劇場公開日 2018年12月22日

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家(うち)へ帰ろうのレビュー・感想・評価

全96件中、1~20件目を表示

4.0観終えて分かる、邦題の味わい

2019年3月3日
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まず、邦題がいい。
観る前は、「ありきたりだな」と思い、それほど惹かれもしなかった。けれども観終えてみると、英題「The Last Suit」以上にぴったり、しっくりくる。映画が描いているのは、「友にスーツを渡す」ことではなく、「自分にとって大切な場所に帰ることの大変さ・大切さ」なのだから。そして「家(うち)」は「家族」ではない。最期に求める・帰り着く場所が、必ずしも血縁とは限らない…というほろ苦さも、この映画にはにじんでいる。
子供たちの勧めで老人ホームに入居することになった元仕立屋の主人公は、自分が仕立てた最後のスーツを(たぶん偶然)見つけ、故郷の親友に届けようと思い立つ。旅の途中、彼は幾度となく「死ぬ前に、古い友にこのスーツを届けなければならない」と重々しく口にする。けれどもそれは、自分に向けた言い訳のようにも思われた。ナチスの壮絶な迫害から逃れ、遠くアルゼンチンに移り住んだ彼にとって、故郷への道は遥かに遠く、心的にも険しい。その重みが、旅の過程でじわじわと伝わってくる。
勢いのまま旅を始めた彼が選んだのは、スペインに飛んだ後に陸路でヨーロッパを横断するルート。マドリッドで(たぶん最も信頼していた)娘宅を訪ねるが、彼女も他の子らと同類だったと思い知らされる。行き場のない彼は、とにかく進むしかない。言葉も通じず、ドイツを通らずポーランドを目指そうとする彼の旅は、難題だらけだ。そんな彼に手を差し伸べるのは、いずれも美しい女性たち。機知に富んだ彼女たちとの出会いが、頑なで孤独な彼に、少しずつ変化をもたらす。
「自分にとって大切な場所」は、思いがあふれ過ぎていて、距離感が取りにくい。再び訪れてみたいと思う反面、当時の印象が崩れる不安もある。思い返すほどに、記憶の中でデフォルメしているかもしれないとの疑念さえよぎる。寝苦しいホテルのベッドに身体を縮め、長距離列車に揺られながらまどろむ彼が見る夢は、恐ろしくも悲しい記憶の断片ばかり。それらはきっと、家族にも語らずに、抱え続けてきた過去なのだろう。胸の奥底に沈めていた思いを、彼は少しずつ解き放つ。彼女たちは彼の言葉に静かに耳を傾け、共に進む。南米から東欧へ、長いながい旅路は、巻き戻れていく彼の人生に、ゆるやかに重なっていく。(ふと、韓国の秀作「ペパーミント・キャンディ」が思い出された。)
かつての我が家、そこに住んでいるはずの友。彼はそこに帰り着くことができるのか…。息を呑むラスト。音は一切なく、刻み込まれた深いしわとその奥の瞳、そして視線のみで語られる物語の豊かさに、胸がいっぱいになった。大きなスクリーンで存分に味わいたい、忘れがたい旅の映画だ。

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cma

4.0邦題がラストの感動を一層深いものにした

2019年3月25日
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鑑賞方法:映画館

笑える

監督の祖父の体験を基に作られた本作は、軽妙でありつつ人生の侘び寂びを感じさせる。アルゼンチンから遠く離れた故郷のポーランドまで旅をする老人が、道中様々な人物と出会う。ポーランドへ陸路で向かうためにはドイツを通らねばならず、ユダヤ人である彼は、なんとかドイツを経由せずにポーランドに入る方法を模索するが、そんな道はない。絶対にドイツの地に足を踏まない決意の彼に、あるドイツ人女性の取った行動はに驚かされる。自国の加害の罪を背負うというのは、ここまでせねばならないことなのか、と複雑な気分になりつつも、勇気ある行動とも思う。

原題の「El ultimo traje」は最後のスーツ、という意味。個人的には邦題の方が好きだ。最後のスーツよりも、前向きさな印象を与えるこの邦題がラストの感動を一層深いものにしてくれたと思う。邦題は良く批判されるが、秀逸な邦題もたくさんある。

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杉本穂高

4.5お洒落な頑固ジジイ、モテ過ぎだ

2018年12月29日
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鑑賞方法:試写会

泣ける

楽しい

知的

羨ましいじゃないかまったく。偏屈で頑固者なのに、宿泊代を値切ろうとしたホテルの女主人とは飲み屋でいいムードになるし、ドイツ人と聞いた途端に嫌悪感を露わにした相手の知的な女性研究者には駅でとんちの効いた援助を受けるし(一休さんみたいな解決策だ)、倒れて搬入された病院の看護婦にはドライブデートみたいな雰囲気で車に乗せてもらうし。

