「ミーハー受けする娯楽作品」ヴェノム 耶馬英彦さんの映画レビュー(感想・評価)
ミーハー受けする娯楽作品
マーベルの作品はとにかくCGにお金をかけていて、映像と音響の迫力は流石に大したものである。だからなのかわからないが、世界観が子供じみているのがわかっていても、ときどき観たくなる。この映画も予告編のCGがなんとも衝撃的で、観たいと思わせる要素が満載だった。
ハリウッドのB級映画らしく中身のなさ全開ではあるが、定番のストーリーとアクションで楽しめる。世界の構造は不問にして、悪党だけを退治するプロットは、水戸黄門と同じである。水戸黄門が好きな人はこういう映画も好きなはずだ。逆に、水戸黄門が嫌いだという人はそれほどいないのではなかろうか。その辺りは日本人もアメリカ人も同じだろう。ヒーローが庶民の高さまで降りてきてくれれば喝采を浴びせる。要するにミーハーである。本作品はミーハー受けする娯楽作品なのだ。
日曜日のシネコンは着席率が80%以上あったように見えた。子ども連れもいるし、高校生や中学生のグループもいる。いつもだと困ってしまうが、たまには世界の問題を棚に上げて、こういう作品を楽しむのもいいと思う。映画館が混んでいたのは、そう考える人が多かったからなのかもしれない。
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