バッド・ジーニアス 危険な天才たちのレビュー・感想・評価
全198件中、81~100件目を表示
貧富の差が激しすぎるタイ
『ザ・カンニング』は完ぺきなコメディだったけど、このタイ産の作品は青春モノ。自分のカンニング経験といえば、大学時代の第二外国語。フランス語なんて2年間でちょこっと勉強したくらいじゃ何にもならないと思い、ついカンニングを・・・というか、真面目な女の子が模範解答を全員に回してた・・・今思えば大胆!懐かしい。
さすがに国際的な試験で大がかりなカンニングするのは倫理的に許せないし、高校時代の可愛いくらいのカンニングシーンだけは良かったと思う。ピアノ曲を弾いて、その指使いで4択マークシートを埋める作戦。しっかりと4問中3問までしか教えないという徹底ぶり。それなら個人的に勉強教えて授業料貰った方がみんなのためになるのになぁ・・・などと、しっかり試験監督目線で観てしまいました。
貧富の差をもっと描いてくれれば良い作品になったであろうに、ちょっと勿体ない気もする。ハラハラさせる展開は面白いし、映像、編集などもしっかり作られてます。初めての海外オーストラリアに二人で行っただけでもいい思い出になるだろうな~恋愛ものに発展するかと思いきや、金にこだわる男になってしまったバンクの姿もなかなか現実味があって良かった。
教育という一大ビジネスの可能性と闇
予告編でカンニングサスペンスというのは見聞きしていた。
オープニングすぐ、主人公リンが合せ鏡に写る姿が映され、尋問を受けるシーンが描かれて物語が始まる。尋問らしく、その室内は暗く、重苦しい雰囲気が漂っている。
この尋問は、カンニングがバレたから?と不安に駆られるが、尋問される登場人物たちは皆一様に強気な姿勢だ。
尋問の真意は分からぬまま、リンたちの学生生活が映し出され、消しゴム、指使い、スマホを巧みに扱いつつ、スリリングなカンニングシーンがとてもハラハラさせられる。
リンの秀才さはわかっていつつも、やはり行為のリスクの高さは明白で、用意周到なリンたちの完璧さと閉ざされた静寂な試験室で巻き起こる熱量の高い(実際額に汗している)カンニングスペクタクルに息を飲んだ。
そして、その合間合間に、例の暗く恐ろしい尋問シーンが挟まれるのだ。
1人の友人間で始まり、クラスのほぼ全員がリンをカンニングしているという一種のカオスと化した空間は異様に映った。
学歴社会の中で、同じ土俵に立っているが故に成り立つカンニングビジネスを始めた。"教育"は経済学上では便宜上、投資ではなく、消費の部類に入るらしい。つまり、カンニングも勉強を教えることでお金を得ることも、目的が"試験に受かること"のみであれば、大雑把に見れば一緒と言えてしまうのかもしれない。
リンと同級生で正義感が強い秀才バンクは、リンの回答をカンニングする友人を告発し、リンの海外留学の資格を剥奪してしまった。そんな彼自身も、海外留学の試験前日に襲われ、試験を受けられずどん底に陥る。
そして、リンからの誘いでカンニングで教える側としてリンと組むことになるが、バレて捕まってしまう。
その後、リンと再開した彼は随分と人が変わってしまって、リンを失望させる。
ここで、オープニングとは対照的な清廉潔白の象徴のように白一色の部屋で、リンが大学の希望学部を語っている。
カンニングに懲りたリンがバンクに見たのは、カンニングを始めたころの自分だったのかもしれない。
全篇を通して、スリリングにあふれ(シャー芯がなくなることですらこんなにハラハラするなんて)、またリンとバンク、友人たちの絆や裏切り、ゲーム理論的要素も組み込まれ、行為としては大きいものではないが、世界を股にかけた世紀のカンニングスペクタクルが、新鮮で斬新でとても楽しく仕上がっていた。
初タイ映画
二本立て一本目。タイ映画?おもろいんかいな?めっちゃおもろかった。...