アルゼンチン映画でホロコーストもの?と観る前は疑問もあったが、なるほど、大戦後に南米へ渡って人生をリスタートさせたユダヤ人たちも相当数いたのか。ヨーロッパからの地理的な距離感が、迫害の歴史的事実や被害者らの体験を客観視するのにプラスに働いた。また、ラテンの大らかさや明るさも、ホロコースト映画にしてはユーモアがしっかり効いた作風に貢献したようだ。

男なら老いてもアブラハムのようなモテ爺さんになりたいものだね。お洒落がやはりポイントだろうか。

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高森 郁哉

3.0シンプルだが、ラストはグッと

2024年1月1日
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鑑賞方法:VOD

本来重くなりがちなストーリーを、旅先で出会う個性的な人達との触れ合いを通して、ユニークささえも交えて描いている。
全体を通して、良い意味でシンプルに構成されているところが、ラストシーンをより際立たせたと思う。
すっきりと観れる作品だ。

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いけい

5.0良い映画を観た

2023年2月2日
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鑑賞方法:VOD

題材がホロコーストの割には重くなく、テンポも良い。時々挟まれる回想シーンは、はじめはよくわからないのだが、なぜか引き込まれ、徐々に理解していくというプロットもとても素敵。忌わしい過去のシーンは最小限にして、セリフと観る側の想像力で充分伝わってくる。
頑固ゆえに家族にはけむたがられるというのもなんとなく頷ける。けれど、行く先々で良い出逢いがあり、目的地にたどり着けるのも人徳か。
旅先での出逢いに助けられ、頑なだった彼の心が少しずつ氷解して行く様も見どころ。特に、ドイツの駅で列車から降りる時は直接プラットフォームに降り立たずにベンチに座った彼だったが、ワルシャワ行きに乗る時には、普通にプラットフォームに立って歩いていた。
また、ドイツでの駅のプラットフォームが改装中だった。これは、ドイツが戦争時代の昔のままでは無く、変化しているんだということを象徴的に表現しているように感じた。
鑑賞後、良い映画を味わえた気分に浸れ、翌日まであれこれ考えていた。

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翼

4.0良い作品に出会えました

2022年9月14日
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鑑賞方法:VOD

ホロコーストから命を救ってくれた友人に約束を果たすべき、70年の時を経て故郷ポーランドへ向かうロードムービー。
目的は自分が仕立てた「最後のスーツ」を渡すこと。そんな途方もない旅。
淡々としている作りだけど妙に気になる物語なんです。
すごいめんどくさいお爺さんだけど、旅の途中で出会う人々と触れ合う中で段々と解れていくのが見ていて心地良いんですね。
一緒に段々と輝きを取り戻していく彼の人生。
その旅に彩りを添える音楽がすごく良い。
どうしてもドイツを通りたくない彼に進めた方法なんてもうとんち。
全体的にコミカルに描いていたが、一転終盤はかなり重くなっています。
それにしてもラストの納め方は実に見事。
何だか良い作品に出会えました。

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白波

4.5人間の善意

2022年8月13日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

人間が持っている善意はすばらしい。
善意が
遠く離れた故郷に再び帰ることをアブラハムに決意させ,
度重なるアクシデントに遭いながらも
善意が
奇跡を起こす。

「ドイツは変わったわ。
過去の責任を全員が背負っている。」
とドイツ人文化人類学者は語った。
ドイツは国として
こんな言葉が出てくるような
教育をしているのだろうか。
私は戦争は悲惨,戦争放棄の教育を受けてきて,
絶対に戦争はしたくないと思っている。
でも
過去の責任を戦後生まれの私が背負っているという意識はない。

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アツコ

3.0友だちに会いに家へ帰ろう

2022年7月15日
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鑑賞方法:VOD

偏屈で頑固な老人が偏屈で頑固なまま故郷へ戻る話
なのだけど、そこにはホロコーストと言う大きな傷が
あって…
偏屈な爺さんですよ。と言うのを、最初の孫との写真
のシーンや飛行機の座席のシーンで見せるのが
上手いなと思いました。
そこに洒落たスーツ。

偏屈だけど気になっちゃうキャラ立ても上手かった。
ただポーランドに帰るだけじゃなくて、
そこに出会いもそうだけど、
ドイツには絶対足を踏み入れたくない!
と言う信念があるのがこの映画を特別な物にしてると
思う。

