半世界

主人公の父親は、手製の弁当を妻に毎日つくらせ、仕事について妻が口を挟めば「文句があるのか」と怒り、明らかにいじめに遭っている息子を見ても「こんな田舎でいじめなんてあるわけない」と傍観し、妻とのセックス事情を友人たちと酒のネタにする、怒鳴り声だけ馬鹿みたいに大きいクソみたいな男です。

主人公の友人で、戦地帰りでPTSDを抱える友人は、主人公の息子(中学生)に酒を飲ませ、実父に対する理解が足りないと頭を思い切り叩き、息子をいじめている男子中学生たちに「本物の銃を撃ったことはあるか！」などと怒鳴りはじめるクソみたいな男です。いくら心に傷があるからといって、子供に対して大人が振る舞っていい態度ではありません。あ、大人も複数半殺しにしてたけど作中では完全スルーされてました。

主人公の妻は、学校でいじめに遭って、家では父親と衝突し、一時的に家出していた息子のためにつくった夜食のしょうが焼きを、息子が食べている途中で取り上げ、「この意気地無し！」と罵りながらゴミ袋に投げ捨てて「豚のエサにしてくる」とヒステリーを起こすクソみたいな女です。あと、父親が死んですぐに家業を廃業するかどうかの決定権を中学生の息子に委ねるのは、大人としてどうなの？

最終的には息子が父親の職業を継いでたけど、なんの感動もありませんでした。職人気質で不器用な父親だったら、なんでも許されると思った？普通に許さないから。私だったらあんな実家と田舎、速攻で出ていくわ。

全体的に名作の一歩手前の感じは否めないが、見ていて面白かったと思う。
特に自衛隊の沖山、カーディーラーの岩井がいい味を出していた。
炭職人など見ていて引き込まれる要素も多々あり、見ていて飽きなかった。
脇役のキャラも際立っていて面白かった。

しかし最後の唐突感、稲垣のキャラ違い感がどうも後味がやや残る感じ。稲垣と息子の設定をもう少し一工夫あればかなり良くなったような気もする。