけで魅力的な映画。さらにオープニングの「コニーアイランド・ウオッシュボード」の一曲で僕はひこ込まれてしまった。それにウディアレンらしい詩的な表現もかっこいい。「悲劇的な人生は全て自分の行動が悪いから?自己責任?」だって「感情に嘘をつきながらは生きられないもの」そんな直球がずっと流れている。みんな神経衰弱気味ながらも冷静さを目指している。人間の弱さを十分わかっていながらどうしようもない感情。この観覧車には乗りたくないけど、時代が許してくれそう。最近はいい映画に当たっている。
火遊びの行方
ケイトウィンスレット
ヤバイ奴演じきってましたね
嫉妬するのも
猜疑心の塊になっちゃう気持ちも
解らないではないけれど
ちょっとした事で(本人からしたら)
結果大事に...
キーラナイトレイの
「つぐない」思い出しちゃった
これは子供のヤキモチだけど
ドレス着てお酒飲んでる姿は
みっともないとというか
哀れでした。
ウディ・アレン的テネシー・ウィリアムズ演劇
ウディ・アレンの今年の新作。大女優ケイト・ウィンスレットを主役に配したあたり、かなりの意欲作なのでは?という気がする。数年前にも大女優ケイト・ブランシェットを主役に配しかなり力を入れて作ったであろうことが垣間見える「ブルー ジャスミン」があり、そちらはウディ・アレン流にアレンジしたケイト・ブランシェットのための「欲望という名の電車」という感じがあった(ちなみにブランシェットは舞台で幾度となくブランチ役を演じている)。それでは今作はどうか?テネシー・ウィリアムズ的なヒロイン像や「観覧車」というタイトルから察するに、「ガラスの動物園」のような気もするし、個人的にはどこか「サンセット大通り」あたりも想起した。元女優である主人公ジニーが、脚本家志願の若き男に入れあげ、激しい嫉妬と妄想と狂気に溺れていく。そんな鬼気迫るヒロインを演じるのに、ウィンスレットほどの女優でなくては!と思う気持ちも良く分かる気がする。
ウィンスレットもその期待に応えるかの如く熱の入った演技を見せつけてはくれるのだが、どうしても暑苦しいというか力み過ぎというか。映画自体がやや舞台がかったところがあり、ジニーら家族が暮らす遊園地の隣のアパートを一室をメインステージにした舞台のような作り方で、台詞の応酬も舞台っぽい部分が強く、これを本当に舞台で見たならド迫力で見応え十分だったのだろうと思う一方で、映画で見ると少々その大芝居が煩く感じられてくるのも否めず(ジム・ベルーシも然り)。むしろ、物語においては台風の目のような立場でありながらも、どこか清涼感漂うジュノー・テンプルの存在と演技の方がよっぽど輝いて見えたほど。
ただただ美しいライティングと背景に佇む観覧車の美しさに見とれ、夢の世界のような遊園地の隣で生々しい痴情のもつれと、美しい光に照らされた人間臭い人々という対比に惹かれつつ、悪い意味でひたすら息苦しいばかりの物語にすっかり疲弊してしまった。ただ放火癖のある息子が締め括るラストシーンは余韻と皮肉があってやけに好きだった。
ケイト怖すぎ!ジュノーテンプルかわいすぎ! 40過ぎの女が見るには...
ケイト怖すぎ!ジュノーテンプルかわいすぎ!
40過ぎの女が見るには、パンチ効きまくり!痛すぎてたまりません♪
さすがのアレン安定の面白さです!
ウッディ・アレンらしい台詞まわし、いつもながら人間の本質が独特の視...
ウッディ・アレンらしい台詞まわし、いつもながら人間の本質が独特の視点で描かれている。綺麗な役どころではないのに見惚れてしまうケイトが素晴らしい。
人は欲望があり、満たされれば次の欲望へと進む みな誰もが何かしら欠...
人は欲望があり、満たされれば次の欲望へと進む
みな誰もが何かしら欠点を持っており、生きていれば失敗もする
人ひとりでは生きていけない
誰かを支え、支えられて生きている
最後の夕陽を見つめるジニーに、結局は平凡な日常生活が一番幸せだったりすると感じた
ビリビリきました
とても良かった!