ナチスの事やホロコーストの事は当事者と、
いくら研究をしてるとは言え経験してない者とでは
大きな壁があるのだなと、
それを他人の口で語られるのもしんどいくらい
悲惨な出来事だったんだなと、
軽々しく口にするもんじゃないなと思いました。

ラストも、主人公の職業が70年越しに繋がって感動的なものでした。

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奥嶋ひろまさ

3.5忘れてはいけない

2022年6月30日
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頑固で押しが強い老人アブラハム。彼にはナチスの強制収容所から命からがら逃げてきた壮絶な過去があり、旅の途中少しづつその記憶が明かされていく。

私達戦争を知らない世代は未来志向だとか、許しだとか、前向きなことをわりと簡単に言ってしまう。だけど残虐な行為を目の当たりにした世代にとっては今もなお許しがたい事実なのだとあらためて感じた。私達の現在も未来も、こうした悲劇の歴史の上に成り立つのだということを忘れてはならない。

一つ疑問に感じたのは、頑なにドイツの地を踏むことを拒むくらい心に傷を負った人物が、ラストシーンで着用していたような縞模様のスーツを着るだろうか?ということだ。考えすぎなのかも知れないが、強制収容所でユダヤ人が着せられていた制服を思い出して少しドキッとした。

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雪

3.5ラストよりも

2022年1月22日
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出会った人を大切にしたいと思える映画。

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UNEmi

4.5スーツ

2021年10月14日
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何とも重たい話であるが、最後は微笑んでみた映画でした。家族の冷たさと、関係した周囲の人々の優しさ、ドイツに対する忘れ難い思い。本当に見ていて辛くなる部分も沢山ある。きっと平和慣れしている身には分かったつもりでも分からないものだろう。いい映画でした。

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GAB I

5.0ラストは涙がとまらない

2021年9月26日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

88才の可愛いお爺さんが、命の恩人との約束を果たすために生まれ故郷ポーランドに向けて旅をするんだけど、ドイツのホロコーストを生き抜いた経験から、度々はいる回想シーンが重い。途中お金をとられたり、電車でパリから、ポーランドにいくまでドイツを通りたくないだとかアクシデントはあるけれど、途中で出会う人々に助けられて、辿り着く。ラストは誰もが、涙がとまらないでしょう。

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motohayako

3.5邦題の勝利

2021年9月13日
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冒頭のユダヤ人たちのダンスシーン。

見返さなければ記憶に残らない程だが、あれでユダヤ人の物語であると言うのが自然に刷り込まれる。
ユダヤ人はダンス好き。そしてあの黒いハットが印象的。

アルゼンチン ブエノス・アイレスからポーランドまでの家族に秘密の旅。

いけすかない、そして口の減らないクソのつくジジイ。

娘たちが父親の家を売却して遺産を相続してしまうというのは日本ではちょっと考えにくいが アルゼンチンでは比較的ある事なのかなあ。日本では生前贈与は税的にあり得ない。ただこの爺さんの性格が親族にもあまり歓迎されないのだろうか。

旅に出てからは
爺さんの回想部分の登場人物が、当初誰が誰のことなのかわからないのが徐々に知らず知らず飲み込めて行く展開は良かった。

皆様の滂沱の涙のように鑑賞出来なかったのは
家でお手軽に見ちゃったせいかなあ、いい映画だったけど。

最近、配信で見る映画
ここでの評価を見てから決めるというおかしな癖がついてしまった。

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asica

4.0あなたは素晴らしい人

2021年9月4日
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歴史上の出来事としてでなく、その時代を生きたひとりの話として映画で残すことに大切な価値を感じます。ただ忘れないではなく、繋がりがある、続いている。

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Ironout22

2.5まあ、めでたし、か、

2021年8月30日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

前半は、主人公の状況から、ヨーロッパに渡るまでの流れ。
いい人たちとの出会いもあり、さらに目的地に向かう電車からちょこちょこ回想シーン。

当時のひどい状況の描写はなかったけど、ガンコなじいさんの珍道中、いろんな人に助けられて最後は目的を達成できてよかったな、と。

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けい

3.5ラテン系ホロコースト映画

2021年6月9日
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鑑賞方法:映画館

笑える

悲しい

知的

《お知らせ》
「星のナターシャ」です。
うっかり、自分のアカウントにログインできない状態にしていまいました。(バカ)
前のアカウントの削除や取り消しもできないので、