クライム・カンニング
シャーペンの芯の出し入れ、マークシートの塗りつぶしなどをスタイリッシュに写し、試験管の目を反らし欺く行為、コミュニティ内独自のハンドサインなど「集団強奪」映画のような鮮やかなカンニング行為が全般の白眉。
時には不正行為が発覚しそうになるも臨機応変に対応し回避するスリリングなシーン。試験現場に適した状況の打ち合わせなど映画的誇張であろうが、考え抜かれた脚本が見事というしかない。
カンニング首謀者である主人公リンが抱える家庭の事情や、各々キャラクターが抱える問題にスポットを当てている箇所もまた見所だ。
学歴社会であるタイの社会情勢、普段日本人では知り得ないシビアな競争社会を覗くことができる。
騙すか、騙されるか、カンニングを題材とした、高校生版「 Mission in possible 」といっても過言ではない。
悲しい
リンが悪い方向にバンクを変えてしまった
あんなに正義感に溢れて実直だったのに…リンと金持ちの友達に人生を狂わされて…あんなゲスになるとは
悲しい映画
リンは最後全てを告白する
タイ映画初めてみたけど、みんなが言っているようにスリリングなカンニング劇と社会派映画
誰も幸せにはなれません
後半まで我慢…
前半のカンニングキャッキャ時間はほんとに苦痛…。
そもそも他力本願で金で解決する輩が生理的に苦手なので映画だとわかっていても胸糞悪くなった。
ただグレースの自分の可愛さわかってるし、それにお金をプラスすれば最強でしょ♡って演技はとても上手。(死ぬほどムカつくけど。)
ピアノの鍵盤カンニング方法も物理的に無理でしょ。
でもこれが後半に効いてくるんだけど、それでも冷めてしまう…。映画だから、映画だし…と我慢した結果!!
後半の時差を使ったカンニング開始からの、バレちゃうからの、地下鉄まで追跡、まではハラハラする!
ここまで見る価値ないわ、とすら思ったけど急に面白くなった!
最終的に、正義感も優しさも実直さもピカイチだったバンクが悪事に目覚め、頭の良さをそっちに使おうとしてしまうのが悲しかった…。
こんなことになったのも、全てリンが始めたこと。
最後の告白シーンで、バンクのことをちゃんと説明してバンクが名門大学に進学できましたーってなってるといいな。
スピィーディな展開
世の中は、絶対に不公平だ。
バカだけどいい学校に行けて
いい会社に入れる。
家に金があればな
勉強ができても金がなければ
冷や飯を食わなくてはならない。
リン役の方が脚が美しく
魅力あるね。
新鮮な驚き
カンニングは割に合わん
前半は、カンニングと言う
どう見ても悪い行為を正当化するような作りで、
いやいや熱弁されても騙されんぞ!
と思ったけど、
全体的に観て、カンニングは悪、
裁きが下るし、どれだけお金を積まれても割に合わん
と言う作りになってるので、まぁまぁ楽しめた。
主人公がどのテストも満点取らないと無理な話じゃ
ないか?とかよく見たら突っ込みどころ満載な
気もするけど、
最後の試験での、やり過ぎでしょ!と思うくらいに
次から次へと災難が振りかかってくる作り、
物蹴って足を引き摺るとか、そこまでやらなくても
と言うドラマを盛り上げる演出は勉強になった気もする
オチはとても良かった。悲しいけど、
交わらない二人の想いが青春だなぁと感じた。
たぶん観た人全員が思ってると思うけどグレース役の
コが超可愛い。
微妙…
カンニング:インポッシブル
2014年、中国で実際に起きたカンニング事件を題材にしたタイ映画。
タイ映画ってあまりイメージ沸かないが、これは面白かった!
劇場公開時の口コミ評判の良さから密かに期待していたが、期待を上回る面白さ!
教師の父親と二人暮らしの天才少女リンは、特待奨学生として名門進学校に転入。
勝ち気な性格でなかなか友達が出来なかったが、フレンドリーだがちと勉強が苦手なグレースと仲良くなる。
あるテストの時、困っていた彼女を“助けた”事をきっかけに…。
カンニング大作戦①
消しゴムに答えを書くという、誰もがやった事のあるカンニングの定番。(←あるのか?)
