「それぞれの居場所」アナと雪の女王2 summer2009さんの映画レビュー(感想・評価)
それぞれの居場所
劇場で見逃してしまい、オンラインでリリースされたので、やっと見れました。
アナとエルサが別々に暮らすラストシーンには賛否両論あるようですが、
これにはメッセージが込められているように思います。
1つは、居心地の良い場所は、それぞれ違うこと。
もう1つは、一緒にいることが絆や愛ではなく、たとえ離れていても、絆や愛、お互いを思い合う気持ちは変わらないこと。
エルサは、不思議な歌声に惹かれて、魔法の森に導かれます。それは、エルサの魂が求める場所だったのではないでしょうか。もちろん、エルサにとって、王国は大事で、アナや他の人たちに囲まれ、居心地の良い場所でしょうが、人には誰でも、自分の魂が求める場所があります。それがエルサにとっては、魔法の森。そこが不思議な力をもつエルサにとって、もっとも居心地の良い場所だったのでしょう。
アナは、エルサと違う力があります。それは、大切な人を守ろうとする勇気の強さ。アナの魅力はまさにそこにあります。そして、それこそ、王国を治めるに必要な資質。アナが王女になるのは必然だったと思います。
このように二人はそれぞれの魂にふさわしい場所で暮らすのです。身体的に二人が離れることを恐れる必要はもうありません。肉体を超えて、二人の魂は強く結ばれていることを、この「アナと雪の女王2」の物語の中で、二人は成長し、悟ったのですから。その上で、それぞれの居場所で暮らすことを選ぶのです。その意味でこれは二人の真の自立でもあるでしょう。子がやがて親を離れ、別々に暮らし、自分の人生を歩むように。それでも親子の絆は変わらないように。
そして、居心地の良い場所とは、結婚相手と暮らす場所かもしれないし、一人を楽しむ場所かもしれません。もっともエルサは、アナのようにクリストファーがいなくとも、一人ではないのです。彼女はそれに代わる自分の世界を楽しみ、愛せるのですし、また、アナと心はいつも一緒なのですから。
とても深い物語でした。何度も繰り返し見たいです。