これからは「星のナターシャnova」

以前の投稿をポチポチ転記しますのでよろしくお願いいたします。
==============

前半のおじいさんとその家族や孫達とのやりとりは
面白さ半分、現実的なめんどくささ半分。
どこの家族でも有る有るな光景が
ラテンっぽく軽妙に続いて行くので
もしやこれはラテン系『リア王』的な展開?と思ったら
おじいさんの旅の先々で挟み込まれる過去のシーンが
ああ、これはやはりホロコースト映画なんだな〜
と実感させられます。

拷問とかの酷いシーンは無いですが
何があったか一目でわかる感じは辛いですね。

ただ、若い頃のおじいさんと親友を演じる若手俳優さんが
結構美青年で、そこはちょっとホッとします(笑)

簡単に「心温まる感動作」なんて言いたく無い
もっと、深いものを残してくれます。

で、月に8回程映画館に通う中途半端な映画好きとしては

前半はおじいさんの老人らしい頑固さや狡猾さに
若干イライラさせられるので
旅先で出会う人々がみなとても親切なのが
ちょっと腑に落ちなかったけど、
戦争に関しての教育が、日本に比べて
格段にしっかりなされているドイツ人なら
こういうこともあるのかな〜と少しづつ納得。

駅で乗り換えの列車に乗る時に
そこまで一緒に旅をしてきたドイツ人女性に
はるか昔、自分を救ってくれた
ドイツ人の友人の面影を見たのか
笑顔のシーンはちょっとホッとしました。

マドリッドのホテルの付っけんどんな女主人!
見た目はしわくちゃなんだけど
後にピアノに合わせて歌うシーンでいきなり色っぽくなる!
自分が知らないだけで、
すごい俳優さんが世界にはたくさんいるんだよね!

スペイン・アルゼンチン合作なのに
なぜホロコースト映画なのか不思議だったのですが
この映画の公式サイトの監督の話では
監督自身の出自と、
偶然に聞いたある老人の実話をヒントに
この脚本を書かれたとか。

戦争やホロコーストの悲劇と無関係な場所は
地球のどこにも無いんだな〜〜
本当に罪深い〜〜。

@もう一度観るなら?
「じっくり、配信などで観たいですね〜」

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星のナターシャnova

5.0誰でも幸福になる義務がある‼️信じよう‼️

2021年6月9日
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ホロコースから生き延びたユダヤ老人が恩人を訪ねていく旅の物語です。
途中で、いろんな人に助けられてようやくたどり着きます。
出逢いは、多分、予定調和で、出来過ぎかもしれません。
でも、信じたい、奇跡はあると。
どん底の中でしか、味わえない、人の情けが有ります。
まだまだ捨てたもんじゃない、人間。
私も、殺されかけたとき、助けられた一言が、題名の言葉でした。
入院した病院のナースの一言でした。
そんなことを思い出させてくれた、最高の映画です。
想いは通じるものです。
大切に生きていきたい、自分も人も大切に、しみじみとしました。

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アサシン5

4.5家(うち)へ帰ろう、を家(うち)で観ました

2021年1月26日
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鑑賞方法:DVD/BD

あー、映画館でどっぷり浸かって観たかった。

と、後悔しましたが、見逃さずに済んで良かったです。映画については、他の皆さまの素晴らしいレビューばかりなので、ちょっと別の〝人に会いに行く〟という話。

人それぞれ、色々な年代で色々な帰属集団がありますが、思い入れはそれなりに濃淡があるはずです。
5年ほど前のことです。ふと思いました。
それなりに濃いお付き合いといえる仲間の中には、私の場合、例えば部活の同期会、とか社会人になってからの特定の部署のOBOG会、などがあってとてもありがたいし、感謝しているのですが、この先も、交友関係が現状とそう変わらない範囲が中心のままで、残りの人生を過ごすことになってしまうのではちょっともったいないかもしれないと。

で、試してみました。

昔、卒業旅行の二週間で知り合っただけのツアーメンバー30人(一人だけ実家の連絡先が残ってた)とか、なんとなく年賀状だけやり取りしてるけど、30年くらい会ってない人とかに手紙を出して、昔の仲間と連絡を取って会ってみませんかと。
結果、淡いと思っていたお付き合いの方たちだったのに、3人から5人くらいは連絡がつき集まることができました。

この映画のような70年という月日だと、さすがに難しいけれど、20年や30年の隔たりなら誰かしらとは連絡が取れて誰かしらとは再会できるんですね。
手紙というアナログな方法だけだったのですが。
そして、若い頃の付き合いが淡泊だったからこそかもしれませんが、思うより簡単に話もできるし、人間関係の距離感を気にすることなく、割と素のままの自分でいられました(その後もほどほどの頻度でのお付き合いが継続しています)。

