「貴方の人との距離感は適切ですか?」シュガー・ラッシュ オンライン りんご大福さんの映画レビュー(感想・評価)
貴方の人との距離感は適切ですか?
今回の作品は全体のテーマは人との距離感がテーマだと思える。誰かの為に何かをするとしてもこちらが良かれと思っても相手に嫌がられたりする。それそのものをテーマにしてると思える。それをネットに置き換えて、現在のネット社会での垂れ流してる誹謗中傷などを「行き過ぎれば道を逸れる」と伝えてるような内容だった。
どんな結末になるにせよ。行き過ぎれば悪になり、立ち止まれば良になる。そう思わせる。ラルフはある意味無知なまま歩き続け垂れ流す悪の権化のような存在に置き換えられ、ヴァネロペはほんの少しの読解力でネットは適切な使い方をすればとても便利になるものと教えてくれる。そこにネットへの距離感や人との距離感の適切な立ち位置をそっと表現してる。
ただ自分としてはヴァネロペの様に「友達なら友達の未来を応援して」という様な友達はいらない。それが間違った事なら正すのも友達であると思える。それは家族であっても適切な距離から逸脱すれば、憎悪が広がり小競り合いが起きてしまう。それが逆にストレスになる以上距離感の見極めが必要だと思う。そこに「大切な人に間違いを正す」行為も必要だと思う。それは別の意味で勇気だと思える。そしてラルフの執着を全て悪と思いたくない。あそこまで憎悪を深めるきっかけになったのはヴァネロペの判断や考えからだと思う。ヴァネロペの事を悪意があるとは思わないが、少し先を見て予想して会話してる部分を見ると自分が選ぶ未来は本当に正しいのか?と考える部分があってもいい気がするが、本人はラルフには悩んでるが、自分の行動の正しさをきちんと見ている姿が見受けられない。この部分が家族の子離れを表してるとしたら…まぁ無くはないが、もう少し掘り下げる必要があると思う。代案が自分自身ない以上ただの悪口の様で悪いが、自分にはこのヴァネロペの判断も考え方も前作から考えてどうやっても、受け入れられずにいる。全体的な作品としてはかなりの完成度だし面白いが主人公達の判断を理解出来ずにいる。新しい未来に行く為に捨てる悲しさを持つなら、人との距離感をもっと離して置けば誰も悲しまないで済んだと思う。ラルフの嫉妬からバグを他のゲームに放つ重みも理解してない。世界が自分達だけの物ではなく誰に影響を与えるものだと思って貰いたいと感じた。
ここまで言ってるとお前は?
と言われそうだが、自分もまた日々試行錯誤し続けてる以上彼等もそうやって徐々に成長しても良かったとも思う。少しずつ考え悩む姿も彼等にはあっても違和感はなかったと思う。ズートピアぐらいの考える力をラルフやヴァネロペにも欲しかった。そして何故彼等の「また来るといい」と言われてるのにその毎日(ゲームの世界)がいいと言う。海外旅行でも毎日なら飽きるのだから、たまに行く方がいいのだから刺激を継続して使わないのだろう。新しい世界に飛び込むのもいいけど飛び込んだ先の未来で失ったものはもう二度と戻らないと知ってて選んだのかと思うが…理解出来ないからこちらが悩むのだと思う。
人との距離感やネットとの距離感はやはり難しいのだと思った。彼等を理解出来たら自分は新しい距離感が見えるかもしれないが、自分にはまだ無理なのかもしれない。