焼肉ドラゴンのレビュー・感想・評価
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生きること。生きて行くことの素晴らしさ。
生きるってことを、肯定して、その力強さ、生きてていいんだ、異性を求めることは正しいんだって、後押ししてくれる映画。韓国の人達って、生きる力をあまり隠さない。そこが日本と違って、日本だと奥ゆかしい美しさっていう感覚があるから、あまりあからさまだったり、ストレートすぎると、下品だとか、わざとらしいとか思える人もいるかも。でもそこを乗り越えられれば、この映画が描いているものが伝わる。
生きる力って、愛だなぁと思った。三姉妹それぞれの愛の在り方が描かれて、それぞれに熱い熱い!男女の愛は性愛でもあり、だからエロス的な部分もしっかり隠さず映画の中で描かれてる。静花のスカートをギリギリまでたくし上げて見える足とか、彼女の傷付いた足に哲男が、あつーくキスしてる所とか、梨花のキスの生々しさ、泣いてたぼうやが突然男になる様とか、美花と不倫相手の奥さんとのバトルとか。エロい、と思うと同時に、エロスは生きる力ですっごく大切なんだなって思った。それが人間の自然の姿なんだ。それをそのまま描いてくれてるから、ああ、人を愛するっていいなぁと思いました。
男女の恋愛を経て、やがて家族ができ、オッパとオモニのような家族愛へと変わる。でもしっかり、オモニが、また一人子供でも作るかって言った時、やっぱりオッパとオモニも男と女から始まったんだな、それが連綿と続いて行ってるのが人類なんだな、この映画は日本のある特定の一時期、状況の家族を描いているようでいて、普遍的な家族や、生きるってことを描いているから、世界で共感されるだろうなって思います。
個人的に、静花が自分に縋り付いて来る愛しい男を、理性で拒絶しようとしてもどうしてもできなくて、最後どうしようもなく抱きしめる所が大好きです。良かった。ほんとうに良かった。人間は、本能の声を無視して生きてはいけません。誰にもそれを止める権利はありません。
焼肉ドラゴン
見終わって最初に感じたのは…とにかくうるさい映画だなぁ。
見ている方からしたら、そこまで騒ぐことか?と疑問に思ってしまうシーンが多かったのが、正直なところ。そのため、ストーリー展開がかなり遅く見えてしまった。
1つのシーンを長回ししているのも特徴的。感情移入できた時は非常に効果ある演出だと思うが、前述の通り、?がつくシーンでの長回しだったので間延びしてしまった。
出演者に関しては、皆良かった。
ただ泣かせよう泣かせようという言い回しや、同じ台詞を繰り返してヤマを作ろうとしている部分が随所に見えてしまい、全体通して個人的は冷めてしまった。
☆☆☆★★★ 簡単に…。 予想外の良作で、セット美術等は細かなとこ...
☆☆☆★★★
簡単に…。
予想外の良作で、セット美術等は細かなところで素晴らしいのだが。登場人物達が特定の人達しか登場しないのは、やはり元々が舞台劇だからだろう。
その為に、この家族以外に住む長屋の人達の生活感が無いのが、何とも勿体ない。
日本に住み生活して行かなければならず。在日として生きて行く辛さは痛いくらいに伝わって来る。
とは言え、普通の日本人がそれを思ってもなかなか在日の人達からは理解されないのかも知れない。所詮は他人事だろ?…と。
映画として観ると。泣く・喚く・叫ぶ…と言った、韓国映画を観ていると(何となくのイメージだが)必ず作品中に入って来るキーワードが絶えず画面上に起こるので。それに耐性が無い人にはちょっときついかも知れない。
出演者は全員が好演。特に心情が内容とリンクし易いのか?韓国人俳優達の演技が心に染みる。
初めて画面に井上真央が登場し、大泉洋と演技バトルを繰り広げた時に「おっ!遂に覚醒したのか?」と思わせてくれた。
最初の演技が素晴らしかっただけに。その後、良いのだけれども突き抜けるところまで行かなかったのは、ちょっと惜しかった。
「小川ローザのパンツよりも好きだ!」
↑ これ最早分かる人が少ないかもね〜( ;´Д`)
