「X-MENファンだからこそ厳しく評価します」X-MEN:ダーク・フェニックス とあさんの映画レビュー(感想・評価)
X-MENファンだからこそ厳しく評価します
※長文です。
小学生の頃からX-MENシリーズが大好きで、シリーズは何度も見返して自分でもオタクだと思うほどのX-MEN好きです。
長年のファンだからこそ厳しく言わせてもらいます。
とてもつまらなかった。
良かった点と指摘するポイントと挙げると沢山ありすぎるのですが冒頭から巡っていきます。
・X-MENシリーズにはオープニングの音楽があって、その音楽が終わったらセレブロの入口が開いて映画が始まります。今回はそれが無かった。なきゃいけないという訳では無いけれど、シリーズの完結モノならあった欲しかった。
・チャールズが昔から描いてきた人間とミュータントの共存が、この時代には叶っていることを表していたのは良かった。宇宙飛行士達がピンチになったとき、大統領から直前頼まれるほどの信頼を得ていて良かった。
・宇宙飛行士達を助けるためにX-MEN達が向かうが、ミスティークが仲間の能力やその力の強さなどを理解して指示しているのがかっこよかった。
・けれども、その彼らの能力の見せ方が下手だと思った。この作品はX-MENを知らずに見に来た人も大勢いるだろう。もう少し1人ずつ能力を見せるシーンがあるべきだったと思う。
・宇宙飛行士の隊長が取り残され、チャールズは助けろと命令する。危険が迫っていて、自分1人だけ安全な場所にいる状態で、仲間を犠牲にしてまでも助けようとする彼が信じられ無かった。シリーズを通して思うが、彼はそんな仲間を犠牲にする人ではない。相当悩むシーンがあればいいが、あっさり「助けろ」って言って「あれ?」って思った。
・宇宙から戻ってきて、ファン達が囲んで声援を送っているのは感動した。チャールズの長年の夢が叶った……と古参は涙しました。
・一方で宇宙人?が飛来して地球人になりすまし、地球に危機が迫っていることは分かった。
・ジーンが暴走し始め、実家に帰る。「私の写真がない」と秘密に気付いて行く。父親が捨てたと知るけれど、あの事故で確かに父親は奥さんを亡くして悲しかったと思うし恨む部分もあると思う。だからって人に譲って、ジーンを最初から無いものにしようとするのは信じられない。
・ジーンはその秘密を知り、チャールズが嘘をついていたと恨むけれど、そんな短絡的な……と思ってしまった。どう考えてもチャールズは守ってくれたんでしょうよ……。
まぁそうしないとストーリーが進まないのでしょうがないと思うけれども。
・X-MEN達が到着して、闘いになるけれど、ミスティークの死は残念すぎた。正直に言って彼女は戦うための能力じゃないし、なのに前線に立ってジーンを説得しようとしたのは凄いと思う。
・ピーターは一瞬で素早く動ける能力を持つから、その分もう少し見せ場が欲しかった。カートの瞬間移動ばかり見せ場があったような気がする。
・結局ミスティークは亡くなってしまったけれど、チャールズと喧嘩したまま死んだのはあまりにも酷い。チャールズとミスティークは古い友人で、心から信頼し合っていたのに。
・学園に帰りハンクはチャールズを責めるけど、その責め方も今までのハンクじゃない。まずはジーンを助けられず、ミスティークを亡くしてしまった自分の無力さを責めるはずだ。本当に責めるべきは、あの時点ではジーンのことだと思う。なのに逆恨みしてチャールズを責め立てるのは彼らしくない。
・ジーンはエリックのところに向かうが、結局は言い合いになりジーンを捉えようと部隊が到着。そこでエリックが人々を逃がしたのがカッコよかった。罪のない人々を犠牲にしてきた過去を持つ男が、正義に傾いた瞬間だった。
・ハンクもエリックのところに向かい、共にジーンを殺そうとする。ミスティークが死んだと聞いた瞬間のエリック、本当に演技が上手くてこちらまで泣けました。
・謎の女はジーンに近づき、彼らの目的を見せたけれど、それで信じるジーン軽いな、と思った。少しは疑っておくれよ。
・エリックとハンクvsX-MENで戦うシーン。チーム戦を活かした共闘というものが少なく、個々で戦ってる状態。ファーストクラスのようなチーム戦が見たかった。
