「カツベンって、日本だけの存在だったんですかねぇ」カツベン! お水汲み当番さんの映画レビュー(感想・評価)
カツベンって、日本だけの存在だったんですかねぇ
おそらくは、周防監督の言いたかったこと。
映画は、映像が主人公ではない。むしろストーリーこそが映画の命なんですよという主張だったのだろうと思います。
そのテーマに沿って、ドタバタ喜劇仕立てで作られた作品でした。
無声映画の撮影現場で、登場人物たちが実際に口にしていた珍セリフには驚きましたし、ははぁ、そういう仕組みだったのかと、初めて知って、これはひとつ、驚きでした。
しかしながら、子役たちが下手っピすぎ。
演技と言える水準には遥かに遠く、セリフをなんとか間違えずに言えて良かったレベルの子役たちで、激しくガッカリしたのが事実です。
このため話の前半分にはぜんぜん乗れず、成田サンがお話の中ほどで登場するあたりまで、正直言って星ひとつレベルのつまらなさでした。
成田サンが登場してから、ようやく話は面白くなってくるのですが、それは観てのお楽しみということて。
この映画の中で、日本ではトーキーが始まる以前でも、純粋な意味での無声映画の時代はなかった……という主張が述べられています。
つまり、日本では、無声映画が上映されていても、当てでセリフを演じる活弁という存在がいたからだ、という主張。
これも映画はストーリーこそが命なのだという監督の主張に重なりますが、カツベンって、日本だけの存在だったんですかねぇ。
この点、興味深いテーマですね。
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