2018年6月24日 TOHOシネマズ府中/スクリーン8
感情移入が難しい・・・・
舞台となった時代、小学校の低学年でした。
当時、大阪の某所に住んでいたので、似たり寄ったりの場所が近くにありましたが、とてもじゃないけど近寄れる雰囲気でもないし、行ってはいけないって言われてました。
そう言われると行ってみたいのが、子供心・・・^^;;;
一度、友達数人と潜入しようとして、凄く怖い場面に出くわし、ドヤされた事を鮮明に覚えてます。
数年後、映画のように更地になり今ではその面影もなくなってます。
人間味溢れる作品ではありますが、どのキャラクターにも感情移入が難しいってのが感想です。
☆2.5
面白いがウェット過ぎる
確かに面白いが、なんといってもウェット過ぎる。
原作・脚本・監督を兼ねられてあるということで、コレが本当に作りたかったものなのだろうが、元が舞台らしい狭い世界の中で泣かせる方へ泣かせる方へと誘導するのはいかがなものか。
役者はみな良かったが、中でも両親を演じたキム・サンホとイ・ジョンウンが素晴らしい。はじめは、いくらなんでもここまでカタコトで良いのか?と思わせられたが、存在感の勝利。
さわがしかった…
当時の在日朝鮮の人たちの事情がわからなくもないが大泉洋と真木よう子と井上真央の関係にどうしても同調できずただただ騒がしい舞台風映画になってしまった。
家族のあつい絆は伝わってきたし感動もしたんですけどね。
井上真央、久しぶりの登場は大満足でした。
働いても働いても、、、てとこは同情するが。
アボジとオモニの演技がたまらなく良かった。
だけど、哲夫はどうも受け入れられない。大泉洋が演じているからどこか許してしまいそうになるのは罠で、彼は働くこともせず愚痴ばかり。嫁の実家でブラブラしてるだけのくせに、静花への未練、婚約者へのやっかみ、おそらく無銭飲食。「俺がいつお前みたいに浮気した?」と突っかかるが、御立派な体をしていながら働かない方が、この立場の場合はロクデナシでしょう。「世間一般連れてこい」だって?そこ不法占拠なのになんで正義漢ぶれるの?その前にせめて一人前の男らしくしろって。しまいには、嘘にまみれた楽園”北”に向かうなんて、行く先に不安と憐れみしか感じない。道連れにされた静花が可哀そう。(それとは別に真木よう子の関西弁の酷さには参ってしまったが。)
アボジとオモニ、それと時生。この三人が抜群に良いだけだった。
良かったなぁ
60年代の終わり、世は高度経済成長期を迎え、明るい時代を期待させる時期。バラックの立ち並ぶ在日韓国人街の隅にある、小さな焼肉店。焼肉といっても狭い店に座敷と小さなテーブルを並べたホルモン焼き。仕事にあぶれた近所の常連が集う、寄り合い所の体だ。ほとんどのシーンがこの店の中と前で展開される。
少年のナレーションから始まり、そこで暮らす夫婦と、娘3人と末っ子の息子の、厳しく懐かしい日常の物語が綴られる。歴史と政治的な話になると、なんか生臭くなってしまう題材を、彼らの生活として違和感なく描いていて、すんなり入れる。
それぞれが、様々な問題を抱えながら、涙あり笑い人生を生きている様を、活き活きと描いている。真木よう子、井上真央、桜庭ななみが雑然とした海街ダイアリーのような個性的な姉妹を見事に演じた。大泉洋がアクセントを入れつつ、とても厳しい環境の中、娘たちの恋愛模様を縦糸に、問題を抱える末っ子と、それを支える両親を横糸に、全く飽きさせずに、ラストまで持っていく。派手なところもなく、奇もてらわず、ここまで練られた物語が素晴らしい。
キム・サンホ演じる寡黙な父親が、訥々と語る昔話やある事件で感情を爆発させるシーンが、心に残る。楽しいながら、ジーンとさせる映画。
なぜ、日本で生きるか
日本から祖国に帰ろうとして帰れなかった後悔があり、働いて働いて家族を養ってきた父とその家族、家族を取り巻く人々。
あれもこれも詰め込み過ぎたような感じがするのと、いまだに続いている差別という悲しい現実。当事者にしかわからない難しい感情があると思う。哲男としずかが「北へ行く」というのは辛いなぁと思った。
キムサンホさん、良かった!