それぞれの演者の個性がはっきりしていて、それぞれいろいろな事情を抱えています。
それがちょっとずつややこしく、そして加速するように絡まっていきます。
グルグルと、坩堝のように。
コニー・アイランドの観覧車は知りませんが、ル・マン名物の高速観覧車のようで、観ていてドキドキしました。
一体どこに着地するのか、ハラハラしながら観ました。
映像も素晴らしかったです。
特に舞台を意識した照明が良く、映画の内容とリンクしていてドキドキを煽ります。
女優もの、舞台と、何となくベルイマンやカサヴェテスに通底する部分も感じられて嬉しかったです。
観ていてビリビリ来る作品は久しぶりでした。
面白かった。
追記:鑑賞後にぼんやりと思い返すと、とても音楽に似たフィーリングを感じました。
始まりから少しずつ加速し、ピークがあって、静かに終わる。
次作を観るときは、このことに留意しておこうと思います。
主人公の奥底まで照らし出す撮影の見事さ
1950年代米国ニューヨーク郊外のリゾート地・コニーアイランド。
まもなく40歳になる元女優のジニー(ケイト・ウィンスレット)は、その地の遊園地のレストランでウェイトレスをやっている。
彼女は、息子のリッチーを連れ、粗野なハンプティ(ジム・ベルーシ)と再婚、ハンプティも同じ遊園地の回転木馬係として働いている。
そんな中、5年間音信不通だったハンプティの娘キャロライナ(ジュノー・テンプル)がやって来る。
キャロライナは、駆け落ちしたギャングの夫の秘密を警察に漏らしたため追われている、という・・・
というところから始まる物語。
で、これが若い頃のウディ・アレンならば、キャロラインをギャングの追っ手から守るためのドタバタ喜劇になるところだが、そうはならない。
ジニーは、海岸で監視員をしている脚本家志望の若者ミッキー( ジャスティン・ティンバーレイク)と不倫をしており、いつか、この騒々しく薄っぺらな遊園地から連れ出してくれるものと信じているが、その一方で、ミッキーはキャロライナに好意を寄せている、と嫉妬心に駆られていく・・・と物語は展開していきます。
そんな物語は、映画の中で引き合いに出されるドストエフスキーやチェーホフの物語に似ています。
とにかく、ジニーの妄念が凄まじい。
妄念、妄執、独占欲と疎外感が一緒くたになった凄まじい嫉妬心。
現在の自分のひとかけらも認めたくない、その恐ろしさ。
実際のところ、この手の女性は観ているだけで辟易で、映画で観るのも嫌なのだけれど、本作はグイグイと惹き込まれていきます。
これは、ウディ・アレンの脚本の上手さもさることながら、撮影監督のヴィットリオ・ストラーロの手腕によるところが大きいでしょう。
前作『カフェ・ソサエティ 』からコンビを組んだストラーロだが、本作ではカメラワークも超絶だが、なんといってもライティングが素晴らしい。
いつものウディ・アレン映画と比べると、寄りの画が多く、登場人物に肉薄するとともに、真横から色とりどりのライトを当て、その色で登場人物の心理状況を補完していきます。
この色とりどりのライティング、クライマックスでは、さらに凄い。
妄念の塊と化し、かつての舞台衣装を身にまとい、ミッキーに対して長台詞をいうジニー。
はじめ、ライトは黄昏の紅い光なのだが、途中から、スポットライトを思わせる白色光に変わり、ジニーの顔を照らしつけ、皺の一本一本、心の襞の奥底まであぶり出します。
いやはや、ほんとに凄まじい。
芸達者と脚本の妙味。二人の巨匠健在なり!
この作品は、アメリカの評論家のウケがあまり芳しくないらしい。
今に始まった事ではないが、アレンの映画はアメリカよりヨーロッパや日本での人気の方が高い。
質感がヨーロッパ的で、予定調和に走らないところもアメリカ人には向いていないのかもね。
ともあれ、アレン爺、感傷的な女性を描かせたら今や世界一かもしれない。あっぱれ!
珍しく長回しと長ゼリフが多いことに新鮮みがあった。
あと、セリフを喋る後ろにいる役者もフレームに入れて演技をさせているところに演劇的肌触りを感じた。
ストラーロの暖色と寒色を大胆に切り替えるカメラも素晴らしい。巨匠健在なり!
アレン82歳にして、この女性の鬱屈した難しい心理を見事に描き切った。
こちらも巨匠健在なり!
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