巡回する先生の監視の目をすり抜け、靴に答えを書いた消しゴムを入れて後ろの席の友達に渡そうとするが…。
友達を助けるほんの出来心だった。
しかしこれをきっかけに、ディープなカンニングの世界へ…。
グレースの金持ち彼氏から、“カンニング・ビジネス”を持ち掛けられる。
当初は渋るが、たんまりの報酬を条件に引き受ける。
次なる作戦は…
カンニング大作戦②
中間テスト。
密かにカンニング・ビジネスが知れ渡り、“生徒”が増える。
複数にカンニングさせなければならない。
そこで考え付いた方法は…
ピアノの手の動き。
答案はマークシート。
ある手の動きならA、別の手の動きならB…と覚えさせ、リンの手の動きで合図する。
が、ここで問題発生。
テストは2種類。皆、受けるテストはそれぞれ。
試験時間も限られる中、天才少女リンは機転を活かし、これを切り抜ける。
このカンニングを見抜いた者が居た。
リンと同じ特待奨学生の秀才、バンク。
真面目で不正は許さない。
リンらのカンニングを告発。
リンは奨学生を取り消しに。
やっぱり、やるんじゃなかった…。
しかし、再びグレースとその彼氏からビジネスを持ち掛けられる。
グレースと彼氏は、アメリカへ留学する為に各国で一斉に行われる“STIC”を受ける事に。
リンの協力ナシでは合格は不可能。
先の中間テストで痛い思いをし、当然乗らないと思われたが…、リンは引き受ける。
更なる莫大な報酬もさることながら、一度ハマったカンニングの世界からは抜けようにも抜けられないのか…?
だが、今回のテストは世界的なものなので、監視も当然厳重。これまでの比じゃない。
この“超難問”にどう挑むのか。
リンは、ある大胆な作戦を思い付く。それは…
カンニング大作戦③
世界で一斉に行われるテストだが、時差の関係で何処よりも早く行われる国がある。
シドニー。
時差は4時間。
リンがシドニーに行ってテストを受け、答えを暗記し、あらかじめトイレにスマホを隠しておいて、テストの合間の休憩中に答えを連絡する。
でも、さすがに一人じゃ不可能。もう一人、同じレベルの天才の協力が必要。
そこで白羽の矢が立ったのが…
自分に苦渋を舐めさせたバンク。
勿論バンクは断るが、グレースの彼氏がある卑劣なやり方で仲間に引き入れる。
はっきり言って、皆自己チュー。
でも、やるしかない。
リンとバンクはシドニーに赴き、グレースと彼氏も準備万端。
いよいよ、史上最大のカンニング大作戦が始まった…!
とにかくこのカンニング・シーンが、ハラハラ、ドキドキ、スリリング、緊張感、緊迫感…どんなに該当する言葉を並べたって足りない。
最近見た映画の中でも随一!
自分たちもテストに合格しなければならない。
と同時に、正確な答えを連絡しなければならない。
休憩の度にトイレに少々長く籠る。
やはり、疑いの目が…。
遂には、バンクが…。
テストのプレッシャー、カンニングのプレッシャー、グレースたちから答えの催促、孤立無援…。
本当に目が離せず、グイグイ引き込まれる!
このカンニング大作戦の“答え”は…!?
キャストでは誰よりも、主人公リン役のチュティモン・ジョンジャルーンスックジンの、凛とした魅力と好演光る。
全くの無名、初めましてだったが、要注目!
演出、脚本、映像、編集、音楽、音響に到るまで、洗練されたセンス。
監督ナタウット・ブーンピリヤの手腕は見事!
本作から見えてくるのは、学歴社会の国の実態。
学歴が全て。物を言う。
それがかえって学生たちの重荷になる。
不正を産み出す。
それを通じて浮き彫りにされる、格差、校内ヒエラルキー、受験戦争…。
各々何かを背負っている。
思惑や駆け引き。
シリアス面だけではなく、学園コメディ要素や青春、友情、淡い恋…。
それらも巧みに織り交ぜた。
カンニングを題材にしても、決してそれを肯定して描いてる訳ではない。
カンニングは不正。
得たもの、失ったもの…。
罪を認め、告白し、ほろ苦くも、爽快ですらある。
カンニング・シーンはクライム・ムービーか『ミッション:インポッシブル』のような大作戦、
センスは『ソーシャル・ネットワーク』のようなスタイリッシュさ、
ティーンの葛藤や社会派テーマ…。
第一級のインテリジェンス・エンターテイメント!
全198件中、81~100件目を表示