毎日、良くも悪くも賑やかな
「焼肉ドラゴン」
ケンカしたり仲直りしたりドタバタで
こんな
時代があったのかな?と思った。
大泉洋さん演じた哲男がすぐ怒るしすぐ人の
気持ちに踏み込んできて
好きになれなかったな…。 三姉妹はそれぞれ個性があって
すごかった。
キムサンホさん演じるアポジ・龍吉さんの
家族愛にすごく暖かくなった。
イジョンウンさん演じるオモニ
もキャラがすごく良くて
強烈でした!
怒って
モヤシなげつけたり。
現代の家庭とはかけ離れた家族
でも強烈な愛が伝わってきた
映画でした。 「焼肉ドラゴン」のタイトルからは
想像できない感動があります!
力強い映画
力強い映画、力強い物語だ。監督・スタッフ・俳優たちの思いが、怒りが哀しみがビンビンと伝わってくる。たしかに、展開がリアリティから少しそれているのではないかと思わせるところはある。最後の方はまとめすぎのきらいはある。でもそんなことも、この映画の持つ力強さは、それがどうした、これが映画だ、これが表現だとねじ伏せる。
父親役のキムさんの、悲しみ、哀しみ、苦しみに、仁王立ちで無言でカッと眼を見開いて対峙する静的演技、母親役のイさんの感情の爆発と健気さ、長女役の真木さんの、抑えよう抑えようとしてもなお溢れ出てしまう感情の表現。必見です。
私は昭和37年生まれで、大阪で生きてきた人間です。差別を少し知る人間としては、いたたまれない映画でもあった。特に長男の置かれた状況の救いの無さはつらく、スクリーンに飛び込んで、なんとかしてあげたかった。
国籍を超え皆んな仲良くしたいね。
演劇の映画化と聞きましたが。
作品自体も演劇的で激しい口論のシーンが多く、役者の演技力のばらつきが気になりました。
テーマが重いだけに演劇のうわべだけさらった印象が残り、映画ならではの意義が薄い所が残念。
時代に翻弄される在日韓国人一家の生きざまを知る事が出来た事はよかった。国籍を超え皆んな仲良くしたいね。
井上真央の演技が素晴らしかった。
好き嫌いは分かれるかも知れませんが、凄い作品であることは間違いありません!
時代は大阪万博で関西全体が湧いていた1970年頃。大阪伊丹空港近くの国有地に出来たバラック集落で、焼き肉店を営んで生計を立てる在日コリアン龍吉・英順夫婦とその子供達の悲喜こもごもの生き様を描く。貧困・差別の問題もあり、なかなか扱いが難しい作品だったと思うのですが、敢えて彼らの日常生活をストレートに見せることで、あの時代、ある意味最も虐げられたいた彼らの悲哀と逞しく生き抜く姿がとても印象的でした。日本の役者さんも韓国の役者さんも本当に真に迫った演技で感動的でした。私自身、ほぼ同時代を阪神間で過ごしておりましたので、在日コリアンのクラスメートとの交流など思いが重なる部分が多く、心に残る作品となりました。あの一家の行く末は作中では語られていませんが、幸あれと祈る気持ちで一杯です。
花火のシーンが印象的
1969年(昭和44年)から1971年(昭和46年)の関西を舞台にした在日韓国人一家の物語。ウトロを連想させる不法占拠の在日の部落、北朝鮮への帰国運動、就職差別、学校でのいじめ、済州島での四三事件、芸能界に活路を見出す在日、等々、在日をめぐるいろいろなキーワードをミックスして一家の問題として描いている。
「血と骨」のようなえげつなさは薄く、「月はどっちに出ている」ほどの軽妙さもない。ちょうど適度な重さで在日の世界を描いていてよくできた作品だと思った。
舞台の映画化ということで、少し舞台的すぎる演出や世界の広がり方が気になったが、それを差し引いてもいい作品だった。(舞台中継はずいぶん前にテレビで見たが、よく覚えていない。)
ラスト近くの花火のシーンがいい。花火を写さず花火を描くシーンは、たまたま「万引き家族」でも使われていたが、この映画でも効果的だ。どちらの映画でも花火を美しいと言いながらも、自分たちは楽しめない。格差の象徴が花火なのかもしれない。
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