「わりと好評価!違和感の正体はタイトル?」シュガー・ラッシュ オンライン るいこすたさんの映画レビュー(感想・評価)
わりと好評価!違和感の正体はタイトル?
娘の付き添いで見ました。
前作も、テレビで娘に見させられています。
見た感想としては、わりと良くできてる、ですね。
自分はディズニー映画とか一人では見ようとは思わないので、最初から期待値が低いんですよね。
ヴァネロペとラルフがネットの世界に入っていく珍道中は面白い。様々なパロディに出くわしたり、ネットあるあるをキャラクターに体験させるのは共感できましたし、笑えました。
まあ、娘がどこまで理解できていたのか、プリンセスが出てきたところは分かっていたようですが。
「スローターゲーム」との出会いも納得です。
決められた範囲でしか起動しないアーケードゲームではなく、最近のネットゲームなら舞台が用意されても、バージョンアップされたり、プレーヤーの発想が生きてゲームの幅が広がったりします。ネットの登場でゲーム自体が進化している様子が描かれるのは面白かったですね。
まあ、アーケードゲームも最近はネット化してますからね。その意味ではアメリカには進化から取り残されたアーケードゲームが多いのかなという印象です。
ヴァネロペがこのスローターゲームに惹かれていくのは、仕方ないと思いますね。
例えるなら、単調な“田舎”から刺激的な“都会”に出たいという若者心理。自分は理解できます。自分の力を大きな、自由な舞台で試したいというのは自然だと思います。
ここら辺に違和感を感じている人は、地方都市在住で、田舎の良さを感じている人ではないかと推察します。それはそれで良さがあるので、別の価値観の方は違和感でしょうね。
それからラルフがそんなヴァネロペに固執するのはちょっといただけないですね。
しかも台詞として「ウイルス」を持ち込むと言ってしまっている。これは確信犯ですからね。「ウイルス」なのかどうか分からないネット初心者が持ち込んでしまったようにすべきだったと思います。
またあの増殖するラルフはちょっと気持ち悪い。ネットウイルスの怖さを伝えるためでしょうか?にしても効果的ではない気がしました。
ただそれを差し引いてもこんなに低評価つける?と思う人が多い印象です。
その理由は、タイトルではないかと思います。
これ、原題は「Ralph Breaks the Internet」です。「シュガーラッシュ」とは一言も出てこない。「ラルフがネットを壊しちゃう」って事です。これは、映画の製作者が、シュガーラッシュというゲームの物語の続編だとは見ていない証拠です。確かにキャラクターは同じだけど、シュガーラッシュ自体はネットのダシに使われていて、軸が変わっています。
ところが、日本では「シュガーラッシュ・オンライン」になってしまった。これはシュガーラッシュがオンライン化した物語の場合のタイトルです。見ている人も、前作の続編だという期待を持って、「シュガーラッシュ」の世界観、らしさを求めてしまう。これは失敗だと思いますね。
確かにいきなりラルフと言われても分からないし、せめて「オンライン by シュガーラッシュ(キャラクター)」なんでしょうけど、短く、分かりやすさを求めたのでしょう。そして、違和感が生まれたと。
ということで、わりと良作だと思いますが、邦題を改題したがために違和感と低評価を生んだ可哀想な作品だと思いますね。