生活のために、まだまだ働かなくてはなりませんが、
運良くある程度健康のまま、高齢者になれたら(できるなら前期高齢者のうちに!)濃い薄いに関わらず連絡の取れた人から順番に一人旅(カミさんが許してくれたら)で会いに行く、なんてできたらいいなあ、と夢が膨らみました。

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グレシャムの法則

5.0おうちに帰れた

2020年12月27日
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鑑賞方法:VOD

泣ける

怖い

最初のシーンは「屋根の上のバイオリン弾き」の世界だった。音楽、ダンス、バイオリン、帽子。映画もミュージカルも含めて何十回も見たから懐かしかった。

リア王みたいな話になるのかなと心配したけれど、杞憂だった。アブラハムは食えない爺です。でも大好き。孫娘と真剣に取り引きして、してやられた!それを誉めるおじいちゃん。

アブラハムは自分のしたいことが明確にわかっていてそれを貫く強固な意志があって、頭が良くてすぐ取り引きしたがる。飛行機の中の「ミュージシャン」とのやり取り、確信犯で成功!マドリッドのホテルの宿泊料交渉!お前がなんで30人連れた添乗員なんだー!スペインの女性には負けた!でも、彼女の色気と可愛い焼き餅と彼女の昔の夫達の話を引き出したことに、アブラハムの魅力も関係してるに違いない。

アブラハムが自分の足できちんと立つ自立した大人で、お洒落で素敵にスーツを着こなしている魅力的な人だから、男性も女性も手を差し伸べる。

ドイツ人女性が文化人類学者というのはすごく受けました!世界中のどんな辺鄙な所に行っても必ず居るのがドイツ人と言われているので。

絶対に足を踏み入れたくない国。駅のホームのアブラハムの様子は、何だかほんわかしてかわいらしい雰囲気だった。辛い話をしているのに。列車に乗ってからは本当に辛かった。コンパートメントに居ればドイツ語が聞こえてくる、一等車両に迷い込んだら今度は禍々しい幻影。

ポーランドは特に激しかった。子どもや若者対象の強制収容所があった。ポーランドとドイツの関係は今でも難しい。いい関係ももちろんあるけれど。

「ミュージシャン」の青年、マドリッドのホテルの女主人、アブラハムと同じ数字の入れ墨を腕にしていた娘(この娘が、リア王的に言うと末娘かな。アブラハムはこの娘にちゃんと謝った)、パリで出会った文化人類学者、ワルシャワの病院の看護婦さん。アブラハムは自分の願いを素直に口にできる。だからみんな助ける。ユダヤの人の逞しさの前には頭を垂れることしかできない。

コロナが収まったら行きたい所が少しずつ増えてきた。アブラハムが親友と一緒に居る「おうち」があるウッチにも行きたい。ワルシャワから約130km、ポーランドのほぼ真ん中。素晴らしい建築の街、繊維業で豊かだった街、文化の街、ポランスキーやワイダが通った映画学校がある街。

お星様の物語を上手に語った可愛い可愛い妹のことを、悪夢でなくて幸せな夢の中で見て欲しい⭐️

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talisman

5.0過去に背を向けず

2020年11月30日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

知的

幸せ

NHKに『ファミリーヒストリー』という番組がある
著名人のルーツをたどる番組で大概出てくるエピソードに第二次世界大戦があるのだ
さまざまな出来事があり大変な時代だったのだなと私は思うのだが、もしもこんな番組がヨーロッパなどにあったならどうなのだろうか
著名人がユダヤ系の人ならどんなファミリーヒストリーになるのだろう
また、ドイツだったら見る人はどんな思いで見るのかと思う
詳しくは知らないけど、日本人もかなり酷い事をしてきたように思う
親からも学校からも聞かされたことはないが他国の憤りを感じるともう隠しておいてはいけないのではと思うのです
作品の中でドイツ人の女性がこんな事を言っていた
「戦後生まれも当時のことを理解している、過去の責任を皆んなが背負ってる、私は恥じているわ」

ドイツで子供達に当時の事をどのように伝えているのかは知らないけど日本も子供達にしっかりと過去を教えるべちではないだろうか
先人の過ちに何も拘らず知らんふりをしていることはそれだけでも罪のように思います
義務教育のうちに知りたかった
道徳という素晴らしい時間があったのにな

ロードムービーは好きです、旅の途中で多くの人と出会いそして別れていく、旅人も出会う人も少しづつ何かが変化する
そして見つめ合い、気がつき微笑むようなそんな映画が大好きです。
大笑いする映画も好き
心が押し潰されそうになる映画も嫌いじゃない
激怒する映画はあまり
いつも間にか微笑んでいるような映画は大好きで
でわでわ

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カルヴェロ