・ジーンが無理矢理チャールズを歩かせるシーンは良かった。動けない足が久しぶりに地に着いた瞬間がリアルで、チャールズの表情も苦痛が伝わってきて良かった。
・騒ぎのせいでミュータント達が捕まって、謎の生命体達が電車を取り囲む最後の戦闘シーン。ここも他のシーンと変わりなく、各々が持つ能力を発揮するだけ。能力同士の助け合いや共闘が見たかった。
・ジーンが謎の生命体や謎の女を倒すシーンも、スローモーションばかりで飽きた。スローで塵になっていくだけ。まぁジーンが強すぎてそれしか出来ないんだろうけど、X-MEN達は見てるだけで悲しくなってしまった。
・ジーンは死に、物語の終わり間近。エリックがチェスボードを持ってきて、半ば無理やりにチェスを始める。そのシーンはシリーズの初めから見ている人にとって最高のものだった。X-MENシリーズ全てを通して、エリックとチャールズがチェスを楽しむ様子があったからだ。それを今回最後に持ってきたのは良かったと思う。
以上、ここまでがストーリーの流れに思った評価できるポイントと指摘するポイントでした。
全体的に戦闘シーンが甘く、同じような動きばかり。
X-MENは全体的に暗いが、それを守っていたのは良かった。変なギャグに走らないのが高評価。
X-MEN ヒューチャー&パストで描いたようなピーターのシーンが欲しかった。全てが止まって見えて、ピーターだけが自由に動き回るシーンが物足りなかった。
ジーンがミュータント社会に与えた影響を、最後に教えて欲しかった。ジーンによってミュータントは恐れられる存在に変化したのか、それともジーンが自らの命を経ったことでミュータントの評価は元通りになったのか……。そこが疑問に残りました。
あと、ピーターとマグニートーの親子設定はやらないんですかね???そこはすっかりスルーされ、しかもピーターは後半出てこないというあまりに残念すぎる結果です。
つらつらと厳しいことばかり書きましたが、私は本当にX-MENが大好きです。
大好きだからこそ、この作品を最後にして欲しくなかった。もう少し頑張って欲しかった。
この作品が大好きだと思った人にはお目汚しして申し訳ないです。
読んで下さりありがとうございました。
今DVDでやっと観ました
まったくその通りだと思います
本当にこれが最後かと思うと残念でならない
ウルヴァリンは「ローガン」で個人的には最高のラストを迎えたのに、時系列までメチャクチャにされた気がして😭
C~零~Z偉.さん
コメントありがとうございます。
ブライアン・シンガー監督のときも、アポカリプスは確かにセレブロでは無かったですね!その分、いつまのテーマソングがあったので興奮しました。
あとファーストクラスもコインのXから始まったので、全てがセレブロでは無いですね。
けれど、今回はシリーズの最後ということもあって期待していたのですが……残念です。
戦いが終わったあともエリックとチャールズの描写だけで、市民がどう動いたかシーンがなくて物足りなかったです。
じゃがりこさん
コメントありがとうございます。
私が洋画を好きになったのはX-MENのおかげなので、そう言って頂けて嬉しいです。
噂では予算の都合上あれ以上ピーターを出演させられなかったらしいです……(あくまで噂ですが)
ずっと温めてきたネタだったのに、結局は親子関係が無いもののように扱われてとても残念でしたね……
とあさん、X-MEN好きがすごく伝わる文章ですね。素敵です。
ピーターはスケジュールの都合上出ることが出来なかったのかと思うくらい出番が無かったですね。エリックとの親子関係が全く触れられず残念でした。
tamaminさん
コメントありがとうございます。
X-MENはヒューチャー&パストでは別の未来が生まれており、2つの世界はどちらも存在していることになります。
私は監督ではないので正解は分かりませんが、過去を変えたからといって未来が変わることは理論上ありえないんですよね…。
タイムリープものによく使われる「過去を変えると未来は変わる」というのは本来違います。
ですので新しいX-MEN軸の恵まれし子らの学園は無くなり、しかし以前のX-MEN軸では恵まれし子らの学園は存在する、ということになります。